COP13/CMP3通信No.3
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Kiko COP13/CMP3通信 No.3 ◆バリ◆
2007 December 11
http://www.kikonet.org/
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気候ネットワークは、地球温暖化対策に取り組む市民のためのネットワークです。
「Kiko」は、温暖化問題の国際交渉の状況を伝えるための会期内、会場からの通信です。
○Kikoバックナンバー、PDF版はこちらから
http://www.kikonet.org/theme/kiko.html
○気候ネットボランティアによる、バリ会議滞在記はこちらから
http://www.kikonet.org/blog/journal/
Kiko COP13/CMP3通信 No.3 ◆バリ◆
2007 December 11
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■COP決議案、これを強化する合意を!
非公式会合を経て、9〜11日にかけて、条約の下で新しく作るプロセスについてのCOPの決議案、議定書の下の先進国の削減義務の交渉(AWG)の決議案、京都議定書の見直し(9条)に関する決議案がそれぞれに出された。次期枠組みのプロセスについて本格的な交渉が始まったことを歓迎したい。明るみに出た土曜日の時点のCOP13決議案は、議論のベースとしてまずまずのものだった。
中でも、COPの決議案では、「附属書?9q!J@h?J9q!K$O?2020年に1990年比で25〜40%削減が必要で、世界全体では今後10〜15年の間にピークを迎え、2050年には2000年比半減以下の非常に低いレベルに削減しなくてはならない」ことを明示している。
これは、IPCC第4次報告書が明らかにしたことを根拠に、気候変動を回避するためには、緊急に大幅削減が必要であるということを示したものである。これらの数字は、2年間で作り上げる次期枠組みが、どこに向かっていくためのものかをはっきりするために非常に重要な言及であり、バリ・ロードマップでしっかりと位置づけておかなければならない。一方、先進国の緩和策に関して、「削減」「義務」などの言葉はなく、「数量化された国別排出目標」という、なにやらあいまいな、アメリカに配慮した形のものとなっている。アメリカが反対するからと、京都議定書に批准している他の先進国まで一緒になって弱める必要はないだろう(それとも、やはりアメリカに便乗したいというのが本音?)。
重要なのは、先進国が今後、より大きな削減義務をしっかり負うこと、そして、主要な途上国も具体的な行動に踏み込むことだ。そのためには、IPCCの科学者たちのメッセージを真摯に受け止め、そこが指し示す方向に向かって、手遅れにならないような合意にしなくてはならない。奇しくも、昨日は、ノーベル平和賞の授賞式。アル・ゴア元米副大統領とパチャウリIPCC議長は、これからバリへやってくる。彼らがここへ来て、ガックリ肩を落とすようなことがないようにしてもらいたい。
■バリの会議場から:ノーベル平和賞の受賞、おめでとう!!
交渉が激しくなってきた2週目の10日の夕方、バリの本会議場の大きなスクリーンには、ノルウェーのオスローから、ノーベル賞の授賞式の模様がライブ中継された。2007年度のノーベル平和賞は、国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」と、アル・ゴア米前副大統領に授与されており、今日はその授賞式だからである。多くの政府代表団、NGO、プレスらは、交渉を中断してその模様を見守った。
ノーベル賞委員長が、受賞の理由をまず説明、続いて「温暖化を無視することは、罪である。美しく脆い地球の明日は、私たちの手にある」とバリで行われている国際交渉へ強いメッセージを発すると、バリの会場にも大きな拍手が沸き起こり、スクリーンに大写しになったIPCCのパチャウリ議長とゴア氏に向かって、カメラのフラッシュがあちこちに光った。地球の反対側にあるノルウェーから、インドネシアのバリにいる交渉団は、ダイレクトにメッセージを受け取ったのである。
ところが、IPCCがノーベル賞を受賞した日に配布された、京都議定書の先進国の削減義務の交渉(AWG)テキストのドラフトから、IPCCの言及が落ちた。今回の交渉でもっとも大切なIPCCからの引用である「IPCCによると、先進国は、2020年までに1990年レベルから25%〜40%の範囲で排出を削減する必要がある。そしてこれから10〜15年の間に、世界全体の排出はピークを迎えて、2050年には2000年よりも半減以下に減少されるべきである」という言葉がなくなったのである。2013年以降の枠組みの話し合いの基礎として、最も大切な科学の言及を、よりによって、IPCCのノーベル賞を受賞した日に「落とせ」と強く主張している国は、科学を無視し、人類の明日を全く省みない国といっても過言ではない。そこには、日本も含まれているのだが・・・
■今日は、京都議定書 10才の誕生日!!
本日12月11日は京都議定書採択からちょうど10周年。この記念すべき日に、鴨下環境大臣がバリに到着されています。18:30からは、会議場となっているウエスティンホテルのプールサイドで、気候ネットワークをはじめとする日本のNGO主催、そして、気候変動枠組条約事務局(UNFCCC)共催の、京都議定書10周年記念パーティーを開催します。スペシャルゲストもお祝いに駆けつけてくださいます。
■日時:12月11日(火)18:30〜
■場所:ウェスティンホテルのプールサイド
■スペシャルゲスト
初代UNFCCC事務局長のマイケル・ザミット・クタヤール氏
鴨下一郎環境大臣
モルジブ環境大臣、外務大臣
国連事務総長の藩基文氏、など
また、気候ネットワーク浅岡美恵代表、藩基文国連事務総長、そして、ユースグループによる京都議定書引継ぎ式や、モルジブの歌手による「気候の歌」の披露もあります。
みんなで、京都議定書の10才をお祝いをしましょう!
★フリードリンク&フード★
■洞爺湖サミットで セクター別アプローチを提案!?
10日、日本政府は「北海道洞爺湖サミットへの道:2008年G8サミット議長国からのメッセージ」と題するサイドイベントを開催した。イベント案内には「ボトムアップアプローチのセクター別アプローチと2013年以降の枠組みのリーズナブルな指標の統合への日本提案」とあり、さらに、実際的で、効率的で、衡平な行動・・とある。立ち見が出るほどの盛況だったが、先進国の削減義務の深掘りとどう整合するのだろうと、率直な疑問からの参加者も少なくないようだった。
イベントでは、日本の鉄鋼、自動車、電力業界から、日本の効率がいかに高いかを披瀝。石炭火力発電所の原単位分布と建設年をグラフで示して、効率向上の進捗を紹介し、中国など途上国に高いレベルの石炭火力発電所を導入することによる削減可能性がいかに大きいかを強調して、セクター別アプローチの「長所」を並べた。しかし、肝心の政府側の説明には、国別総量削減の「トップダウン」アプローチとこれをどのように統合するのか、そもそもできるのかについて、何の説明もなかった。
当然ながら、会場からそうした質問が相次いだが、政府側から具体的な内容の説明は何もなかった。統合する意思がないのか、「セクター別アプローチ」という手法を2013年以降の枠組み交渉の論点に入れることが当面の目標なのか、どちらかなのだろう。
ハイリゲンダムサミットの合意を土台に、ここバリでバリ・ロードマップをつくりあげ、2009年末までに次期枠組みを合意するというプロセスの途上で洞爺湖サミットが開かれる。最終ゴールに向けての日本に対する期待は大きい。だが2050年に世界で半減することを提案したものの、自らの中・長期の総量削減目標を明示しないまま、洞爺湖サミットを次期枠組みに「セクター別アプローチ」を盛り込ませるための機会として使うならば、サミットの成功は危ういだろう。
●「本日の化石賞」
12月10日の「本日の化石賞」において、第3位を日本とカナダが受賞した。受賞理由は、京都議定書第9条の会議において「約束のあり方と目標期限や基準年を見直しに加えるべき」(“nature of commitments” and “commitments periodand the base year”)という発言があったからだ。排出削減義務という京都議定書の重要な要素を見直して弱めようという意図があるものと受け取られたためだ。
授賞式には、たくさんの人が化石賞受賞式を一目見ようと集まっており、会場は熱気に包まれていた。この日の1位と2位は、共にサウジアラビアに送られた。日本を含め、常連国の受賞という印象を受けた。
京都議定書は12月11日で10周年の誕生日を迎える。我々の未来のために、日本政府はリーダーシップをとって残りの交渉を進めてほしい。
(気候ネットワークボランティア:廣岡睦)
●ツバル・サイドイベントの感想
12月8日の18:00より、気候ネットワーク主催で行われた、サイドイベント「ツバルに生きる1万人のメッセージ」に参加しました。会場の壁には、白い壁に10枚ほど掲示されていたツバルの人々の美しい写真。これは、ツバル・オーバービュー代表、遠藤秀一氏が撮られた写真で、イベントに訪れた人々が熱心に見入っていました。また、全体的に各国の若い人が多く参加してくださっているのが印象的で、ツバルの注目度が高くなってきていることを伺うことができました。ツバル政府代表団、ペペトゥアさんの「大きな国が排出した温室効果ガスの影響で、我々小さな島に住む人が被害に遭う」という発言は、分かっていた事実とはいえ、胸に刺さりました。ツバルに生きる彼らのためにも、必ず今回の交渉を成功させさせなければならいと再認識しました。
(気候ネットワークボランティア:廣岡睦)
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Kiko COP13/CMP3通信 No.3
2007年12月11日発行
発行/編集 気候ネットワーク
浅岡美恵、大林ミカ、小西雅子、川阪京子、
平田仁子
現地携帯:+62-81-338-989-707(川阪)
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非公式会合を経て、9〜11日にかけて、条約の下で新しく作るプロセスについてのCOPの決議案、議定書の下の先進国の削減義務の交渉(AWG)の決議案、京都議定書の見直し(9条)に関する決議案がそれぞれに出された。次期枠組みのプロセスについて本格的な交渉が始まったことを歓迎したい。明るみに出た土曜日の時点のCOP13決議案は、議論のベースとしてまずまずのものだった。
中でも、COPの決議案では、「附属書?9q!J@h?J9q!K$O?2020年に1990年比で25〜40%削減が必要で、世界全体では今後10〜15年の間にピークを迎え、2050年には2000年比半減以下の非常に低いレベルに削減しなくてはならない」ことを明示している。
これは、IPCC第4次報告書が明らかにしたことを根拠に、気候変動を回避するためには、緊急に大幅削減が必要であるということを示したものである。これらの数字は、2年間で作り上げる次期枠組みが、どこに向かっていくためのものかをはっきりするために非常に重要な言及であり、バリ・ロードマップでしっかりと位置づけておかなければならない。一方、先進国の緩和策に関して、「削減」「義務」などの言葉はなく、「数量化された国別排出目標」という、なにやらあいまいな、アメリカに配慮した形のものとなっている。アメリカが反対するからと、京都議定書に批准している他の先進国まで一緒になって弱める必要はないだろう(それとも、やはりアメリカに便乗したいというのが本音?)。
重要なのは、先進国が今後、より大きな削減義務をしっかり負うこと、そして、主要な途上国も具体的な行動に踏み込むことだ。そのためには、IPCCの科学者たちのメッセージを真摯に受け止め、そこが指し示す方向に向かって、手遅れにならないような合意にしなくてはならない。奇しくも、昨日は、ノーベル平和賞の授賞式。アル・ゴア元米副大統領とパチャウリIPCC議長は、これからバリへやってくる。彼らがここへ来て、ガックリ肩を落とすようなことがないようにしてもらいたい。
■バリの会議場から:ノーベル平和賞の受賞、おめでとう!!
交渉が激しくなってきた2週目の10日の夕方、バリの本会議場の大きなスクリーンには、ノルウェーのオスローから、ノーベル賞の授賞式の模様がライブ中継された。2007年度のノーベル平和賞は、国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」と、アル・ゴア米前副大統領に授与されており、今日はその授賞式だからである。多くの政府代表団、NGO、プレスらは、交渉を中断してその模様を見守った。
ノーベル賞委員長が、受賞の理由をまず説明、続いて「温暖化を無視することは、罪である。美しく脆い地球の明日は、私たちの手にある」とバリで行われている国際交渉へ強いメッセージを発すると、バリの会場にも大きな拍手が沸き起こり、スクリーンに大写しになったIPCCのパチャウリ議長とゴア氏に向かって、カメラのフラッシュがあちこちに光った。地球の反対側にあるノルウェーから、インドネシアのバリにいる交渉団は、ダイレクトにメッセージを受け取ったのである。
ところが、IPCCがノーベル賞を受賞した日に配布された、京都議定書の先進国の削減義務の交渉(AWG)テキストのドラフトから、IPCCの言及が落ちた。今回の交渉でもっとも大切なIPCCからの引用である「IPCCによると、先進国は、2020年までに1990年レベルから25%〜40%の範囲で排出を削減する必要がある。そしてこれから10〜15年の間に、世界全体の排出はピークを迎えて、2050年には2000年よりも半減以下に減少されるべきである」という言葉がなくなったのである。2013年以降の枠組みの話し合いの基礎として、最も大切な科学の言及を、よりによって、IPCCのノーベル賞を受賞した日に「落とせ」と強く主張している国は、科学を無視し、人類の明日を全く省みない国といっても過言ではない。そこには、日本も含まれているのだが・・・
■今日は、京都議定書 10才の誕生日!!
本日12月11日は京都議定書採択からちょうど10周年。この記念すべき日に、鴨下環境大臣がバリに到着されています。18:30からは、会議場となっているウエスティンホテルのプールサイドで、気候ネットワークをはじめとする日本のNGO主催、そして、気候変動枠組条約事務局(UNFCCC)共催の、京都議定書10周年記念パーティーを開催します。スペシャルゲストもお祝いに駆けつけてくださいます。
■日時:12月11日(火)18:30〜
■場所:ウェスティンホテルのプールサイド
■スペシャルゲスト
初代UNFCCC事務局長のマイケル・ザミット・クタヤール氏
鴨下一郎環境大臣
モルジブ環境大臣、外務大臣
国連事務総長の藩基文氏、など
また、気候ネットワーク浅岡美恵代表、藩基文国連事務総長、そして、ユースグループによる京都議定書引継ぎ式や、モルジブの歌手による「気候の歌」の披露もあります。
みんなで、京都議定書の10才をお祝いをしましょう!
★フリードリンク&フード★
■洞爺湖サミットで セクター別アプローチを提案!?
10日、日本政府は「北海道洞爺湖サミットへの道:2008年G8サミット議長国からのメッセージ」と題するサイドイベントを開催した。イベント案内には「ボトムアップアプローチのセクター別アプローチと2013年以降の枠組みのリーズナブルな指標の統合への日本提案」とあり、さらに、実際的で、効率的で、衡平な行動・・とある。立ち見が出るほどの盛況だったが、先進国の削減義務の深掘りとどう整合するのだろうと、率直な疑問からの参加者も少なくないようだった。
イベントでは、日本の鉄鋼、自動車、電力業界から、日本の効率がいかに高いかを披瀝。石炭火力発電所の原単位分布と建設年をグラフで示して、効率向上の進捗を紹介し、中国など途上国に高いレベルの石炭火力発電所を導入することによる削減可能性がいかに大きいかを強調して、セクター別アプローチの「長所」を並べた。しかし、肝心の政府側の説明には、国別総量削減の「トップダウン」アプローチとこれをどのように統合するのか、そもそもできるのかについて、何の説明もなかった。
当然ながら、会場からそうした質問が相次いだが、政府側から具体的な内容の説明は何もなかった。統合する意思がないのか、「セクター別アプローチ」という手法を2013年以降の枠組み交渉の論点に入れることが当面の目標なのか、どちらかなのだろう。
ハイリゲンダムサミットの合意を土台に、ここバリでバリ・ロードマップをつくりあげ、2009年末までに次期枠組みを合意するというプロセスの途上で洞爺湖サミットが開かれる。最終ゴールに向けての日本に対する期待は大きい。だが2050年に世界で半減することを提案したものの、自らの中・長期の総量削減目標を明示しないまま、洞爺湖サミットを次期枠組みに「セクター別アプローチ」を盛り込ませるための機会として使うならば、サミットの成功は危ういだろう。
●「本日の化石賞」
12月10日の「本日の化石賞」において、第3位を日本とカナダが受賞した。受賞理由は、京都議定書第9条の会議において「約束のあり方と目標期限や基準年を見直しに加えるべき」(“nature of commitments” and “commitments periodand the base year”)という発言があったからだ。排出削減義務という京都議定書の重要な要素を見直して弱めようという意図があるものと受け取られたためだ。
授賞式には、たくさんの人が化石賞受賞式を一目見ようと集まっており、会場は熱気に包まれていた。この日の1位と2位は、共にサウジアラビアに送られた。日本を含め、常連国の受賞という印象を受けた。
京都議定書は12月11日で10周年の誕生日を迎える。我々の未来のために、日本政府はリーダーシップをとって残りの交渉を進めてほしい。
(気候ネットワークボランティア:廣岡睦)
●ツバル・サイドイベントの感想
12月8日の18:00より、気候ネットワーク主催で行われた、サイドイベント「ツバルに生きる1万人のメッセージ」に参加しました。会場の壁には、白い壁に10枚ほど掲示されていたツバルの人々の美しい写真。これは、ツバル・オーバービュー代表、遠藤秀一氏が撮られた写真で、イベントに訪れた人々が熱心に見入っていました。また、全体的に各国の若い人が多く参加してくださっているのが印象的で、ツバルの注目度が高くなってきていることを伺うことができました。ツバル政府代表団、ペペトゥアさんの「大きな国が排出した温室効果ガスの影響で、我々小さな島に住む人が被害に遭う」という発言は、分かっていた事実とはいえ、胸に刺さりました。ツバルに生きる彼らのためにも、必ず今回の交渉を成功させさせなければならいと再認識しました。
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Kiko COP13/CMP3通信 No.3
2007年12月11日発行
発行/編集 気候ネットワーク
浅岡美恵、大林ミカ、小西雅子、川阪京子、
平田仁子
現地携帯:+62-81-338-989-707(川阪)
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