気候ネットワーク 市民のチカラで、気候変動を止める。

あ〜お


アイドリング・ストップ【idling stop/refraining from idling】

自動車の停止時にエンジンの空転(アイドリング)をやめること。エコドライブの行動の一つ。駐車時などのむだなアイドリングの停止は、CO2や大気汚染物質の排出削減の効果があり、意識的な市民のほか、トラック・バス業界なども取り組んでいる。最近は、普通自動車においてもオートメーションでアイドリング・ストップ機能の装備が進んでいる。


安定化【stabilization】

(1)CO2などの排出量を基準年と同じにすること(±0)。気候変動枠組条約は2000年までに先進国の温室効果ガス排出量を1990年レベルに「安定化」することを求めていたが、EUが全体としては達成できたものの、他の西側先進国の多くは未達成に終わった。(2)CO2などの大気中濃度などをある期間内に目標値に到達させ、以後増加させないこと。気候変動枠組条約は「究極の目的」として温室効果ガスの大気中濃度の安定化を求めている。


異常気象【extreame weather events】

過去の平均的な気候状態(普通は過去30年程度)から大きくかけ離れた気象の現象。大雨や強風等の激しい数時間の気象から、数カ月も続く干ばつや冷夏などの気候の異常も含まれる。異常気象は、気象災害を引き起こし、社会・経済に様々な影響を与える。地球温暖化が原因と見られる異常気象が近年世界各地で頻発、今後ますます増加すると見られている。


一次エネルギー【primary energy】

石炭・石油・天然ガス・原子力・水力・再生可能エネルギーなど未加工のエネルギー源のこと。電力など二次的に発生するエネルギーと区別される。


一次エネルギー供給【primary energy supply】

石炭・石油・天然ガス・原子力・水力・再生可能エネルギーなどの一次エネルギーによる供給(量)。一次エネルギー総供給ともいう。


ウッドマイレージ【wood mileage】

木材の産地から消費地までの距離に木材の量を乗じた値で示される指標で、木材をどのくらい離れた場所から調達しているかを計る目安となる。単位はm3・kmで表される。日本の木材自給率は20%と低く、北米や南米などの遠方から木材を調達しているためウッドマイレージは極めて大きい。ウッドマイレージが少ない国産材を利用することがCO2排出の削減にもつながる。


運輸部門【transport sector】

CO2排出の部門の一つ。自動車・鉄道・船舶・航空などが含まれる。旅客部門と貨物部門に分けられる。運輸部門のCO2排出量は日本全体の約2割を占め、1990年度以降2006年度までに16.7%増加しているが、2001年度をピークに頭打ちになっている。運輸部門(旅客・貨物)のCO2の約9割は自動車からの排出である。また輸送量当たりのCO2排出量は、自動車は鉄道の7~50倍になる。


永久凍土【permafrost】

寒帯を中心に広がる一年中凍ったままの地盤。大量のメタンが下に眠っている。地球温暖化の影響でその融解が進んでおり、メタンが放出され、とりかえしがつかないほど地球温暖化を加速する可能性がある。シベリアやアラスカの一部では、永久凍土が融けて地面や道路が大きく陥没する被害が出ている。


液化石油ガス(LPG)【liquefied petroleum gas】

石油採掘、石油精製または石油化学工業の過程で副生する炭化水素を取り出し、液化した発熱量の高い燃料。常温・常圧では気体であるが、わずかの加圧や冷却で容易に液化する。硫黄分、窒素分をほとんど含まない。家庭では「プロパンガス」と呼ばれて広く使われており、工業用、タクシーや一部のトラックの燃料、都市ガス原料などとして使用されている。


液化天然ガス(LNG)【liquefied natural gas】

メタンを主成分とする天然ガスを、マイナス162℃に冷却して液体にしたもの。日本では天然ガスのほとんどがLNGの形で輸入されている。天然ガスはCO2排出量が石炭の半分で済むため温暖化対策で重視され、また不純物が少なく大気汚染物質も少ないことから公害対策にも使われる。ただし、天然ガスも石油と同様に化石燃料であり、資源枯渇の危険がある。


エコウイル【ECOWILL】

家庭用のガスエンジン給湯器の通称。ガスでエンジンを回して発電を行い、排熱を給湯や暖房に利用するものでコジェネレーションシステムの一つ。最高効率は77%になると宣伝されている。


エコキュート【ECO Cute】

電気を利用する自然冷媒ヒートポンプ式給湯器等の通称。エアコンと同様の仕組みでお湯を沸かすシステムで、給湯にかかるエネルギー利用率は投入エネルギーの3倍くらいになるとされる。


エコドライブ【ecodriving】

自動車の使い方として、燃料消費(=CO2や大気汚染物質の排出)を少なく抑える丁寧な運転をすること。急加速・急発進・急ブレーキなどを避ける、アイドリング・ストップする、不要な物を積まないなど。エコドライブ以前に、まず自動車利用の抑制や燃費の良い車を選択することが肝心である。


エコロジカル・フットプリント【ecological footprint】

人間活動により消費される自然資源量を分析・評価する手法の一つで、人間1人が生活を送るのに必要となる生産可能な土地面積(ha)として表される。アメリカではl人当たり9.5ha、日本4.3ha、世界平均1.8haとなり、先進国の資源の過剰消費を示している。


エネルギー原単位【energy consumption per unit】

エネルギーの効率を表す数値。何に対するエネルギー消費量であるかを定義して用いられる。発電所に対しては「発電効率」(投入エネルギー量当たり発電量)、工場に対しては「生産量当たりエネルギー消費量」「生産高当たりエネルギー消費最」、オフィスや商業施設では「床面積当たりエネルギー消費」などが用いられる。国全体の効率を表す際には「人口1人当たりエネルギー消費量」や「GDP当たりエネルギー消費量」なども用いられる。数値が小さいほど効率が長い。


エネルギー効率【coefficient of performance】

工場や製品のエネルギー性能であり、一般には特定の仕事を基準としたエネルギー原単位で表す。値の小さいほうが効率が良い。自動車とエアコンは、値の大きいほうが効率が良い指標を用いる。自動車の場合には燃費を用いる。エアコンの場合にはエネルギー消費効率(COP)や、通年エネルギー消費効率という指標を用いる。


エネルギー消費効率【energy consumption per unit】

エアコンのエネルギー効率を表す単位。冷暖房能力を消費電力で割った値で示し、値が大きいほど効率が良い。なお、省エネ法の基準には「通年エネルギー消費効率(APF)」という指標を用いている。


エネルギー税【energy tax】

石油・石炭などの化石燃料や電気などのエネルギーに課する税。日本を含む多くの国々に、様々な目的・税率のエネルギー税がある。課税対象が、CO2削減を目的とする炭素税と重なるため、ヨーロッパの炭素税導入国では、一般的に炭素税導入に際して既存のエネルギー税との調整を行っている。CO2削減を目的に、既存のエネルギー税を引き上げる事例[HY1] も多く見られ、既存の目的・税率に加えて、広義の炭素税的な役割をエネルギー税に与えている国も少なくない。


エネルギー集約型産業【energy intensive industry】

単位生産量(あるいは生産額)当たりのエネルギー消費量が多い産業。通常エネルギー多消費型でCO2排出量の特に多い製造業の4業種(鉄鋼業・セメント製造業・化学工業・紙パルプ製造業)を指すことが多い。この4業種のCO2排出量は産業部門の約6割、日本全体の約25%(工業プロセスを入れると約30%)を占める。非鉄金属製造業も外国では排出量の多い産業だが、日本では海外移転のため国内では大きな排出割合を占めてはいない。


エネルギー転換部門【energy conversion sector】

CO2排出の部門の一つ。石油・石炭・天然ガスや原子力などの一次エネルギーを、電力などの二次エネルギー(産業や家庭などの最終消費部門に使用しやすい形)に転換する部門。発電所、石油精製などがその代表である。水力発電の割合が高い一部の国を除いてCO2排出量が大きい部門であり、日本では約3割がこの部門から直接排出されている。


エル・ニーニョ現象【El Niño phenomenon】

南米エクアドルからペルー沿岸の太平洋東部赤道域の広い範囲で、海面水温が平年より0.5℃以上の高い状態が1年程度続く現象。海面水温の上昇の影響で異常気象を世界各地に引き起こす。逆に、太平洋東部赤道域の海面水温が低くなる現象を「ラ・二一ニャ」という。クリスマスの頃によく起こるため、神の恵みに感謝を込めて「エル・二一ニョ」(スペイン語で「男の子」または「神の子」)と名づけられた。「ラ・二一ニャ」は「女の子」の意味。


オイルショック【oil shock】

1973年および1979年に発生した原油価格高騰。先進国経済にも混乱を及ぼしたが、この価格インセンティブ効果により、日米欧は省エネを進め、CO2排出量は1973年から、実質原油価格が石油危機以前まで低下する1986~7年まで横ばいとなった。


欧州排出量取引制度【European Union Emission Trading Scheme】

EUが2005年より大口排出源に対し導入した域内制度。対象は発電所と素材製造業で、加盟国は対象を拡大することができる。IPCCなどのガイドライン通り、発電時の排出はすべて発電所の排出とする直接排出方式で排出量をカウントする。2005~7年は試行期間で、2008~12年に本格実施された。2013年以降から、オークション(有償割当)の割合を徐々に大きくすることにしている。


オゾン層【Ozone layer】

成層圏(高度10~50km)のオゾンの多い層をいう。オゾン層の厚みは30~40kmにわたっているが、すべてのオゾンを集めて地表付近(すなわちl気圧の条件下)にもってくれば3ミリほどの厚さにしかならない非常に希薄な層である。成層圏オゾンは太陽光に含まれる有毒な紫外線の大部分を吸収して地上の生態系を保護している。近年、フロンの大気放出が増加したため、ほぼ地球全体で減少しつつあり、皮膚ガンや白内障などの人体への影響が特に南半球で深刻になっている。今後、全世界がモントリオール議定書を遵守すれば、オゾン層は21世紀の中頃に1980年代のオゾンホールが出現する前と同じレベルにまで回復すると予測されている。


オゾン層破壊物質【ozone depleting substances】

成層圏で塩素などを放出してオゾン分子を次々に破壊する性質を持つ物質。フロンがその代表。破壊の程度はオゾン破壊係数で表される。


オゾン破壊係数【ozone depletion potential(ODP)】

フロンなどの物質がオゾン層を破壊する能力(強さ)を示す指標。1995年末をもって先進国で生産が停止されたCFC11(トリクロロフルオロメタン)の能力を1とした場合の相対値で表される。


オゾンホール【ozone hole】

成層圏のオゾンの濃度が著しく減り、穴のあいたようになっている部分。観測地点上空の大気の上端から下端までの全層に存在するオゾンを集めて0℃、l気圧の状態にしたときの厚さによってオゾンの全量を表し、通常220DU(ドプソンユニット)未満の領城をオゾンホールと呼ぶ。1982年に南極上空で発見された。毎年春先になると極域に出現する。90年代に入りオゾンホールの面積は拡大し、オゾン層破壊物質の生産規制が進んだ今でも回復に転じてはいない。


温室効果【greenhouse effect】

地球表面の温度を高める効果。太陽光は地表に到達し地球表面を暖め、赤外線となって再び宇宙に向かうが、大気中の気体(温室効果ガス)に吸収され、吸収された熱がまた大気や地表を暖める。温室効果ガスが地球を覆う温室のビニールの役目をし、この仕組みを温室効果と呼ぶ。


温室効果ガス(GHGs)【greenhouse gases】

地球を暖める性質を持つ気体(ガス)。温暖化ガスともいう。水蒸気(H2O)、二酸化炭素(CO2)などが代表的で、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)、フロンなどがある。人間活動の影響でCO2などの大気中濃度は近年増加し、CO2は産業革命前の280ppmから393.1ppm(2012年)と約41%増加している。京都議定書第1約束期間ではCO2・CH4・N2Oと代替フロンのHFC・PFC・SF6の6種類の気体が対象となった。第2約束期間では、三フッ化窒素(NF3)が対象ガスに追加された。


温暖化懐疑論【climate skeptics】

温暖化現象自体あるいはそのメカニズムに懐疑的あるいは反対する学説あるいは意見表明(学者によるものを含む)の総称。近年の気温上昇自体を否定する説、気温上昇は認めるが人為起源の温室効果ガスによるものではない、あるいは人為起源要因の割合がIPCCの主流学説より小さいとする説などがある。地球温暖化を認めながら経済的にプラスなので対策の必要はないとする意見を含めることもある。IPCCは、懐疑派の論文も含めてレビューし、これらは主流学説ではないと判断し、温室効果の影響について人為的影響が自然の影響より1桁大きいと評価し、懐疑派の論文を退けている。


温度差エネルギー【thermal energy conversion energy】

海水や河川水あるいは地中と外気温との温度差を利用するエネルギー。未利用エネルギーの一つ。河川水や海水と屋内との温度差などを利用し、ヒートポンプで熱を取り出して冷暖房や給湯を行う。一部では地域熱供給などの形で既に利用が始まっている。


カーシェアリング【car sharing】

自動車を個人ではなく、複数の人で共同利用する仕組みのこと。業務用や個人利用などがあり、会員制など事業形態もいろいろある。1987年にスイスで始まった。自家用車利用からシフトすれば、自動車走行距離やCO2排出削減になることが多い。京都議定書目標達成計画にも記されている。


カーボンオフセット【carbon offset】

他の排出削減活動で得られたクレジットを購入することで、日常活動や経済活動における排出を帳消しにすること。これを満たすクレジットは、京都メカニズムによるもの、自然エネルギーや省エネによるもの、森林の吸収によるものなど、多種多様であることから、その品質を保障することが課題となっている。とりわけ植林活動などの一時的な森林吸収分をもって、永遠に大気中に放出される化石燃料起源の排出のオフセットに使うことは問題視されている。


カーボンニュートラル【carbon newtral】

バイオマス燃料などの燃焼が、光合成でCO2を固定した分を排出し、植物の成長分のみを利用することに留めれば排出と吸収がつりあうことを示し、排出はプラスマイナスゼロとする考え方。


カーボンフットプリント【carbon footprint】

商品のライフサイクル全般(資源採掘から廃棄まで)でのCO2(または温室効果ガス)排出量を表示する仕組み。イギリスなどで始まっており、国際標準化機構(lSO)でカーボンフットプリント制度の国際標準化が検討されている。正確な排出量の算定には課題も多い。


海面上昇【sea level rise】

海水温の上昇による海水膨張や陸上の雪氷の融解が原因となり海面が上昇する現象で、地球温暖化による影響の一つ。lPCCの第5次評価報告書によると、過去100年に海面は19cm上昇した。台風などに伴う高潮や地下水の塩水化による壊滅的な被害も伴うため、小島諸国などは被害が出始めている。このまま推移すると21世紀末には最大82cm上昇すると見られる。この予想は、南極氷床やグリーンランドの海洋を基部とする部分の崩壊が始まった場合の値である。海面上昇はいったん始まるとその後、千年程度にわたって上昇が続くと指摘されており、大規模な崩壊を引き起こす気温は、1~4℃の範囲と予測されている。


海洋温度差発電【ocean thermal energy conversion power generation】

海の海面と深海の温度差を利用する発電。再生可能エネルギーの一つ。まだ実用段階に至っていない。


核燃料サイクル【nuclear fuel cycle】

核燃料を原子力発電で繰り返し利用するシステムで、軽水炉と高速増殖炉のサイクルが形成される。国の原子力長期計画にその推進が位置づけられ、高速増殖炉「もんじゅ」の研究開発などが日本原子力研究開発機構(旧動燃と原研が合併)を中心に行われている。


可採年数【reserve-production ratio】

石油や金属などの資源が現在の生産量と比較し、あと何年分あるかを示す指標。確認可採埋蔵量(採掘にかかる経費と販売価格を比較し採算がとれる総量)を、その年の生産量で割った値。石炭は今の消費を続けてもあと150年は供給できるが、石油や天然ガス、ウランは40~60年程度とみられ、ピークオイル説では石油の寿命はもっと短いとされている。


化石燃料【fossil fuel】

石炭、石油、天然ガスなど、地下にある燃料資源。太古の植物や動物の化石からできたためにこのように呼ばれる。主に炭素と水素からできた物質で、燃焼の際にCO2が発生するため、地球温暖化の主要な原因となっている。日本では一次エネルギーの8割以上を化石燃料に依存している。地球温暖化防止と資源制約の両面から消費の削減が求められている。


家庭部門【residential sector】

CO2排出の部門の一つ。家庭生活における電気・ガス、灯油などの消費に伴う排出を指し、自家用車からの排出は一般には含めないことが多い。オフィスなどの業務部門とあわせて民生部門と呼ばれる。家庭のCO2排出量は日本全体の14%を占め、1990年度以降2011年度までに48.1%増加した。1世帯当たりのCO2排出量は欧米の約半分である。[HY2] 最近では機器の大型化・多機能化・台数増加や、オール電化の普及などで電力需要の増加が大きい。


稼働率【operating ratio】

発電所などの設備が一定期間中にどれだけ動いているかを示す。設備利用率と異なり、出力の度合いは問わず、何らかの形で動いていた時間数を用いて、年稼働率は稼働時間数/年間の総時間数×100(%)で表される。発電所については設備利用率を使うことが多い。


火力発電【thermal electric power generation】

化石燃料(石炭・石油・天然ガスなど)を燃やして蒸気を発生させ、タービンを回して発電する方法。日本のCO2排出量の約3割を占めている。


環境家計簿【household eco-accounting book】

家庭での買い物や電気、ガス、水道、あるいは自動車の利用などをCO2換算して環境負荷を計算する家計簿。自分の家庭のCO2排出状況などを知ることができ、CO2排出など環境負荷の削減を進めるのに役立つ手法である。


環境省【Ministry Of the Environment】

地球環境保全、公害防止、自然環境の保護および整備その他の環境の保全を任務とし、政策の実施と総合調整を行う省で、前身の環境庁は1971年に設置され、2001年の省庁再編で旧厚生省の廃棄物・リサイクル部分が加わり、省に昇格した。大臣官房と4つの局で構成され、地球温暖化対策は主に地球環境局が担当する。


環境税【enviromental tax/eco-tax】

環境負荷の大きなものに課税してその価格を上げることによって、環境負荷を減らすことを目的とする税。経済的手法の一つ。市場を生かして外部不経済(環境コスト)を内部化し、企業や個人を環境に良い行動に誘導する仕組み。一般に税収の使途は問わない。地球温暖化分野では、CO2削減のために化石燃料に課税する炭素税が代表的で、フロン税などを課している国もある。日本では環境税という用語を炭素税の意味で用いることが多いが、環境税は本来は温暖化分野に限らないより広い意味を持つ。


環境的に持続可能な交通【Enviromentally Sustainable Transport(EST)】

OECD(経済協力開発機構)が提案する運輸部門における環境負荷低減のための政策ビジョンで、長期的視野に立って交通・環境政策を策定・実施する取組み。人々に対して未来の交通のあるべき姿を示すことにより、人々の意識改革を促し、環境負荷の少ない交通行動などを選択することを促すというもの。京都議定書目標達成計画にも記されていた。


環境と開発に関する国連会議(国連環境開発会議、地球サミット)(UNCED)【United Nations Conference on Environment and Development】

環境保全と持続可能な開発をテーマに1992年にブラジルのリオデジャネイロで開催された国連会議。地球環境問題が世界的にクローズアップされた。政府合意として、リオ宣言、アジェンダ21などを採択した。リオ宣言には「予防原則」、「共通だが差異ある責任」などの原則が盛り込まれ、京都議定書などでも取り入れられた。10年後の2002年には「持続可能な開発に関する世界首脳会議」(WSSD)が開催された。


環境難民【environmental refugee】

気候変動などの環境問題による洪水や干ばつなど、環境の悪化によって居住環境などが悪化し、新しい土地へ移住を強いられ、家や食糧を失い難儀する人々。


環境報告書【Corporate Social Responsibility report】

企業等の事業者が、経営責任者の騒音、環境保全に関する方針・目標・計画、環境負荷の低減に向けた取組みの状況等について取りまとめ、一般に公表するもの。CO2排出量や温暖化対策についても記載されることが多いが、温室効果ガス排出量については事業ごとに報告の仕方が異なり、情報開示程度もばらつきがある。


環境ラベル【environmental labeling】

商品の環境に対する良悪の情報(ラベル)を表示し、消費者が良いものを購入し悪いものの購入を抑えることを促す仕組み。環境負荷の特に少ない商品にラベルを貼って識別させるものと、同じ種類の商品の環境負荷を段階的に示してどの商品が良いか悪いかを示すものがある。日本では前者にはエコマークなどがあり、後者には家電製品の省エネ効率を示す統一省エネラベルなどがある。商品のライフサイクルCO2排出量を表示するカーボンフットプリントも、広い意味では環境ラベルの一つである。


間接排出【indirect emission】

発電された電力を、産業・業務・家庭などの最終消費部門に振り分けてCO2排出量を計算する方法。電力配分後ともいう。家庭や工場などの需要側の削減を評価しやすいが、原子力の事故や石炭の増加などの電力原単位の悪化の影響を需要側部門が受けることになる。


緩和【mitigation】

排出削減対策のこと。適応措置と区別し、このように呼ばれる。


気候安全保障【climate security】

気候変動を安全保障問題としてとらえる考え方。島嶼国にとって海面上昇が国家の存亡に関わる問題であるのはわかりやすい例である。国連安全保障理事会が気候安全保障の観点から気候変動を取り上げ、アメリカ国防総省が環境難民の多発など気候安全保障も考慮した分析レポートを作成するなど、世界で検討が進みつつある。


気候感度【climate sensivity】

放射強制力が1単位増加した際の長期的な気温上昇をいう。予測にはまだ未解明の点もあるため、気候モデルにより気候感度は多少異なる。


気候変動【climate change】

数年から数万年以上という様々な時間スケールで気候が変化すること。特に気温の上昇とそれに伴う降水量などの変化を指すことが多い。降水パターンの変化により現在の穀倉地帯が乾燥化すると見られるほか、予想される気温上昇が多くの植物の移動速度を大幅に上回るなど、植生や農業に大きな影響が出ることが予測されている。なお、日本では同義で「地球温暖化」がよく用いられるが、海外では「気候変動」が用いられることが多い。


気候変動に関する政府間パネル(IPCC)【Intergovernmental Panel on Climate Change】

UNEP(国連環境計画)とWMO(世界気象機関)により1988年に設置された機関。各国の専門家が集まり、地球温暖化に関わる知見の収集と整理を行い報告する。①気候の科学的根拠の評価、②地球温暖化の影響や適応策の評価、③排出削減オプションの評価、に関する3つの作業部会から構成されている。90年に第1次(FAR)、95年に第2次(SAR)、2001年に第3次(TAR)、2007年に第4次(AR4)の評価報告書が発表された。AR4では、20世紀の気温上昇が人為影響による可能性がかなり高いとし、2100年までに長大6.4℃の気温上昇があると予測した。さらに、気温上昇と温暖化影響の関係を示し、2.0~2.4℃に気温上昇を抑制するには、先進国は2020年に90年比25~40%削減、2050年に80~95%削減をし、世界の排出を2015年までに頭打ちにしなくてはならないと指摘している。


気候変動枠組条約(気候変動に関する国際連合枠組条的)(UNFCCC)【United Nations Framework Convention on Climate Change】

温室効果ガスの増加に伴う気候変動を防止するための枠組みを規定した条約。1992年5月に採択され、同6月の地球サミットで署名を開始し、1994年3月に発効した。190カ国以上が参加する。危険でないレベルで温室効果ガスの濃度を安定化させることを究極の目的に定めており、取組みは「共通だが差異ある責任」において「予防的アプローチ」に基づくべきと規定している。先進国の温室効果ガス排出を2000年までに1990年レベルに安定化させるために政策・措置をとること、各国が排出量を通報し、その審査を行うことなどを規定している。2000年目標は日本を含む西側先進国の多くは未達成に終わった。


気候変動枠組条約締約国会議(COP)【Conference of the Parties】

条約の締約国の会議で最高意思決定機関。気候変動枠組条約では、各締約国、特に先進国の排出削減計画や実施状況の検証、新たな仕組みの確立を議論する。京都議定書発効後の2005年からは、条約締約国会議に併せて議定書締約国会合(CMP)も開かれている。


気候モデル【climate model】

将来の気候を予測するためのコンピューター・シミュレーション・モデルを指し、通常は大気圏と海洋圏を結合させたモデルをいう。近年モデルの信頼性が増したことで、IPCCの第4次評価報告書で、20世紀半ば以降の気温上昇は人間活動による温室効果ガスが原因とほぼ断定するに至っている。地球の表面を3次元の格子に分割して計算を行うため膨大な計算量を必要とし、計算にはスーパーコンピュータが使用される。日本では「地球シミュレータ」が有名。


技術移転【technology transfer】

途上国の地球温暖化対策を進めるために、先進国から途上国に技術を移転することを指す。気候変動枠組条約で先進国(附属書Ⅱ国)の義務とされているが、実施は滞っている。途上国の大幅削減には省エネ技術などの加速度的な移転・普及が鍵を握っている。


基準年【base year】

各国の数値目標を算定する時に基準とする年。京都議定書では基準年は原則として1990年とされた。ただし、対象ガスのうちHFC・PFC・SF6については95年とすることができる(日本も95年を選択)。またロシア・東欧諸国は通告により90年以前の年を基準年とすることができる。


議定書【protocol】

条約の一部を強化するため、条約本体とは別に結ぶ取り決めのこと。オゾン層保護のためのウィーン条約を強化するためにできたモントリオール議定書などが有名。気候変動枠組条約では1997年12月に京都議定書が採択された。


キャップ・アンド・トレード【cap and trade】

排出量取引に参加する各主体(事業者など)ごとに排出できる量の上限(キャップ)を決め、それを超えて排出する主体と排出枠に余裕のある主体の間で取引(トレード)を行う仕組み。一般に排出量取引というと、この方式を指す。排出の上限(キャップ)の初期割当の方法には、過去の実績ペースで割り振る「グランドファザリング」やCO2原単位などをもとに割振る「ベンチマーク」、有償割当の「オークション」がある。


吸収源(シンク)【sinks】

海洋や森林などのCO2を吸収するもの。京都議定書では、1990年以降の人為的な新規植林・再植林・森林減少に加え、追加的活動として森林管理・農地管理・放牧地管理・植生回復を第1約束期間(2008~12年)に利用することも選択できる。これらの吸収源活動による吸収の利用は先進国(附属書Ⅰ国)の排出削減を大きく緩めるものとなっている。また、定量的に計算する際の不確実性が化石燃料からの排出に比べて極めて大きいという問題もある。


共通だが差異ある責任【common but differentiated responsibility】

過去の地球温暖化と今後の対策について、公平性の観点から先進国により重い責任を課した言葉。地球温暖化への責任は全世界共通のものだが、「歴史上及び現在の世界における温室効果ガスの排出量のうちの大部分は先進国において発生したものであること、途上国の-人当たりの排出量は依然として比較的少ないこと」(気候変動枠組条約前文)から差異があるとされた。対策について先進国と途上国では開始時期や内容に差が設けられ、京都議定書第1約束期間では途上国に削減義務を課していない。


共同実施【Joint Implementation(JI)】

先進国(附属書Ⅰ国)同士が共同で排出削減や吸収のプロジェクトを実施し、投資国が自国の数値目標の達成のためにその排出削減単位(ERUs)をクレジットとして獲得できる仕組み。京都メカニズムの一つ。この制度に頼り過ぎないよう「国内措置に対して補完的であること」も明記された。クリーン開発メカニズム(CDM)と異なり先進国間で行うため、手続きもCDMと比較して簡略になっている。


共同達成【joint fulfilment/burden sharing】

温室効果ガス削減の数値目標を複数国で共同で達成することで、京都議定書で認められた。共同達成する場合は、締約国はその合意の内容を事務局に通告する。共同達成を組んだ締約国グループが全体での数値目標を達成できなかった場合、各締約国の責任となる。共同達成のために組むグループを「バブル」と呼び、EU(京都議定書第1約束期間では、拡大前の西側15カ国のみ)のものを「EUバブル」と呼ぶ。


共同配輸送(共同輸送)【consolidated transport service】

事業者内や異なる事業者間で市街地・長距離のトラック輸送を共用化し、複数の種類の荷物を積み合わせて積載率を高めること。日本ではトラックの積載率は営業用で50%程度、自家用で25%程度であり、無駄が多い。共同輸送は、積載率を高くし、トラック全体の走行量を減らしてCO2排出を削減する手段として有効であることが、各地の実験結果で示されている。


京都議定書【Kyoto Protocol】

1997年12月のCOP3(第3回締約国会譲)で採択された気候変動枠組条約の議定書。2008~12年の第1約束期間に先進国(附属書I国)に、1990年比で日本-6%・アメリカ-7%・EU-8%など各国ごとに拘束力ある総量での数値目標を定め、先進国(附属書I国)全体では90年比で少なくとも5%削減するとした。他国での削減を利用する京都メカニズムや、森林等の吸収を排出量から差し引く仕組み、各国の削減を確実にするための遵守制度などを設けた。


京都議定書締約国会合【Conference of the Parties serving as the meeting of the Parties(COPMOP/CMP)】

京都議定書の運用や改正に関する最高意思決定機関。第1回会合は議定書が発効した2005年に条約締約国会議(COP)と併せて開催され、以後毎年併せて開かれている。


京都メカニズム【Kyoto Mechanisms】

数値目標達成のため、国内の削減努力を補完するものとして京都議定書で認められた3つのメカニズム(排出量取引(ET)・共同実施(JI・クリーン開発メカニズム(CDM))の総称。以前は「柔軟性措置」とも呼ばれていた。COP7(第7回締約国会議)で運用ルールが合意された。


業務部門【commercial sector】

CO2排出の部門の一つ。企業や公営部門のうち、オフィス・商店・飲食店・学枚・病院・ホテル・旅館・娯楽施設などを指す。現在、国の統計では「業務その他部門」とも呼ばれ、工場(製造業)と住宅(家庭)を除く建物のほとんどを含む多種多様な業種で構成される。業務部門のCO2排出量は日本全体の18%を占め、1990年度以降2006年度までに39.5%増加した。


クリーン開発メカニズム【Clean Development Mechanism(CDM)】

先進国と途上国が共同で温室効果ガス削減プロジェクトを途上国において実施し、そこで生じた削減分の一部(認証排出削減量(CERs)を先進国がクレジットとして得て、自国の削減に充当できる仕組み。京都メカニズムの一つ。途上国の持続可能な開発の達成も目的とされている。CERsの2%分を気候変動の悪影響を受ける途上国への適応基金に充てることになっている。吸収源活動のうち「新規植林」「再植林」に限って先進国の基準年排出量の1%を上限に利用できる。実施はCDM理事会(EB)によって監督され、指定運営組織(DOE)が事業の有効化や削減量認証などを行う。数値目標のない途上国から得た削減量を先進国の目標達成に充当するため、先進国全体としての削減がゆるめられることや、ベースラインが甘く設定され削減量が過大に見積もられることなどが抜け穴として懸念されている。


グリーン購入【green purchasing】

国・自治体や企業などが商品の調達などの際に環境保全を重視し、環境負荷の小さい商品を積極的に購入すること。「グリーン購入ネットワーク」などがそのためのガイドラインを作成している。2000年にグリーン購入法が成立し、国にはグリーン購入の取組み義務、地方自治体にも努力義務が定められた。


グリーンコンシューマー【green consumer】

商品・サービスを選ぶ際に環境を重視する消費者。消費者が環境を重視していることが企業に伝わることで、企業の環境対策を大きく前進させることができる。また、自動車や家電製品では製造段階より使用段階のほうがエネルギー消費量が多いことから、環境負荷の小さい商品を選択する消費者が増えることは家庭の省エネにつながる。環境を重視する商品選択を促すには、環境税や環境ラベルなどの政策が有効である。


グリーン電力【green electricity】

再生可能エネルギーからの電力のこと。その普及を進めるために割高な料金を自主的に支払ってもらう仕組みをグリーン電力料金制度、あるいはグリーン電力ファンドという。環境意識の高い市民などを対象にグリーン電力を通常電力より高い料金で販売し、普及を進めようという仕組み。欧米で始まったが、日本でも見られる。


グリーン電力証書【Tradable Green Certificate】

まだ割高な再生可能エネルギーからの電力を普及するための仕組みの一つ。グリーン電力の環境付加価値(環境に良いという価値)を証書の形にして販売し、割高な分を補って普及を進めようというもの。日本では、先進的な取組みとして、いくつかの企業やNPO・NGOが風力発電などのグリーン電力証書を阪売し、企業や市民が自主的に証書を購入している。


クレジット【credit】

(1)京都議定書では、共同実施やクリーン開発メカニズム(CDM)のプロジェクトによる温室効果ガス削減・吸収量の一部を、資金・技術を投資した国・企業の削減・吸収量として得る排出枠をいう。これらは排出量取引で売買できるが、京都議定書の目標達成への充当や次期約束期間への繰り越しに制限がある。 (2)カーボンオフセットに用いる認証排出削減量(VERs)を広く「クレジット」と呼ぶ。VERsは起源も品質も第三者認証の程度も様々であり、すべてが国あるいは業界・企業の削減目標に充当できるわけではない。


経済移行国【(countries with)economies in transition】

市場経済への移行の過程にあるロシア・東欧諸国のこと。西側先進国とともに条約及び京都議定書(附属書I国)上の義務を負う。ただし、条約では途上国への資金提供義務が免除され、議定書では基準年を変えることができる。ほとんどの国で排出量が1990年レベルを大きく下回っている(例えばウクライナでは90年比で半減、ロシアも3割近く減少)が、議定書の数値日標が甘いため、排出枠が余るホットエアの問題を生じている。


原子力発電(原発)【nuclear power generation】

ウラン235の核分裂による熱で蒸気を発生させてタービンを回す発電方法。日本の発電量の3分の1を占める。放射能という極めて大きな環境負荷を事故などによりもたらす危険性や放射性廃棄物を大量に排出し、長期保管の目処もたたないなどの問題がある。出力調整が難しい、発電効率が低い、送電ロスが大きいなどの短所もある。運転時にCO2を排出しないとされ、日本政府はエネルギー供給面での地球温暖化対策の柱としている。


原単位【per unit/intensity】

広い意味の効率を指す用語。地球温暖化対策やエネルギー対策では、エネルギー原単位、CO2排出原単位などが用いられ、何に対するエネルギー消費量、CO2排出量であるかを定義して使われる。


公共交通(公共交通機関)【public transportation】

交通機関のうち、自家用車と貸切の各種交通機関を除いたもので、旅客の場合には鉄道・バス・タクシー・船舶・航空(いずれも貸切を除く)を指す。


公共事業【public works】

国や地方自治体が社会生活に必要な土木・建築物を造成する事業のこと。自然破壊が指摘されるが、CO2排出でも問題となる。地球温暖化対策との関係では、政府は道路建設で渋滞を緩和しCO2排出を減らすとしている。しかし実際には、建設や材料の製造・運搬に多量のエネルギーを消費し(日本のCO2排出の約2割は建設関係とされる)、さらに自動車の交通量を増やしてCO2排出量を増加させるため、CO2の排出増の原因と見られている。


工業プロセス【industrial process】

温室効果ガス排出部門の一つ。CO2では化石燃料の燃焼ではなく、産業における材料の酸化還元などの化学反応によってCO2が排出されることの総称。日本ではCO2排出量の約4%が工業プロセス起源である。代表的なものはセメント製造で、鉄鋼やガラス製造などでも排出がある。CO2以外では、例えばナイロン製造の際に一酸化二窒素(N2O)が、フッ素樹脂製造時にHFC23が発生する。


交通需要マネジメント【Transportation Demand Management(TDM)】

交通を利用する側(需要)をコントロールする対策。都心部への乗り入れ規制、ロードプライシング(道路利用への課金)、パーク・アンド・ライド、共同輸配送、相乗り促進、企業の社用車削減及び通勤計画など、自動車から公共交通機関に誘導したり、自動車交通を効率化したりする様々な手法を含む広い用語。大気汚染物質やCO2の削減に効果があると考えられている。


高度道路交通システム【Intelligent Transport Systems(ITS)】

情報通信技術を利用した道路交通に関する様々なシステムの総称。次世代道路交通システムなどとも呼ばれる。車を停止せずに料金所でお金を支払う技術(ETC)もITSの一つ。日本では国土交通省が温暖化対策にも位置づけて推進している。


後発開発途上国基金【least developed countries fund(LDCF)】

気候変動枠組条約の下に設置される基金の一つ。後発開発途上国(途上国のうち、一人当たりGDPが900ドル以下等の基準を満たす50カ国。LDCと略す)の気候変動による悪影響への適応、技術移転、とりわけ国家適応行動計画の実施に用いられる。この基金への資金は先進国の任意の拠出に委ねられた。「最貧国基金」ともいう。


国連環境計画(UNEP)【United Nations Environment Programme】

1972年にストックホルムで開かれた国連人間環境会議の際に、国連の環境関係の取組みを推進するために設立された機関。地球温暖化など地球環境問題に関する調整・管理などの活動を行っている。


コジェネレーション(熱電併給)【cogeneration】

通常の火力発電のように電気だけを取り出して熱を捨てるのではなく、あわせて熱も利用することで総合的な効率を向上させる方法。電気と熱の両方を利用することからコジェネレーションと呼ばれる。発電だけでは投入した熱エネルギーの3~4割程度の効率だが、熱も同時に有効利用することで8割以上の効率も可能になる。小型のものではガスを燃料とする家庭用のコジェネレーションシステムが商品化されているほか、燃料電池も廃熱を利用すれば同じシステムとなる。北欧などでは地域熱供給で広く行われている。


コミットメント(約束)【commitment】

一般に、条約・議定書に定められた義務のことを指す。気候変動枠組条約においては第4条に示された締約国が守るべき約束、京都議定書においては特に先進国の数値目標を指す。


コンバインドサイクル【combined-cycle】

火力発電などにおいて、ガスタービンで発電機を回し、その廃熱を利用して蒸気タービンで発電橙を回す複合発電。蒸気タービンのみの場合より10~15%程度効率が向上する。


最終エネルギー消費【final energy consumption】

産業・民生(家庭・業務)・運輸の部門で消費されるエネルギーの合計量。一次エネルギー供給から様々なロスを差し引いて、実際に消費されるエネルギーの量。一次エネルギー供給の約3分の2である。ただ、最終エネルギー消費にもロスがあり、すべてが有効利用されるわけではない。


再植林【reforestation】

かつて森林だったが、他の用途に使われていた土地(あるいは森林でない状態だった土地)を、植林して再度森林に変えること。京都議定書第1約束期間では1990年時点で森林でなかった土地が対象となっている。


再生可能エネルギー【renewable energy】

化石燃料のように使えば減って枯渇するエネルギーに対し、使用しても減ることのないエネルギーや、許容される範囲内で使えば何回でも再生できるエネルギーのこと。自然エネルギーともいう。太陽光発電・太陽熱利用・風力発電・小規模水力発電・バイオマスエネルギーなどが代表である。CO2排出などの環境負荷が極めて小さく、小規模で地域分散型という特徴をもつため温暖化対策として普及が期待されている


再生可能エネルギー電力固定価格買取制度【Renewable Energy Feed-in Tariff Law(REFIT)】

太陽光・風力・バイオマスなど再生可能エネルギーからの電力を高値で安定した価格で買い取ることを保障する法制度。電力会社に対して買い取りを義務づけるものが多い。西ヨーロッパの多くの国にこのような法律や制度があり、中国やウクライナなどにも広がりを見せている。ドイツ・デンマーク・スペインなどで導入量を急増させた実績があり、ドイツはこの制度によって風力・太陽光とも世界一になった。再生可能エネルギーの普及促進に極めて効果的な制度である。日本でも2012年7月から施行されている。


再生可能エネルギー・ポートフォリオ・スタンダード(RPS)【renewable energy portfolio standard(RPS)】

電力事業者や需要家に再生可能エネルギーの電力を一定の割合以上発電・購入するよう割り当てて、再生可能エネルギーの普及を図る政策手法。RPSは主にアメリカで使われる用語で、ヨーロッパなどではクオータ(割当)制と呼ばれている。導入効果について実績のある固定価格買取制度と異なり、普及促進の効果は未知数で、導入国も少ない。日本の「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」(通称RPS法、2002年制定)も同様の制度であったが、普及拡大には貢献しなかった。


サマータイム【daylight saving time/summer time】

日の出時刻が早まる時期(例えば4~10月)に時計の針を進め、夕方の明るい時間を増やして太陽光を有効活用する制度。多くの先進国で導入されている。日本では温暖化対策として導入が検討されてきたが、今のところ導入の予定は立っていない。大掛かりな仕掛けの割りには、省エネ(CO2削減)効果は小さい。


産業部門【industry sector】

CO2排出の部門の一つ。製造業・建設業・鉱業・農林水産業などを指し、同じ企業活動でもオフィスなど業務部門や運輸産業は別である。日本ではエネルギー起源CO2排出量に占める産業部門の割合が約3割を占め(電力配分前の直接排出)、他の先進諸国(約2割)に比べて多い。


CO2排出原単位【CO2 emissions per unit】

CO2の排出効率を表す数値。何に対するCO2排出量であるかを定義して用いられる。発電所に対しては「発電量当たり」、工場ついては「生産量当たり」「生産額当たり」、オフィスや商業施設では「床面積当たり」などが用いられる。国全体の効率を表す際には「人口一人当たり」や「GDP当たり」などが用いられる。数値が小さいほど効率が良い。


G77+中国【G77+China】

気候変動枠組条約などの国際交渉における途上国グループのこと。国際会議においてまとまって行動することが多く、1967年の設立時の参加国数をとってG77と呼ばれるようになった。中国はG77には加わっていないが行動を共にすることから、「G77+中国」と言われる。現在は130カ国以上になっている。


次期枠組み【post-2012-regime】

京都議定書は、第1約束期間の2008~12年までの先進国(附属書Ⅰ国)の数値目標を定めているが、それに続く仕組みが定められていないことから、「次期枠組み」あるいは「2013年以降の次期枠組み」などと呼ばれ、検討がなされている。京都議定書に否定的な立場から、一部では「ポスト京都」とも呼ばれる。


持続可能な開発(発展)【sustainable development】

環境と開発に関する世界委員会が1987年に発表した報告書「我ら共有の未来(Our Common Future)」の中で提唱した概念。将来の世代のニーズを損なうことなく、今日の世代のニーズを満たすような開発を意味する。92年の地球サミットでは、これを実現するための世界行動計画「アジェンダ21」が採択された。地球温暖化対策でも、特に途上国の持続可能な開発に寄与するアプローチが模索されている。


遵守委員会【Compliance Committee】

京都議定書の下に設置され、京都議定書における遵守手続を担う組織。締約国が目標や義務を遵守できるよう促進する「促進部」と、数値目標を守れなかった場合や国家通報の提出や内容に問題があった場合などの相応を行う「履行強制部」からなる。


遵守メカニズム【Compliance Action Plan】

条約や議定書に加入する国が条約や議定書を守るようにするために設けられる仕組み。最近の多国間環境条約では、遵守できるよう促したり、不遵守の場合にはその原因を究明して遵守するための対応を決定する仕組みを条約内部に設けていることが多い。京都議定書の遵守メカニズムは、遵守委員会の促進部が遵守できるよう様々な支援を行い、先進国(附属書B国)が数値目標を守れなかった場合には、削減できなかった量の1.3倍分を次期約束期間で余計に削減すること、遵守行動計画を策定することなどを定めている。また、国家通報などの義務を守らない国については京都メカニズムへの参加資格を停止することを定めている。


省エネラベル

家電製品の省エネ基準の達成度合いや年間電力消費量などを示すラベル。当初はカタログだけで製品本体への表示義務がなく、製品間の比較もしにくい「eマーク」(省エネ性マーク)だけであったが、自治体が先行して製品間で相対的に比較できるラベルを製品自体に貼る動きが全国的に広がり、2006年からは国の統一省エネラベルも始まり、店頭で表示されている。対象機器は冷蔵庫・テレビ・エアコン等。消費者が省エネ製品を選択するのに寄与している。


省エネルギー(省エネ)【energy conservation/energy saving】

エネルギー利用効率を上げる、効率の良い生産技術や商品を選択する、無駄にエネルギー消費をしている行為をやめることなどによって、同じ効用を得るのに要するエネルギー消費量を減少させること。


省エネルギーサービス事業【Energy Service Company(ESCO)】

商業ベースで企業などに省エネルギーをアドバイスする事業体。エスコ(ESCO)と略される。ESCOは工場等と契約し、省エネ前の高いエネルギー費を受け取り、浮いたエネルギー経費で、省エネ機器導入・システム改良などの事業を行い、金利を負担し、自らの人件費や利益を出す。工場、オフィスなどは、「持ち出し」なしで省エネ対策技術を導入でき、契約期間後にESCOから譲り受ける。


小規模水力発電(小水力発電)【small hydro power generation】

ダムを使わず、河川や水路などに設置した水車などを用いてタービンを回して行う発電。再生可能エネルギーの一つとして注目されている。


上限(キャップ)【cap】

(1)京都議定書の国別総量削減目標との関連において、①先進国(附属書I国)全体の総排出量、③各国の排出が許される量などを指す語。 (2)国内制度、とりわけ排出量取引制度において、①企業や事業所などの排出割当量、②排出量取引制度対象事業者すべての排出上限などを表す。


小島嶼国連合【Alliance of small island States(AOSIS)】

地球温暖化で海面上昇による国土の消滅という最も深刻な影響を受けるモルジブやツバルなどの43の島嶼国の集まり。COP1(第1回締約国会議)前に、先進国がCO2排出量を2005年までに1990年比で20%削減する議定書案を提案した。その後の会議でも先進国の削減対策強化を始め、大胆な温暖化対策の実施を求めている。


植生回復【revegetation】

京都議定書第1約束期間で吸収源として追加的に認められた活動の一つ。京都議定書の森林の定義に当てはまらない植生の育成により土地の炭素ストックを増加させる活動で、数値目標達成に利用できることとなった。その量は基準年と約束期間との差で計算する。


署名【signatory】

ある条約や議定書に加盟する意思があることを示すこと。公式な承諾にはその後に「批准」手続きを取ることになる。


新エネルギー【new energy】

再生可能エネルギーのうち、普及のために支援を必要とするものを指す日本独特の用語。従来は供給サイドの再生可能エネルギーと需要サイドの技術が混在し、地熱や水力は除外されていた。しかし、2006年の定義見直しで、太陽光発電・太陽熱利用・風力発電・バイオマス発電などに加え、地熱・中小水力が加えられ、化石燃料由来の廃棄物発電と廃棄物染利用は除かれた。また、供給サイドのエネルギーではないクリーンエネルギー自動車(天然ガス・メタノール・電気自動車など)、天然ガスコジェネレーション、燃料電池は除かれた。


新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法(新エネ法)【The Law Concerning Promotion of the Use of New and Renewable Energy】

新エネルギーの普及促進のため、1997年に定められた経済産業省所管の法律。新エネルギー利用等を促進するために政府・エネルギー供給事業者・エネルギー使用者などが講ずべき措置や努力義務、新エネルギー導入への金融上の支援措置などを定めている。


新規植林【Afforestation】

もともと森林でなかった土地を、植林して森林に変えること。京都議定書上では、少なくとも50年以上森林でなかった土地を対象にすると定義されている。


新興国【emerging economies】

中南米、東南アジア、東欧諸国など経済成長段階にあり、今後高い経済成長が期待される国。BRICsなどに代表される。


森林管理(森林経営)【forest management】

京都議定書で吸収源として追加的に認められた活動の一つ。除・間伐など森林のもつ吸収機能を強化する一連の活動で、対象地域からの吸収量を数値目標達成に利用できる。吸収量が膨大なため、第1約束期間では先進国ごとの利用上限を定めた。上限の設定は、森林管理の対象地城で得られる吸収量の85%を割り引き(15%のみを人為的に増やした吸収量とみなして利用)、基準年排出量の3%までとする考え方を基本とするが、日本・カナダ・ロシアにはそれを超える膨大な量を認めるという政治的妥協が図られた。これにより先進国は京都議定書の削減義務5.2%のほぼ半分を吸収源で達成できることとなり、実質的削減を弱めた。


森林減少【deforestation】

現在森林である土地を他の用途に転用すること。京都議定書上では、森林を劣化させたり伐採する場合でも、他の用途に転用しなければ森林減少とはみなされないとするIPCCの定義が採用された。


水素エネルギー【hydrogen energy】

水素を利用したエネルギーシステム。水素は、化石燃料の改質や水の電気分解などで大量のエネルギーを投入して得られる二次燃料であり、水素の生成方法によってCO2排出量や他の環境負荷が大きく異なる。


水力発電【hydro power generation】

水の流れでタービンを回し発電を行う方法。①ダムを築いて落差を利用して発電を行う従来型の大規模水力、②原発などの夜間の余った電力を使用するためにダムを2つ築いて水の上げ下げを行う揚水式、③ダムを用いない小規模水力の3つがある。発電の際にはCO2をほとんど排出しないものの、ダム式は自然環境への影響が大きい。小規模水力は再生可能エネルギーとして注目されている。


スターン・レビュー【Stern Review】

2006年10月、世界銀行の元チーフ・エコノミストで、英国政府気候変動・開発における経済担当政府特別顧問であるニコラス・スターン博士が取りまとめ、英国首相と財務大臣に報告された報告「気候変動の経済学」の通称。温暖化対策を取らなかったときの経済的損失は最大20%になるのに対して、対策を取った場合の損失は1%程度で済むことなどを示し、世界的に大きな影響を与えた。


生態系【ecosystem】

ある地域に生息する生物群集とそれを取り巻く大気・土壌などの環境をあわせた一つのまとまりを指す言葉。海洋生態系・森林生態系などの区分もある。地球全体も一つの生態系と見なすことができる。地球温暖化は生態系にも悪影響を及ぼすが、人間を含む生物は、生態系が破壊されては生きてゆけない。


正のフィードバック【positive feedback】

いったん現象が起こると、それを助長する機構が働き現象を加速する仕組みをいう。地球温暖化では気温上昇が正のフィードバック。IPCCは、第4次評価報告書でその存在を正式に認めた。その一例が雪氷アルベド・フィードバックである。雪や氷に覆われた地域はアルベド(日光の反射率)が高いが、その下の地表面や海面は反対にアルベドが低く、太陽の放射エネルギーを吸収しやすい。雪氷面の融解が進み地面が増えると、より多くの雪を溶かすという繰り返しの現象が起こる。


生物多様性【biodiversity】

様々なレベルで多様な生物が存在すること。種・個体・遺伝子の3つの多様性が必要とされる。多様性が保たれることで全体に生態系が維持される。気候変動枠組条約と同じ1992年に生物多様性条約が採択されている。地球温暖化が加速し、2℃を超えると絶滅危倶種が3割増加するなど、生物多様性を損なうことになると指摘されている。


石炭【coal】

化石燃科のうち、古生代から新生代第三紀の植物が地下で変化した固体燃料。化石燃料の中で最も埋蔵量が多い。燃焼時のエネルギー量当たりCO2排出量が天然ガスの約2倍で、大気汚染物質や重金属などの排出量が他の燃料と比較して桁外れに多い欠点を有する。


石炭火力発電【coal-fired power generation】

石炭を燃焼させて蒸気を発生させタービンを回す発電方法。日本の発電量の4分の1を占め、原子力発電とともに常時運転されるベース電源(運転時間が長く発電量の多い電源)を担う。他の化石燃料と比較してCO2排出量も天然ガスの2倍近くになり、地球温暖化への影響が大きい。また、大気汚染物質・有害物質の排出が極めて多く、地元への環境被害が大きい。石炭のコストが安いことから90年以降排出が大幅に増加し、日本の排出増の主因となっている。


石油ガス税【petroleum gas tax】

タクシーなど液化石油ガス(LPG)車の燃料であるLPGへの国税。1kg当たり17.5円で、これは1リットル当たり9.8円に相当し、ガソリンなどに比べかなり安い。年間約280億円の税収は道路財源となり、国と地方自治体の道路建設に使われている。


石油ショック(石油危機)【oil shock】

l973年と79年の2度にわたる石油価格の高騰とそれに伴う経済危機のこと。石油価格は一時は1バレル(159リットル)当たり40ドルまで高騰したが、その後徐々に下がり、日本では1986年には実質価格で73年以前まで下がった(逆石油ショック)。石油価格の高騰は経済に影響を与えた一方、省エネルギーや脱石油が進んだ。こうした省エネ努力は石油価格の低下により停滞し、1990年以降は日本の産業のエネルギー効率は低下した。


石油代替エネルギー【petroleum substitute energy】

石油に代わるエネルギーの総称。石油代替エネルギー供給目標に掲げられたエネルギーには、原子力・石炭・天然ガス・水力・地熱・その他の石油代替エネルギー(新エネルギー)がある。


雪氷冷熱【cyogenic energy of snow and ice】

冬季に得られた雪氷を夏季まで保存し、雪室・氷室として農産物等の保存に利用したり、夏季の冷房に利用するエネルギー利用のこと。2001年の新エネルギーの定義見直しの際に加えられた。


設備利用率【capacity factor】

発電所などの設備が一定期間中にどれだけ動いているかを示す割合。稼働率と異なり、出力の度合いを加味し、年間設備利用率は発電電力量/(認可出力×年間の総時間数)×100(%)で表される。原子力発電や石炭火力発電はベース電源のため、設備利用率70%以上のところが多い。石油火力発電は火力の中では低く、1%に満たないところもある。また、揚水発電も極端に低く、数%のところが多い。


ソーラーシステム【solar thermal system】

太陽熱利用の仕組みを指す言葉。広くは太陽熱利用全般とほぼ同じ。狭い意味では、電気・機械を使った高性能な強制循環式の太陽熱利用システムを指す。経済産業省では後者の狭い意味で使っている。


待機電力【energy in stand-by mode】

家電などで機器を使用していない状態(待機時)に消費されている電力。主電源を切ったりコンセントを抜かない限り多くの機器で発生する。家庭の電力消費の6%程度を占めるといわれる。機器ごとの待機電力は改善傾向にあるが、パソコンやモデム、携帯電話の充電器など機器の種類の増加や、給湯器のスイッチの電化により、全体としては増加傾向にある。


第3回締約国会議【3rd Conference of the Parties(COP3)】

1997年12月に京都で開催された気候変動枠組条約の第3回締約国会議。日本では「地球温暖化防止京都会議」と呼ばれた。COP1のベルリン・マンデートに基づき、2000年以降の先進国の取組みを定めた京都議定書を採択した。議定書では2008~12年(第一約束期間)に先進国全体で90年比5.2%削減するという、法的拘束力のある数値目標が定められた。 2012年に開かれたドーハ会議(COP18/CMP8)にて、京都議定書を改正し、2013年以降も先進国に排出削減義務を課すことに合意した。また、規制の対象とされるガスについても、新たにNF3(三フッ化窒素)が加わった。 その一方、日本は京都議定書第二約束期間(2013~2020年)のもとで、排出削減の約束をしておらず、国際社会からは厳しい視線が注がれている。


代替フロン【CFC’s/HCFC’s substitutes】

オゾン層破壊物質であるフロン(CFCやHCFC類)の代替品として生産・使用されているフロン類で、オゾン層は破壊しないが強力な温室効果ガスであるHFC(ハイドロフルオロカーボン)を指す場合が多い。HFCに似た物質にPFC(パープルフルオロカーボン)、SF6(六フッ化硫黄)があり、この3つは京都議定書第1約束期間で削減対象物質に指定されている。かつてオゾン層保護対策として、フロンから代替フロンへの転換が推奨され、特に冷媒分野でのHFCなどの生産・消費の急増が地球温暖化対策の上で大きな問題になっている。また最近、温室効果の高い新しい代替フロンが使われ始め問題になっている。


太陽光発電【photovoltaic power generation(PV)】

光を受けると電流を発生する半導体素子を利用し、太陽光エネルギーを直接電力に変換するシステム。太陽電池とも呼ばれる。家庭などで容易に利用できる再生可能エネルギーの代表。シリコン型と非シリコン型がある。欧州の多くの国では、太陽光発電からの買い取り価格を高値で固定し普及を図る政策手法がとられている。政策の差のため、太陽光発電累積設置量では2006年に、太陽光パネルの生産量では2007年にドイツが先行していた日本を抜いて世界一になった。


太陽熱利用【utilization of solar heat】

太陽の熱をエネルギーに利用すること。広い意味のソーラーシステムとほぼ同じことを指す。屋根の上に温水器や集熱装置を置いて太陽熱を集め、給湯や冷暖房などに使う。広く普及している太陽熱温水器のほか、構造や間取りなどの設計手法によって屋根の熱を床や壁などに蓄熱する方法(パッシブソーラー)などがある。


棚氷【Ice shelf】

陸上の氷河または氷床の先端が押し出され、陸の氷とつながったまま洋上にある氷のこと。南極・カナダ北部・グリーンランドなどの極地でのみ見られ、南極のロス棚が最大。極地の棚氷の決壊が相次いでいる。


炭素循環【carbon cycle】

地球上の炭素の流れ。海洋生物や陸上生物をとりまく炭素の流れ(フロー)は地球全体(海洋、森林、土壌、化石燃料など)の貯蔵量(ストック)に比べると小さい。それでも海洋生物や陸上生物(光合成、呼吸など)をとりまくフローは、それぞれ約1兆トン(炭素換算)にものぼると見られる巨大な循環である。人間の化石燃料消費からの排出の約300億トンはこれに比べると小さいが、自然界のバランスに大きな影響を与えている。


炭素貯蔵量【carbon stock】

森林や土壌などに有機物の形で固定化された炭素の量。京都議定書のルールでは、炭素貯蔵量に変化を与える人為的な吸収源活動について、新規植林・再植林・森林減少に加え、追加的活動として森林管理、農地管理、放牧地管理、植生回復の利用を認めた。それ以外の炭素貯蔵量としては、根の部分、枯れ葉層、土壌中の有機物、木材製品(使用中のもの)、廃棄物(処分場で腐る手前のもの)などがある。これらは計測が難しく不確実性の問題が大きい。


地域熱供給(地域冷暖房)【district heating and cooling】

一定区画やさらに広域をまとめて、配管によって冷温水や蒸気を送って、冷暖房や給湯を行うシステム。様々な熱源を用いることができ、温度差エネルギーなどの比較的低温の熱も有効に利用することから、エネルギー供給の効率を大きく高める。発電もするコジェネレーションで行われることも多い。ヨーロッパの都市で広く普及している。日本では地域冷暖房と呼ばれることが多いが、導入は遅れている。


蓄熱式空調システム【thermal-strange air condhitioning system】

夜間電力を使用し、水が凍るときの吸熱を利用した蓄熱方法による空調システム。電力会社がピ一クシフト(昼間のピークの電力需要を需要の少ない夜間にシフトさせること)のために業務部門などに推奨しており、ビルやコンビニなどの冷房に使用されている。通称「エコ・アイス」。同様に夜間に温水を作り、昼に暖房として利用するものもある。


地熱発電【geothermal power generation】

火山地帯などの地下の熱水や蒸気を利用してタービンを回す発電方法。化石燃料などを使わずに熱水を得るので地熱と呼んでいる。通常、井戸から自噴している熱水や蒸気を利用する方法を指す。再生可能エネルギーの一つ。


潮力発電【tidal power generation】

潮の干満(潮汐)や潮流のエネルギーを利用した発電。再生可能エネルギーの一つ。潮汐発電は外国の潮差の大きいところでは実用化されているが、日本では潮差が小さいので行われていない。潮流発電は実用段階に至っていない。


直接排出【direct emission】

発電所によって発電された電力を一括して電気業のCO2排出量として計算する方法。電力配分前ともいう。産業・業務・家庭などの最終消費部門の排出量は電力を含まない数字となる。国際的には直接排出での算定が通例である。


低公害車【low emission vehicle】

排ガス中に含まれる大気汚染物質の少ない自動車。狭義には、国土交通省の低排出ガス車認定実施要領により、大気汚染物質の排出が基準から一定レベル以上低減されていると認められた「低排出ガス認定自動車」を指す。その程度に応じて2~3つのランクに分けられている。これとは別に経済産業省はクリーンエネルギー自動車として、ハイブリッド車・天然ガス車・電気自動車・メタノール車などをあげている。


低炭素社会【Low-carbon society】

CO2など温室効果ガスの排出が極めて少ない状態で成り立つ社会のこと、低炭素型社会ともいう。低炭素社会を実現するには、自然エネルギーの導入、省エネルギーを大胆かつ迅速に推進する必要がある。2008年6月に政府発表した「低炭素社会にむけて」では2050年に現状比で60~80%削減することを掲げた。


締約国【Party】

条約や議定書に署名するだけでなく、批准(締結)などの正式な手続きを取り、条約や議定書の規定する義務に従うことを明らかにした国。


適応【adaptation】

地球温暖化の悪影響に対応するための措置。島嶼国が海面上昇に対して堤防を築いたり、広大な沿岸域や河口デルタをもつ国が海水の混ざる田畑や井戸を放棄して内陸の農耕地や水源を開発することなどがその例。マラケシュ合意で途上国支援のための3つの基金、「適応基金」「特別気候変動基金」「後発開発途上国基金」の設置が決まり、適応措置への資金的流れの基礎ができ、後発開発途上国による国家適応計画(NAPA)の策定も進んでいるが、緊急な対応が求められる適応策への十分な資金の確保と実施はこれからの課題である。


デマンド・サイド・マネジメント【demand side management】

電力需要の増加を発電所の建設で補うのではなく、需要をコントロールすることにより解決する手法。需要側で省エネなどを進めて需要総量を削減する方法と、季節や時間帯による需要変動を平準化する方法がある。1980年代にアメリカの電力産業で始まり、新しい発電所を建てるより顧客に省電力を勧めたほうが安上がりだとして広く実施されている。結果的に新しい火力発電所を建てずに済むため環境保全や需要側の省エネにも効果がある。現在では同様の考え方がガス、水道、交通などの分野にも応用されてきている。


電気自動車【electric vehicle】

充電式電池を搭載し、電気を動力としてモーターを動かす自動車。低公害車、クリーンエネルギー自動車の一つだが、電気は二次エネルギーであるため化石燃料などの一次エネルギーから電気をつくる必要がある。各メーカーが販売を始めるが、まだかなりコストが高く、連続走行距離が短いことなどが課題。


天然ガス自動車【natural gas car】

天然ガスを燃料とするエンジン車。天然ガスを気体のまま圧縮して高圧でガス容器に貯蔵するもので、圧縮天然ガス(CNG)自動車と呼ばれている。化石燃料車だが、ガソリン車やディーゼル車よりはCO2排出は少ない。


電力自由化【electricity liberalization】

参入が大きく制限されている電力供給事業に競争原理を導入する制度改正のこと。欧米では発電・送電・配電の分離が広く実施され、多くの国では電力自由化に際して再生可能エネルギーの普及・促進の制度も導入している。日本では電気事業法が改正され2000年から一部自由化が行われたが、新規参入は少なく、電力会社が地域独占の下で発電所と送配電網を有している状態は変わっていない。日本では電気科金を下げることだけが重視され、新規参入者・電力会社とも燃料価格の安い石炭火力発電を増やしたため、CO2排出量を大量に増やしてしまう結果となっている。


特定フロン【specified substances】

オゾン層破壊物質の中でも特に破壊力の高いフロン類CFCを指す。モントリオール議定書により先進国では1995年に生産が禁止されたが、使用自体は禁止されていないので、今も古いカーエアコンや冷凍空調機器、冷蔵庫などに残っていることがあり、回収・破壊処理などをして大気放出を止める必要がある。


トップランナー方式【Top Runners Approach】

電気製品や自動車などの省エネルギー基準を、現在の機器の中で最高の効率またはそれ以上の効率とする方式。各メーカーは生産する機器の平均で目標基準値を達成する。1998年に改正された省エネ法にこの方式が導入され、従来のような現状の平均的な値を基準とする方法より大きく前進した。トップランナー対象機器は自動車や家電機器、ガス機器などを始め、年々に増やしている。ただし、効率基準の目標値はサイズや機能ごとに決められていてばらつきがある。


トランジットモール【transit mall】

商店街から自動車を排除して歩行者専用空間とし、そこに路面電車やバスなど路面を走行する公共交通機関を導入した空間のこと。CO2排出など自動車からの環境負荷削減と、中心市街地の活性化を目的とする。ヨーロッパのいくつかの都市で導入されている。


二酸化炭素【carbon dioxide】

温室効果ガスの代表で、近年の地球温暖化の加速に最も影響を及ぼしている気体。京都議定書の対象ガス。石油・石炭などの化石燃料を燃やしてエネルギーを取り出す際や、セメント製造などの工業プロセス、廃棄物の燃焼、燃料の燃焼などで排出される。産業革命以来の地球温暖化への影響の6割を占め、日本の温室効果ガス排出量の9割強を占めている。


二酸化炭素回収・貯留【CO2 capture and storange(CCS)】

大規模発生源で発生したCO2を回収し、一定期間にわたり海底や地下に貯留すること。化石燃料消費を減らさずに地球温暖化に対処しようとする方法。多くの先進国が研究を進めているが、回収・貯留に際しかなりのエネルギーを消費するという問題点がある。具体的検討が進められているのは地下貯留だが、CO2の相変化による地下岩盤のダメージが懸念される。また、海底貯留の場合には、海の生態系に関し未解明のことが多く、CO2を溶かした海域が酸性化したり、貯留したCO2が突出して海域の広範囲が無酸素状態になって生態系に危機的影響を与える可能性がある。


二酸化炭素濃度【carbon dioxide (CO2)concentration】

二酸化炭素(CO2)の大気中濃度をいう。産業革命前に280ppm以下で安定していたCO2濃度は、現在393.1ppm(2012年)まで上昇した。IPCCの第5次評価報告書では、産業革命以降の気温上昇を2.0~2.4℃にとどめるには、2050年の二酸化炭素濃度を350~400ppmにおさえなければならないとしている。


熱塩循環【thermohaline circulation】

深層を含めた海水の地球規模の大きな循環のこと。高緯度に運ばれた暖かい海流が、冷たい大気とぶつかって水分蒸発、塩分濃度上昇を起こし、重くなった海水が深層まで沈みこむ結果起こるため、そう呼ばれる。気候変動の影響で循環が停止する可能性が指摘されており、実際に流れが弱まる傾向が観測されている。ヨーロッパに温暖な気候をもたらすメキシコ湾流が弱まると、ヨーロッパ北西部の国が寒冷化すると見られ、大規模な気候変動の一例として懸念されている。


燃費【fuel efficiency】

自動車のエネルギー効率を測定する指標で、燃料1リットルで走る距離で表す。燃費の良い車を低燃費車と称する。走り方によって消費量は様々であるため、政府は車両重量2.5トン未満の車はJC08Hモード、車両重量2.5トン以上の車についてはJE05モードという標準走行パターンを決め、この燃料消費量で車の燃費を計算し、燃費基準を設けている。


燃料転換【fuel switch/fuel conversion】

燃料を換えることで、CO2排出量を削減する対策のこと。石炭から天然ガスに転換すると、燃料消費時のCO2排出量は半分近くになる。化石燃料から再生可能エネルギーへ転換する対策も広い意味での燃料転換。


燃料電池【fuel cell】

水素と酸素を化学反応させて電気を取り出す発電装置。発電効率は40~65%と高く、コジェネレーション(熱電併給)にすると80%にもなるとされ、効率の良い分散型の電源として期待されている。水素は天然ガスやメタノールなどから取り出す方法がある。工場や業務施設用の据置型は一部で使われ始めており、燃料電池車も実用段階に近づいているが、まだコストがかなり高い。


ノンフロン【not-in-kind technology】

従来のフロン・代替フロン(CFC・HCFC・HFC)に代わる、オゾン層破壊もせず温暖化も進めない、自然系の物質などを指す。炭化水素を使用したノンフロン冷蔵庫が、日本では家庭用冷蔵庫の冷媒として広く製造されるようになっている。また、ノンフロン断熱材も実用化にあり、完全な転換が期待される。ただ、ルームエアコンや自動車のカーエアコンの冷媒はノンフロン化が実用化していない。このようにノンフロン化することを脱フロンともいう。


パーク・アンド・ライド【park and ride】

都市部のマイカー利用を抑制する対策の一つ。郊外の駅やバス停付近に駐車場を設置して、マイカーから鉄道やバスなどの公共交通機関に乗り換えるシステム。バスに乗り換えるものをパーク・アンド・バスライドという。


バイオエタノール

生物由来の自動車用バイオ燃料の一つ。植物に含まれる糖を発酵・蒸留させて作るアルコールの一種で、ガソリンの代替として用いられる。トウモロコシなどの澱粉系や、サトウキビの搾りかすや木材・古紙などのセルロース系がある。トウモロコシ起源の澱粉系の場合、製造等に要するCO2排出量がガソリンの燃焼より多くなる場合もあるとの分析結果もあり、食糧との競合も指摘されている。


バイオガス【biogas】

畜産で生ずる糞尿、下水道の汚水処理場で集められた有機物、家庭の台所のごみなどを発酵させて取り出したメタンガスをいう。再生可能エネルギーの一つで、バイオマスの一部。質の高い気体燃料として、高熱の必要な熱源にも使用することができ、コジェネレーションや燃料電池での利用も期待されている。


バイオディーゼル【biodisel】

生物由来の自動車用バイオ燃料の一つ。軽油の代替として用いられるディーゼルエンジン用燃料の総称。菜種油や廃食用油(天ぷら油等)から作られるものが知られている。


バイオ燃料【baiofuel】

生物(主に植物)起源(バイオマス由来)の燃料。通常は自動車用燃料を指す。バイオエタノール・バイオディーゼルなどが代表的。CO2は排出されるが、そのCO2はもともと植物が空気中から取り込んで固定したものなので、差し引きゼロ(カーボンニュートラル)とされる。大量生産を行う場合の食糧との競合や生態系への影響といった弊害が指摘されている。


バイオマス【biomass】

再生可能エネルギーの一つで、生物起源のエネルギー源。間伐材や製材の木屑、剪定された枝葉や建築廃材、畜産で生ずる糞尿、下水道の汚水処理場で集められた有機物などがある。立地条件や熱量の種類によってはコストもかなり安い。ヨーロッパでは広く普及し、スウェーデンなどバイオマスがエネルギー供給の2割を担う国もある。食料との競合や住民に悪影響を及ぼさない持続可能なバイオマス利用が模索されている。


廃棄物発電(ごみ発電)【waste power generation】

廃棄物(ごみ)を燃焼するときの熱を捨てず、これを利用して発電を行うシステム。無駄に捨てていた熱を有効利用できる反面、本来減らすべき廃棄物の排出を前提にしているという問題がある。発電効率は11%程度で、通常の火力発電の4分の1程度である。


廃棄物部門【waste disposal sector】

廃棄物の燃焼等に伴う温室効果ガスの排出の部門。1996年にIPCCが定めたガイドラインでは廃棄物部門のCO2排出は木材や紙の燃焼を除いて計算する。日本ではこの部門のCO2排出は主にプラスチックの燃焼となっている。


排出源【source】

CO2などの温室効果ガスを大気中に排出するもの。京都議定書の附属書Aに整理され、エネルギー(燃料の燃焼、燃料の漏出)、工業プロセス(セメント製造など)、溶剤およびその他の製品の使用、農業、廃棄物が挙げられている。


排出量取引【emissions trading(ET)】

(1)国内政策として、工場などに排出上限を定め、企業などで排出枠を売買する制度。EUなどで導入されたほか、オーストラリア、ニュージーランドは、キャップ・アンド・トレード型の排出量取引制度の導入を国レベルで決め、アメリカも多くの州が導入を検討している。東京都も2010年から導入した。排出許可証取引と同義語で使われる。 (2)国際的には、京都議定書に盛り込まれた先進国(附属書B国)同士で排出枠(割当量単位)を売買する制度を指す。京都メカニズムの一つで、国内の削減努力に対して補完的であることが定められている。


ハイブリッド車【hybrid vehicle】

2種類の動力源を組み合わせて走行する自動車。内燃エンジンと電気モーターを組み合わせた電気・ガソリンハイブリッド車が代表的(ディーゼルハイブリッド車もある)。動力源を巧みに使い分けることで、排ガスやCO2排出量を従来のガソリン車より大幅に削減することが可能となる。専用スタンドが必要なく、直ちに現在の自動車から代替でき普及も進んでいるが、価格はまだやや高い。


バックキャスティング【backcasting】

将来のあるべき社会の姿を想定し、そこから振り返って現在どのような取組みが必要かを考えること。将来の気温上昇を最小限に食い止めるためには、長期目標を設定し、そのためにその道程でどのような対策を講じる必要があるかを検討することが重要である。


発効【entry into force】

条約や議定書が国際法の上で効力をもつこと。発効条件が規定されており、気候変動枠組条約は50カ国の批准条件を満たした90日後の、1994年3月21日に発効した。京都議定書は、条約の締約国の55カ国以上が批准し、かつ1990年の先進国(附属書I国)のCO2排出量の55%分に当たる国々が批准を行うとの条件を満たした90日後の、2005年2月16日に発効した。


パッシブソーラー【passive solar】

電気・機械を使わない太陽熱利用の方法。構造や間取りなどの設計手法によって、自然の通風を利用したり、床や壁の蓄熱性・断熱性を良くしたりして太陽熱を利用する。直接太陽熱を吸収する装置を取りつけ電気・機械を使って太陽熱を利用する方法をアクティブソーラーという。両者を組み合わせたハイブリッド方式もある。またこれらを総称してソーラーシステム(広義)という。


発電設備容量【power plant capasity】

発電所(電源)の発電できる設備の大きさ。キロワット(kW)で表す。電源設備容量、単に設備容量、設備量などということもある。


発電電力量(発電量)【power supply】

発電所で実際に発電される電力の量。発電所(電源)の発電できる設備の大きさ(発電設備容量、キロワット(kW))に年間時間(8760時(h))と設備利用率を掛けると求められ、キロワット時(kwh)を単位として表される。単に発電量ということもある。


波力発電【wave power generation】

再生可能エネルギーの一つで、海洋の波の力を利用した発電方法。日本でも既に実用化され、灯台やブイなどの電源供給に一部利用されている。コストはまだ高い。


ピークオイル【peak oil】

世界の石油生産が近い将来ピークを迎え、急速に減少するという説。1956年にハバートが米国の石油生産量について1970年頃と予測し、実際に1971年にピークを迎えた。近年、キャンベルらが世界に応用して発表している。ただし埋蔵量が有限で原油生産量がいずれピークを迎えることについては異説はないものの、時期については議論がある。


ヒートアイランド【heat island phenomenon】

ビル・工場や自動車などによって人工熱や放射熱が大量に放出され、都市部の平均気温が周囲に比較して高くなる現象。特に最低気温が高くなる。等温線が島のような形になるためヒートアイランド(=熱の島)と呼ばれる。温室効果ガスの増加により起こっている地球全体の地球温暖化とは別の現象だが、地球温暖化とあいまって都市部の気温上昇を加速させる。化石燃料の大量消費が原因だという点は、地球温暖化と共通である。


ヒートポンプ【heat pump】

温度の異なる2つの熱源を利用し、冷暖房などを行う技術手法。これによりガス・電気の給湯器などで目覚ましい効率向上を果たした。液体が気化するときに周囲から熱を奪う性質を上手に利用する。低い熱源から高い熱源に熱をくみ上げているように見えることからこのように呼ばれている。温度差エネルギーと呼ばれる未利用のエネルギー源を活用する方法として注月される。


非政府組織(NGO)【non-governmental organization(NGO)】

政府以外の組織を指す国連の用語。企業も含まれるが、日本では通常、企業を除く市民団体を指す。NPOと同義で使われることも多い。国内外の環境問題に取り組む団体を環境NGOという。また、企業や業界団体は産業(ビジネス)NGOと呼ばれることがある。


氷河湖【glacial lake】

氷河の氷が気温上昇により融解し、その水が流れずに溜まって形成された湖のこと。近年、その教が増え決壊による洪水の危険性が叫ばれている。


氷床【ice sheet】

陸地を覆う5万平方km以上の氷河の塊のこと。氷床は棚氷や(狭義の)氷河より巨大なものを指し、南極とグリーンランドのみに存在する。


ビルエネルギーマネジメントシステム【Building Energy Management System(BEMS)】

オフィスビルなどの業務用施設において空調や照明など設備の運転状況を適切に管理しエネルギー消費の削減を行うシステムの総称。運転状況をモニターしたり、機械的に制御を行う機材を導入する専用の事業者もおり、総合的なシステムとして導入されるものを指すことが多い。


フードマイレージ【food mileage】

ある食料がどれだけ遠方から運ばれているかを示す指標。食料の重量×輸送距離(t・km)で表す。生産地と消費地が離れると輸送にかかるエネルギーがより多く必要になり、地球環境に大きな負荷をかける。日本は食料を海外に依存していることもあり、フードマイレージはアメリカの約3倍、フランスの約8倍となっている。国内産の食料と輸入食料ではフードマイレージが大きく異なる。


風力発電【wind power generation】

自然の風を受けて風車を動力源として発電するシステム。CO2排出が極めて少なく、コストも比較的安い再生可能エネルギーの代表。世界の設備容量では、ドイツ、スペイン、アメリカ、デンマークなどが多く、固定価格電力買取法を制定して優遇した国々の設備量が多い。


プラグイン・ハイブリッド車【plug-in hybrid electric veicle】

家庭用電源(コンセント)で充電できるハイブリッド車。一般の電気・ガソリンのハイブリッド車より電池の容量を増やし、モーターで走る距離を増やす考えのものだが、実用化にはバッテリーの高性能化とインフラ整備が課題。


BRICs

経済成長が顕著な、ブラジル(Brasil)、ロシア(Russia)、インド(India)、中国(China)の頭文字を取った4カ国の総称。これに、南アフリカ(South Africa)を加えたBRICS、インドネシア(lndonesia)を加えたBRIICSとの変形型もある。


フロン(フロンガス)【chlorofluorocarbons】

半導体製造や冷蔵庫・エアコンの冷媒・発泡・スプレーなど幅広い用途に使われてきたフッ化炭素化合物(CFCs、HCFCs、HFCs)の総称。CFCs、HCFCsなど塩素を含むものがオゾン層破壊物質であることがわかり、モントリオール議定書による生産規制が取られてきた。オゾン層を破壊しないHFCsを含め、CO2の数百から数万倍の強力な温室効果ガスで、早急な削減対策が求められている。CO2などと異なり人工物質であり、同じ機能をもつ代替物質への転換選択肢も多いと考えられる。


分散型エネルギー【decentralized energy】

エネルギーを消費する場所の近くで供給される小規模のエネルギー源、またはそのエネルギーをいう。再生可能エネルギーは多くが分散型エネルギーである。小規模の化石燃料電源、燃料電池、コジェネレーションなどを含む場合もある。


ベストミックス【best mix】

一次エネルギー供給や電源について、石油依存度を低め、他のエネルギーや電源を利用することでリスク分散を図るという政策。日本政府による原子力や石炭の促進の論理として使われる。ミックスの仕方について他の選択肢が示されなかったり、環境負荷も大きいものが導入されたりする口実になるという問題点がある。


放射強制力【forcing radioactive】

温室効果の強さを表す指標で、単位面積当たりの放射量の変化で表される。


放射性廃棄物【radio active waste】

原子力発電所の使用済み燃料や、解体された原子炉などの放射能を帯びた廃棄物。放射性物質の半減期(放射線のレベルが半分になる期間)はヨウ素126の13日から、プルトニウム239の2万4千年、ウラン235のように1億年を超えるものまであり、極めて長期にわたる厳重な管理が必要となる。日本では放射性廃棄物は高レベル、低レベル、低レベル未満の廃棄物に分けられる。高レベル廃棄物はガラス状に固めて地下に埋められ、低レベル廃棄物はそのレベルによって分別され管理されるが、低レベル未満のものは一般のくず鉄やコンクリートと同様、リサイクルするとの方針が示されている。


未利用エネルギー【unsed energy sources】

従来は有効に利用されていなかったエネルギーのこと。工場や業務施設の廃熱など回収・利用されていない熱エネルギーや、河川や海水などの温度差エネルギーなどがある。再生可能エネルギーを含めて未利用エネルギーと呼ばれることもある。


民生部門【residential and commericial sector】

CO2排出の部門の一つ。家庭部門と業務部門をあわせたもので、CO2排出量は日本全体の約30%を占める。世帯数や業務床面積の増加等により1990年以降のCO2排出の増加が特に大きい部門である。


メタン【methane(CH4)】

有機質が腐敗したときなどに発生する温室効果ガス。京都議定書の対象ガスの一つ。CO2の約20倍の温室効果をもつ。ゴミの埋立地や水田、畜産、自動車排ガス、石炭・石油・天然ガス採掘時の漏洩などで排出される。永久凍土の下や、海底の土の中にもメタン水和物の形で膨大な量が貯蔵されており、地球温暖化を受けてこれが溶けて大気中に放出された場合、地球温暖化を急激に加速するおそれがある。


モーダルシフト【modal-shift】

貨物・旅客の輸送を自動車・航空から鉄道・バス・海運などのエネルギー効率の良い輸送機関にシフトし、CO2や大気汚染物質の排出量を削減する対策。貨物についてよく使われ、長距離輸送をトラックから鉄道・海運にシフトする方法や、鉄道・海運と都市内のトラックの接続をソフト・ハードの両面から改善する方法などがある。旅客では、乗り入れ規制や駐車場の制限、ロードプライシング(道路利用への課金)により、都市部で乗用車から鉄道・バスにシフトさせる方法などがある。


木材ペレット【wood pellet】

木質バイオマスの利用方法の一つで、木材をペレットや円筒形の小さな粒)に加工したもの。ペレットストーブと呼ばれる専用のストーブの燃料として活用される。北海道・岩手・長野などを中心に日本でもペレットの製造工場も広がってきている。灯油などの代わりとして広く普及されることが期待される。


木質バイオマス(森林バイオマス)【woody biomass/forest biomass】

生物を起源とするバイオマスのうち、間伐材や製材の木屑、剪定された枝葉、建築廃材などの木や木に由来するエネルギー源。再生可能エネルギーの一つ。古来から薪や炭として利用されてきたが、最近の技術を使うと熱供給・発電及びコジェネレーション(熱電併給)で効率良く利用できる。北欧などで既に利用が進んでおり、CO2削減に効果が大きい。


約束期間【commitment period】

数値目標の達成期限となる年。目標年。京都議定書では、最初の約束期間は2008~12年の5年間と決められた。単年だと特別な気象条件などに影響される場合もあるため、複数年の平均をとっている。


揚水式水力発電(揚水発電)【pumped storage power generation】

水力発電の一方式で、夜間に余る原子力発電所などの電力を貯めるためにつくられる発電所。電力の需要が少なく発電電力が余る夜間に下部の調整池から上部の調整池に水をくみ上げ、需要が多い昼間に必要に応じて水を落として発電する。発電される電力がくみ上げに要する電力より少なく効率の悪いもの。1日せいぜい数時間しか動かないため、年間の設備利用率は数%にすぎない。2つダムをつくるので自然破壊の問題も大きい。


余剰電力購入メニュー【surplus electricity】

日本で電力会社により自主的に行われている再生可能エネルギー電源からの電力買取メニューの一つ。自家消費を除いた「余剰」分のみを電力会社が予め定め公表した単価で買い取る仕組み。


予防原則【precautionary principal】

重大かつ不可逆的な影響があると認められる問題については、たとえその環境破壊の現象や因果関係に不確実性があっても、現象や原因の解明を待たずに予め対策をすべきという原則。地球サミットのリオデジャネイロ宣言及び気候変動枠組条約に盛り込まれている。


ライトレイルトランジット【Light Rail Transit(LRT)】

省エネ型で高速で乗り心地の良い新型の路面電車のこと。軽快電車、次世代路面電車とも呼ばれる。同じ距離を移動するのにCO2排出量が自動車の7~10分の1で済み、大気汚染物質も排出しない。ヨーロッパで新たな導入や路線延長が進んでいる。日本でも最近では、LRTの新路線建設や既存路線での新型車両導入といった動きが見られる。


ライフサイクルアセスメント【Life Cycle Assessment(LCA)】

製品などの資源採取から使用後の廃棄までの資源枯渇量や各種の環境への負荷を試算し、分析して評価する方法。