●「進捗状況の評価」には物足りない論点整理案
17日、産業構造審議会環境部会地球環境小委員会・中央環境審議会地球環境部会第14回合同会合が開かれ、京都議定書目標達成計画の進捗状況の評価についての中間的とりまとめとなる「排出量及び取組の状況等に関する論点整理(案)」が示され、議論が行われた。同整理案は、自主行動計画とそれ以外に分けた形になっている。自主行動計画については、「対象範囲拡大」「目標引き上げの促進」などが記されているが、自主行動計画のそもそもの問題である位置付け・責任の曖昧やさ目標水準の不十分さなどには触れていない。自主行動計画以外については、内容的には方向は概ね良いものの項目の羅列にとどまっている。複数の委員から「温暖化への危機感が弱いのではないか」との意見もあり、目達計画の進捗状況の評価としては踏み込み不足で物足りない。同案は座長一任となり、実質的に了承された。その後、同案は修正なしで19日より意見募集(パブリックコメント)に付されており、意見提出の締切は5月9日となっている。合同会合は今後、対策・施策の見直しの検討に入る予定だが、次回は未定。(問合せ:環境省地球温暖化対策課 TEL:03-5521-8249)
●IPCC第2作業部会報告書を一般向けの解説書へ
12日、中央環境審議会第52回地球環境部会が開かれ、IPCC第4次報告書第2作業部会報告書概要について原沢英夫委員(国立環境研究所)から、「2050日本低炭素社会シナリオ」の中間報告について西岡秀三委員(同研究所)から説明が行われた。「IPCC報告の内容を一般の人に分かりやすく伝えるためにはどのような手法が有効か」、という複数の委員からの質問に対し、「漫画のように読みやすい解説書を作る必要がある」との回答が説明者からあった。(問合せ:環境省地球温暖化対策課 TEL:03-3581-3351)
●政府の京都メカニズムクレジット購入価格、不明
13日、経済産業省と環境省は平成18年度京都メカニズムクレジット取得事業において、委託した新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO技術開発機構)が638.4万トン(CO2換算)のクレジット取得契約を締結したことを発表した。契約締結先や契約に含まれる事業概要はNEDO技術開発機構の資料に記されているが、購入価格についての記載はない。(問合せ先:経済産業省京都メカニズム推進室 TEL:03-3501-7830)
●窓の断熱性表示ガイドライン作成、始まる
13日、総合資源エネルギー調査会省エネルギー基準部会住宅・建築物判断基準小委員会第1回建築材料断熱性能表示制度ワーキンググループが開かれた。2006年4月施行の省エネ法改正により、建築材料の断熱性に関わる品質表示の対象として、新たに加工事業者と輸入事業者を追加し、ガラスとサッシの断熱性表示ガイドラインを作成する。5月下旬にはガイドランの取りまとめが予定され、その後、意見募集等を経て2007年夏頃にガイドラインが告示として制定、公表される予定。(問合せ:経済産業省住宅産業窯業建材課 TEL:03-3501-9255)
●地デジ対応DVDレコーダー、省エネ基準設置へ
18日、総合資源エネルギー調査会省エネルギー基準部会第3回DVDレコーダー判断基準小委員会が開かれ、中間取りまとめ案の最終的な議論が行われた。地上デジタル対応DVDレコーダーの省エネ基準案は、この後、約1ヶ月間の意見募集を経た後、6月中頃に省エネ基準部会で審議される予定。(問合せ:資源エネルギー庁省エネルギー対策課 TEL:03-3501-9726)
●自販機の省エネ目標の基準値と年度を議論
11日、総合資源エネルギー調査会省エネルギー基準部会第3回自動販売機判断基準小委員会が開かれ、目標設定のための区分と目標基準値の考え方について議論が行われた。新たな設定区分では現行の缶・ボトル飲料自販機に紙容器とカップ式飲料の自販機を追加する。目標基準値の考え方としては、最もエネルギー消費効率の良い製品の年間消費電力量をトップ値とし、どの区分においても一定幅の削減率が求められるよう目標基準値を定める。次期目標年度は2012年とする。次回は26日。(問合せ:資源エネルギー庁省エネルギー対策課 TEL:03-3501-9726)
●経済界が京都議定書の次期国際枠組構築に牽制
経済同友会が4日に「真に地球規模で実効性ある枠組みを−ポスト京都議定書の国際的枠組みに関する意見−」を、日本経済団体連合会が17日に「京都議定書後の地球温暖化問題に関する国際枠組構築に向けて」という意見書を発表した。両者の主張はほぼ同じで、日本の産業界に実質的な負担がかかるのを避け、温室効果ガスの排出規制がかからないよう配慮した主張となっている。いずれの意見書もそれぞれのホームページ(同友会 http://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2006/pdf/070404.pdf)、(経団連 http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2007/033.html)から入手できる。
●「環境立国」日本、短・中期削減目標値が必要
中央環境審議会21世紀環境立国戦略特別部会は12日に第5回、23日に第6回会合が開催された。第6回は地球温暖化をテーマに、石谷久氏(慶応大学)が地球温暖化問題の対応とエネルギー政策について、鮎川ゆりか氏(WWFジャパン)が地球温暖化を危険な域に進ませないために日本の果たすべき役割について報告し、ヒアリングが行われた。鮎川氏は、「環境立国」日本に期待されることとして、気温上昇幅を2℃未満に抑えるため温室効果ガス排出削減の短・中期目標値を掲げること、「京都議定書」の目標達成を確実にする政策(「国内省エネ目標」を数値化し義務化する)の導入、中国やインドへのクリーン技術移転などを指摘し、環境戦略における温暖化対策の明確な指針を示した。次回は26日。(問合せ:環境省政策評価広報課 TEL:03-5521-8326)
●06年度の原発利用率は7割弱、「88%」見直しを
経済産業省原子力安全・保安院は6日、2006年度の全国の原子力発電所55基の設備利用率が69.9%だったと発表した(2005年度は71.9%)。日本の原発の設備利用率は近年せいぜい7割程度で推移しており、京都議定書目標達成計画の87〜88%という非現実的な数字は、早急に現実的なものに見直すべきである。(問合せ:経済産業省原子力安全技術基盤課 TEL:03-3501-0621)
●ユネスコが世界遺産への温暖化被害を報告
国連教育科学文化機関(UNESCO)は10日、「気候変動と世界遺産に関する事例研究」を発表した。キリマンジャロ国立公園やロンドン塔などを含む26の事例を上げ、ユネスコの世界遺産リストに登録されている830ヶ所で、温暖化による脅威が自然遺産や文化遺産に迫っていることを報告している。ネパールのサガルマタ国立公園の例では、氷河の融解により環境が変化し、希少動物であるユキヒョウの生息地が破壊されると予測されている。また、氷河湖の決壊により洪水がおき、人々の住宅が崩壊する可能性もあるとして、モニタリングや早期警戒システム、氷河湖の人口排水路の構築が提案されている。報告書(英文)は、UNESCOのホームページ(http://whc.unesco.org/en/news/319)から入手できる。
●NASA、北極海の多年氷面積減少を研究発表
米航空宇宙局(NASA)は3日、夏でも融解せずに残る北極海の多年氷(厚さ3メートル以上)が、2005年にはわずかしか形成されなかったと発表した。この発表は、2006年の秋に報告された2004年から2005年にかけて多年氷が14%減少したことを裏付けるもので、今後も同様の傾向が続くと予測されている。薄氷は夏の間に融解するが、分厚い氷は多年氷を補完し、北極海表面の氷を保つのに重要な役割を果たしている。この研究は、NASAジェット推進研究所のロン・クォック博士が衛星から観測した北極海氷のデータ(2000〜2006年)を分析したもので、詳細(英文)はNASAのホームページ(http://www.nasa.gov/home/hqnews/2007/apr/HQ_07077_Arctic_Sea_Ice.html)から入手できる。
●WWF、気候変動による自然への打撃をレポート
世界自然保護基金(WWF)は5日、 気候変動が世界の貴重な自然や生態系に壊滅的な打撃を及ぼす可能性があると警告するレポートを発表した。レポート(英文)はWWFのホームページ(http://www.panda.org/about_wwf/what_we_do/climate_change/news/index.cfm?uNewsID=98600)から入手可能。
●国連安保理で初の気候変動に関する公開討論
17日、国連安全保障理事会で初めて気候変動と安全保障の関係についての公開討論が行われた。4月の議長国である英国が、気候変動は水不足や地形変化をまねき国家間の対立や国境問題が紛争につながる可能性を挙げ、討論を提起した経緯による。丸一日かけた討論では、沈没の危機にさらされている島国や温室効果ガス大量排出国の代表団にも意見表明の機会が与えられた。安保理での協議を求める英国と、より多くの発展途上国が参加する場で議論すべきと主張する中国やロシア、南アフリカ等の対立も見られたが、このような会議で55カ国が参加したことは記録的なことであった。公開討論(英文)は国連の報道発表(http://www.un.org/News/Press/docs//2007/sc9000.doc.htm)から入手できる。
◆報告書「2020年30%削減社会ビジョンを描く〜家庭・業務部門の削減シナリオと政策提案〜」◆
家庭・業務部門について、30%削減を実現する社会ビジョンに向かって、可能な限りの対策を想定した試算を行い、それを進めるための政策措置を提案したものです。気候ネットワークのホームページで入手できます。冊子(500円・送料別)をご希望の方は、気候ネットワークにお問合せください。
◆政策研究レポート「地球温暖化防止の視点から都市間交通を問い直す」◆
都市間を移動する際の交通機関の利用についてCO2排出量の面から検証を行いました。気候ネットワークのホームページで入手できます。冊子(会員100円、一般300円どちらも送料別)をご希望の方は、気候ネットワークにお問合せください。
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