気候ネットワーク 市民のチカラで、気候変動を止める。

用語集:地球温暖化キーワード:か〜こ


カーシェアリング【car sharing】

自動車を個人ではなく、複数の人で共同利用する仕組みのこと。業務用や個人利用などがあり、会員制など事業形態もいろいろある。1987年にスイスで始まった。自家用車利用からシフトすれば、自動車走行距離やCO2排出削減になることが多い。京都議定書目標達成計画にも記されている。


カーボンオフセット【carbon offset】

他の排出削減活動で得られたクレジットを購入することで、日常活動や経済活動における排出を帳消しにすること。これを満たすクレジットは、京都メカニズムによるもの、自然エネルギーや省エネによるもの、森林の吸収によるものなど、多種多様であることから、その品質を保障することが課題となっている。とりわけ植林活動などの一時的な森林吸収分をもって、永遠に大気中に放出される化石燃料起源の排出のオフセットに使うことは問題視されている。


カーボンニュートラル【carbon newtral】

バイオマス燃料などの燃焼が、光合成でCO2を固定した分を排出し、植物の成長分のみを利用することに留めれば排出と吸収がつりあうことを示し、排出はプラスマイナスゼロとする考え方。


カーボンフットプリント【carbon footprint】

商品のライフサイクル全般(資源採掘から廃棄まで)でのCO2(または温室効果ガス)排出量を表示する仕組み。イギリスなどで始まっており、国際標準化機構(lSO)でカーボンフットプリント制度の国際標準化が検討されている。正確な排出量の算定には課題も多い。


海面上昇【sea level rise】

海水温の上昇による海水膨張や陸上の雪氷の融解が原因となり海面が上昇する現象で、地球温暖化による影響の一つ。lPCCの第5次評価報告書によると、過去100年に海面は19cm上昇した。台風などに伴う高潮や地下水の塩水化による壊滅的な被害も伴うため、小島諸国などは被害が出始めている。このまま推移すると21世紀末には最大82cm上昇すると見られる。この予想は、南極氷床やグリーンランドの海洋を基部とする部分の崩壊が始まった場合の値である。海面上昇はいったん始まるとその後、千年程度にわたって上昇が続くと指摘されており、大規模な崩壊を引き起こす気温は、1~4℃の範囲と予測されている。


海洋温度差発電【ocean thermal energy conversion power generation】

海の海面と深海の温度差を利用する発電。再生可能エネルギーの一つ。まだ実用段階に至っていない。


核燃料サイクル【nuclear fuel cycle】

核燃料を原子力発電で繰り返し利用するシステムで、軽水炉と高速増殖炉のサイクルが形成される。国の原子力長期計画にその推進が位置づけられ、高速増殖炉「もんじゅ」の研究開発などが日本原子力研究開発機構(旧動燃と原研が合併)を中心に行われている。


可採年数【reserve-production ratio】

石油や金属などの資源が現在の生産量と比較し、あと何年分あるかを示す指標。確認可採埋蔵量(採掘にかかる経費と販売価格を比較し採算がとれる総量)を、その年の生産量で割った値。石炭は今の消費を続けてもあと150年は供給できるが、石油や天然ガス、ウランは40~60年程度とみられ、ピークオイル説では石油の寿命はもっと短いとされている。


化石燃料【fossil fuel】

石炭、石油、天然ガスなど、地下にある燃料資源。太古の植物や動物の化石からできたためにこのように呼ばれる。主に炭素と水素からできた物質で、燃焼の際にCO2が発生するため、地球温暖化の主要な原因となっている。日本では一次エネルギーの8割以上を化石燃料に依存している。地球温暖化防止と資源制約の両面から消費の削減が求められている。


家庭部門【residential sector】

CO2排出の部門の一つ。家庭生活における電気・ガス、灯油などの消費に伴う排出を指し、自家用車からの排出は一般には含めないことが多い。オフィスなどの業務部門とあわせて民生部門と呼ばれる。家庭のCO2排出量は日本全体の14%を占め、1990年度以降2011年度までに48.1%増加した。1世帯当たりのCO2排出量は欧米の約半分である。[HY2] 最近では機器の大型化・多機能化・台数増加や、オール電化の普及などで電力需要の増加が大きい。


稼働率【operating ratio】

発電所などの設備が一定期間中にどれだけ動いているかを示す。設備利用率と異なり、出力の度合いは問わず、何らかの形で動いていた時間数を用いて、年稼働率は稼働時間数/年間の総時間数×100(%)で表される。発電所については設備利用率を使うことが多い。


火力発電【thermal electric power generation】

化石燃料(石炭・石油・天然ガスなど)を燃やして蒸気を発生させ、タービンを回して発電する方法。日本のCO2排出量の約3割を占めている。


環境家計簿【household eco-accounting book】

家庭での買い物や電気、ガス、水道、あるいは自動車の利用などをCO2換算して環境負荷を計算する家計簿。自分の家庭のCO2排出状況などを知ることができ、CO2排出など環境負荷の削減を進めるのに役立つ手法である。


環境省【Ministry Of the Environment】

地球環境保全、公害防止、自然環境の保護および整備その他の環境の保全を任務とし、政策の実施と総合調整を行う省で、前身の環境庁は1971年に設置され、2001年の省庁再編で旧厚生省の廃棄物・リサイクル部分が加わり、省に昇格した。大臣官房と4つの局で構成され、地球温暖化対策は主に地球環境局が担当する。


環境税【enviromental tax/eco-tax】

環境負荷の大きなものに課税してその価格を上げることによって、環境負荷を減らすことを目的とする税。経済的手法の一つ。市場を生かして外部不経済(環境コスト)を内部化し、企業や個人を環境に良い行動に誘導する仕組み。一般に税収の使途は問わない。地球温暖化分野では、CO2削減のために化石燃料に課税する炭素税が代表的で、フロン税などを課している国もある。日本では環境税という用語を炭素税の意味で用いることが多いが、環境税は本来は温暖化分野に限らないより広い意味を持つ。


環境的に持続可能な交通【Enviromentally Sustainable Transport(EST)】

OECD(経済協力開発機構)が提案する運輸部門における環境負荷低減のための政策ビジョンで、長期的視野に立って交通・環境政策を策定・実施する取組み。人々に対して未来の交通のあるべき姿を示すことにより、人々の意識改革を促し、環境負荷の少ない交通行動などを選択することを促すというもの。京都議定書目標達成計画にも記されていた。


環境と開発に関する国連会議(国連環境開発会議、地球サミット)(UNCED)【United Nations Conference on Environment and Development】

環境保全と持続可能な開発をテーマに1992年にブラジルのリオデジャネイロで開催された国連会議。地球環境問題が世界的にクローズアップされた。政府合意として、リオ宣言、アジェンダ21などを採択した。リオ宣言には「予防原則」、「共通だが差異ある責任」などの原則が盛り込まれ、京都議定書などでも取り入れられた。10年後の2002年には「持続可能な開発に関する世界首脳会議」(WSSD)が開催された。


環境難民【environmental refugee】

気候変動などの環境問題による洪水や干ばつなど、環境の悪化によって居住環境などが悪化し、新しい土地へ移住を強いられ、家や食糧を失い難儀する人々。


環境報告書【Corporate Social Responsibility report】

企業等の事業者が、経営責任者の騒音、環境保全に関する方針・目標・計画、環境負荷の低減に向けた取組みの状況等について取りまとめ、一般に公表するもの。CO2排出量や温暖化対策についても記載されることが多いが、温室効果ガス排出量については事業ごとに報告の仕方が異なり、情報開示程度もばらつきがある。


環境ラベル【environmental labeling】

商品の環境に対する良悪の情報(ラベル)を表示し、消費者が良いものを購入し悪いものの購入を抑えることを促す仕組み。環境負荷の特に少ない商品にラベルを貼って識別させるものと、同じ種類の商品の環境負荷を段階的に示してどの商品が良いか悪いかを示すものがある。日本では前者にはエコマークなどがあり、後者には家電製品の省エネ効率を示す統一省エネラベルなどがある。商品のライフサイクルCO2排出量を表示するカーボンフットプリントも、広い意味では環境ラベルの一つである。


間接排出【indirect emission】

発電された電力を、産業・業務・家庭などの最終消費部門に振り分けてCO2排出量を計算する方法。電力配分後ともいう。家庭や工場などの需要側の削減を評価しやすいが、原子力の事故や石炭の増加などの電力原単位の悪化の影響を需要側部門が受けることになる。


緩和【mitigation】

排出削減対策のこと。適応措置と区別し、このように呼ばれる。


気候安全保障【climate security】

気候変動を安全保障問題としてとらえる考え方。島嶼国にとって海面上昇が国家の存亡に関わる問題であるのはわかりやすい例である。国連安全保障理事会が気候安全保障の観点から気候変動を取り上げ、アメリカ国防総省が環境難民の多発など気候安全保障も考慮した分析レポートを作成するなど、世界で検討が進みつつある。


気候感度【climate sensivity】

放射強制力が1単位増加した際の長期的な気温上昇をいう。予測にはまだ未解明の点もあるため、気候モデルにより気候感度は多少異なる。


気候変動【climate change】

数年から数万年以上という様々な時間スケールで気候が変化すること。特に気温の上昇とそれに伴う降水量などの変化を指すことが多い。降水パターンの変化により現在の穀倉地帯が乾燥化すると見られるほか、予想される気温上昇が多くの植物の移動速度を大幅に上回るなど、植生や農業に大きな影響が出ることが予測されている。なお、日本では同義で「地球温暖化」がよく用いられるが、海外では「気候変動」が用いられることが多い。


気候変動に関する政府間パネル(IPCC)【Intergovernmental Panel on Climate Change】

UNEP(国連環境計画)とWMO(世界気象機関)により1988年に設置された機関。各国の専門家が集まり、地球温暖化に関わる知見の収集と整理を行い報告する。①気候の科学的根拠の評価、②地球温暖化の影響や適応策の評価、③排出削減オプションの評価、に関する3つの作業部会から構成されている。90年に第1次(FAR)、95年に第2次(SAR)、2001年に第3次(TAR)、2007年に第4次(AR4)の評価報告書が発表された。AR4では、20世紀の気温上昇が人為影響による可能性がかなり高いとし、2100年までに長大6.4℃の気温上昇があると予測した。さらに、気温上昇と温暖化影響の関係を示し、2.0~2.4℃に気温上昇を抑制するには、先進国は2020年に90年比25~40%削減、2050年に80~95%削減をし、世界の排出を2015年までに頭打ちにしなくてはならないと指摘している。


気候変動枠組条約(気候変動に関する国際連合枠組条的)(UNFCCC)【United Nations Framework Convention on Climate Change】

温室効果ガスの増加に伴う気候変動を防止するための枠組みを規定した条約。1992年5月に採択され、同6月の地球サミットで署名を開始し、1994年3月に発効した。190カ国以上が参加する。危険でないレベルで温室効果ガスの濃度を安定化させることを究極の目的に定めており、取組みは「共通だが差異ある責任」において「予防的アプローチ」に基づくべきと規定している。先進国の温室効果ガス排出を2000年までに1990年レベルに安定化させるために政策・措置をとること、各国が排出量を通報し、その審査を行うことなどを規定している。2000年目標は日本を含む西側先進国の多くは未達成に終わった。


気候変動枠組条約締約国会議(COP)【Conference of the Parties】

条約の締約国の会議で最高意思決定機関。気候変動枠組条約では、各締約国、特に先進国の排出削減計画や実施状況の検証、新たな仕組みの確立を議論する。京都議定書発効後の2005年からは、条約締約国会議に併せて議定書締約国会合(CMP)も開かれている。


気候モデル【climate model】

将来の気候を予測するためのコンピューター・シミュレーション・モデルを指し、通常は大気圏と海洋圏を結合させたモデルをいう。近年モデルの信頼性が増したことで、IPCCの第4次評価報告書で、20世紀半ば以降の気温上昇は人間活動による温室効果ガスが原因とほぼ断定するに至っている。地球の表面を3次元の格子に分割して計算を行うため膨大な計算量を必要とし、計算にはスーパーコンピュータが使用される。日本では「地球シミュレータ」が有名。


技術移転【technology transfer】

途上国の地球温暖化対策を進めるために、先進国から途上国に技術を移転することを指す。気候変動枠組条約で先進国(附属書Ⅱ国)の義務とされているが、実施は滞っている。途上国の大幅削減には省エネ技術などの加速度的な移転・普及が鍵を握っている。


基準年【base year】

各国の数値目標を算定する時に基準とする年。京都議定書では基準年は原則として1990年とされた。ただし、対象ガスのうちHFC・PFC・SF6については95年とすることができる(日本も95年を選択)。またロシア・東欧諸国は通告により90年以前の年を基準年とすることができる。


議定書【protocol】

条約の一部を強化するため、条約本体とは別に結ぶ取り決めのこと。オゾン層保護のためのウィーン条約を強化するためにできたモントリオール議定書などが有名。気候変動枠組条約では1997年12月に京都議定書が採択された。


キャップ・アンド・トレード【cap and trade】

排出量取引に参加する各主体(事業者など)ごとに排出できる量の上限(キャップ)を決め、それを超えて排出する主体と排出枠に余裕のある主体の間で取引(トレード)を行う仕組み。一般に排出量取引というと、この方式を指す。排出の上限(キャップ)の初期割当の方法には、過去の実績ペースで割り振る「グランドファザリング」やCO2原単位などをもとに割振る「ベンチマーク」、有償割当の「オークション」がある。


吸収源(シンク)【sinks】

海洋や森林などのCO2を吸収するもの。京都議定書では、1990年以降の人為的な新規植林・再植林・森林減少に加え、追加的活動として森林管理・農地管理・放牧地管理・植生回復を第1約束期間(2008~12年)に利用することも選択できる。これらの吸収源活動による吸収の利用は先進国(附属書Ⅰ国)の排出削減を大きく緩めるものとなっている。また、定量的に計算する際の不確実性が化石燃料からの排出に比べて極めて大きいという問題もある。


共通だが差異ある責任【common but differentiated responsibility】

過去の地球温暖化と今後の対策について、公平性の観点から先進国により重い責任を課した言葉。地球温暖化への責任は全世界共通のものだが、「歴史上及び現在の世界における温室効果ガスの排出量のうちの大部分は先進国において発生したものであること、途上国の-人当たりの排出量は依然として比較的少ないこと」(気候変動枠組条約前文)から差異があるとされた。対策について先進国と途上国では開始時期や内容に差が設けられ、京都議定書第1約束期間では途上国に削減義務を課していない。


共同実施【Joint Implementation(JI)】

先進国(附属書Ⅰ国)同士が共同で排出削減や吸収のプロジェクトを実施し、投資国が自国の数値目標の達成のためにその排出削減単位(ERUs)をクレジットとして獲得できる仕組み。京都メカニズムの一つ。この制度に頼り過ぎないよう「国内措置に対して補完的であること」も明記された。クリーン開発メカニズム(CDM)と異なり先進国間で行うため、手続きもCDMと比較して簡略になっている。


共同達成【joint fulfilment/burden sharing】

温室効果ガス削減の数値目標を複数国で共同で達成することで、京都議定書で認められた。共同達成する場合は、締約国はその合意の内容を事務局に通告する。共同達成を組んだ締約国グループが全体での数値目標を達成できなかった場合、各締約国の責任となる。共同達成のために組むグループを「バブル」と呼び、EU(京都議定書第1約束期間では、拡大前の西側15カ国のみ)のものを「EUバブル」と呼ぶ。


共同配輸送(共同輸送)【consolidated transport service】

事業者内や異なる事業者間で市街地・長距離のトラック輸送を共用化し、複数の種類の荷物を積み合わせて積載率を高めること。日本ではトラックの積載率は営業用で50%程度、自家用で25%程度であり、無駄が多い。共同輸送は、積載率を高くし、トラック全体の走行量を減らしてCO2排出を削減する手段として有効であることが、各地の実験結果で示されている。


京都議定書【Kyoto Protocol】

1997年12月のCOP3(第3回締約国会譲)で採択された気候変動枠組条約の議定書。2008~12年の第1約束期間に先進国(附属書I国)に、1990年比で日本-6%・アメリカ-7%・EU-8%など各国ごとに拘束力ある総量での数値目標を定め、先進国(附属書I国)全体では90年比で少なくとも5%削減するとした。他国での削減を利用する京都メカニズムや、森林等の吸収を排出量から差し引く仕組み、各国の削減を確実にするための遵守制度などを設けた。


京都議定書締約国会合【Conference of the Parties serving as the meeting of the Parties(COPMOP/CMP)】

京都議定書の運用や改正に関する最高意思決定機関。第1回会合は議定書が発効した2005年に条約締約国会議(COP)と併せて開催され、以後毎年併せて開かれている。


京都メカニズム【Kyoto Mechanisms】

数値目標達成のため、国内の削減努力を補完するものとして京都議定書で認められた3つのメカニズム(排出量取引(ET)・共同実施(JI・クリーン開発メカニズム(CDM))の総称。以前は「柔軟性措置」とも呼ばれていた。COP7(第7回締約国会議)で運用ルールが合意された。


業務部門【commercial sector】

CO2排出の部門の一つ。企業や公営部門のうち、オフィス・商店・飲食店・学枚・病院・ホテル・旅館・娯楽施設などを指す。現在、国の統計では「業務その他部門」とも呼ばれ、工場(製造業)と住宅(家庭)を除く建物のほとんどを含む多種多様な業種で構成される。業務部門のCO2排出量は日本全体の18%を占め、1990年度以降2006年度までに39.5%増加した。


クリーン開発メカニズム【Clean Development Mechanism(CDM)】

先進国と途上国が共同で温室効果ガス削減プロジェクトを途上国において実施し、そこで生じた削減分の一部(認証排出削減量(CERs)を先進国がクレジットとして得て、自国の削減に充当できる仕組み。京都メカニズムの一つ。途上国の持続可能な開発の達成も目的とされている。CERsの2%分を気候変動の悪影響を受ける途上国への適応基金に充てることになっている。吸収源活動のうち「新規植林」「再植林」に限って先進国の基準年排出量の1%を上限に利用できる。実施はCDM理事会(EB)によって監督され、指定運営組織(DOE)が事業の有効化や削減量認証などを行う。数値目標のない途上国から得た削減量を先進国の目標達成に充当するため、先進国全体としての削減がゆるめられることや、ベースラインが甘く設定され削減量が過大に見積もられることなどが抜け穴として懸念されている。


グリーン購入【green purchasing】

国・自治体や企業などが商品の調達などの際に環境保全を重視し、環境負荷の小さい商品を積極的に購入すること。「グリーン購入ネットワーク」などがそのためのガイドラインを作成している。2000年にグリーン購入法が成立し、国にはグリーン購入の取組み義務、地方自治体にも努力義務が定められた。


グリーンコンシューマー【green consumer】

商品・サービスを選ぶ際に環境を重視する消費者。消費者が環境を重視していることが企業に伝わることで、企業の環境対策を大きく前進させることができる。また、自動車や家電製品では製造段階より使用段階のほうがエネルギー消費量が多いことから、環境負荷の小さい商品を選択する消費者が増えることは家庭の省エネにつながる。環境を重視する商品選択を促すには、環境税や環境ラベルなどの政策が有効である。


グリーン電力【green electricity】

再生可能エネルギーからの電力のこと。その普及を進めるために割高な料金を自主的に支払ってもらう仕組みをグリーン電力料金制度、あるいはグリーン電力ファンドという。環境意識の高い市民などを対象にグリーン電力を通常電力より高い料金で販売し、普及を進めようという仕組み。欧米で始まったが、日本でも見られる。


グリーン電力証書【Tradable Green Certificate】

まだ割高な再生可能エネルギーからの電力を普及するための仕組みの一つ。グリーン電力の環境付加価値(環境に良いという価値)を証書の形にして販売し、割高な分を補って普及を進めようというもの。日本では、先進的な取組みとして、いくつかの企業やNPO・NGOが風力発電などのグリーン電力証書を阪売し、企業や市民が自主的に証書を購入している。


クレジット【credit】

(1)京都議定書では、共同実施やクリーン開発メカニズム(CDM)のプロジェクトによる温室効果ガス削減・吸収量の一部を、資金・技術を投資した国・企業の削減・吸収量として得る排出枠をいう。これらは排出量取引で売買できるが、京都議定書の目標達成への充当や次期約束期間への繰り越しに制限がある。 (2)カーボンオフセットに用いる認証排出削減量(VERs)を広く「クレジット」と呼ぶ。VERsは起源も品質も第三者認証の程度も様々であり、すべてが国あるいは業界・企業の削減目標に充当できるわけではない。


経済移行国【(countries with)economies in transition】

市場経済への移行の過程にあるロシア・東欧諸国のこと。西側先進国とともに条約及び京都議定書(附属書I国)上の義務を負う。ただし、条約では途上国への資金提供義務が免除され、議定書では基準年を変えることができる。ほとんどの国で排出量が1990年レベルを大きく下回っている(例えばウクライナでは90年比で半減、ロシアも3割近く減少)が、議定書の数値日標が甘いため、排出枠が余るホットエアの問題を生じている。


原子力発電(原発)【nuclear power generation】

ウラン235の核分裂による熱で蒸気を発生させてタービンを回す発電方法。日本の発電量の3分の1を占める。放射能という極めて大きな環境負荷を事故などによりもたらす危険性や放射性廃棄物を大量に排出し、長期保管の目処もたたないなどの問題がある。出力調整が難しい、発電効率が低い、送電ロスが大きいなどの短所もある。運転時にCO2を排出しないとされ、日本政府はエネルギー供給面での地球温暖化対策の柱としている。


原単位【per unit/intensity】

広い意味の効率を指す用語。地球温暖化対策やエネルギー対策では、エネルギー原単位、CO2排出原単位などが用いられ、何に対するエネルギー消費量、CO2排出量であるかを定義して使われる。


公共交通(公共交通機関)【public transportation】

交通機関のうち、自家用車と貸切の各種交通機関を除いたもので、旅客の場合には鉄道・バス・タクシー・船舶・航空(いずれも貸切を除く)を指す。


公共事業【public works】

国や地方自治体が社会生活に必要な土木・建築物を造成する事業のこと。自然破壊が指摘されるが、CO2排出でも問題となる。地球温暖化対策との関係では、政府は道路建設で渋滞を緩和しCO2排出を減らすとしている。しかし実際には、建設や材料の製造・運搬に多量のエネルギーを消費し(日本のCO2排出の約2割は建設関係とされる)、さらに自動車の交通量を増やしてCO2排出量を増加させるため、CO2の排出増の原因と見られている。


工業プロセス【industrial process】

温室効果ガス排出部門の一つ。CO2では化石燃料の燃焼ではなく、産業における材料の酸化還元などの化学反応によってCO2が排出されることの総称。日本ではCO2排出量の約4%が工業プロセス起源である。代表的なものはセメント製造で、鉄鋼やガラス製造などでも排出がある。CO2以外では、例えばナイロン製造の際に一酸化二窒素(N2O)が、フッ素樹脂製造時にHFC23が発生する。


交通需要マネジメント【Transportation Demand Management(TDM)】

交通を利用する側(需要)をコントロールする対策。都心部への乗り入れ規制、ロードプライシング(道路利用への課金)、パーク・アンド・ライド、共同輸配送、相乗り促進、企業の社用車削減及び通勤計画など、自動車から公共交通機関に誘導したり、自動車交通を効率化したりする様々な手法を含む広い用語。大気汚染物質やCO2の削減に効果があると考えられている。


高度道路交通システム【Intelligent Transport Systems(ITS)】

情報通信技術を利用した道路交通に関する様々なシステムの総称。次世代道路交通システムなどとも呼ばれる。車を停止せずに料金所でお金を支払う技術(ETC)もITSの一つ。日本では国土交通省が温暖化対策にも位置づけて推進している。


後発開発途上国基金【least developed countries fund(LDCF)】

気候変動枠組条約の下に設置される基金の一つ。後発開発途上国(途上国のうち、一人当たりGDPが900ドル以下等の基準を満たす50カ国。LDCと略す)の気候変動による悪影響への適応、技術移転、とりわけ国家適応行動計画の実施に用いられる。この基金への資金は先進国の任意の拠出に委ねられた。「最貧国基金」ともいう。


国連環境計画(UNEP)【United Nations Environment Programme】

1972年にストックホルムで開かれた国連人間環境会議の際に、国連の環境関係の取組みを推進するために設立された機関。地球温暖化など地球環境問題に関する調整・管理などの活動を行っている。


コジェネレーション(熱電併給)【cogeneration】

通常の火力発電のように電気だけを取り出して熱を捨てるのではなく、あわせて熱も利用することで総合的な効率を向上させる方法。電気と熱の両方を利用することからコジェネレーションと呼ばれる。発電だけでは投入した熱エネルギーの3~4割程度の効率だが、熱も同時に有効利用することで8割以上の効率も可能になる。小型のものではガスを燃料とする家庭用のコジェネレーションシステムが商品化されているほか、燃料電池も廃熱を利用すれば同じシステムとなる。北欧などでは地域熱供給で広く行われている。


コミットメント(約束)【commitment】

一般に、条約・議定書に定められた義務のことを指す。気候変動枠組条約においては第4条に示された締約国が守るべき約束、京都議定書においては特に先進国の数値目標を指す。


コンバインドサイクル【combined-cycle】

火力発電などにおいて、ガスタービンで発電機を回し、その廃熱を利用して蒸気タービンで発電橙を回す複合発電。蒸気タービンのみの場合より10~15%程度効率が向上する。