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用語集:地球温暖化キーワード:さ〜そ


最終エネルギー消費【final energy consumption】

産業・民生(家庭・業務)・運輸の部門で消費されるエネルギーの合計量。一次エネルギー供給から様々なロスを差し引いて、実際に消費されるエネルギーの量。一次エネルギー供給の約3分の2である。ただ、最終エネルギー消費にもロスがあり、すべてが有効利用されるわけではない。


再植林【reforestation】

かつて森林だったが、他の用途に使われていた土地(あるいは森林でない状態だった土地)を、植林して再度森林に変えること。京都議定書第1約束期間では1990年時点で森林でなかった土地が対象となっている。


再生可能エネルギー【renewable energy】

化石燃料のように使えば減って枯渇するエネルギーに対し、使用しても減ることのないエネルギーや、許容される範囲内で使えば何回でも再生できるエネルギーのこと。自然エネルギーともいう。太陽光発電・太陽熱利用・風力発電・小規模水力発電・バイオマスエネルギーなどが代表である。CO2排出などの環境負荷が極めて小さく、小規模で地域分散型という特徴をもつため温暖化対策として普及が期待されている


再生可能エネルギー電力固定価格買取制度【Renewable Energy Feed-in Tariff Law(REFIT)】

太陽光・風力・バイオマスなど再生可能エネルギーからの電力を高値で安定した価格で買い取ることを保障する法制度。電力会社に対して買い取りを義務づけるものが多い。西ヨーロッパの多くの国にこのような法律や制度があり、中国やウクライナなどにも広がりを見せている。ドイツ・デンマーク・スペインなどで導入量を急増させた実績があり、ドイツはこの制度によって風力・太陽光とも世界一になった。再生可能エネルギーの普及促進に極めて効果的な制度である。日本でも2012年7月から施行されている。


再生可能エネルギー・ポートフォリオ・スタンダード(RPS)【renewable energy portfolio standard(RPS)】

電力事業者や需要家に再生可能エネルギーの電力を一定の割合以上発電・購入するよう割り当てて、再生可能エネルギーの普及を図る政策手法。RPSは主にアメリカで使われる用語で、ヨーロッパなどではクオータ(割当)制と呼ばれている。導入効果について実績のある固定価格買取制度と異なり、普及促進の効果は未知数で、導入国も少ない。日本の「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」(通称RPS法、2002年制定)も同様の制度であったが、普及拡大には貢献しなかった。


サマータイム【daylight saving time/summer time】

日の出時刻が早まる時期(例えば4~10月)に時計の針を進め、夕方の明るい時間を増やして太陽光を有効活用する制度。多くの先進国で導入されている。日本では温暖化対策として導入が検討されてきたが、今のところ導入の予定は立っていない。大掛かりな仕掛けの割りには、省エネ(CO2削減)効果は小さい。


産業部門【industry sector】

CO2排出の部門の一つ。製造業・建設業・鉱業・農林水産業などを指し、同じ企業活動でもオフィスなど業務部門や運輸産業は別である。日本ではエネルギー起源CO2排出量に占める産業部門の割合が約3割を占め(電力配分前の直接排出)、他の先進諸国(約2割)に比べて多い。


CO2排出原単位【CO2 emissions per unit】

CO2の排出効率を表す数値。何に対するCO2排出量であるかを定義して用いられる。発電所に対しては「発電量当たり」、工場ついては「生産量当たり」「生産額当たり」、オフィスや商業施設では「床面積当たり」などが用いられる。国全体の効率を表す際には「人口一人当たり」や「GDP当たり」などが用いられる。数値が小さいほど効率が良い。


G77+中国【G77+China】

気候変動枠組条約などの国際交渉における途上国グループのこと。国際会議においてまとまって行動することが多く、1967年の設立時の参加国数をとってG77と呼ばれるようになった。中国はG77には加わっていないが行動を共にすることから、「G77+中国」と言われる。現在は130カ国以上になっている。


次期枠組み【post-2012-regime】

京都議定書は、第1約束期間の2008~12年までの先進国(附属書Ⅰ国)の数値目標を定めているが、それに続く仕組みが定められていないことから、「次期枠組み」あるいは「2013年以降の次期枠組み」などと呼ばれ、検討がなされている。京都議定書に否定的な立場から、一部では「ポスト京都」とも呼ばれる。


持続可能な開発(発展)【sustainable development】

環境と開発に関する世界委員会が1987年に発表した報告書「我ら共有の未来(Our Common Future)」の中で提唱した概念。将来の世代のニーズを損なうことなく、今日の世代のニーズを満たすような開発を意味する。92年の地球サミットでは、これを実現するための世界行動計画「アジェンダ21」が採択された。地球温暖化対策でも、特に途上国の持続可能な開発に寄与するアプローチが模索されている。


遵守委員会【Compliance Committee】

京都議定書の下に設置され、京都議定書における遵守手続を担う組織。締約国が目標や義務を遵守できるよう促進する「促進部」と、数値目標を守れなかった場合や国家通報の提出や内容に問題があった場合などの相応を行う「履行強制部」からなる。


遵守メカニズム【Compliance Action Plan】

条約や議定書に加入する国が条約や議定書を守るようにするために設けられる仕組み。最近の多国間環境条約では、遵守できるよう促したり、不遵守の場合にはその原因を究明して遵守するための対応を決定する仕組みを条約内部に設けていることが多い。京都議定書の遵守メカニズムは、遵守委員会の促進部が遵守できるよう様々な支援を行い、先進国(附属書B国)が数値目標を守れなかった場合には、削減できなかった量の1.3倍分を次期約束期間で余計に削減すること、遵守行動計画を策定することなどを定めている。また、国家通報などの義務を守らない国については京都メカニズムへの参加資格を停止することを定めている。


省エネラベル

家電製品の省エネ基準の達成度合いや年間電力消費量などを示すラベル。当初はカタログだけで製品本体への表示義務がなく、製品間の比較もしにくい「eマーク」(省エネ性マーク)だけであったが、自治体が先行して製品間で相対的に比較できるラベルを製品自体に貼る動きが全国的に広がり、2006年からは国の統一省エネラベルも始まり、店頭で表示されている。対象機器は冷蔵庫・テレビ・エアコン等。消費者が省エネ製品を選択するのに寄与している。


省エネルギー(省エネ)【energy conservation/energy saving】

エネルギー利用効率を上げる、効率の良い生産技術や商品を選択する、無駄にエネルギー消費をしている行為をやめることなどによって、同じ効用を得るのに要するエネルギー消費量を減少させること。


省エネルギーサービス事業【Energy Service Company(ESCO)】

商業ベースで企業などに省エネルギーをアドバイスする事業体。エスコ(ESCO)と略される。ESCOは工場等と契約し、省エネ前の高いエネルギー費を受け取り、浮いたエネルギー経費で、省エネ機器導入・システム改良などの事業を行い、金利を負担し、自らの人件費や利益を出す。工場、オフィスなどは、「持ち出し」なしで省エネ対策技術を導入でき、契約期間後にESCOから譲り受ける。


小規模水力発電(小水力発電)【small hydro power generation】

ダムを使わず、河川や水路などに設置した水車などを用いてタービンを回して行う発電。再生可能エネルギーの一つとして注目されている。


上限(キャップ)【cap】

(1)京都議定書の国別総量削減目標との関連において、①先進国(附属書I国)全体の総排出量、③各国の排出が許される量などを指す語。 (2)国内制度、とりわけ排出量取引制度において、①企業や事業所などの排出割当量、②排出量取引制度対象事業者すべての排出上限などを表す。


小島嶼国連合【Alliance of small island States(AOSIS)】

地球温暖化で海面上昇による国土の消滅という最も深刻な影響を受けるモルジブやツバルなどの43の島嶼国の集まり。COP1(第1回締約国会議)前に、先進国がCO2排出量を2005年までに1990年比で20%削減する議定書案を提案した。その後の会議でも先進国の削減対策強化を始め、大胆な温暖化対策の実施を求めている。


植生回復【revegetation】

京都議定書第1約束期間で吸収源として追加的に認められた活動の一つ。京都議定書の森林の定義に当てはまらない植生の育成により土地の炭素ストックを増加させる活動で、数値目標達成に利用できることとなった。その量は基準年と約束期間との差で計算する。


署名【signatory】

ある条約や議定書に加盟する意思があることを示すこと。公式な承諾にはその後に「批准」手続きを取ることになる。


新エネルギー【new energy】

再生可能エネルギーのうち、普及のために支援を必要とするものを指す日本独特の用語。従来は供給サイドの再生可能エネルギーと需要サイドの技術が混在し、地熱や水力は除外されていた。しかし、2006年の定義見直しで、太陽光発電・太陽熱利用・風力発電・バイオマス発電などに加え、地熱・中小水力が加えられ、化石燃料由来の廃棄物発電と廃棄物染利用は除かれた。また、供給サイドのエネルギーではないクリーンエネルギー自動車(天然ガス・メタノール・電気自動車など)、天然ガスコジェネレーション、燃料電池は除かれた。


新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法(新エネ法)【The Law Concerning Promotion of the Use of New and Renewable Energy】

新エネルギーの普及促進のため、1997年に定められた経済産業省所管の法律。新エネルギー利用等を促進するために政府・エネルギー供給事業者・エネルギー使用者などが講ずべき措置や努力義務、新エネルギー導入への金融上の支援措置などを定めている。


新規植林【Afforestation】

もともと森林でなかった土地を、植林して森林に変えること。京都議定書上では、少なくとも50年以上森林でなかった土地を対象にすると定義されている。


新興国【emerging economies】

中南米、東南アジア、東欧諸国など経済成長段階にあり、今後高い経済成長が期待される国。BRICsなどに代表される。


森林管理(森林経営)【forest management】

京都議定書で吸収源として追加的に認められた活動の一つ。除・間伐など森林のもつ吸収機能を強化する一連の活動で、対象地域からの吸収量を数値目標達成に利用できる。吸収量が膨大なため、第1約束期間では先進国ごとの利用上限を定めた。上限の設定は、森林管理の対象地城で得られる吸収量の85%を割り引き(15%のみを人為的に増やした吸収量とみなして利用)、基準年排出量の3%までとする考え方を基本とするが、日本・カナダ・ロシアにはそれを超える膨大な量を認めるという政治的妥協が図られた。これにより先進国は京都議定書の削減義務5.2%のほぼ半分を吸収源で達成できることとなり、実質的削減を弱めた。


森林減少【deforestation】

現在森林である土地を他の用途に転用すること。京都議定書上では、森林を劣化させたり伐採する場合でも、他の用途に転用しなければ森林減少とはみなされないとするIPCCの定義が採用された。


水素エネルギー【hydrogen energy】

水素を利用したエネルギーシステム。水素は、化石燃料の改質や水の電気分解などで大量のエネルギーを投入して得られる二次燃料であり、水素の生成方法によってCO2排出量や他の環境負荷が大きく異なる。


水力発電【hydro power generation】

水の流れでタービンを回し発電を行う方法。①ダムを築いて落差を利用して発電を行う従来型の大規模水力、②原発などの夜間の余った電力を使用するためにダムを2つ築いて水の上げ下げを行う揚水式、③ダムを用いない小規模水力の3つがある。発電の際にはCO2をほとんど排出しないものの、ダム式は自然環境への影響が大きい。小規模水力は再生可能エネルギーとして注目されている。


スターン・レビュー【Stern Review】

2006年10月、世界銀行の元チーフ・エコノミストで、英国政府気候変動・開発における経済担当政府特別顧問であるニコラス・スターン博士が取りまとめ、英国首相と財務大臣に報告された報告「気候変動の経済学」の通称。温暖化対策を取らなかったときの経済的損失は最大20%になるのに対して、対策を取った場合の損失は1%程度で済むことなどを示し、世界的に大きな影響を与えた。


生態系【ecosystem】

ある地域に生息する生物群集とそれを取り巻く大気・土壌などの環境をあわせた一つのまとまりを指す言葉。海洋生態系・森林生態系などの区分もある。地球全体も一つの生態系と見なすことができる。地球温暖化は生態系にも悪影響を及ぼすが、人間を含む生物は、生態系が破壊されては生きてゆけない。


正のフィードバック【positive feedback】

いったん現象が起こると、それを助長する機構が働き現象を加速する仕組みをいう。地球温暖化では気温上昇が正のフィードバック。IPCCは、第4次評価報告書でその存在を正式に認めた。その一例が雪氷アルベド・フィードバックである。雪や氷に覆われた地域はアルベド(日光の反射率)が高いが、その下の地表面や海面は反対にアルベドが低く、太陽の放射エネルギーを吸収しやすい。雪氷面の融解が進み地面が増えると、より多くの雪を溶かすという繰り返しの現象が起こる。


生物多様性【biodiversity】

様々なレベルで多様な生物が存在すること。種・個体・遺伝子の3つの多様性が必要とされる。多様性が保たれることで全体に生態系が維持される。気候変動枠組条約と同じ1992年に生物多様性条約が採択されている。地球温暖化が加速し、2℃を超えると絶滅危倶種が3割増加するなど、生物多様性を損なうことになると指摘されている。


石炭【coal】

化石燃科のうち、古生代から新生代第三紀の植物が地下で変化した固体燃料。化石燃料の中で最も埋蔵量が多い。燃焼時のエネルギー量当たりCO2排出量が天然ガスの約2倍で、大気汚染物質や重金属などの排出量が他の燃料と比較して桁外れに多い欠点を有する。


石炭火力発電【coal-fired power generation】

石炭を燃焼させて蒸気を発生させタービンを回す発電方法。日本の発電量の4分の1を占め、原子力発電とともに常時運転されるベース電源(運転時間が長く発電量の多い電源)を担う。他の化石燃料と比較してCO2排出量も天然ガスの2倍近くになり、地球温暖化への影響が大きい。また、大気汚染物質・有害物質の排出が極めて多く、地元への環境被害が大きい。石炭のコストが安いことから90年以降排出が大幅に増加し、日本の排出増の主因となっている。


石油ガス税【petroleum gas tax】

タクシーなど液化石油ガス(LPG)車の燃料であるLPGへの国税。1kg当たり17.5円で、これは1リットル当たり9.8円に相当し、ガソリンなどに比べかなり安い。年間約280億円の税収は道路財源となり、国と地方自治体の道路建設に使われている。


石油ショック(石油危機)【oil shock】

l973年と79年の2度にわたる石油価格の高騰とそれに伴う経済危機のこと。石油価格は一時は1バレル(159リットル)当たり40ドルまで高騰したが、その後徐々に下がり、日本では1986年には実質価格で73年以前まで下がった(逆石油ショック)。石油価格の高騰は経済に影響を与えた一方、省エネルギーや脱石油が進んだ。こうした省エネ努力は石油価格の低下により停滞し、1990年以降は日本の産業のエネルギー効率は低下した。


石油代替エネルギー【petroleum substitute energy】

石油に代わるエネルギーの総称。石油代替エネルギー供給目標に掲げられたエネルギーには、原子力・石炭・天然ガス・水力・地熱・その他の石油代替エネルギー(新エネルギー)がある。


雪氷冷熱【cyogenic energy of snow and ice】

冬季に得られた雪氷を夏季まで保存し、雪室・氷室として農産物等の保存に利用したり、夏季の冷房に利用するエネルギー利用のこと。2001年の新エネルギーの定義見直しの際に加えられた。


設備利用率【capacity factor】

発電所などの設備が一定期間中にどれだけ動いているかを示す割合。稼働率と異なり、出力の度合いを加味し、年間設備利用率は発電電力量/(認可出力×年間の総時間数)×100(%)で表される。原子力発電や石炭火力発電はベース電源のため、設備利用率70%以上のところが多い。石油火力発電は火力の中では低く、1%に満たないところもある。また、揚水発電も極端に低く、数%のところが多い。


ソーラーシステム【solar thermal system】

太陽熱利用の仕組みを指す言葉。広くは太陽熱利用全般とほぼ同じ。狭い意味では、電気・機械を使った高性能な強制循環式の太陽熱利用システムを指す。経済産業省では後者の狭い意味で使っている。