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用語集:地球温暖化キーワード:た〜と


待機電力【energy in stand-by mode】

家電などで機器を使用していない状態(待機時)に消費されている電力。主電源を切ったりコンセントを抜かない限り多くの機器で発生する。家庭の電力消費の6%程度を占めるといわれる。機器ごとの待機電力は改善傾向にあるが、パソコンやモデム、携帯電話の充電器など機器の種類の増加や、給湯器のスイッチの電化により、全体としては増加傾向にある。


第3回締約国会議【3rd Conference of the Parties(COP3)】

1997年12月に京都で開催された気候変動枠組条約の第3回締約国会議。日本では「地球温暖化防止京都会議」と呼ばれた。COP1のベルリン・マンデートに基づき、2000年以降の先進国の取組みを定めた京都議定書を採択した。議定書では2008~12年(第一約束期間)に先進国全体で90年比5.2%削減するという、法的拘束力のある数値目標が定められた。 2012年に開かれたドーハ会議(COP18/CMP8)にて、京都議定書を改正し、2013年以降も先進国に排出削減義務を課すことに合意した。また、規制の対象とされるガスについても、新たにNF3(三フッ化窒素)が加わった。 その一方、日本は京都議定書第二約束期間(2013~2020年)のもとで、排出削減の約束をしておらず、国際社会からは厳しい視線が注がれている。


代替フロン【CFC’s/HCFC’s substitutes】

オゾン層破壊物質であるフロン(CFCやHCFC類)の代替品として生産・使用されているフロン類で、オゾン層は破壊しないが強力な温室効果ガスであるHFC(ハイドロフルオロカーボン)を指す場合が多い。HFCに似た物質にPFC(パープルフルオロカーボン)、SF6(六フッ化硫黄)があり、この3つは京都議定書第1約束期間で削減対象物質に指定されている。かつてオゾン層保護対策として、フロンから代替フロンへの転換が推奨され、特に冷媒分野でのHFCなどの生産・消費の急増が地球温暖化対策の上で大きな問題になっている。また最近、温室効果の高い新しい代替フロンが使われ始め問題になっている。


太陽光発電【photovoltaic power generation(PV)】

光を受けると電流を発生する半導体素子を利用し、太陽光エネルギーを直接電力に変換するシステム。太陽電池とも呼ばれる。家庭などで容易に利用できる再生可能エネルギーの代表。シリコン型と非シリコン型がある。欧州の多くの国では、太陽光発電からの買い取り価格を高値で固定し普及を図る政策手法がとられている。政策の差のため、太陽光発電累積設置量では2006年に、太陽光パネルの生産量では2007年にドイツが先行していた日本を抜いて世界一になった。


太陽熱利用【utilization of solar heat】

太陽の熱をエネルギーに利用すること。広い意味のソーラーシステムとほぼ同じことを指す。屋根の上に温水器や集熱装置を置いて太陽熱を集め、給湯や冷暖房などに使う。広く普及している太陽熱温水器のほか、構造や間取りなどの設計手法によって屋根の熱を床や壁などに蓄熱する方法(パッシブソーラー)などがある。


棚氷【Ice shelf】

陸上の氷河または氷床の先端が押し出され、陸の氷とつながったまま洋上にある氷のこと。南極・カナダ北部・グリーンランドなどの極地でのみ見られ、南極のロス棚が最大。極地の棚氷の決壊が相次いでいる。


炭素循環【carbon cycle】

地球上の炭素の流れ。海洋生物や陸上生物をとりまく炭素の流れ(フロー)は地球全体(海洋、森林、土壌、化石燃料など)の貯蔵量(ストック)に比べると小さい。それでも海洋生物や陸上生物(光合成、呼吸など)をとりまくフローは、それぞれ約1兆トン(炭素換算)にものぼると見られる巨大な循環である。人間の化石燃料消費からの排出の約300億トンはこれに比べると小さいが、自然界のバランスに大きな影響を与えている。


炭素貯蔵量【carbon stock】

森林や土壌などに有機物の形で固定化された炭素の量。京都議定書のルールでは、炭素貯蔵量に変化を与える人為的な吸収源活動について、新規植林・再植林・森林減少に加え、追加的活動として森林管理、農地管理、放牧地管理、植生回復の利用を認めた。それ以外の炭素貯蔵量としては、根の部分、枯れ葉層、土壌中の有機物、木材製品(使用中のもの)、廃棄物(処分場で腐る手前のもの)などがある。これらは計測が難しく不確実性の問題が大きい。


地域熱供給(地域冷暖房)【district heating and cooling】

一定区画やさらに広域をまとめて、配管によって冷温水や蒸気を送って、冷暖房や給湯を行うシステム。様々な熱源を用いることができ、温度差エネルギーなどの比較的低温の熱も有効に利用することから、エネルギー供給の効率を大きく高める。発電もするコジェネレーションで行われることも多い。ヨーロッパの都市で広く普及している。日本では地域冷暖房と呼ばれることが多いが、導入は遅れている。


蓄熱式空調システム【thermal-strange air condhitioning system】

夜間電力を使用し、水が凍るときの吸熱を利用した蓄熱方法による空調システム。電力会社がピ一クシフト(昼間のピークの電力需要を需要の少ない夜間にシフトさせること)のために業務部門などに推奨しており、ビルやコンビニなどの冷房に使用されている。通称「エコ・アイス」。同様に夜間に温水を作り、昼に暖房として利用するものもある。


地熱発電【geothermal power generation】

火山地帯などの地下の熱水や蒸気を利用してタービンを回す発電方法。化石燃料などを使わずに熱水を得るので地熱と呼んでいる。通常、井戸から自噴している熱水や蒸気を利用する方法を指す。再生可能エネルギーの一つ。


潮力発電【tidal power generation】

潮の干満(潮汐)や潮流のエネルギーを利用した発電。再生可能エネルギーの一つ。潮汐発電は外国の潮差の大きいところでは実用化されているが、日本では潮差が小さいので行われていない。潮流発電は実用段階に至っていない。


直接排出【direct emission】

発電所によって発電された電力を一括して電気業のCO2排出量として計算する方法。電力配分前ともいう。産業・業務・家庭などの最終消費部門の排出量は電力を含まない数字となる。国際的には直接排出での算定が通例である。


低公害車【low emission vehicle】

排ガス中に含まれる大気汚染物質の少ない自動車。狭義には、国土交通省の低排出ガス車認定実施要領により、大気汚染物質の排出が基準から一定レベル以上低減されていると認められた「低排出ガス認定自動車」を指す。その程度に応じて2~3つのランクに分けられている。これとは別に経済産業省はクリーンエネルギー自動車として、ハイブリッド車・天然ガス車・電気自動車・メタノール車などをあげている。


低炭素社会【Low-carbon society】

CO2など温室効果ガスの排出が極めて少ない状態で成り立つ社会のこと、低炭素型社会ともいう。低炭素社会を実現するには、自然エネルギーの導入、省エネルギーを大胆かつ迅速に推進する必要がある。2008年6月に政府発表した「低炭素社会にむけて」では2050年に現状比で60~80%削減することを掲げた。


締約国【Party】

条約や議定書に署名するだけでなく、批准(締結)などの正式な手続きを取り、条約や議定書の規定する義務に従うことを明らかにした国。


適応【adaptation】

地球温暖化の悪影響に対応するための措置。島嶼国が海面上昇に対して堤防を築いたり、広大な沿岸域や河口デルタをもつ国が海水の混ざる田畑や井戸を放棄して内陸の農耕地や水源を開発することなどがその例。マラケシュ合意で途上国支援のための3つの基金、「適応基金」「特別気候変動基金」「後発開発途上国基金」の設置が決まり、適応措置への資金的流れの基礎ができ、後発開発途上国による国家適応計画(NAPA)の策定も進んでいるが、緊急な対応が求められる適応策への十分な資金の確保と実施はこれからの課題である。


デマンド・サイド・マネジメント【demand side management】

電力需要の増加を発電所の建設で補うのではなく、需要をコントロールすることにより解決する手法。需要側で省エネなどを進めて需要総量を削減する方法と、季節や時間帯による需要変動を平準化する方法がある。1980年代にアメリカの電力産業で始まり、新しい発電所を建てるより顧客に省電力を勧めたほうが安上がりだとして広く実施されている。結果的に新しい火力発電所を建てずに済むため環境保全や需要側の省エネにも効果がある。現在では同様の考え方がガス、水道、交通などの分野にも応用されてきている。


電気自動車【electric vehicle】

充電式電池を搭載し、電気を動力としてモーターを動かす自動車。低公害車、クリーンエネルギー自動車の一つだが、電気は二次エネルギーであるため化石燃料などの一次エネルギーから電気をつくる必要がある。各メーカーが販売を始めるが、まだかなりコストが高く、連続走行距離が短いことなどが課題。


天然ガス自動車【natural gas car】

天然ガスを燃料とするエンジン車。天然ガスを気体のまま圧縮して高圧でガス容器に貯蔵するもので、圧縮天然ガス(CNG)自動車と呼ばれている。化石燃料車だが、ガソリン車やディーゼル車よりはCO2排出は少ない。


電力自由化【electricity liberalization】

参入が大きく制限されている電力供給事業に競争原理を導入する制度改正のこと。欧米では発電・送電・配電の分離が広く実施され、多くの国では電力自由化に際して再生可能エネルギーの普及・促進の制度も導入している。日本では電気事業法が改正され2000年から一部自由化が行われたが、新規参入は少なく、電力会社が地域独占の下で発電所と送配電網を有している状態は変わっていない。日本では電気科金を下げることだけが重視され、新規参入者・電力会社とも燃料価格の安い石炭火力発電を増やしたため、CO2排出量を大量に増やしてしまう結果となっている。


特定フロン【specified substances】

オゾン層破壊物質の中でも特に破壊力の高いフロン類CFCを指す。モントリオール議定書により先進国では1995年に生産が禁止されたが、使用自体は禁止されていないので、今も古いカーエアコンや冷凍空調機器、冷蔵庫などに残っていることがあり、回収・破壊処理などをして大気放出を止める必要がある。


トップランナー方式【Top Runners Approach】

電気製品や自動車などの省エネルギー基準を、現在の機器の中で最高の効率またはそれ以上の効率とする方式。各メーカーは生産する機器の平均で目標基準値を達成する。1998年に改正された省エネ法にこの方式が導入され、従来のような現状の平均的な値を基準とする方法より大きく前進した。トップランナー対象機器は自動車や家電機器、ガス機器などを始め、年々に増やしている。ただし、効率基準の目標値はサイズや機能ごとに決められていてばらつきがある。


トランジットモール【transit mall】

商店街から自動車を排除して歩行者専用空間とし、そこに路面電車やバスなど路面を走行する公共交通機関を導入した空間のこと。CO2排出など自動車からの環境負荷削減と、中心市街地の活性化を目的とする。ヨーロッパのいくつかの都市で導入されている。