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【プレスリリース】オーストラリアの環境保護グループによる出光興産の石炭発掘事業に対する要望書提出(2012/07/17)


オーストラリアの環境保護グループによる
出光興産の石炭発掘事業に対する要望書提出

2012年7月17日
気候ネットワーク

7月17日、気候ネットワークは、オーストラリアの環境保護グループ”Northern Inland Council for the ENVIRONMENT”による出光興産株式会社の石炭発掘事業に対する要望書を同社に届けました。

”Northern Inland Council for the ENVIRONMENT”はニュー・サウスウェールズ州北西部の8つの環境団体からなるグループで、この要望書は同州にあるボガブライ鉱山における出光興産株式会社の石炭発掘事業の拡大中止を求めるものです。この事業によりオーストラリアのシンボルの一つでもあるコアラの生息地が脅かされることが懸念されています。

気候ネットワークは要望書の翻訳に協力し、またコアラの生息地を示す地図とともに下記の要望書を出光興産株式会社に届けました。

要望書全文(気候ネットワーク仮訳)

出光興産株式会社 代表取締役社長 中野和久様

拝啓

私どもはオーストラリアのニュー・サウス・ウェールズ北西部に本部を持つ環境保護団体でNorthern Inland Council for the Environment(注)と申します。気候ネットワーク様には日本でのサポートをいただき連絡窓口をしていただいております。

今回、貴子会社のIdemitsu Australia Resources社より、私どもの地域にございます同社のボガブライ鉱山を4倍に拡大するという提案があり、懸念を抱いております。拡大計画が実行された場合、露天採鉱をするために1,300ヘクタール以上に及ぶ森林が伐採されることとなりますが、その森林には現在コアラが生息しております。

添付しております地図は、同社が作成しました計画中の鉱山の地図です。コアラがゴムの木の森に生息していることが最近報告された地域まで計画は及んでおり、それらの森林が破壊されることがわかります。

ご存知の通り、コアラは脆弱種に指定されており、また私どもオーストラリアの国の象徴ともいえる動物です。日本からも多くの方が自然の中で生息するコアラを見るために私どもの国へ来られます。

貴子会社の鉱山計画はこの貴重種であるコアラを危険にさらすものであり、生息が判明している個体数すべてを失うこととなります。ボガブライ鉱山拡大計画がコアラに及ぼすこの影響は、オーストラリアおよび日本の両国の人々にお知らせするべきものと考えております。

また、現在の鉱山および隣接して開発される鉱山が地域農民やコミュニティに及ぼす健康上の影響についても懸念を抱いております。合計18,000トンのダストが鉱山から発生し、その大半が現地の農地に堆積するものと見積もっています。

同地域の人々にとって石炭ダストは健康上深刻な脅威であるとのエビデンスがありますが、今日にいたるまで大気への累計的な影響に関する適切なアセスメントは貴社によってなされていません。

(写真)抗議する現地の人々

現地のコアラたちと人々の健康を将来にわたり守るために、是非とも貴社におかれましてはボガブライ鉱山開発計画を放棄いただけますよう要望したく本書にてお願い申し上げます。本件についてご検討賜り、ご返答をいただけますと有難く宜しくお願い申し上げます。

敬具
Carmel Flint Spokesperson, The Northern Inland Council for the Environment 16 Roslyn Ave Armidale NSW 2350 Australia
Phone 0267 724904 Email carmelflint@tpg.com.au

(訳者注)ニュー・サウス・ウェールズ北西部における8団体・約1000人の個人によって構成されるネットワーク。地域環境が健全であることが直接的に地域コミュニティーの健全さにつながっているとの認識から、自然保護活動に共同で取り組んでいる。

(仮訳)気候ネットワークは、国内の連絡窓口として本活動をサポートしています。

 

出光興産への要望書

特定非営利活動法人 気候ネットワーク
TEL:03-3263-9210
URL:http://www.kikonet.org/

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