世界の環境NGO19団体、石炭火力発電所への支援取り止めを
国際協力銀行に要請

2013年8月28日
特定非営利活動法人 気候ネットワーク

 8月27日(米国時間)、米国、オーストラリア、日本の環境団体19団体は、国際協力銀行(JBIC)奥田碩総裁に対して、石炭火力発電所建設への支援をやめるよう求める書簡を提出しました。この書簡では、JBICが23日にベトナムにおけるタイビン省の第2タイビン発電所プロジェクトへの資金支援を決定したことを受けて、その決定が国際的な動向から乖離していることを指摘し、その決定の再考を求めるとともに、国際的な石炭火力発電への支援を取りやめるべきだと訴えています。


書簡本文(仮訳)

株式会社国際協力銀行 総裁 奥田碩様

貴行のウェブサイト を拝見し、貴行がベトナムのタイビン省における第2タイビン発電所プロジェクトへの資金支援を承認したことを知りました。私たちは、ただちにこの決定を見直し、この不適切な石炭発電所への支援を貴行が取りやめることを要請します。

貴殿もご存じだと思いますが、今年の7月18日にアメリカの合衆国輸出入銀行は、タイビン発電所プロジェクトが同行の高炭素プロジェクトに対する方針に反するため援助を打ち切ると発表しました。この発表は、6月25日に発表されたオバマ大統領の気候行動計画及び世界銀行と欧州投資銀行の新たな方針に続くものでした。これらの方針は石炭発電所への資金援助を稀な状況以外では行わないとしています。国際金融機関の投資先が、汚くリスクが高い石炭発電所から再生可能エネルギーや高効率なエネルギー分野へ移る傾向があるのは明らかです。

合衆国輸出入銀行の決断、世界銀行と欧州投資銀行の新方針は、石炭への投資全般に、そして特に第2タイビン発電所に大きな影響を与えると思われます。世界銀行と欧州投資銀行の変化は貴行にとって特に関連のある出来事です。環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドラインには“他の国際金融機関が定めた基準、その他の国際的に認知された基準、日本等の先進国が定めている基準又はグッド・プラクティス等をベンチマークとして参照する”と書かれています。

貴行が環境社会配慮確認のガイドラインに従うのなら、そして国際市場における競争力を維持しようとするのなら、投資先を石炭から再生可能エネルギーなどへ移すべきです。合衆国輸出入銀行に見放された第2タイビン発電所への投資を取りやめるのはその第一歩です。私たちは貴行が国際ベンチマークに沿って、世界的な石炭発電所への投資について再検討し、ベトナムの第2タイビン発電所への資金支援の決定をただちに見直すことを求めます。

ベトナムと地域への支援は、再生可能エネルギーなど国のエネルギー需要に対応しながら、地球の環境と住民の健康を守ることに向けられるべきです。

これらの問題についてご都合のよろしいときに貴行との議論の機会をいただければ幸いです。お返事をお待ちしております。

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書簡 本文

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