<プレスリリース>

バタン石炭火力発電所の建設反対を訴えインドネシア現地住民が来日!日本の企業・政府機関は住民との会合を拒否

2014年9月8日

 

 現在、インドネシア中部ジャワ州で、日本が官民を挙げて計画している東南アジア最大級のバタン石炭火力発電事業(2,000MW)。J-POWERと伊藤忠が参画を決定しており、総額約4,000億円以上もかかると見込まれる資金の約6割を国際協力銀行(JBIC)が融資しようと検討中です。 しかし、肥沃な農地や沿岸の漁場など生計手段、また、健康への影響を懸念する現地住民が同事業に対する強い反対の声をあげ、地元や首都ジャカルタで何度も抗議活動を繰り返してきました。これまで、そうした抗議の声を抑えようとする軍・警察の治安部隊により、住民側に負傷者が出る事態も起きました。現地政府当局が反対派への見せしめのため、住民リーダーを犯罪者に仕立て上げるといった類の人権侵害も見られます。 また、気候変動対策の観点から、世界で最大の公的融資を海外の石炭火力発電事業に投じ続けているJBICに対し、同バタン事業への融資を行わないよう求める声も国際的に高まっています。 日本・インドネシア両国の旗艦事業である同石炭火力発電所の建設計画は、住民の根強い反対により、2年間、着工が遅れてきましたが、 今回、インドネシア現地で反対運動を続けてきた住民組織、また、環境団体等のメンバーが初来日。 記者会見で上記の問題点と同事業への反対の意を改めて表明し、日本の関連企業・政府機関に対し、建設計画の中止を要請しました。 日本の市民側は現地住民の来日にあたり、関連企業(伊藤忠、J-POWER)、および、政府機関(財務省、経済産業省、JBIC)との個別会合も申し込んできましたが、「(不可抗力宣言がなされた)案件の現状」や「多忙」等を理由に、これまでのところ、すべての企業・政府機関が会合を拒否。はるばるインドネシアから来日した住民らと会いもしないという姿勢は、前代未聞であり、大変遺憾なことです。 同案件への巨額の融資を検討中であるJBICの『環境社会配慮確認のためのガイドライン』には、「ステークホルダーから提供される情報の重要性を認識し、これらも活用してスクリーニング及び環境レビューを行う。」と規定されており、こうしたガイドラインにも違反しています。日本の企業・政府機関は、住民の反対や懸念の声にも真摯に耳を傾けるべきです。

 

参考リンク

No Coal, Go Green!

問い合わせ 

国際環境NGO FoE Japan(担当:波多江・小野寺) 電話: 03-6909-5983 ファックス: 03-6909-5986 携帯:090-8487-3161 メールアドレス: hatae@foejapan.org

※バタン石炭火力発電事業に関する詳細な情報はこちら?
http://www.foejapan.org/aid/jbic02/batang/index.html

?※「JBICの石炭発電融資にNO!」プロジェクトに関する詳細はこちら
?http://sekitan.jp/jbic/?lang=ja