<プレスリリース>

環境大臣、千葉の石炭火力新設計画も是認せず
一方、経済産業大臣は曖昧な表現。石炭火力は止めるべき。

2015年8月28日
特定非営利活動法人気候ネットワーク

 

 環境省は本日28日、出光興産株式会社、九州電力株式会社及び東京ガス株式会社が共同出資して千葉県袖ケ浦市に計画している石炭火力発電所の建設計画について、環境影響評価法に基づき提出された計画段階環境配慮書に対する環境大臣意見を公表し、「是認することはできない」という立場を表明した。
 気候ネットワークは、山口、愛知での石炭火力発電所建設計画に続き、3本目となる石炭火力発電所建設計画に異議を唱えた環境大臣の意向に賛意を表明する。

 環境大臣意見では、当該事業計画が「総出力約200万kWと近年建設が計画されている石炭火力発電所の中でも最大級の規模であり、二酸化炭素排出量が非常に大きい火力発電所」であることを特記し、「事業者が国の目標・計画の 達成に努めることを目的として環境保全措置を検討していることが必要」としながら、本事業について「「日本の約束草案」及びエネルギーミックスの達成に支障を及ぼしかねない。」としている。

 一方、経済産業大臣は昨日27日、中部電力株式会社「武豊火力発電所リプレース計画 計画段階環境配慮書」に対する意見を発出し、経済産業省のWEBサイトに掲載された。経産大臣の意見では、前回環境大臣がCO2排出に対する評価で「是認できない」としていたが、それには触れず、大気・水環境、温排水、廃棄物等での意見を数点述べ、CO2については、「国の地球温暖化対策の目標・計画の策定」「早急に自主的枠組みの目標の実現のための具体的な仕組みやルールづくり等が行われるよう努めること」と主体を曖昧にした表現に止まった。本来、経済産業大臣は環境大臣の意見も踏まえ、石炭火力発電が排出するCO2排出量の規模から当該事業の再考を促すことが求められていたが、事業者に対するCO2対策の言及もなかった。

 新規石炭火力発電所は、運転開始後から約40年に及ぶCO2の大量排出と固定化を招くことから、気候変動のリスクをさらに高め、次世代に対して非常に大きな環境負荷を残すことになる。事業者は環境負荷の大きい石炭火力発電ではなく、クリーンな再生可能エネルギーの事業計画へと大胆に切り替えることを求めたい。また、経済産業大臣は、今回で3度目となる環境大臣の意見を真摯に受け止め、本来の環境アセスメントの役割が機能するような手続きを踏むべきである。

 

関係リンク

〇環境省「(仮称)千葉袖ケ浦火力発電所1,2号機建設計画に係る計画段階環境配慮書に対する環境大臣意見の提出について
〇中部電力株式会社「武豊火力発電所リプレース計画 計画段階環境配慮書」に対する意見について

 

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【プレスリリース】環境大臣、千葉の石炭火力新設計画も是認せず ~一方、経済産業大臣は曖昧な表現。石炭火力は止めるべき。(2015/8/28)

 

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