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【ペーパー】パリ会議(COP21/CMP11)の結果と評価(2015/12/25)


ペーパー『パリ会議(COP21/CMP11)の結果と評価』

 

2015年12月25日
特定非営利活動法人 気候ネットワーク

 

本日、気候ネットワークでは、ペーパー『パリ会議(COP21/CMP11)の結果と評価』を発表しました。

 

ペーパー『パリ会議(COP21/CMP11)の結果と評価』
(会議の概要より一部抜粋)

2015年11月30日(月)から12月12日(土)にかけて、フランスのパリにて、国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(パリ会議)が開催されました。パリでは、次の5つの会議体で並行して交渉が行われました。

▼2つの締約国会議

  1. 気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)
  2. 京都議定書第11回締約国会合(CMP11)

▼1つの特別作業部会

  1. 行動強化のためのダーバン・プラットフォーム特別作業部会第2回会合第12部(ADP2-12)

▼2つの補助機関会合

  1. 実施に関する補助機関第43回会合(SBI43)
  2. 科学上及び技術上の助言に関する補助機関第43回会合(SBSTA43)

パリ会議は、1997年に採択された京都議定書以来となる、新たな法的拘束力をもつ合意を採択することが期待されていた会議であり、数年をかけてパリ会議の成功に向けた交渉が続けられてきました。会期を1日延長した交渉の結果、会議は法的拘束力をもつ「パリ協定(Paris Agreement)」の採択に至りました。

「パリ協定」の採択に至ったのは、フランス議長国をはじめ主要国の様々な外交努力が積み重ねられた末の多数国間外交の成果ですが、それだけでなく、これまでに多くの国で世論を喚起した市民社会のうねりの結果であり、また、様々な政府や自治体、ビジネスが、低炭素・脱炭素に向けた行動を支持し、動き出したことの結果でもあります。

パリ会議は、初日に150を超える国の首脳が参集するという例年にない政治的モメンタムの高まりの中でスタートしました。1週目のADP2-12では、「パリ協定」草案とCOP21決定文書案について、コンタクト・グループ及びその下部に設置された小グループ「スピンオフ・グループ」にて、「パリ協定」の目的、排出削減(緩和)や適応、技術移転、能力構築、実施の促進や遵守といったテーマごとに、1文1文のテキストの議論が交渉官レベルで行われました。その進み具合は決して順調とは言えないものであり、大きな対立点には踏み込めずにいました。しかし、交渉のモードは、ADPが1週目の作業をとりまとめてCOP議長にバトンを渡してから大きく変わりました。

ファビウスCOP議長は、閣僚級のパリ委員会(Paris Committee)を立ち上げ、最初に14人の閣僚をファシリテーターに選任し、重要なテーマや横断的な重要論点について議論させました。そして、2週目の中盤の12月9日と10日に交渉を反映させた「パリ協定」案と決定文書案を更新したのです。10日の案は選択肢を相当に絞り込み、対立点に焦点をあてた内容になっていました。COP議長は、各国がこれに対し次々に述べた意見を、反映ノートにまとめはするものの合意文書案に盛り込むことはせず、最終的な協議に入りました。採択に持ち込まれるまでのコンサルテーションには丸2日を要し、会議は1日延長されましたが、土曜日にパリ委員会が開催されたときには、まだ文書は公表されていないものの、事実上、合意が成立している状況で、会場にはオランド大統領、潘基文国連事務総長も同席する中、大きな拍手が送られました。文書が公表された後に開催されたパリ委員会はそれをCOPに引き渡し、すぐ採択に至るや、会議場は総立ちで、長い間、拍手に包まれました。2週目の会議は、常に透明性と各国の公平な参加機会を確保して慎重に進行をしてきたフランス議長国の適切なリーダーシップの下で進められ、各国の信頼性を確保しつつ、建設的な空気の中で合意に至りました。

「パリ協定」の重要な点は、地球の平均気温上昇を2℃未満とするのみならず、1.5℃に向けて努力する長期目標を決め、今世紀下半期のうちに、世界全体の人為的な排出と人為的な吸収を均衡させるという、排出をほぼゼロにさせる中期目標を明確に設定したこと、各国の目標や行動を5年ごとに提出・見直しをし、長期目標に向けて後退することなく引き上げていくサイクルを法的拘束力のある仕組みとして構築したこと、そして、排出削減のみならず、適応、損失と被害、技術移転、能力構築、資金供与などについて、先進国の責任や役割はもとより、途上国の役割についても適切に盛り込んだ包括的な協定となっていることです。

各国の行動は、国別約束(Nationally Determined Contributions(NDCs))と呼ばれ、2020年までに正式に提出することになります。この約束の達成自体に拘束力はかからず、各国の主体的な行動とその強化に委ねられることになります。ただし、各国は政策措置を実施することが義務付けられるとともに、国別約束の目標や行動の情報の透明性を確保し、その進捗を5年毎に評価する仕組みも義務付けられましたので、これからの各国の取り組みは、国際的に監視され、管理されていくことになります。

危険な気候変動を防ぎ、1.5℃に気温上昇を抑制することが本当にできるのかどうかは、これから「パリ協定」に基づいて各国がどれだけ真剣に、また加速度的に行動を強化していくかにかかっています。これからの「実施」が、「パリ協定」の重要性とその意義を高めていくことになります。………

 

ペーパー『パリ会議(COP21/CMP11)の結果と評価』全文

ペーパー『パリ会議(COP21/CMP11)の結果と評価』

 

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