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【緊急声明】神戸製鋼所の製造したアルミ・銅製品データ改ざんに関して(2017/10/10)


<緊急声明>

神戸製鋼所の製造したアルミ・銅製品データ改ざん事件を踏まえ
「神戸製鉄所石炭火力発電所環境影響評価準備書」における
不適切なデータ処理の有無についても
改めて第三者による検証・評価を求めます 

2017年10月10日
神戸の石炭火力発電を考える会

 

 神戸製鋼所(以下「神鋼」という)は10月8日、アルミや銅の製品の一部で顧客の製品仕様に適合させるため、強度などの検査証明書のデータを書き換えて出荷していた事実が判明し、川崎博也会長兼社長を委員長とする品質問題調査委員会を設置し、外部法律事務所に対して事実関係の調査も依頼すると発表しました。

 2006年、神鋼は環境部門においても神鋼加古川製鉄所で長期にわたって組織的な大気汚染防止法の排出基準違反や環境データの不適正な処理が明らかになり、生活環境を保全する同法及び公害防止協定の精神に反する行為により加古川製鉄所周辺環境の環境保全に重大な問題を惹起しました。この他にも、同社は、末尾【参考】に示したように、数々の法令違反を繰り返してきました。

 この度も繰り返された神鋼のデータ改ざん事件は、自身も認めるように組織的に行われたもので、法令遵守に欠けたその体質・体制は、厳しく糾弾されなければなりません。報道(神戸新聞2017年10月8日)によれば、神鋼は、今年8月末に改ざんを把握したにもかかわらず、これを公表せず、経済産業省から会見を開くよう指示されて、ようやく10月8日にこの事実を公表したということです。自らに不都合な事実を秘匿しつづける体質は、取引先・消費者・事業所周辺住民からの信頼を著しく損なうものです。

 現在、神鋼は神戸製鉄所の増設を計画する大規模な石炭火力発電所について、環境影響評価法に基づき「神戸製鉄所石炭火力発電所環境影響評価準備書(以下「準備書」という)を公示し、市民から意見を求めるなどその手続を進めていますが、私たちは、以下の点にかかる準備書の内容・補足資料について、
①大気汚染物質の排出総量データが示されなかったこと
②温室効果ガスの排出総量データの算定の根拠が示されていないこと
などの重大な瑕疵や疑念があるとこれまで三次にわたる要請書において指摘し、兵庫県知事、神戸市長、芦屋市長などに慎重に審査するよう、また当増設計画を是認しないよう要請してきたところです。

 しかしながら、このような組織ぐるみのデータ改ざん事件が明らかになったことを考えると、準備書において神鋼が言うところの将来の神戸の環境に「・・環境基準及び環境目標等の維持・達成に支障を及ぼすものでなく・・」という自己評価は、これまで説明責任を果たすという姿勢を一貫して示さなかった神鋼の姿勢と相まって、疑念をさらに深めざるを得ません。組織ぐるみのデータ改ざんを行うという体質がなお同社に残っていることに鑑みると、③大気汚染物質の排出濃度データや拡散予測についてもその信頼性が問われます。

 本事案は、準備書に示されたデータが正しいことを前提として広く県内・市内において熟議されるべき重大な地域の公害・環境問題です。しかし、そのデータについては、自社の関連会社や、電力の供給契約を締結している関西電力の関連会社に調査を委託していることが明らかとなっています。これでは、神鋼の社会的信用度からすると信頼を得ることは難しく、本準備書に関しても第三者機関による検証は必要不可欠であると考えます。

 とりわけ8月以降、新聞報道も頻繁になされているところです。地域の重要問題が議論の対象であり、メディア・市民の関心も極めて高い本件の審査の足下を揺るがしかねないと考えます。

 そのため、私たちは、準備書における不適切なデータ処理の有無についても、改めて社内における検証、及び、第三者による検証・評価を求めます。また、その結論が得られるまで、兵庫県、神戸市、芦屋市にあっては審査を一時停止することを強く求めます。

以上

【参考】神戸製鋼の過去の法令違反等

1999

総会屋への利益供与が発覚。金銭提供などの商法違反で、元役員らが有罪判決を受けた。この事件では専務ら3人と、利益供与当時の会長だった亀高素吉相談役が辞任

2006

窒素酸化物などを含む、ばい煙の測定データを改ざん。大気汚染防止法等の改正につながる(神戸、加古川)

2008

神戸製鋼グループの子会社、JISで定めた試験をせずに鋼材を出荷。

2009

加古川製鉄所、高砂製作所、長府製造所で、地方議員の後援会に政治資金規正法が禁じている寄付をしていたことが明らかに。当時の犬伏泰夫社長と水越浩士会長が辞任。

2009

意図的な所得隠しを大阪国税庁により指摘され、追徴課税として11.3億円を課される。

2011

同上。追徴課税として1.6億円を課される。

2013

同上。追徴課税として4億円を課される。

2013

神戸製鋼グループの神鋼環境ソリューション、溶融炉2基の運転管理を委託されている兵庫西流域下水汚泥広域処理場で、汚泥を溶融する際に出る排ガス濃度の一部データを、

1年10か月にわたり改ざん。

2016

神戸製鋼グループの神鋼鋼線工業(尼崎市)の子会社で、日本工業規格(JIS)を満たしているように試験値を改ざん

2017

意図的な所得隠しを大阪国税庁により指摘される。追徴課税として2.7億円を課される。

2017

アルミと銅製品の性能データの改ざんが8月に発覚。10月まで公表せず、経済産業大臣の指示により、ようやく公表。

緊急声明(PDF)

アルミ製品データ改ざん事件緊急声明文(神戸の石炭火力発電を考える会)

参考リンク

神戸の石炭火力発電を考える会

神戸の石炭火力発電を考える会(参加9団体)

神戸公害患者と家族の会
西淀川公害患者と家族の会
公益財団法人 公害地域再生センター(あおぞら財団)
特定非営利活動法人 地球環境市民会議(CASA)
特定非営利活動法人気候ネットワーク
神鋼石炭火力公害問題灘区連絡会
石炭火力発電所問題を考える市民ネットワーク
ひょうご ECO クラブ
神鋼石炭火力発電所増設問題を考える芦屋市民の会

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