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【プレスリリース】電源開発の高砂石炭火力発電所リプレース計画断念を歓迎 気候変動対策は急務。石炭火力からの脱却を加速すべき(2018/4/27)


<プレスリリース>

2018年4月27日

電源開発の高砂石炭火力発電所リプレース計画断念を歓迎

気候変動対策は急務。石炭火力からの脱却を加速すべき

特定非営利活動法人 気候ネットワーク
代表 浅岡 美恵

2018年4月27日、電源開発株式会社(J-POWER)による、兵庫県高砂市の石炭火力発電所リプレース計画について、中止が発表された。この計画は、現在稼働中の高砂火力発電所1・2号機(出力25万kW×2基)を廃止し、新たに60万kWの石炭火力発電所を2021年、2027年に稼働させる計画で、2014年から環境影響評価手続きが進められていた。本計画は、環境影響評価方法書まで手続きが終了し、準備書が提出される予定であった。しかし、2017年4月25日に高砂市建設環境常任委員会において、同市生活環境部がJ-POWERより、準備書の提出の延期が伝えられていたことが明らかとなり、計画は当面凍結状態とみられていた。

この計画に対して地元住民らは、自治体、市議会に対して幾度も中止を求めるとともに、環境影響評価手続きにおける住民意見を重視するよう働きかけてきた。このような市民の粘り強い活動が功を奏したものであり、事業者の計画中止を歓迎したい。仮にこの計画が実現すれば、追加的にCO2排出量が年間700万トン増加すると推計されており(参考:高砂市域からの総排出量は240万トン)、計画断念によって、かかる膨大なCO2排出増加を未然に防げたことは、パリ協定の実現を求める市民運動の勝利といえる。

2012年以降、日本では50基もの石炭火力発電新増設計画が持ち上がっていた(気候ネットワーク調べ)。そのうち、38基が計画中、8基が稼働中、4基が計画中止となっていたが、今回の高砂の計画中止によって、計画中36基、中止が合計6基となった。国の2030年の温室効果ガス削減目標の達成へ向けた道筋は未だ明確とはなっておらず、石炭計画によって、その達成は困難な状況にある。電力業界の自主的枠組である「電気事業低炭素社会協議会」は、両大臣合意を履行できていない。石炭火力の新設計画は、もはや認められない。

J-POWERは、既設高砂火力発電所の大手受電先である関西電力との協議が長引いていることを明かし、競争力を高める努力が必要との見解が示されていた(2017.05.01電気新聞)。受電先の関西電力は、赤穂発電所の燃料転換計画の中止理由に、CO2排出削減の強化が求められていること、電力需要の低下をあげていた(2017.01.31)。本計画の断念は、日本における石炭火力を取り巻く環境が変化し、採算性が低下しつつあることを示すものである。

J−POWERは、今回の高砂火力発電所リプレース計画の断念に続き、山口県宇部市において計画している「西沖の山発電所(仮称)新設計画」についても、速やかに中止すべきである。また、低効率で環境負荷の高い高砂の既設石炭火力発電所も速やかに廃止すべきである。

プレスリリース(本文)

電源開発の高砂石炭火力発電所リプレース計画断念を歓迎 気候変動対策は急務。石炭火力からの脱却を加速すべき

参考

高砂火力発電所新1・2号機設備更新計画の断念について(J−POWER)

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