「脱原発と温暖化対策」タグアーカイブ

2016年の気候変動10大ニュース~パリ協定・トランプ・ディカプリオ~

京都事務所の伊与田です。

2017年1月18日、2016年の地球平均気温が観測史上最高を更新したと発表されました。そんな2016年の気候変動10大ニュースを、グローバルからローカルまで、独断と偏見で振り返ってみたいと思います(各ニュースに順位はありません)。

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電力会社、まだ変えてないの?~乗り換えをおすすめする5つの理由~

京都事務所の伊与田です。

2016年4月に電力小売全面自由化がはじまって4ヶ月がたちます。私も、自宅で契約している電力会社を変えました(これからも各社の電力構成をチェックして、自然エネルギーに熱心な会社を探し、いいところがあればふたたび乗り換えたいと思っています)。

私が仕事にしている温暖化やエネルギーの観点からも、そして実際に乗り換えてみた経験からも、電力会社の乗り換えは非常におすすめです。

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パリ協定採択から半年ー最新の環境白書が示す気候変動対策の課題

こんにちは。京都事務所の伊与田です。九州の大豪雨は本当に深刻ですね…。豪雨の他にも各地で観測史上最高気温など気象の記録が更新されており、やはり気候は尋常じゃない段階に突入していると感じます。

関連記事:温暖化する地球、日常化する異常気象?

政府が閣議決定した最新版『平成28年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書』

環境白書とは?

パリ協定の採択から約半年がたとうとしていた今年5月31日、政府は「平成28年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書」(以下、環境白書)を閣議決定しました。ご存知の通り、白書は、政府の各年の各分野の状況や施策をまとめた年次報告です。つまり、環境白書を読めば、現在の日本政府が考える環境問題の状況や対策の見通し、進捗、課題が把握できるはずです。

環境省ウェブサイト:平成28年版 環境・循環型社会・生物多様性白書(PDF版)

平成28年版環境白書にみる気候変動問題

平成28年版環境白書は気候変動に関するパリ協定の採択をうけて、地球温暖化が大きく取り上げられています(気候変動に取り組むNGOとしては一応嬉しいことです)。ざっと目を通した中で私が印象に残ったポイントを独断と偏見で書き連ねていきたいと思います。

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「オックスファム・トレイルウォーカー」50kmの山道を踏破しました!

こんにちは。京都事務所の近藤です。

7月11~12日、気候ネットワークの事務局メンバーでチームを作り、「オックスファム・トレイルウォーカー東北2015」に参加しました。4人1チームで24時間以内に50キロメートルの山道を歩きます。

以前のブログ「オックスファム・トレイルウォーカー2015に参加します!」もご覧ください。

いよいよ福島に到着~前夜にはプレイベントも~

出発の前日に京都を出発して大会が行われる福島県二本松市に到着しました。出発前夜にはトレイルウォーカーのプレイベントが行われました。そこでオックスファムのパートナー団体として、気候ネットワークも、脱原子力・脱石炭・自然エネルギー100%への思いなど、あいさつをさせてもらいました。全国各地、また世界各地からの参加があり、体育館は出発前の熱気に包まれていました。参加者の4分の1は海外の方だったそうです。

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7月11日AM10:00スタート!

当日は晴天。いよいよ、スタートです。他のチームの出だしも気になりましたが、4人で決めた自分たちのペースを守りながら歩きました。一山超えて、最初のチェックポイントに到着しました(今回のコースには合計3つのチェックポイントがあるのです)。気温が高くて日差しも強かったので、この時点で何人かのリタイアがでたようでした。2人以上のリタイアが出たチームは他チームと合流するルールになっていたので、私たち4人は2人チームと合流することになり、6人で歩き出しました。

安達太良山の山頂でClimate Action Now!

1つ目のチェックポイントを超えると次に目指すのは安達太良山の山頂です。最後の上り坂は急な上に、岩がゴロゴロしていたり、小石があるところは滑りやすく足場が悪く体力を消耗しました。山頂では安達太良山の素晴らしいパノラマが迎えてくれました。

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気候ネットワークと関連団体で取り組んでいるキャンペーン「Climate Action Now!」についてはウェブサイトをご覧ください。

夜の山道は過酷でした

山頂の景色に感動したのもつかの間、日が落ちてきて寒くなってきました。あたりは暗くなり、一日歩いて疲労もたまってきました。このままのペースでは次のチェックポイント閉鎖時間までに到達しないかもしれない・・・そんな不安が頭をよぎりました。それでも悪路と疲労でペースを上げることはできません。昼間のような会話はないけれど、危険な場所は声をかけ合いながら、みんなで2つ目のチェックポイントを目指しました。何とか閉鎖時間までによう次のチェックポイントに到着しました。空を見上げると満点の星空で、流れ星も見ることが出来ました。

休憩もそこそこに残り約半分の道のりを、また4人で出発しました。途中、真夜中にもかかわらず、地元の方がエイドステーションを用意してくださっていました。地元のお米で作ったおにぎりや野菜のお漬物と応援に元気をもらいました。

一晩歩いて、明け方5:30頃にやっと最後の3つ目のチェックポイントに到着。出発前はもう少し仮眠がとれるかなっと想定していたのですが、制限時間いっぱいを使う形になりました。何より眠たいのが辛かったです。

4人で手を取り合ってFinish!

スタートしてから22時間23分、4人手をつないでゴールゲートをくぐりました。50kmを24時間で歩ききるという道のりは想像以上に大変でした。しかし、福島で自然エネルギー100%を実現したい!という想いを1つに、4人で支え合いながら、ゴールしました。ほぼ徹夜で過酷な山道を歩き、疲労が限界を超える中、みなさんの応援が心の支えになりました。

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ひきつづき、ご支援お願いします

私たちのチャレンジに大勢の方が寄付をしてくださりました。たくさんのご支援、応援ありがとうございました。8月21日までは引き続き、トレイルウォーカー「チーム・気候ネットワーク」への寄付を受け付けています。目標額にはまだ届いていません。ぜひご支援よろしくお願いします。

オンライン寄付(PayPal)

こちらのウェブページで「寄付をする」をクリックして、PayPalのページで任意の金額などをを入力後、「売り手への特別な指示を追加」にて「トレイルウォーカー寄付」と追記して決定してください。

銀行振込口座:

三菱東京UFJ銀行京都支店 普通預金 3325635 (特定非営利活動法人気候ネットワーク)

りそな銀行京都支店 普通預金 1799376 (特定非営利活動法人気候ネットワーク)

郵便振替口座:

00940-6-79694 (加入者名:気候ネットワーク)
通信欄に ご依頼人氏名、ご住所、電話番号、 「トレイルウォーカー寄付」とお書きください。

 

世界の”Climate March”、日本の”気候マーチ”

こんにちは!東京事務所の桃井です。

世界のClimate March

 2014年9月21日、世界中で市民が気候変動問題の解決を求めるデモが行なわれました。「Climate March(気候マーチ)」です。複数の環境NGOが呼びかけて、数ヶ月前から準備がすすめられ、その結果集まった人の数はニューヨークだけでも40万人と発表されています。

 二日後の23日に国連気候サミットに集結した各国首脳陣たちに、とても大きなインパクトを与えたに違いありません。パレードの規模はPeople’s Climate MarchのWEBサイトに掲載された写真や動画でも良くわかりますので、ぜひ1度見てみてください。

●People’s Climate Marchキャンペーンサイトhttp://peoplesclimate.org/

ニューヨークでのClimate March の様子。約40万人が参加しました。
ニューヨークでのClimate March の様子。約40万人が参加しました。

 

国連の潘基文事務総長もClimate Marchに参加。ゴア元副大統領の姿も。
国連の潘基文事務総長もClimate Marchに参加。ゴア元副大統領の姿も。
国連の平和メッセンジャー大使をつとめる俳優のレオナルド・ディカプリオ氏も参加。
国連の平和メッセンジャー大使をつとめる俳優のレオナルド・ディカプリオ氏も参加。

 

日本のアクション、「気候マーチ」

 日本でもこのタイミングに合わせてアクションが行なわれていたことをご存じでしょうか。

市民団体による共同声明「国連気候サミットに向けて-原発も気候変動危機もない世界へ」

 一つは、市民団体が共同で発表した声明「国連気候サミットに向けて-原発も気候変動危機もない世界へ」です。気候保護の団体だけではなく、開発関係や人権問題に取り組む団体が一緒に声明文をまとめあげたという意味は大きかったと思います。原子力が気候変動問題の解決にならないことを強調しました。

霞ヶ関で「気候マーチ」

 さらにもう一つのアクションは、9月19日に日比谷公園から経済産業省前、首相官邸前などを通過して国会正門までをパレードしました。金曜日は、官邸前での「脱原発・再稼働反対」の毎週恒例となった官邸前行動が行なわれています。ここに合流して、原発もない、気候変動もない世界に向けてアピールをしています。

経産省の脱原発テント前をパレードしました
経産省の脱原発テント前をパレードしました
金曜日の官邸前抗議にあわせて原発もない気候変動もない世界を訴えました
金曜日の官邸前抗議にあわせて原発もない気候変動もない世界を訴えました

  この気候マーチの様子は、ソーシャル・ビジネス・マガジン「オルタナ」さんにて取り上げられました(同記事はYahoo!ニュースにも掲載されています)。

霞ヶ関の気候マーチにかけた思い

 本当は、いずれもぎりぎりまで予定していなかったのですが、9月21日のClimate Marchに向けて世界中で気候変動解決に向けた市民の勢いが盛り上がり、ぜひ日本でも動きがあればという海外の方たちからの声があったこと、さらには気候変動対策を口実に原発再稼働の動きに繋がりかねない国内情勢に対しても、それが解決策にならないことを表明しておく必要性が高まっていたことなどが、東京で何もしないわけにいかないのではないかという空気になっていました。

 たまたま、9月16日から行なわれた韓国光州でのフォーラム出席のためにFoE Japanの吉田明子さんと私が飛行機も部屋も同じになったことで、急遽声明文作成やパレードの準備を進めて行くことになったのでした。朝早く起きて、夜も遅くまで相談し、日本にいる方たちと連絡を取り合いながら、なんとかやり遂げましたが、行き当たりばったり感は否めません。呼びかけ時間も少ない中で、パレードに参加していただいた方がいたことには、心から感謝する次第です。

市民にも盛り上がりを!

 いずれにしても、日本はまだ中期目標も示さず、気候変動対策に最も後ろ向きな国とのレッテルを貼られつつあります。来年のパリ合意に向けて市民の側にも盛り上がりをつくっていかなければならないでしょう。次はもう少し余裕を持って、多くの皆さんにも参加してもらいやすいようなパレードなど企画したいと思っていますので、ぜひそのときはご協力くださいね!

応援しよう!脱原発のゆるキャラ・「ゼロノミクマ」

京都事務所インターンの石田です。

原発は発電時にCO2を排出しない電源だと言われますが、温暖化対策にはなりません…というのは、先日のブログ記事「イベント報告「地球温暖化のために原発再稼働!?~原子力ムラのウソをあばく~」」にもある通りです。

私たちは、地球温暖化防止も脱原発も両立させていきたいと思っています。

脱原発のゆるキャラ「ゼロノミクマ」

そこで、今回皆さんにご紹介したいのが…

脱原発キャラクター!「ゼロノミクマ」です!!

似顔絵かいてみました!
似顔絵かいてみました!

 

かわいい緑のくまちゃんで、原発ゼロノミクスキャンペーン公式キャラクターだそうです!

ゼロノミクマの公式ブログによると、原発をゼロにする為に全国をかけまわってる とか!

なんて頼もしいくまちゃんなんでしょう!

 ゼロノミクマを応援中!

実は私たち、今、この「ゼロノミクマ」を応援中なんです!

どういうことかというと、この「ゼロノミクマ」は、なんと今年のゆるキャラグランプリに出場中なのです!

ゆるキャラグランプリは、ご存知でしょうか?ひこにゃんやくまモンなど、これまでに栄光を掴んだキャラクターたちは、ものすごい実績を生み出しています!

 

「ゼロノミクマ」が人気になることで、

普段関心がなくてもたくさんの人が脱原発に注目してくれるのではないか!

そう考えています!

地球温暖化防止のキャラクター・シロベエともお友達!

「ゼロノミクマ」、是非、ゆるキャラグランプリで投票してあげてください!

 

ゆるキャラグランプリのホームページより、IDを取得すれば、毎日投票できます!ゼロノミクマの紹介ページも要チェックです!

野党エネルギー政策実務者会議に参加して

こんにちは、東京事務所インターンの三笠です。

去る8月28日に衆議院議員会館にて第三回野党エネルギー政策実務者会議が開催され、私も傍聴で参加することができました。

この会議は、野党各党のエネルギー担当議員が集まり、各党の共通項を見出し、提言をまとめていくために開催されているとのことです。民主党国会対策副委員長の田嶋要議員、日本共産党原発・エネルギー問題対策委員会責任者の笠井亮議員、結いの党政策調査会長代理の小池政就議員、社民党副党首の福島みずほ議員らが出席されていました。

今回、はじめての外部ゲストとして気候ネットワークが招かれ、理事の平田仁子さんから「忘れ去られた気候変動(地球温暖化)問題」と題して、脱原発と地球温暖化対策との両立を含めた今後のエネルギー政策の在り方について発表されました。そして、その内容に基づき議論が交わされていましたのでご報告したいと思います。

気候変動対策とその遅れについて

冒頭、各出席者から挨拶があった後、平田さんから現在の気候変動対策の内容及び問題点について報告がありました。

写真: IMG_0022

「忘れられた気候変動問題」とのタイトルからもわかるように、現在当面のCO2削減目標は掲げられておらず、地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)に基づく地球温暖化対策計画も未だ作成されておらず、気候変動(地球温暖化)対策として企業や個人が取り組む制度的枠組みが存在しないとのことです。

そして、3・11後の今、「原発を再稼働しない場合に被る経済的ダメージは甚大」「原発停止による化石燃料調達費増加額は3兆円」「石炭は低コスト化石燃料」「再生エネルギー投資はコストパフォーマンスが悪い」等の誤った言説があり、それが気候変動対策について新たな視点を取り入れる際の障害となっているようです。

気候変動が進行するにつれて、海面上昇による沿岸部での高潮被害、熱波による都市部での疫病蔓延、気温上昇と干ばつによる食料の世界規模での争奪、水資源不足と農業生産減少による農村部への経済的打撃、気温上昇による沿岸海域における海洋生態系の損失等のリスクが顕在化してくるため、気候変動対策は喫緊の課題と言えます。

どれもわたしたちの生活に密接に関連してくる問題なので、興味がないとか知らないではすまされない重要な問題だと思いました。

脱原発と地球温暖化対策の両立について

原発は気候変動対策の一環として推進されてきた側面があります。京都議定書目標達成計画(2008年3月改正)の中で、「発電過程で二酸化炭素を排出しない原子力発電については、地球温暖化対策推進の上で極めて重要な位置を占めるものである。」とされ、原発はCO2削減に寄与する発電設備と位置付けられています。

しかし、以下のデータが示す通り原発設備容量とCO2排出量は正の相関関係(下図参照)にあり、原発推進→CO2削減→地球温暖化対策との因果関係が存在すると考えるのは早計です。

これまで原発でCO2は減っていない
平田さんプレゼン資料より

 

むしろ、原発に依存する政策こそが気候変動対策を遅らせる主たる原因となっているのが現状です。つまり、原発を推進することにより再生可能エネルギーの促進や省エネ対策は限定的なものとなっているのです。

原発依存から脱却し、気候変動対策をすすめていくことが肝心であるにもかかわらず、政府は気候変動対策を目的に原発を推進しています。これは循環論法であるとともに、気候変動対策を原発再稼働の口実にしているにすぎません。

石炭火力発電の問題点

気候変動対策として避けて通れないのは石炭火力発電問題です。なぜなら、石炭火力発電は天然ガス発電と比較してCO2排出量が約2倍もあるからです。

電源別CO2排出量
平田さん資料より

 

 それにもかかわらず、電力会社は石炭火力発電を推進すべく火力電源の入札募集数を増加させています。

電力会社の電源入札一覧
電力会社の電源入札一覧(2014年8月現在)、平田さん資料より

 

 石炭火力発電を推進した場合、長期にわたる大量のCO2排出を固定することとなります。その結果2050年に温室効果ガス80%削減目標(閣議決定)達成が困難となります。

石炭火力発電を推進することは大量のCO2を排出することから気候変動対策として望ましくありません。アメリカではオバマ大統領が国内の既存・新規の石炭火力発電所のCO2規制及び石炭火力の諸外国への輸出停止を決定しています。北欧5か国、イギリス、オランダも同様の方針を決定しています。

日本の石炭火力発電の推進政策は先進国の中でも特異なケースで世界の潮流に逆行しているといえます。

鋭い質疑応答にも。

報告終了後、平田さんは出席各議員からの質問を受けて気候ネットワークとしての立場からの意見を理路整然と回答していました。

ドイツが脱原発を宣言したにもかかわらず石炭火力発電を推進していることなども話題になりました。ドイツは産炭国であることから石炭資源が豊富であることも関係しているようです。これに対して、平田さんはドイツではCO2を40%削減するという目標も下げていないことや、市民運動が非常に盛り上がり、気候変動問題に対しての意識も変わっていないことなどを指摘していました。

国会議員からの鋭く、かつ、厳しい質問に対して的確に回答している平田さんをみて、平田さんの環境問題に対する知識、見識の深さを実感しました。

 

 

 

 

 

イベント報告「地球温暖化のために原発再稼働!?~原子力ムラのウソをあばく~」

 東京事務所の桃井です。

 まだ8月だというのに台風11号が上陸し西日本中心に猛威をふるいました。 高知では総雨量1000mmを超え、全国では最も多い時に160万人に避難勧告や指示が出たと報じられ、その規模の大きさに驚愕しています。私が住む横浜でも、台風の通り道からはずれているものの、強烈な暴風雨が夜中過ぎまで続いており、台風が直撃した地域ではその恐怖・被害がいかばかりかと案じられました。

 それにしても、夏の高温化や、ゲリラ豪雨、巨大台風など、命に危険なレベルの気象が増えてきましたね。

 

地球温暖化のために原発再稼働!?

 さて、7月末、eシフトセミナー「地球温暖化のために原発再稼働!? ~原子力ムラのウソをあばく」が開催されました。温暖化対策は大事だけど、そのために原発再稼働は違うでしょ、と思う人は多いはず。ただ、このイベントのテーマは少し視点をずらし、地球温暖化懐疑的な目を持つ人と情報を共有し、脱原発と脱温暖化の運動を共に盛り上げていこうという点にありました。ポイントは次の3つです。

(1)温暖化対策を理由にした原発推進体制の認識共有

  • 地球温暖化対策を理由にいかに原発が推進されてきたか。
  • 今も地球温暖化を口実に原発再稼働がすすめられていること。
  • 結果的に原発は温暖化対策には貢献していないという現状の共有。

(2)温暖化懐疑論に対する誤解の解消

  • 原発を推進するために温暖化問題がねつ造されてるわけではない。
  • 地球の気温の上昇など自然科学や将来の予測など気候変動の科学の確認。
  • 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)に対しての理解の共有。

(3)今後目指す持続可能な社会のあり方

  • 脱温暖化と地球温暖化対策でやるべきことは共通
  • 再生可能エネルギーの大幅普及と省エネルギー
  • 大規模集中型システムから地域分散型の電力システムへ
セミナー会場は100人の座席が満席に。
セミナー会場は100人の座席が満席に。

エネルギー基本計画における原子力の位置づけ

 2014年4月に閣議決定した「第四次エネルギー基本計画」では、原子力について次のように位置づけられました。

 燃料投入量に対するエネルギー出力が圧倒的に大きく、数年にわたって国内保有燃料だけで生産が維持できる準国産エネルギー源として、優れた安定供給性と効率性を有しており、運転コストが低廉で変動も少なく、運転時には温室効果ガスの排出もないことから、安全性の確保を大前提に、エネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源である。

 これ、福島の原発事故前の文章ではなくて、事故後、つい最近つくられた計画ですからね。つっこみたいところはたくさんありますが、論点がそれるのでここでは温暖化対策との関係に絞りたいと思います。エネルギー基本計画には、このように、「運転時に温室効果ガスの排出がない」ことが強調され、温暖化対策に貢献することがちりばめられています。

 講師の山崎さんは、原子力発電が運転時にはCO2を排出しなくても、ライフサイクルで見た場合にCO2を多く排出していることや、温排水で周辺海域の海水温を7℃も上昇させていることから周辺の環境に悪影響を与えていることなどを指摘。

 また、「重要なベースロード電源」という位置づけについても、本当にベースロード電源になるのか、という疑問を投げかけました。2011年以降の東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故とその後の全原発停止だけではなく、その前にも不祥事で原発を止め、そのたびに設備利用率を下げているためです。

原発推進に利用される温暖化 出典:山崎さん資料より
原発推進に利用される温暖化 出典:山崎さん資料より
  • 2002年 「東電不祥事」発覚に端を発した原発の定期検査等のごまかしで全電力総点検
  • 2007年 中越沖地震で柏崎刈羽停止および臨界事故隠し発覚により原発の総点検

 原発推進のために政府や産業界が「温暖化対策」を理由にしてきたという点では、4人のスピーカーに共通する点でした。

原発推進派は本当の温暖化対策をしていない

 しかし一方、“温暖化対策”を隠れ蓑に原発が推進されてきたからといって、温暖化そのものを懐疑的に見るのは短絡的です。反原発活動に長年取り組んでいる人の中には、そもそも温暖化をウソだと言ったり、IPCCに批判的な立場だったりする人がいます。しかし、こうして温暖化問題に懐疑的な目を向け、脱原発と脱温暖化の運動が分裂することは、「敵に塩を送る」だけである、と明日香さんは言います。

 いわゆる「原子力ムラ」と言われる原発利権にからむ政府、産業界、学者、メディアなどが、「温暖化対策のための原発必要論」を論じてきましたが、温暖化対策が必要だといいながら、実は本来温暖化対策として必要だとされるキャップ&トレードや炭素税の導入を阻み、石炭火力発電を推進し、再生可能エネルギーの位置づけを低く見ていました。温暖化に懐疑的な人たちを増やして化石燃料依存に向かわせるのは、「原発依存・石炭依存」グループの高等戦略だというのです。

 朝日新聞の石井さんも、いわゆる利権構造の中で、原発推進派と温暖化対策が必要だといいながら、対策に後ろ向きである産業界が同じグループであるのではないかと指摘しています。

「脱原発で温暖化に懐疑的な人々は原発依存・化石燃料依存の巨大化・強力化に結果的に加担している」 出典:明日香氏プレゼンテーション資料より
「脱原発で温暖化に懐疑的な人々は原発依存・化石燃料依存の巨大化・強力化に結果的に加担している」 出典:明日香氏プレゼンテーション資料より

原発推進のせいで、進まない温暖化対策

 気候ネットワークの平田さんは、IPCCの新レポートについて解説した上で、手遅れにならないうちに温暖化対策を進めることが必要であることを強調しました。これまでの日本の温暖化対策の問題は、原発に依存し、他の必要な対策を進めてこなかった点にあります。例えば、次のような課題は残されたままです。

  • 事業者対策は、自主的取り組みに依存している。(経団連自主行動計画では、排出量の抑制に対し、インセンティブが与えられていない)
  • 削減余地が大きいことを把握せず、省エネ対策は限定的。(機器の効率は向上するものの、製造業の効率は悪化)
  • 限定的な再生可能エネルギーの促進(ようやく離陸)
  • 京都議定書6%達成は、経済低迷と吸収源・海外クレジット購入で間に合わせ(実際の排出量は基準年1.4%増)

 このことは、今の「エネルギー基本計画」を見ても明らかです。原発も石炭も、ベースロード電源として位置づけ、「クリーンコール(きれいな石炭)」といって、温室効果ガス排出量の多い石炭火力をこれから増やしていく計画なのですから。

「これまでの大規模集中型で原発・化石燃料依存社会から、省エネ・再エネ重視の社会に切り替えていくことが必要」と平田さん
「これまでの大規模集中型で原発・化石燃料依存社会から、省エネ・再エネ重視の社会に切り替えていくことが必要」と平田さん

 日本の気候変動政策がいかに世界の動きから遅れをとっているか、いえ、むしろ逆行しているかということを共通認識として、これからの脱原発・脱温暖化対策を一体にすすめていく市民の力が試されているのではないでしょうか。

プログラム

(タイトルをクリックすると配布資料を閲覧できます)

1.再稼働に利用される「地球温暖化」  
   山崎久隆さん(たんぽぽ舎副代表)

2.原発は温暖化対策の答えではない  
   明日香壽川さん(東北大学教授)

3.温暖化を防ぐためにこそ、原発はやめるべき  
   平田仁子さん(気候ネットワーク理事)

4.メディアの立場から  <資料はありません>
   石井徹さん(朝日新聞編集委員)

原発も温暖化もない未来をめざす「キコジョ」が集結!「気候女子トーク」を開催しました

 こんにちは、東京事務所の江刺家(えさしか)です。

 去る6/1(日)、主婦連合会との共催により、シンポジウム「気候女子トーク 原発も温暖化もない新しい未来に向けた7つのポイント」を開催しました。参加者は90名に迫り、座席が足りなくなって急遽イスを追加するほど。
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当日の雰囲気は、このきらめく集合写真を見ていただければ説明はいりませんね。多様なテーマの講演と参加者同士のトーク、そして最後はチェロとピアニカのハーモニー&クマたちのダンスと、もりだくさんの内容で、盛況のうちに終えることができました。

気候女子=原発も温暖化もない未来をめざす女性

 インターネットで「気候女子」と検索してみても今回のシンポジウム関連のページ以外は見当たらず、どうやらこの言葉を使っているところは他にないようです。目新しさのおかげか「女子トークという点に興味を持った」という理由で参加してくださった方が10名以上もいらっしゃいました。

 気候女子=原発も温暖化もない未来をつくるために活動する女性、略してキコジョ(気候ネットワークのスタッフが命名しました)。

 今回、実に多様な分野で活躍するキコジョの皆さんにスピーカーとしてお越しいただきましたが、参加者の皆さんも同じ志を持つキコジョ&キコメン(?)ですよね。

 事前アンケート結果を見ると、スピーカーに負けず劣らずさまざまな方が集まってくださったことがわかります。学生、環境団体職員、議員、マスコミなど立場も違えば、年代も10代~80代まで幅広く、関心のあるテーマも異なります。

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 そんな方々と一つのテーマについて話し合う機会はなかなかありません。講演後の「気候トーク」の時間には、お菓子を片手に参加者同士で意見を交わしましたが、「トーク、よかった!」という感想をいただけたのは、多様な視点からの意見を聞き、話すことができたからではないかと思います。

 当日参加してくださった皆さん、ありがとうございました。

気候女子トークの動画、あります

 さて、今回のイベントはYouTubeでご覧いただくことができますので、「行けなかった~」という方はぜひチェックしてみてください。