「市民レベルの国際協力」タグアーカイブ

マレーシアの子どもたち、低炭素社会に向けた取り組み

こんにちは。京都事務所のアシュリーです。3月に訪問したマレーシアの小学校の子どもたちの取り組みについて紹介します。

マレーシア・イスカンダル地域、低炭素社会への取り組み

2005年から京都市で始まった温暖化防止教育「こどもエコライフチャレンジ」は、他地域にも取り組みを広げており、2013年からはマレーシアのイスカンダル開発地域でも実施されています。

イスカンダル開発地域は、低炭素社会づくりに熱心に取り組んでいる地域で、マレーシア版こどもエコライフチャレンジもその取り組みのひとつです。このマレーシア版こどもエコライフチャレンジは、京都のこどもエコライフチャレンジをもとに、そこにマレーシアらしいアレンジを加えたものになっています。

マレーシア版こどもエコライフチャレンジとは?

マレーシア版こどもエコライフチャレンジは、子どもたちが低炭素社会について理解を深め、炭素排出量の削減にチャレンジするという目的のもとデザインされました。

子どもたちは、エコライフチャレンジとして次の3つの活動に取り組みます。

  1. グループでワークブックに取り組む
  2. 小学校内で電気代・水道代削減キャンペーンを行う
  3. リサイクル品収集キャンペーンを行う

この3つの活動の成果はマレーシア工科大学(プログラムのコーディネーター)に送られ総合的に評価されます。それをもとに上位15校が選ばれ、最終発表会が行われます。

発表会では、子どもたちがエコライフチャレンジで学んだこと、そして自分たちの地域を低炭素社会にするために自分たちには何ができるかについて発表し、優秀校が選ばれます。

電気代・水道代削減とリサイクル品収集キャンペーンや最終発表会は、具体的な数字を使って競争する要素を加えたマレーシア版のオリジナルな部分です。

2016年からは、これに加え、学習したことを定着・継続させていくための振り返り学習会をパイロット校で行う試みが始まりました。振り返り学習会は、子どもたちがそれまでに取り組んだエコライフを振り返り、今後の目標を決めて発表するというグループワーク。これからより多くの学校でこの取り組みが実施されるよう期待されています。

その他にどんな取り組みをしているの?

今回、エコライフに熱心に取り組む2つの小学校を訪問しました。それぞれのキャンペーンにむけて、分別用ごみ箱の設置や時間を決めて電気を消す取り組みなどが行われていましたが、それ以外にもさまざまな取り組みが行われているのが分かりました。

例えば今回訪問した両方の学校で生ごみなどから肥料を作り野菜や植物を育ており、その活動について熱心に説明してくれました。またそのような活動には、エコライフチャレンジの対象となっている6年生だけでなく、学校全体で取り組んでいるのが印象的でした。

肥料をつくる「ミラクル・タンク」。どのようにして肥料ができるのかを説明してくれた。
ココナツの殻から土を作り植物を栽培している。生姜の収穫の様子を見せてくれた。
学校全体でエコライフに取り組む。子どもたちは取り組んでいる活動のジャンルごとにワッペンをつけている。ワッペンの一覧表。

 

イスカンダル開発地域は、マレーシアの重要な開発対象地域であり、経済成長により急速な温室効果ガス排出量増加が危惧されている地域です。しかし、今回子どもたちの取り組みの様子を見て、低炭素社会づくりが始まっているのを実感しました。子どもたちのこの取り組みが、家庭やコミュニティに広がり、地域全体で低炭素社会を目指していってほしいと思いました。

 

 

気候変動NPOが辿ってきた軌跡と展望〜学生インターンの目から

みなさんこんにちは。

気候ネットワークインターン生の塚本です。

気候変動NPOでインターンシップをしている身として、気候変動NPOの歴史や抱えている課題を知っておきたいという思いから、この記事を書こうと思い立ちました!

NPO法人の数がここ数年で増大

近年、NPO法人が職員の公募を拡大しており、大手転職サイトへの求人掲載数は過去3年間で3倍以上に急増したようです。その背景には、法人増や規模拡大に伴って、中途や新卒の募集が増加したことが理由の一つとなっているようです。

私見としては、従来よりもNPO法人で働くことへの抵抗が薄らいできているのではないかなと思います。また、社会課題を柔軟な働き方をしながら解決していきたいという、志ある人の数も増えてきていることがあるのではと感じています。

(出典:日本経済新聞2018年1月15日朝刊)

NPOってそもそも何?

NPOは営利活動を行う?

そもそもNPOというのは、Non Profit Organizationの略称であり、非営利団体を意味します。川口清史(2000年)はNPOについてこう言及しています、「正確にこの組織をいえば、Not for-Profit Organizationと理解したほうがいいと思います。forは目的ですから、利益のためではない組織という意味です」。

つまり、利潤をあげることもあるけれども、その利潤を再度その組織のミッションに基づき、活動のために使用する、ということです。

学校法人や福祉法人などと同様に、公共の利益のために活動しているNPOですが、それらとの違いは一体どこにあるのでしょうか?

まず、何と言っても、ミッションの実現のため、人々が自分の意志で、自発的に参画しているということです。また、行政や政府から強く独立しているといった特徴が挙げられます。比較的小規模で構成され、活動している点も一つ言えます。

NPOにはどんな種類があるの?

全てのNPOは、各々が確固としたミッション、目的を持って活動しています。それらの分野は多岐にわたり、福祉・環境・教育・医療・難民支援など、またそれらに対して分野横断的に取り組むNPOもしばしば見られます。

NPO活動を行う各個人の目的を見てみると、その根底にあるものは、世の中に求められていること/世の中が大切だと思っていることを実践するという意識に違いありません。

広義でのNPOが抱える課題

そんな中で、NPOを取り巻く問題が、過去から現在に至るまで数多くあることも確かです。戦後、四大公害から阪神淡路大震災に至るまで、様々な市民活動が展開されてきました。市民活動が大きく盛り上がってきた神戸での震災後、市民団体にとって念願の法律である「特定非営利活動推進法」が制定されました。NPOはそれ以降、法人格を得たことによって賃貸契約を結んだり、銀行口座を作ることが可能になったことで、活動の幅が大きく広がりました。

しかし、同時に多くの課題が同法に内包されていることも事実です。現在と違い当時は、寄付による相互的な税の減免措置がないことに加え、訴訟にかかる団体訴権が認められていないなど、法的問題は山積していました。

財政的に大丈夫?

賃金の面においても、多くの課題を抱えているといった状況です。自発的な活動であり、利益を顧みず社会貢献を果たすという側面がある一方で、一般的に大量生産大量消費型社会にある意味即した形で活動する企業は、利潤を究極的に追求します。たとえば、環境保全の側面で見たときに、社会に求められている活動をしているのはNPOであり、他方で大企業の活動は持続可能性の概念に逆向したものであると言わざるを得ません。

しかしながら、活動を続けていく上で、職員に賃金を払い、事務所の賃料を支払い、その他にも多くの経費がかかる中、職員を長期に渡って育成し養っていくという持続可能性面では、NPO活動が抱えている課題の一つであると言えます。

欧州はNPOのための資金制度が充実!

他方で、欧州の市民団体に広く見られる特徴として、それらが抱えている人数と資金力の強さです。資金面では、寄付金を集めやすい仕組みとして税金の優遇制度が整っています。また、比較的潤沢な資金に支えられていることもあり、100人を超える有給スタッフが在籍している団体もあります。そういった団体には、気候変動交渉の専門家が10人もいるなどといった状況があり、日本の状況からは大きく先を行っていると言わざるを得ません。

そのような状況を打破せんが如く、環境市民団体への資金援助が年々増えてきている事もまた事実です。環境意識の高い企業や財団、また個人寄付が、市民団体の運営において大きな力となっています。しかしながら、未だにそれらの額は十分とは言えません。

財政面のみならず、市民団体が社会の合意形成の過程に、民主主義的に組み込まれていくことが、民主主義の観点から強く求められていると同時に市民団体は積極的に行政に対するアプローチを継続的に行っています。

気候フォーラムと京都議定書

気候フォーラムって?

気候変動の文脈では、環境市民団体の台頭が顕著になり始めたのは、1992年の国連気候変動枠組条約が採択された時期であると言えます。特に、COP3京都会議に向けた気候フォーラムの結成並びにロビー活動は、気候変動業界における市民社会の目覚ましい活動の一つです。

気候フォーラムは、「市民の立場から二酸化炭素などの温室効果ガスの削減に取り組むとともに、気候変動枠組み条約第3回締約国会議において実効性のある削減議定書が採択されるよう活動する」(日本弁護士連合会、2001)ことを目的に設立された、温暖化防止を目的とした環境NPOが集うプラットフォームです。主な活動としては資料の作成・情報発信・地球温暖化問題に係る啓発活動・政府及び産業界への提言活動など多岐に渡ります。

COP3で京都議定書が採択されたあと、気候フォーラムは大きな役目を終えました。しかし、当然ながら温暖化防止活動は議定書採択で終わったわけではありません。京都議定書のルール作りを監視し、各国による批准、発効まで持っていくことが求められていました。

京都議定書採択後の気候変動NPOの役割

気候変動問題は極めて長期に渡り、市民の役割が大きい問題です。COP3での京都議定書採択を以て、気候フォーラムが解散するか、その役割を引き継ぐかどうか、議論がありました。結果として、1998年、気候フォーラムの後継組織として気候ネットワークが設立されました(今年で設立20周年です!)。

他にも、地球環境市民会議(CASA)グリーンピース・ジャパンWWFジャパンFoE Japanなどの環境NPOは、京都議定書採択以前からこの分野で活動を行ってきており、現在もCOPをフォローし、また国内でも気候変動・エネルギー政策への提言活動など幅広い活動を展開しています。

また、2009年のCOP15コペンハーゲン会議に参加したユースが中心となって、Climate Youth Japanというユースの気候変動NPOも設立され、活動を続けています(私もCYJのメンバーとしても活動しています!)。

気候変動NPOの今後に注目!

広い意味でのNPOが抱える諸課題から、気候変動NPOが辿ってきた軌跡をここに記しました。

今年2018年は、ポーランドはカトヴィツェにて開催されるCOP24、2019年はG20大阪開催など、重要なイベントが盛りだくさんです。気候ネットワークは気候変動NPOとして、これらの会議を監視し、提言活動及び情報発信を行う大きな役割があると思います。

また、気候ネットワークだけでなく他の気候変動NPOの活動についても知っていただき、ぜひ様々な形で支援していただければなと思います。

(文責:塚本悠平)

参考文献

  • 「NPO(非営利団体)とボランティア」、立命館大学人文科学研究所、2000年10月15日、(株)田中プリント
  • 「NPOも人手不足」日本経済新聞、2018年1月15日朝刊
  • 「21世紀をひらくNGO・NPO」、日本弁護士連合会・公害対策環境保全委員会編、2001年4月20日、(株)明石書店

こどもエコライフチャレンジ~「ジョホールバルの歓喜」の地へ~

京都事務所の桑田です。京都でも、春眠が心地よい季節になりました。

こどもエコライフチャレンジ、イスカンダル・マレーシアへ!

マレーシア半島の南端に位置するジョホールバルを中心とするイスカンダル開発地域では、2013年から京都市で実施されてきた「こどもエコライフチャレンジ」を参考に、イスカンダル版こどもエコライフチャレンジが実施されてきました。2013年には23校、2014年には80校、そして2015年にはイスカンダル全ての小学校(226校)で実施されました。

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気候をまもり、平和をまもる。パリへの行進「アースパレード2015」に参加しよう!

京都事務所の伊与田です。京都では風が冷たくなり、冬を感じる季節になりました。

COP21パリ会議、間もなく開幕。
温暖化防止の新しい国際ルール合意へ

2015年11~12月、フランスのパリで開催される国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)パリ会議。全ての国が温暖化対策を強化するための、2020年以降の温暖化対策の新しい国際ルールに合意することがめざされています(以下、パリ合意)。

COP21でパリ合意を成功させ、気候をまもることができるか(産業革命前からの地球平均気温上昇を1.5℃未満に抑える道に進めるか)。それとも、合意に失敗し、4℃上昇の「気候危機」に向かってしまうのか。人類だけでなく地球のすべての生き物の未来にとって、いま最も重要なテーマのひとつです。

 

COP21パリ会議の成功なるか?-国連会議の様子COP21パリ会議の成功なるか?-国連会議の様子
©Masayoshi IYODA, Kiko Network 2015

 

気候をまもる、パリへの行進。アースパレード2015

COP21開幕にあたって、安倍総理、米国のオバマ大統領、中国の習近平国家主席を含む世界の147ヶ国の首脳が参加し、パリ合意の成功を期して演説を行う予定になっています。市民から「気候をまもる国際合意を成功させてください」という強いメッセージを送ることで、難航する交渉を打開する世界のリーダーの決断を促す必要があります。

パリ会議の成功と、気候変動のない平和な未来をめざして、COP21開幕直前に、世界の数千万人の市民が一斉に「世界気候マーチ(Global Climate March)」というアクションをする予定です。日本でも、2015年11月28日、29日にアースパレード2015を各地で開催します。

このところ、ひっきりなしにメディアからアースパレードについての問合せの電話がかかってきています(注目されています!)。ぜひみなさんもお誘い合わせの上、お近くのアースパレードにご参加ください。

earth-parade-webアースパレード2015公式サイト

 

あるいは、みなさん自身が、みなさんの地元、団体でプチ・アースパレードを企画してください。少人数でも構いません。その様子を写真に撮影して、特設サイト「100万人のクライメート・アクション!」に投稿してください。

climate-action-album 特設サイト「100万人のクライメート・アクション」

 

パリでは、テロをうけて予定されていた気候マーチが中止に

当然、COP21開催地であるパリでも、大規模な気候マーチが予定されていました。しかし、11月13日にパリで発生した銃撃・爆破事件後、「安全を確保できない」としてフランス政府から気候マーチの開催許可がおりませんでした。本当に残念ですが、安全確保のためにはやむをえない側面もあるでしょう。パリで開催できない分、日本を含む世界中で、気候をまもろうという市民社会の力強い声をパリに届けたいと思います。

 

気候をまもることは、平和をまもること

さて、もしも私が「気候変動は平和を脅かす」と言ったら、こう思う人がいるかもしれません。

「また始まった!何でもかんでも温暖化のせいにするなんて笑」

しかし、(残念なことに)それは本当のことです。ずっと前から研究者は気候変動が食料生産、水資源へのアクセス、人口分布等に影響を与え、紛争や難民発生の要因となり、安全保障を揺るがすことになると指摘しています。世界の平和と安全保障について討議し決定を行う国連安全保障理事会が初めて気候変動を取り上げたのは2007年でした。今から8年も前のことです。

気候変動を防ぐということは、将来起きうる破滅的な自然の変化を防ぎ、平和をまもるということです。さらに、温暖化対策である省エネルギー・再生可能エネルギー普及を進めることは、世界各地に偏在する化石燃料をめぐる緊張を緩和し、紛争を避けることにつながる可能性があります。

シリアの紛争・難民問題と気候変動

シリアの紛争・難民危機についてニュースでご覧になっている方も多いでしょう。複数の調査研究は、シリアの不安定化要因に気候変動があると指摘しています。気候変動によってシリア国内を襲った異常な干ばつ等によって食料生産に甚大な被害がもたらされ、貧困が拡がり、政情が不安定になったことで紛争、難民が発生したというのです。

また、パリやレバノンでのテロ事件後、米国大統領選挙の立候補者のひとりは、気候変動で平和が脅かされ、テロの増加をもたらしうると主張し、気候変動対策の重要性を訴えています。ちなみに、シリアには、パリやレバノン等でテロ事件を起こしたとされるISの本拠地のひとつがあることが知られています。

私は、シリア危機が実際どれくらい人為的な気候変動によるのかという論争に参加するつもりはありません(私は中東地域研究の専門家でも、軍事安全保障の専門家でもありません)。私が言いたいのは、パリ合意を実現し、世界的に温暖化対策を強化しなければ、気候変動との関連の「疑われる」紛争がますます増えるだろうということです。

気候をまもり、平和をまもるパリ合意実現のため、アースパレードに参加してください

気候変動を止めることなしに、世界平和は実現できません。紛争・テロによって、そして気候災害によって傷つき苦しむ人々に哀悼の気持ちを寄せ、平和への祈りを広げるため、世界中の市民のグローバル・アクションに、あなたもぜひ参加してください。

アースパレード2015東京

日時:2015年11月28日(土) 13:00~
場所:日比谷公園野外音楽堂(東京都千代田区)

アースパレード2015京都

日時:2015年11月29日(日) 12:00~
場所:円山公園音楽堂(京都市東山区)

アースパレードの詳細は公式サイトにてご確認ください。

 

*私は、COP21パリ会議参加のためパリに出張するため、日本のアースパレードには参加できませんが、現地で気候をまもり、平和をまもるための活動をしてきます!

貧困・環境問題の解決をめざすキャンペーン”action/2015″~アースデイ東京でアピール~

京都事務所の伊与田です。

きょう4月22日は「アースデイ(Earthday;地球の日)」。持続可能な社会に向けて、地球環境のことを考え、行動する日です。日本各地で関連イベントが行われるみたいですね。

アースデイ東京2015 ”Yes, Peace!”

さて、先週末の4月18~19日には、約10万人が参加する、日本最大級の環境イベント「アースデイ東京」が東京・代々木公園で開催されました。戦後70周年である今年のアースデイ東京のキャッチコピーは”Yes, Peace!”。エネルギー、食と農、経済という3つのテーマをもとに、コンサート・ライヴや、NGOやNPO、企業などによる展示などが行われました(私も参加してきました!)。

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マレーシア・イスカンダル訪問〜アジアに広がる持続可能な低炭素地域づくり〜

京都事務所の田浦です。先月初めにマレーシアを訪れてきたので報告させていただきます。

イスカンダル・マレーシアへ広がるエコライフ

みなさん、気候ネットワークが実施している温暖化防止教育「こどもエコライフチャレンジ」がマレーシアへ広がっていることはご存知でしょうか。

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イスカンダルで使用されているワークブック(2013)

マレーシア、イスカンダル地域で昨年は80校で、エコライフチャレンジが実施され、去年に続き優秀校の児童たちが京都を12月に訪れ京都のエコライフチャレンジを体験しました。

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昨年参加校が実施したプレゼンテーションで、優秀校は京都への切符を手にした(2013)

 

その時、現地のソーシャル企業であるアイエム・キコウ(IMKIKO)と気候ネットワークはこどもエコライフチャレンジの実施に関する協力・連携についての「覚書」を締結しました。

2月7日から9日まで、マレーシアのイスカンダル開発地域を訪問し、低炭素スクール展示会への参加、環境未来都市フォーラムへの参加と報告、小学校訪問、こどもエコライフチャレンジ実施に関する会議等を行いました。

低炭素スクールの拡大を目指す

「持続可能&低炭素スクール展示会2015(SUSTAINABLE & LOW CARBON SCHOOLS EXHIBITION 2015)」がマレーシア工科大学(UTM)で開催されました。UTM低炭素アジア研究センターとジョホール州教育局が主催したもので、80の小学校・中学校が参加しました。当日は35の学校がポスター・ブース展示や発表などが行われ、各校のリサイクル活動、省エネ活動、マングローブの植林などの取り組みが発表されていました。気候ネットワークからも審査員に加わり、子どもたちや先生と交流を深めました。

日本内閣府主催の国外初「環境未来都市フォーラム」

ジョホールバルのシスルホテルで、環境未来都市フォーラムが開催されました。日本の内閣府主催で、イスカンダル地域開発庁(IRDA)、UTM等の共催、JICAマレーシアなどの協力のもと、国外では初めての開催でした。

研究者・専門家からの報告に加えて、日本の環境未来都市、環境モデル都市からの報告があり、京都からは、気候ネットワークの他、京都市地球温暖化対策室、京エコロジーセンターが報告を行いました。国立環境研究所の藤野純一氏から、イスカンダル地域の低炭素社会シナリオについて報告があり、研究成果が政策につながっていて、イスカンダルで実施されているこどもエコライフチャレンジが、低炭素シナリオ実現の具体例であると紹介されました。

イスカンダルのこどもエコライフチャレンジ展開

こどもエコライフチャレンジを展開するために、IRDA、UTM、IMKIKO、グリーン・アース・ソサイエティ(GES)との協議を行いました。

今年は、198校全校でエコライフチャレンジが実施されることになります。そのための体制づくりが検討され、IMKIKOが実施主体となります。マレーシアの教育事情等の違いによりプログラムが異なることは想定されますが、IRDAの責任者から「気候ネットワークのDNAを大切にしたい」との言葉があり、うれしく思いました。まずはプログラムづくりを行っていくこととなります。

今後の展開に期待しています。引き続き、ご支援よろしくお願いします。

田浦

化石燃料を「歴史」にしよう~2月13-14日はグローバル・ダイベストメント・デイ~

京都事務所の伊与田です。京都ではついさきほどから雪が降り始めました。明日はバレンタインですが、もしかしたらホワイト・バレンタイン(?)になるかもしれませんね。

さて、そんなときに突然ですが、「ダイベストメント(divestment)」って聞いたことがありますか?2月13~14日は、「グローバル・ダイベストメント・デイ」。世界中の人が、化石燃料への「ダイベストメント」への意思を示す日です。

 ダイベストメント(divestment)とは?

 ダイベストメント(divestment)は、「投資(investment)」の逆。つまり、これまであなたが利益を得るために投資したり、株などを買ったりしていたのをやめること(これまで出していたお金を引き上げること)です。これまでは、クラスター爆弾や対人地雷といった兵器の製造企業や、南アフリカのアパルトヘイトが非倫理的であるとして「ダイベストメント」の対象とされた例があります。

2/14,15は、グローバル・ダイベストメント・デイ

そして、きょう・あすの「グローバル・ダイベストメント・デイ」は、化石燃料への投資をやめよう、と呼びかけるものです。化石燃料への投資は投資家と環境の両方にとってリスクがあります。このキャンペーンでは、各界のリーダーに対して、ただちに化石燃料企業への追加的な投資をやめることを求めています。最新の科学によれば、地下に埋まっている化石燃料をすべて掘り起こして燃やすと、危険な気候変動を避けることができなくなります。企業は、地中の化石燃料の80%を地下に埋まったままにしておくことを誓約すべきなのです。

このキャンペーンを説明する、なかなかクールなデザインの動画もあります。(英語ですがアニメーションがわかりやすいです!)

化石燃料を歴史にする。
再生可能エネルギーを未来にする。

2015年パリ合意を成功させ、危険な気候変動を避け、持続可能で衡平な社会をつくるためには、脱原発と脱化石燃料を両立させていくことが肝要です。ながーいながーい人類の歴史を考えれば、化石燃料を使い始めたのなんてつい最近のこと。これからは再生可能エネルギーの未来に向かっていきましょう。というわけで、ぜひ今日と明日は化石燃料への「ダイベストメント」に思いを馳せて(?)頂ければと思います。

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2/14-15全国シンポジウム「市民が進める温暖化防止~クライメート・アクション・ナウ!~」も、グローバル・ダイベストメント・デイに参加しています。

明日2月14日から京都の同志社大学で始まる、気候ネットワーク主催の全国シンポジウム「市民が進める温暖化防止~クライメート・アクション・ナウ!~」は、国際キャンペーン「グローバル・ダイベストメント・デイ」に参加しています。ポスターセッションでは関連の展示がしますし、参加者で「化石燃料を”歴史”にしよう!」との思いを込めたフォトセッションを行う予定です。ぜひ、一緒にグローバルなキャンペーンに参加しましょう~。

なんと!この東アジアのキャンペーン担当のメンバーが、急遽台湾からシンポジウムに参加しに来日することにもなりました。全国シンポジウム「市民が進める温暖化防止~クライメート・アクション・ナウ!~」は、当日の飛び入り参加や部分参加も歓迎です。ぜひお越しください!

世界の”Climate March”、日本の”気候マーチ”

こんにちは!東京事務所の桃井です。

世界のClimate March

 2014年9月21日、世界中で市民が気候変動問題の解決を求めるデモが行なわれました。「Climate March(気候マーチ)」です。複数の環境NGOが呼びかけて、数ヶ月前から準備がすすめられ、その結果集まった人の数はニューヨークだけでも40万人と発表されています。

 二日後の23日に国連気候サミットに集結した各国首脳陣たちに、とても大きなインパクトを与えたに違いありません。パレードの規模はPeople’s Climate MarchのWEBサイトに掲載された写真や動画でも良くわかりますので、ぜひ1度見てみてください。

●People’s Climate Marchキャンペーンサイトhttp://peoplesclimate.org/

ニューヨークでのClimate March の様子。約40万人が参加しました。
ニューヨークでのClimate March の様子。約40万人が参加しました。

 

国連の潘基文事務総長もClimate Marchに参加。ゴア元副大統領の姿も。
国連の潘基文事務総長もClimate Marchに参加。ゴア元副大統領の姿も。
国連の平和メッセンジャー大使をつとめる俳優のレオナルド・ディカプリオ氏も参加。
国連の平和メッセンジャー大使をつとめる俳優のレオナルド・ディカプリオ氏も参加。

 

日本のアクション、「気候マーチ」

 日本でもこのタイミングに合わせてアクションが行なわれていたことをご存じでしょうか。

市民団体による共同声明「国連気候サミットに向けて-原発も気候変動危機もない世界へ」

 一つは、市民団体が共同で発表した声明「国連気候サミットに向けて-原発も気候変動危機もない世界へ」です。気候保護の団体だけではなく、開発関係や人権問題に取り組む団体が一緒に声明文をまとめあげたという意味は大きかったと思います。原子力が気候変動問題の解決にならないことを強調しました。

霞ヶ関で「気候マーチ」

 さらにもう一つのアクションは、9月19日に日比谷公園から経済産業省前、首相官邸前などを通過して国会正門までをパレードしました。金曜日は、官邸前での「脱原発・再稼働反対」の毎週恒例となった官邸前行動が行なわれています。ここに合流して、原発もない、気候変動もない世界に向けてアピールをしています。

経産省の脱原発テント前をパレードしました
経産省の脱原発テント前をパレードしました
金曜日の官邸前抗議にあわせて原発もない気候変動もない世界を訴えました
金曜日の官邸前抗議にあわせて原発もない気候変動もない世界を訴えました

  この気候マーチの様子は、ソーシャル・ビジネス・マガジン「オルタナ」さんにて取り上げられました(同記事はYahoo!ニュースにも掲載されています)。

霞ヶ関の気候マーチにかけた思い

 本当は、いずれもぎりぎりまで予定していなかったのですが、9月21日のClimate Marchに向けて世界中で気候変動解決に向けた市民の勢いが盛り上がり、ぜひ日本でも動きがあればという海外の方たちからの声があったこと、さらには気候変動対策を口実に原発再稼働の動きに繋がりかねない国内情勢に対しても、それが解決策にならないことを表明しておく必要性が高まっていたことなどが、東京で何もしないわけにいかないのではないかという空気になっていました。

 たまたま、9月16日から行なわれた韓国光州でのフォーラム出席のためにFoE Japanの吉田明子さんと私が飛行機も部屋も同じになったことで、急遽声明文作成やパレードの準備を進めて行くことになったのでした。朝早く起きて、夜も遅くまで相談し、日本にいる方たちと連絡を取り合いながら、なんとかやり遂げましたが、行き当たりばったり感は否めません。呼びかけ時間も少ない中で、パレードに参加していただいた方がいたことには、心から感謝する次第です。

市民にも盛り上がりを!

 いずれにしても、日本はまだ中期目標も示さず、気候変動対策に最も後ろ向きな国とのレッテルを貼られつつあります。来年のパリ合意に向けて市民の側にも盛り上がりをつくっていかなければならないでしょう。次はもう少し余裕を持って、多くの皆さんにも参加してもらいやすいようなパレードなど企画したいと思っていますので、ぜひそのときはご協力くださいね!

光州市での「第4回東アジア気候フォーラム」に参加して

 こんにちは。東京事務所の桃井です。

 今日は、今年9月16日から2日間にわたって韓国の光州市で開催された「第4回東アジア気候フォーラム」に参加してきましたので、少しばかり報告というか感想を書いておきたいと思います。

日本・中国・韓国が共に行なう意義

 東アジア気候フォーラムという催しが毎年行なわれていることをご存じでしたでしょうか。2010年に第一回目を今回と同じ光州市で行なって以来、日本(第二回・2011年)、中国・杭州(第三回・2013年)と各国持ち回りで行なわれ、今年、再び光州市で開催されました。

 日本の主催団体である東アジア環境情報発伝所の廣瀬稔也代表から、フォーラムの開会にあたって、日本・中国・韓国が一緒になって気候変動対策に取り組む意義が語られました。それは、日中韓三カ国あわせると世界の排出量の4分の1以上を占める巨大排出地域であり、気候変動対策の実行が求められていること、そして、とりわけ中国の排出量が非常に増加する傾向にあるが、それはその様々な中国製品を輸入し、その便益を受けている日本や韓国も共に情報を共有し、排出を減らす努力をしていくべきではないかということです。

 日本・東アジア環境情報発伝所・廣瀬代表

日本・東アジア環境情報発伝所・廣瀬代表

  お互いに責任をなすりつけ合うのではなく、それぞれが削減に向けた実効をあげていくよう、市民はそのための監視役でありつなぎ役でもなければならないでしょう。4回も続けてきた意義がそこにあります。

挨拶する光州KFEM議長
挨拶する光州KFEM議長

光州市でのフォーラム

 さて、今回ホスト地域となった光州市は、市長が市民派で、韓国の中でも再生可能エネルギーの導入に非常に熱心に取り組んでいる自治体の一つです。市民活動もさかんで韓国で最大規模の環境NGO、韓国環境運動連合(KFEM)の支部が熱心に脱原発や気候変動の活動を行なっています。今回のホスト役でもあり、このフォーラムに非常に力を入れており、地域や市民から気候変動対策を強力に進めるのだという意気込みが強く感じられました。光州市の取組みとしては、低炭素住宅に力を入れている様子なども報告されました。光州市以外にも、様々なすばらしい事例が発表されました。

 また、韓国は、脱原発活動にも非常に熱心です。今回も脱原発を一つのセッションとして、台湾での活動家の方も交えてそれぞれの活動が報告されました。

台湾の環境団体から各国代表に贈られた脱原発の活動旗
台湾の環境団体から各国代表に贈られた脱原発の活動旗

大幅削減に向けた国の政策転換は?

 市民レベル・地域レベルでの活動は活発に行なわれつつも、国の政策転換という点においては、日本も韓国も同様で、産業界の意向に沿って政治的な判断がなされているようでした。むしろ、中国の気候変動政策が非常に前向きになっていることに改めて驚かされました。NGOの方からは、まだ目標設定が原単位目標なので、総量での削減目標に切り替える必要があるという指摘はあったものの、こうした発言が出ること自体、かつてとはずいぶん違ってきているという印象を受けました。

 フォーラムの最後に、以下の共同宣言をまとめました。三カ国語それぞれにまとめられました。
 次回は、2年後、日本での開催です。そのときまでに、日本が少しでも前進したといえるような状況になってるよう、がんばりたいものです。

共同宣言「東アジア気候行動に向けたわたしたちの誓い」

 わたしたち人類の安全、平和な未来のため、産業革命前に比べ地球の平均気温が今世紀末までに2度以上超えないことについて、国連では数回にわたる合意があった。しかし、世界各国、とりわけ経済大国はこれを具体化できていない。わたしたちは9月23日からニューヨークで開催される「気候サミット」と2015年COP21で「法的拘束力のある削減合意と野心的な削減目標の設定」を引き出すことを求める。

 日本・中国・韓国は、社会、経済、歴史における差異はあるものの、飛躍的な経済成長と発展を遂げた。このような成長と発展は化石燃料の乱用を前提にした結果であり、日中韓三カ国いずれも温室効果ガス排出量が世界の上位10位に入っている。こうした化石燃料依存の構造は変えていかなければならない。わたしたちは、日中韓政府の指導者が、「法的拘束力のある削減合意と野心的な削減目標の設定」「気温上昇を摂氏2度以下におさえること」との国際的な流れに積極的に参加し、先頭に立つことを要望する。

 2011年に起きた福島原発惨事の苦痛は今も続いている。それにも関わらず、未だに東アジア日中韓及び台湾の政府からは、脱原発の方針は示されていない。逆に、原発の利用が引き続き推進されている。原発は絶対に気候危機を回避する代替案とはならず、危険であり、非経済的且つ環境と平和に害悪をもたらす。東アジア各国が「脱原発政策」を受け入れることを望む。また、東アジアでこれ以上原発が新たに建設されることなく、寿命が達した原発と稼働中の原発の廃炉を可及的速やかに決めるべきである。

 「東アジア気候ネットワーク」は、光州において第4回目の東アジア気候フォーラムを開催した。その間、韓国、日本、中国の気候変動、環境、エネルギー活動の経験を共有し、より活発な活動の必要性を共感した。「低炭素東アジアの未来」はわたしたちが必ず歩むべき道であり、東アジア市民はその道を共に歩むことになるだろう。

 今回の光州フォーラムでわたしたちは誓う。

一、気温上昇を摂氏2度以下におさえ、大幅にCO2を削減するための政策の実現をめざす。
二、気候変動・環境エネルギー運動を市民参加の草の根運動に広く発展させる。
三、太陽、風力、地熱など再生可能エネルギーの導入をより活性化し、省エネとエネルギーの効率化により安全で且つ平和な東アジアを目指す。
四、参加団体同士の情報交流、連帯を強める。五、より多くの市民社会が共に行動できるように組織を強化・拡大していく。

 わたしたちは2016年に日本で第5回東アジア気候フォーラムを開催する。2年後、わたしたち東アジア市民が、草の根から各国政府まで「低炭素東アジア」のための実践と政策を分かち合えるように、それぞれの地域で努力する。

2014年9月17日

第4回東アジア気候フォーラム参加者一同