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インターンを通して〜気候変動対策の何が問題か

こんにちは。

東京事務所インターンの愛琳です。

2017年3月から気候ネットワークでお世話になっていましたが、2018年7月いっぱいでインターンを終了しました。9月からはドイツのフライブルク大学で修士課程にすすみ、環境ガバナンスについて勉強します。1年半弱の活動を通して、わたしたちをとりまく気候変動問題について個人的に感じたことお話しします。

まずは自分の国のことを知る

 そもそも気候ネットワークでインターンをしようと思ったのは、私自身があまりにも日本の気候変動対策をめぐる動きについて疎すぎると感じてことにあります。

 当時インターンを始めた頃は、大学4年生になる直前で、周りには少しずつ内定をもらう子が出てきている頃でした。私は、海外の大学院に進学し、気候変動問題に関わる仕事をしたいと決めていたのですが、ふと「そういえば私って日本のことをどれくらい知ってるだろうか」と感じました。専攻が国際関係論だったこともあり、私も周りの友人たちも常に世界情勢ばかりに目を向けてきたものの、じっくり自分の足元について考えたことはなかったなと、焦り混じりの気持ちで始めたインターンでした。

 半蔵門に通うようになってすぐの頃に、早速「日本の石炭火力問題についてわかりやすくプレゼンする」というタスクがありました。はじめは「自分もまだ何も知らないのに人に伝えるなんてできない!」と思い焦りましたが、まさに「働きながら学ぶ」スタイルで、自分自身も問題について認識を深めるいい機会になりました。

 これまでの活動を通して、私が個人的に「ここが問題だよなあ」と感じたことが三つありました。それについて少し紹介します。

何が問題か:「流行」としての気候変動問題

 気候ネットワークでインターンをするようになってから、あらゆる場面で「若い人の関心が…」という話を伺いました。自分にもできることはないかと思い、まずは友人たちと話してみようと思いました。すると、ほとんどの友人が口をそろえて「気候変動?まあ小学生くらいの頃は授業なんかでもやったけど、そのあとはほとんど、ねえ」と言いました。

 思い返してみれば、わたしも小学生の総合学習で少し習った記憶で止まっているような気がします。そのあとは「エコカー減税」とか「省エネ家電」とかのフレーズのみで、議論のテーブルに上がっていることはあまりなかったように感じます。ある一人の友人は、「むかしは公害とか京都議定書とかあったから、そういう問題って”流行ってた”けど、いまはあんまりだよね。大事なのはわかるけど。」とまで言いました。

 たしかに、今の日本社会は「経済成長」という言葉がある種のトレンドのようになっているように感じます。ただ、気候変動問題は、流行り廃りの問題ではなく、私たちの未来を脅かす危機です。人々の関心が薄れようが高まろうが、その危機は着実にこちらに迫ってきているということを深刻にとらえなくてはいけないのではないか、と痛感しました。

何が問題か:国家の役割

 気候ネットワークでの活動の中で、とてもCO2排出量の多い石炭火力発電所の建設を推進する電力会社や国の政策のなかには、いわゆる成長戦略の一環、燃料費が”安い”ため経済的である、といった文言がいたるところにちりばめられていました。もちろん、正しく分析すれば石炭が経済的ではないことは明らかです。ただ、石炭の問題に限らず、人間にとって、長期的な価値を考えて目の前の利益をあきらめるのは難しいことです。地中に埋もれている石炭が現時点で安ければ、使ってしまえとなってしまいます。

 しかし、それではいずれ自分たちの首を絞めることになります。それを防ぎ、より理性的な判断を下すために、集団で行動するのではないでしょうか。とくに国家はそのためにあるといっても過言ではありません。

であるにもかかわらず、日本において石炭火力を推進する主体は、国家なのです。エネルギー基本計画のなかで堂々と石炭火力をベースロード電源として位置づけ、本来は歯止めになるべき環境アセスメントは形式上にとどまり、さらには国外にも石炭利用技術を輸出しようとしています。これは国としての機能を果たしていないといえるでしょう。

 石炭の利用による利益は、利用しないことによるメリットの比ではありません。目先の利益だけを考えて行動するようでは、この国にとって価値のある成長は見込めないのではないかと感じました。

 

何が問題か:無気力

 気候ネットワークに入るまで、欧米や数十年前までの日本と比べて、今の日本は市民社会の力がとても衰弱しているものだと思っていました。

 たしかに、データだけで見れば相対的に弱いような感があります。友人たちとの会話の中でもよく「たとえばわたしが石炭に反対、って表明したところでさ、それくらいじゃ何も変わらないんじゃないの?」「たとえばわたしがエアコンを使わないようにしたところで、どれくらいの変化があるかわからないよね」と何度も言われました。気候変動問題・エネルギー問題は、「規模が大きすぎるから個人でできることはない」という無気力感が蔓延していると感じました。 

 少なからず私もその点にはフラストレーションを抱いてた時期がありました。ただ、反対運動によって石炭火力発電所の新設計画が中止になった、あるいは大きく注目を集めているケースを間近でみさせていただいたことにより、そのようなモヤモヤは払しょくされました。

 わたしは主に東京湾周辺の石炭火力発電所の計画に対する反対運動の会(考える会)の活動をサポートしてきました。東京湾周辺では、千葉県市原市の計画が中止になったものの、依然として袖ヶ浦・横須賀・蘇我に大きな計画があります。考える会のメンバーは、少ない人数でも精力的にそして組織的に活動を続けています。それをしのぐような勢いで計画が推し進められていることは大きな問題です。

 しかし、私の友人や、きっと多くの人が思っているような「個人でできることがない」という無気力は正直お門違いなように思います。問題は、「共に行動してくれる人が少ないから」という点にあると感じました。「どうせかわらない」といった言い訳まがいのことをこぼす前に、まずは行動を始めている人たちに賛同する、自分の意思を表明するといった簡単なことでも、大きな力になるのだと思います。

これから

 さきほども書いたように、わたしはこれからドイツのフライブルク大学で修士課程にすすみます。ずっと関心のあったアフリカ諸国の都市における気候変動問題とエネルギー政策について学ぶ予定です。これだけ日本のことを言っておいて海外のことをやるの?と言われそうですが、気候変動問題は地球規模の問題です。わたしが最大限貢献できる場所は、いまは日本国内ではないと思っています。

 それでも、気候ネットワークでの活動を通して学んだことはこれからとても大切になると感じています。世界中から集まる学生たちと議論をするうえで、日本における現状とその問題を自信を持って話せるでしょう。また問題点だけでなく、日本にはこのように活動する人々がいるという紹介もできます。外から自分の国を見つめなおすことで、これまで見えてこなかったことも分かるかもしれません。

 日本の石炭問題の深刻さにため息をつくようなことも何度かありましたが、それに圧倒されずに忍耐強く取り組むスタッフ、考える会のみなさんの姿はこれからわたしが目指すべき姿だと感じました。皆さんに負けずに私もドイツでがんばります。

映画「不都合な真実2 放置された地球」~ノーベル平和賞のアル・ゴア氏が語る、気候危機とのたたかい~

京都事務所の伊与田です。先週、公開中の映画「不都合な真実2 放置された地球」を観てきました。いわずとしれた、2006年公開の映画「不都合な真実」の続編で、地球温暖化問題に警鐘を鳴らす米国の元副大統領アル・ゴア氏(ノーベル平和賞受賞)が気候危機に立ち向かう姿を追ったドキュメンタリー映画です。

映画「不都合な真実2 放置された地球」

公式ウェブサイト:http://futsugou2.jp/
劇場公開日(日本):2017年11月17日
総合評価:★★★★☆

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日本の税金でインドネシアの海を汚さないで!~現地住民が批判する日本の石炭支援~

こんにちは。東京事務所インターン生の酒井です。

今回は、インドネシアのチレボンから緊急来日した現地NGO・弁護士の方々の2日間に同行しました。現地の司法判断に対する日本企業の対応と彼らの訴えについて、報告します。

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LUSH LIVE TOKYOに参加して 2

 こんにちは。東京事務所インターンの愛琳です。わたしも5月16・17日の二日間、LUSHの社内向けイベントLUSH LIVE TOKYOに参加し、石炭火力発電所の建設計画に関する問題についてブースを出しました。ここでは、ブースの内容や参加スタッフの方々との交流について報告します。

 

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日本によるインドネシア石炭火力発電所への援助支援 ~住民らが来日、支援中止の必要性を訴える~

こんにちは、3月から気候ネットワーク東京事務所でインターンをしていますエバデ・ダン愛琳です。まだまだ日は浅いですが、早速重要な問題について深く考える機会に触れました。今回は3月24日に文京シビックセンターで開催された、インドネシア住民ら3名と現地NGO代表者1名を招いたセミナー「村の生活と環境を壊す石炭火力への援助支援を止めて!:インドラマユから日本のODAを問い直す」を中心に、インドネシアで何が起きているのか、来日の真意について報告します。

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書籍『地球温暖化は解決できるのか パリ協定から未来へ!』を読む

京都事務所の伊与田です。

「地球温暖化やパリ協定について、わかりやすい本は?」

最近、大学や自治体、企業や市民団体などから「地球温暖化問題やパリ協定について講演してください」と依頼をいただくことがよくあります。先日も、とあるセミナーでお話したとき、参加していた方から声をかけられました。

「自分でも少し勉強してみたいのですが、地球温暖化やパリ協定について、初心者向けのわかりやすい本はありませんか?」

そう聞かれたとき、頭に思い浮かんだのが、こちらの本です。

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2016年の気候変動10大ニュース~パリ協定・トランプ・ディカプリオ~

京都事務所の伊与田です。

2017年1月18日、2016年の地球平均気温が観測史上最高を更新したと発表されました。そんな2016年の気候変動10大ニュースを、グローバルからローカルまで、独断と偏見で振り返ってみたいと思います(各ニュースに順位はありません)。

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石炭火力発電所の新設計画、規模別出資比率が一番高い関西電力グループをウォッチ!

 こんにちは。東京事務所の桃井です。

 気候ネットワークが運用している石炭火力発電所建設計画ウォッチはご存知でしょうか。現在、48基もある計画をリスト化し、環境アセスメントの状況や個別の計画情報を集めてアップしています。

 石炭を燃料としてこれから計画すること自体がすべて問題なのですが、特にその中でも国際合意の基準に満たない案件や、環境大臣から「是認できない」と意見された案件、住民から説明会の開催を求めても一切回答がない案件など悪質ともとれる計画があります。

 ここでは、全国47基の計画に対して、規模別出資比率が最も高い関西電力(関電)グループの案件をまとめてみました。

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電力会社、まだ変えてないの?~乗り換えをおすすめする5つの理由~

京都事務所の伊与田です。

2016年4月に電力小売全面自由化がはじまって4ヶ月がたちます。私も、自宅で契約している電力会社を変えました(これからも各社の電力構成をチェックして、自然エネルギーに熱心な会社を探し、いいところがあればふたたび乗り換えたいと思っています)。

私が仕事にしている温暖化やエネルギーの観点からも、そして実際に乗り換えてみた経験からも、電力会社の乗り換えは非常におすすめです。

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