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福祉と自然エネルギーのまち湖南市(滋賀県)

近年、日本各地でそれぞれの地域の特性を活かして、再生可能エネルギーによる地域づくり、まちづくりに取り組む事例が生まれはじめている。

気候ネットワークでは、各地の先進事例についての調査を継続的に行ってきた。このブログでもこれらの先進事例について紹介していく。第1号となる本稿では、滋賀県湖南市の取り組みを紹介する。

1.湖南市の福祉と環境のまちづくり

滋賀県湖南市とは

湖南市は2004年に旧石部町と旧甲西町が合併してできた滋賀県の自治体である。琵琶湖の南東部に位置し、昔は宿場町として栄えたが、近年は高速インターチェンジの整備に合わせて県内最大の湖南工業団地ができるなど第2次産業が中心に発展してきた。

また日本の障がい者福祉の第一人者であり「社会福祉の父」とも呼ばれる糸賀一雄氏らが設立した近江学園が立地している。近年では乳幼児期から就労期まで一貫して行う発達支援のシステムを全国に先駆けて立ち上げるなどの取り組みを続けている「福祉のまち」として有名である。

市民共同発電所の先駆け

こうした障がい者福祉の流れをくみ、障がい者や高齢者が地域の中で普通に働き、普通に暮らせる共生型の社会を目指して、1981年に「なんてん共働サービス」が溝口弘氏によって創設された。1997年にこの「なんてん共働サービス」の屋根に全国で2例目となる「市民共同発電所」が設置されることになった。

この背景には小規模分散型の自然エネルギーの取り組みが「小規模・地域分散(密着)・双方向」で取り組んできた、なんてん共働サービスの考え方と共通するものであることが分かったことにあった。「てんとうむし1号」(4.35kW)と名付けられた市民共同発電所の設置にあたっては、設備費用400万円の内360万円を一口20万円の出資を募る形で集めた。

出資者には金銭的なメリットはほとんどないものの、COP3開催を目前に控え地球温暖化防止のための機運を高めていく取り組みとして、さらにはドイツなどで行われていた固定価格買取制度の成立を求める運動として理解を集めた。その後2002年にも、2号機となる市民共同発電所「てんとうむし2号」(5.4kW)が、1号と同様に一口10万円で出資を募り湖南市内の施設の屋根に設置されている。

こうした市民共同発電の取り組みは全国的にも注目を集め、滋賀県内、関西、そして全国へと広がりをみせていくことになった。

2.湖南市の自然エネルギーに関する取り組み

(1)コナン市民共同発電プロジェクト

その後しばらく新たな市民共同発電所の建設はなかったが、2011年に採択された「緑の分権改革」事業を契機に、福祉を軸とした地域自立・循環システムの構築に取り組み始める。地域循環システムづくりを推進していく主体として住民を中心とした「こにゃん支え合いプロジェクト推進協議会」を立ち上げ、市は包括的連携協定を結んでいる。この推進協議会の中で具体的な検討が行われ、「市民共同発電所プロジェクト」、「アール・ブリュット福祉ツーリズムプロジェクト」、「コミュニティルネッサンス(特産品開発)プロジェクト」の3つのプロジェクトが進められることになった。

市民共同発電所プロジェクトでは、2011年に制定され2012年7月からスタートする再生可能エネルギーの固定価格買取制度を活かして、事業性を持った地域経済にも寄与するモデルの模索が進められた。

2012年にはプロジェクトを具体化するための主体として「一般社団法人コナン市民共同発電プロジェクト」が設立され、溝口弘氏が代表理事に就任した。コナン市民共同発電プロジェクトは、地域内の公共施設や民間所有施設の屋根を借りて太陽光発電を設置し、そのための資金は市民からの出資によって調達し、配当を地域商品券によって行うことで地域内経済循環に寄与することを目指すモデルとなっている。2013年2月に初号機となるバンバン市民発電所(20.88kW)を、社会福祉法人「オープンスペース れがーと」および「バンバン作業所」の施設に設置した。その資金調達にあたってはトランスバリュー信託株式会社を通じて一口10万円で80口、出資者には元金と配当収入2.0%を加えて20年間にわたり地域商品券で還元する条件で出資募集を行った。その後も同様の手法によって資金調達を行い、現在までに合計4基、約167kWの市民共同発電所が建設されている。

コナン市民共同発電プロジェクトで設置した初号機(出典:筆者撮影)

(2)湖南市地域自然エネルギー基本条例

こうした市民共同発電所プロジェクトを後押ししたのが、固定価格買取制度の成立に合わせ2012年9月に制定された「湖南市地域自然エネルギー基本条例」だ。「自然エネルギーは地域のもの」を基本理念とし、地域の自然エネルギーの活用について、市、事業者および市民の役割を明らかにするとともに、地域が主体となった取り組みによる地域社会の持続的発展に寄与することを目的にした条例である。

条例が制定された背景には、固定価格買取制度の制定によって、特に太陽光発電からの電力を売電することで収益を上げるビジネスが成立するようになったことで、各地で大規模な太陽光発電事業の計画が持ち上がり始めたことにある。こうした大規模な発電事業の主体は多くは首都圏企業であり、これら大企業によるエネルギー事業では、地域固有の資源である再生可能エネルギーを活用したとしても売電収入は地域外に流出することになり、固定資産税を除き地域経済効果がほとんどないことが問題視されるようになっていた。

そこで湖南市では2012年4月に地域エネルギー課を発足させ、外部の専門家等からのアドバイスも受けながら検討を進めた。その後半年にわたって条例案の作成・検討、市の総合政策会議への付議、市議会全員協議会への概要説明、法規審査会、市環境審議会で意見の聴取、パブリックコメント、滋賀県議会温暖化・エネルギー対策特別委員会での報告等を実施した。その後、2012年9月議会に、湖南市地域自然エネルギー基本条例案を提案し、審議を経て、可決・成立した。  湖南市の同条例では、前文で制定理由を明確化し、第1条「条例の目的」で自然エネルギーが地域固有の資源であることを宣言し、第3条「基本理念」で地域経済に寄与する自然エネルギー利用のあり方、その他「市の役割」、「市民の役割」、「事業者の役割」、「連携の推進」などが盛り込まれている。

こうした自然エネルギー利用の考え方を示した条例は全国では初めてで、地域の自然エネルギー利用を先駆的に進めていくための新たな方策として全国からも大きな注目を集めることになった。実際この湖南市の条例制定をきっかけに、その後、再エネ政策推進に関する条例を制定する自治体は増加している。例えば、土佐清水市(高知県)、洲本市(兵庫県)、宝塚市(兵庫県)、湖南市(滋賀県)、新城市(愛知県)、多治見市(岐阜県)、飯田市(長野県)、小田原市(神奈川県)、八丈町(東京都)など、現在20以上の自治体が同様の条例制定を行っている。

3.エネルギーの地産地消により地域内経済循環を生み出す

福祉と環境のまちづくりに取り組む湖南市では、条例に基づき地域を主体にした再生可能エネルギー普及に取り組んでいる。2015年2月に「湖南市地域自然エネルギー地域活性化戦略プラン」を策定し、エネルギー・経済の循環による地域活性化の推進を基本方針に掲げている。さらに2015年10月に策定した総合戦略の中で政策パッケージに位置づけ、地域の自然エネルギーを活用した地域活性化の推進を具体的な施策としている。

こうした地域活性化策として自然エネルギー利用に取り組む中で現在注目を集めているのが、2016年5月に市と民間、商工会で設立した地域電力会社「こなんウルトラパワー」である。「湖南市地域自然エネルギー地域活性化戦略プラン」に掲げる基本方針の実現を事業目的とし、湖南市域におけるスマートエネルギーシステム導入検討事業として具体化が進められ設立された。

事業内容としては、小売電気事業、熱供給及び熱利用事業、新事業やまちづくり事業等地域振興に関する事業を行う。同社は湖南市と包括連携協定を結び、2016年10月から市の60施設への電力供給をスタートさせている。市ではこれにより公共施設の電気代として年間1000万円程度の削減を見込んでいる。電力調達は市内の市民共同発電所や太陽光発電施設を中心に市場調達と常時バックアップを組み合わせて行っており、市内調達分の割合は55%程度になる。

今後は2017年度には供給対象を民間企業に広げるとともにモニター家庭での試験的供給を行い、2018年度から一般家庭への本格販売を実施していく予定だ。また、一般家庭の太陽光発電からの電力買い取り、一般需要家獲得のためのふるさと納税の特典として湖南市産の電力を供給する新たな事業展開や、市民ファンド出資者への電力サービス事業等を予定している。さらには電力供給にとどまらず、事業範囲を地域での雇用が期待できる地域熱供給事業への拡大や地域内外での省エネサービスの展開についても検討されている。

4.まとめ

湖南市では市民共同発電をきかっけに福祉とエネルギーの協働が生まれ、そこから地域づくりへとつながる動きが広がっていった。その背景には、先進的な取り組みを生み出す市民の存在と、それを支え導く行政との支え合い=協働の関係性が見られる。

今後は市民、事業者、企業、金融、大学、行政と、多様な主体による協働のもとでエネルギーと経済を域内で循環させ、地域活性化につなげる自立的なまちづくりが進んでいくことが期待されている。

サウジアラビアと日本の「不名誉な共通点」~温暖化対策の劣等生~

京都事務所の伊与田です。テレビでは、サウジアラビア国王の来日が話題になっていますね。

そんな中ですが、私は、「日本」と「サウジアラビア」という2つの国名を見ると、これらの国の間の「不名誉な共通点」を思い起こさずにはいられません。

結論から言いましょう。

サウジアラビアと日本の、意外で不名誉な共通点。

それは、地球温暖化問題の解決の足を最も引っ張っている劣等生ということです。

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環境ドキュメンタリー『Tomorrow パーマネントライフを探して』

こんにちは。東京事務所の鈴木です。
今回はドキュメンタリー映画の試写会にお呼ばれして行ってきました。

『Tomorrow パーマネントライフを探して』未来に向かうメッセージ

この映画は2016年セザール賞ベストドキュメンタリー賞受賞の環境ドキュメンタtomorrow%ef%bd%b01リーフィルムです。
フランスでは110万人が観て記録的な大ヒットとなりました。

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環境教育モデルスタンダード 地域展開~熊本県小国町~

こんにちは、京都事務所の広瀬です。

気候ネットワークでは、京都で実施している環境教育を他地域へ広げる取り組みをしています。今日はその活動を通して訪れた熊本県小国町の『こどもエコライフチャレンジ・おぐに』をご紹介します。

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自然エネルギー学校・京都2016~第一回「自然エネルギー100%時代の到来!」~

初参加!自然エネルギー学校!

初めまして!8月からインターン生として気候ネットワークで活動させて頂いている深海大輔といいます。今年も開講されました「自然エネルギー学校・京都2016」にスタッフ、そして一受講生として参加させていただき、再生エネルギー時代到来の現在と未来について、多くのことを考えさせていただく大変意義ある時間となりました。

このブログでは活動の報告と合わせて、受講生として感じた再生可能エネルギーや自然エネルギー100%が実現可能なのかといった議論等を紹介していきます。

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ボランティアの集いに参加して―本気で“環境”について考える「環境」にいるということ―

はじめまして、立命館大学に通うインターン生の早川友浩です。アメリカ留学から帰ってきて早々、気候ネットワークのインターンに参加しています。今年の夏は、「学びの夏」になりそうです。

8月21日に行われたボランティアの集い

インターンの活動が始まって早々、学生ボランティアやインターン生の“自主性”と環境問題に取り組む“姿勢”に気持ちが高鳴りました。以前からあることは知っていた勉強会やボランティアの集いですが、その場に実際に参加することでレベルの高さを、身を持って感じました。それは、「話の内容」と「目標に到達するまでの段取り設定」です。では、具体的にどういうことでしょうか。私が感じたことをまとめていきます。 

知っていますか!?電力自由化という言葉!

私は、知りませんでした。来年度2016年4月から、電力会社を選べるようになります。実は大口契約は既に自由化されていて、複数の供給会社から選ぶことができるようになっています。一方、私たちが結んでいる小口契約といわれるもの(家庭や小規模な事業所)は、特定の電力会社としか契約できない状態でした。しかし、いよいよ2016年4月から小口契約も、電力を購入する電力会社を選べるようになります!

今回、ボランティアの集いのテーマはこの「電力自由化」についてです。日頃、コンセントにプラグを差したまま、何気なく使う電気…これについていろいろと考えたことはありますか?「今月の電気代、、、」と料金のことを考えることはあるかもしれませんが、どこから、どんな方法で作られた電気が供給されているかを考えたことがある人は少ないと思います。

電力自由化はなぜ行われるのか

 なぜ、電力自由化が進められることになったのでしょうか?今回、発表してくれたボランティアの負野さんのまとめによると、そのポイントは主に3つがあるそうです。(1)安定供給の確保、(2)電気料金の抑制、(3)消費者の選択肢と関連事業の拡大です。

私たちには、どのようなメリットがあるのでしょうか?まず、小売部門も自由化することでライフスタイルにあったプランが提供され、選べるようになります。また、その発電方法についても知った上で選ぶことができます。例えば、原子力ではなく自然エネルギーを中心としたエネルギー会社を選ぶことができるようになり、自然エネルギー社会の実現を私たちが選ぶことで、後押しすることができるようになります。そして気になる価格の面では、企業同士の競争による価格の抑制などのメリットがあると考えられているとのことです。メリットとして挙げられていた安定供給については、公平且つ公正なルールのもとに競争が行われるべきだという話し合いが展開されました。

その反面デメリットも存在することが分かりました。安定供給がメリットで挙げられていましたが、場合によってはそれが難しくなり、大規模な停電が起こることも考えられます。他にも、新規参入した電力会社が市場原理によって淘汰され電力会社が寡占状態となれば、電気料金の値上がりも考えられます。

来年度2016年からは、電力自由化に制度として自動的に移行するため、デメリットを知っていても意味が無いと思うかもしれませんが、デメリットを知っておくことで、いざとなった時に早急に判断や行動ができると思います。

これからは、自分が使う電気について、どこから電気を受け取っているのか、どのような発電方法をしているのかなど、何も知らない状態ではいけないと思いました。少しでも意識を持ち、エネルギーや電力について考えていくことが必要だと思います。

目標は12月の環境フェスティバルでのブース出展!

 なぜ、電力自由化について勉強していたのか。その先には、今年度2015年度12月に開催される環境フェスティバルでのブース出展があります。そこでは、電力自由化を少しでも多くの人に知ってもらい、イメージを持ってもらうための企画を考えています。これは、気候ネットワークのボランティアによる企画で、既におおまかなイメージはできつつありますが、これから約4ヶ月の準備期間に、調べ、学び、議論し作りあげていきます。フェスティバルのブースに来られた方にしっかりと説明が出来るように、これからも頑張って勉強会などを通じて学び、深めていきたいと思います。みなさんぜひ、気候ネットワークボランティアの企画を応援して下さい。よろしくお願いします!

ボランティアの学生が考えたブースに是非お越しください!

読んでくださった閲覧者の皆さまに深くお礼申し上げます。今年度2015年の12月に開催される環境フェスティバルでのブース出展がありますと書きましたが、是非お越しください。電力自由化について真剣に考え、市民の方々に少しでも身近に感じてもらうために出すブースです。原子力発電の問題や新エネルギーによる発電など、「電力」の問題・動向は現在の日本だけでなく世界で考えるべき事柄となっています。電力自由化に移行した際は、市民の方々が自分のライフスタイルに合った電力プランを選択できる、偏った知識だけでなく多くの情報から自分の考える正しい選択肢を導き出すことが求められます。その後押し、きっかけとなる私達のブースに来て頂ければ幸いです。お待ちしております。

自然エネルギー学校に参加してーボランティアとして考えたこと

こんにちは。今回インターンシップ活動をさせていただくことになったLEE Soohyeonです。

環境保護に興味をもつようになったキッカケ

このまま地球温暖化が進んだら私たちはどうなるのだろう

 

私は幼い頃、父と「動物の王国」という動物の生態・一生を語る番組を見ました。当時はまだ子どもだったので、ドキュメントよりはアニメ系の番組が好きでしたし、父から「一緒に見よう」と言われたら、嫌でその場から離れた覚えがあります(笑)。ですが、今やチャンネルを変えずにその番組を見ている自分がいます。そこで、私の目に入ったのが熱くなっていっている気候のため、動物が苦しんだり、死んでいく姿でした。一番印象に残っているのは、極地方で氷河が溶け、ホッキョクグマやペンギンが居場所を失い、どんどん遠いところまで泳いでいかなければなくなったシーンです。彼らが可哀想と思いながら、いつか私の居場所も失われるかもしれないと考えたら突然怖くなり、今私に出来ることはなんだろうと思い始めました。使っていない電化製品のプラグはすぐ抜いたり、出かける時は必ず電気を消したり、1時間ほどの距離は自転車を利用したり…。最初はお金の節約のために始めた行為が、環境にも優しく、未来へ繋ぐ行動だということがわかってからは、以前よりもっとやりがいを感じるようになりました。

初めてのインターンシップ活動を気候ネットワークで

学校での学びを生かしたい

 

前学期、私は大学で「現代環境論」という授業を受講しました。大きくは原子力の危険性と自然エネルギーの可能性を学びました。韓国でもよく知られている水俣病とイタイイタイ病をはじめに、国内外で起こった原子力発電所の爆発や被爆で苦しんだ人たち、補償への長くて苦しい戦いがあったことを知りました。原子力はとても効率が良く、理想のエネルギーとして歓迎されていた状況もありましたが、東日本大地震から、安全性の問題や廃棄物の処理の件などを考えると、最終的に私たちが求めるべきゴールは自然エネルギーだと思います。そして、自然エネルギーの普及を目指し、実践活動にも取り組んでいる気候ネットワークの5つのミッションを確認し、参加を希望することになりました。原子力と自然エネルギーの現状を知り、これからの私たちの役割を探していきたいと思っています。

自然エネルギー学校でスタッフとして!

自然エネルギー学校とは?

 

「自然エネルギー学校・京都」は、市民・地域が主体となって自然エネルギー普及を進めるための人材育成、並びにネットワークづくりを目的とする連続講座です。今年は計4回の講座で構成され、自然エネルギーに関する最新の動向を把握し、実際に自然エネルギーの普及活動を進めるうえで役立つ内容となっています。自然エネルギーの基礎知識から、現在の日本におけるエネルギー政策の問題点や、自然エネルギー導入・普及の先進的な事例まで幅広く学ぶことができます。また、この学校では一方的な情報伝達ではなく、各々が考えていること、感じていることを共有し合います。これにより、自分たちの力でより良い社会を設計していく力を育むことができますし、個人の意味をさがすことにもつながりうるのです。

自然エネルギー学校、その姿

 

8月29日に開催された「自然エネルギー学校・京都」第1回の会場は、京都市伏見区にある京エコロジーセンターでした。会場に入ると、太陽や動物たちが笑顔でいるシールが貼っていた窓、木材でデザインされていた内部の姿から、環境重視の思いが反映した建物だと思い、わくわくしました。12時40分、京エコロジーセンターでスタッフ全員が集まって、それぞれの役割や進め方を確認しました。私は初めてのインターン活動であること、そしてプログラムについてほとんど知識がなかったことで緊張していました。ですが、職員さんからの優しいアドバイスや開催説明ですぐ安心することができました。そして、今回私は会場の様子をカメラに収める機会をいただきました。こちらのブログで紹介することができて嬉しく思います。

最初は今回のプログラムについての簡略な説明がありました。「京都議定書をご存知ですか?」という、みんなが知っていそうな範囲の投げかけから、暑いときは事務室に来て仕事をし、今年の夏、エアコンをつけずに過ごすことができたという田浦さんのユーモラスな弁舌で参加者たちは気を楽にしていると感じました。

続いて、私たちは「アイスブレイク」の時間を持ちました。椅子を丸く並べて、参加者が互いの顔を向けながら座りました。そして、自己紹介を行い、各々が行きたい場所、好きな食べ物などの話をしました。芋発電に興味のある方から、大学では出来ない体験を求めて参加した大学生の方まで、本当に色んなところから沢山の方々が来ていました。中には「北欧に行ってオーロラが見たい」、「刺身が大好き」と、私と同じ考えの方もいて、とても楽しい時間でした。

そして本格的な講義が始まりました。気候ネットワークの豊田さん、そしてワーカーズ・コープエコテックの林さんから地球温暖化の問題や、今日の日本の原子力の実態、自然エネルギーの政策の現状、導入事例などについての説明を聞かせてもらいました。この講義で私が知ったのは、自然エネルギーは家庭からでも実践できるということでした。この前、太陽熱発電施設をたてるためには韓国の汝矣島というところの8倍もする面積が必要だという文書をネットで見て、自然エネルギーは面積の小さい国や都市の中心部では設置ができないと判断し、私は原子力発電に賛成していましたが、当日配ってもらった資料や、講義の内容からそれが違うということが分かりました。実際、ヴィルポーツリードという村や、岡山県西粟倉村では自然エネルギーを使用し、エネルギー自立を目指した試みが進んでいるそうです。こうして、今回のプログラムでは私自身が持っている誤解も直すことができました。

最後にみんなが集まってグループワークを行いました。5人ずつのチームに分かれ、当日の感想と講師への質問について話し合いました。沢山の質問が出され、そのすべてが環境保護への大切な思いだと思ったら嬉しさとともにすごくやりがいを感じました。

振り返ってみると

小さな動きから始まる環境保護

 

家から会場まで1時間なら着ける道のりと思って自転車に乗りましたが、片道2時間30分、往復5時間といった「大旅行」となりました。加えて、帰る時には大雨が…。本当はすごく疲れていた一日でしたが、気持ちだけは晴れでした。気候ネットワークの一員として新しい経験をし、思い出をつくり、そしてみんなの環境への愛を感じることができてとても貴重な時間だったと思います。

普段私は、「人間はこの地球でどんなメリットのある存在だろう」と考えることがよくあります。他の生き物と一緒に共存するのではなく、人間の便宜のために無差別的に環境を破壊する姿を見て、心から悲しみました。このような状況の中で、このように多くの人々が環境保護への声に耳を傾け、心を一つにすることは大変幸いなことだと思います。こういった動きがどんどん広がるために、今後私たちはどうすべきかを気候ネットワークで一つ一つ学んでいきたいという想いで一杯です。

「オックスファム・トレイルウォーカー」50kmの山道を踏破しました!

こんにちは。京都事務所の近藤です。

7月11~12日、気候ネットワークの事務局メンバーでチームを作り、「オックスファム・トレイルウォーカー東北2015」に参加しました。4人1チームで24時間以内に50キロメートルの山道を歩きます。

以前のブログ「オックスファム・トレイルウォーカー2015に参加します!」もご覧ください。

いよいよ福島に到着~前夜にはプレイベントも~

出発の前日に京都を出発して大会が行われる福島県二本松市に到着しました。出発前夜にはトレイルウォーカーのプレイベントが行われました。そこでオックスファムのパートナー団体として、気候ネットワークも、脱原子力・脱石炭・自然エネルギー100%への思いなど、あいさつをさせてもらいました。全国各地、また世界各地からの参加があり、体育館は出発前の熱気に包まれていました。参加者の4分の1は海外の方だったそうです。

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7月11日AM10:00スタート!

当日は晴天。いよいよ、スタートです。他のチームの出だしも気になりましたが、4人で決めた自分たちのペースを守りながら歩きました。一山超えて、最初のチェックポイントに到着しました(今回のコースには合計3つのチェックポイントがあるのです)。気温が高くて日差しも強かったので、この時点で何人かのリタイアがでたようでした。2人以上のリタイアが出たチームは他チームと合流するルールになっていたので、私たち4人は2人チームと合流することになり、6人で歩き出しました。

安達太良山の山頂でClimate Action Now!

1つ目のチェックポイントを超えると次に目指すのは安達太良山の山頂です。最後の上り坂は急な上に、岩がゴロゴロしていたり、小石があるところは滑りやすく足場が悪く体力を消耗しました。山頂では安達太良山の素晴らしいパノラマが迎えてくれました。

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気候ネットワークと関連団体で取り組んでいるキャンペーン「Climate Action Now!」についてはウェブサイトをご覧ください。

夜の山道は過酷でした

山頂の景色に感動したのもつかの間、日が落ちてきて寒くなってきました。あたりは暗くなり、一日歩いて疲労もたまってきました。このままのペースでは次のチェックポイント閉鎖時間までに到達しないかもしれない・・・そんな不安が頭をよぎりました。それでも悪路と疲労でペースを上げることはできません。昼間のような会話はないけれど、危険な場所は声をかけ合いながら、みんなで2つ目のチェックポイントを目指しました。何とか閉鎖時間までによう次のチェックポイントに到着しました。空を見上げると満点の星空で、流れ星も見ることが出来ました。

休憩もそこそこに残り約半分の道のりを、また4人で出発しました。途中、真夜中にもかかわらず、地元の方がエイドステーションを用意してくださっていました。地元のお米で作ったおにぎりや野菜のお漬物と応援に元気をもらいました。

一晩歩いて、明け方5:30頃にやっと最後の3つ目のチェックポイントに到着。出発前はもう少し仮眠がとれるかなっと想定していたのですが、制限時間いっぱいを使う形になりました。何より眠たいのが辛かったです。

4人で手を取り合ってFinish!

スタートしてから22時間23分、4人手をつないでゴールゲートをくぐりました。50kmを24時間で歩ききるという道のりは想像以上に大変でした。しかし、福島で自然エネルギー100%を実現したい!という想いを1つに、4人で支え合いながら、ゴールしました。ほぼ徹夜で過酷な山道を歩き、疲労が限界を超える中、みなさんの応援が心の支えになりました。

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ひきつづき、ご支援お願いします

私たちのチャレンジに大勢の方が寄付をしてくださりました。たくさんのご支援、応援ありがとうございました。8月21日までは引き続き、トレイルウォーカー「チーム・気候ネットワーク」への寄付を受け付けています。目標額にはまだ届いていません。ぜひご支援よろしくお願いします。

オンライン寄付(PayPal)

こちらのウェブページで「寄付をする」をクリックして、PayPalのページで任意の金額などをを入力後、「売り手への特別な指示を追加」にて「トレイルウォーカー寄付」と追記して決定してください。

銀行振込口座:

三菱東京UFJ銀行京都支店 普通預金 3325635 (特定非営利活動法人気候ネットワーク)

りそな銀行京都支店 普通預金 1799376 (特定非営利活動法人気候ネットワーク)

郵便振替口座:

00940-6-79694 (加入者名:気候ネットワーク)
通信欄に ご依頼人氏名、ご住所、電話番号、 「トレイルウォーカー寄付」とお書きください。

 

エネヤン夏の陣~温暖化とエネルギーについて本気を出して考えてみた~を開催しました

こんにちは。京都事務所の近藤です。

若い世代が中心になって、パブリックコメントを書こう!

6月24日、パブリックコメントを出そうというイベントが、ボランティアやインターン生が中心となり開催されました。将来世代の方がより影響を受けることになる温暖化・エネルギー問題は特に若い世代にとって重要な問題です。しかし、将来の方向性を決定するにあたり、若い世代の声は届きにくいというのが現状です。そこで、気候ネットワークのボランティア・インターンが中心になって今回のイベントを企画しました。今回で4回目を迎える「エネヤン」の企画ですが、今回は温暖化やエネルギーに関心のある学生や若手の社会人の方々を中心に12名の参加がありました。

パブリックコメントって?

政府や行政が政策や規則などを作るときには、広く意見を集めるためにパブリックコメントが行政手続法によって定められています。しかし、注目を集める案件にはたくさんの意見が集まるようにはなってきましたが、一般的には認知度は低いのが現状かと思います。特に学生や若い世代の中には、そうした機会が設けられており、自分たちの意見を言える場があることを知らずに過ぎていくことも多いか思います。そこで今回、政府が募集していた「長期エネルギー需給見通し(案)」と「日本の約束草案(政府原案)」について考え、パブリックコメントを書くことにしました。

気候ネットワーク精鋭!?インターンによる解説で理解を深める

今回の企画を考えてくれたのは、気候変動やエネルギーについて、大学やインターンシップを通して学んでいるメンバーです。津田くんがエネルギーミックスを、井上くんが約束草案を担当してくれました。

まず、インターンの2人によるエネルギーミックスと温暖化対策についての解説を聞いた後、2つのテーマに別れてディスカッションを行い、パブリックコメントを書きます。続いて、テーマをスイッチし、両方のテーマについてディスカッション、パブリックコメントを書くという流れで実施しました。

参加者の中には、エネルギーや温暖化についての関心はあるが、「それほど自信を持って意見を書いたことはない。」、「今まであまり考える機会がなかった。」という人もいらっしゃいましたが、そうした不安や疑問点を和らげることができるよう、丁寧に説明していくことを心がけました。

ディスカッションを通して、自分の考えを持とう

ディスカッションは最初に解説を行った津田くんと井上くんが、それぞれ工夫したワークを作り、グループの中心になってディスカッションを進めてくれました。

エネルギーミックスのワークでは、津田くんから、エネルギーの作り方を考える上で重視するポイントとして安全性、自給率、安定性、温暖化対策、コストの5つの視点が提供されました。参加者はまず個人でどのポイントを重視するのかについて順位付けを行い、その後、グループで共有しました。みんなの意見を聞いてみると、安全性を重視する人が多かったのですが、それ以下は人により異なり、議論が盛り上がりました。

約束草案のワークでは、井上くんから、「2030年度に13年度比26%削減(1990年比18%削減)」という日本政府の原案の発表を受けて、国際社会がどのように反応したのかということを、海外の政治家やメディア、NGOなどの意見を広く収集し、紹介してくれました。参加者は、日本のエネルギー・温暖化対策が世界からどのようにみられているのかを理解し、印象に残ったことを共有しました。なかでも、「基準年を1990年ではなく、排出量の多かった2013年としている点」や「2050年の長期目標80%削減との整合性」などのポイントは、日本の温暖化対策がどうあるべきかを考える上で重要な視点になりました。

それぞれのワークでは、初めてパブコメを書く人のことを考えて、分かりやすく、書きやすい工夫をしました。しかし、2時間の企画ではもっと議論したいことがあったのではないでしょうか。これをきっかけに、参加者はエネルギーや温暖化への関心を高めてくれたのではないかと思います。

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インターン、ボランティアとして一緒に活動しませんか?

 気候ネットワークでは、学生から社会人、シニア世代の方まで、たくさんのインターンやボランティアが活動を支えてくれています。みなさん、ご自身の興味関心や得意分野を活かしてご活躍いただいています。随時募集していますので、お気軽にお問い合わせください。

・インターン生募集について
http://www.kikonet.org/support/individual/internship

・ボランティア募集について
http://www.kikonet.org/support/individual/volunteer

 

オックスファム・トレイルウォーカー2015に参加します!

こんにちは。京都事務所の近藤です。

チーム気候ネットワーク」結成!

私たち気候ネットワークは事務局メンバーでチームを作り、オックスファム・トレイルウォーカー2015に参加することを決めました。

オックスファムは貧困を克服しようとする人々を支援する国際協力のNGOで、世界90カ国以上で活動している団体です。

トレイルウォーカーは貧困のない世界をつくるための寄付金を集める目的で、世界中で行われています。

日本でも毎年企画され、今年は7月11~12日に福島県の達太良山で開催されます。50㎞の登山道を24時間以内に4人1チームで歩きます。私たちは、東京事務所の桃井を筆頭に、京都事務所の伊与田、山本、近藤でチームを結成しました。

福島で、原発も温暖化もない未来に向かって

トレイルウォーカーの開催地である福島は、ご存じのとおり東日本大震災の被災地であり、福島第一原発の事故を経験した場所です。オックスファムも震災直後から支援をしていて、今後も続けていくそうです。

まだまだ避難生活を続けている方もいらっしゃいますが、自然エネルギーの分野で日本をリードしてくれるという期待が持てる場所でもあります。

福島県再生可能エネルギー推進ビジョンのもとで、2040年頃を目途に、福島県内のエネルギー需要の100%以上に相当する量を再生可能エネルギーで生み出すことを目指しています。市民が主体的にエネルギーについて考え、発電事業を行う動きも多くあります。気候ネットワークも、人材育成や普及啓発の支援を行っています。

チーム気候ネットワークは、「福島発のエネルギー・ヴェンデを実現させたい」という想いを共有しトレイルウォーカーに参加したいと思います。原発も温暖化もない社会というゴールに向かって一緒に歩んでいこうというメッセージを発信していきます。

応援よろしくお願いします

安達太良山は東北が誇る日本100名山のひとつで、山頂からのパノラマは素晴らしいそうです。とても楽しみです。50㎞を制限時間内にチエックポイントを通過しながら歩き切れるか不安はありますが、今から準備を重ねて、50㎞を完歩したいと思います。忙しさに負けずにトレーニングして本番は必ず4人でゴールします。

このトレイルウォーカーに参加するためには、参加費とは別にチームがオックスファムへの寄付金を集める必要があります。

ご支援よろしくお願いします。

寄付の方法

■口座振り込み
三菱東京UFJ銀行:京都支店 普通預金 3325635(口座名義:特定非営利活動法人気候ネットワーク)

ゆうちょ銀行:〇九九店(店番:099)当座 口座番号0079694(受取人名:キコウネットワーク)

りそな銀行:京都支店 普通口座 1799376(口座名義:特定非営利活動法人気候ネットワーク)

・通信欄に「トレイルウォーカー」と明記してください

 

■インターネットから

オックスファム・トレイルウォーカーHP

https://oxfam-mng.com/team/?id=270