地球を包んでいる大気の中に、「温室効果ガス(※)」と呼ばれる気体があります。この温室効果ガスはいわば地球の服の役目を果たしており、太陽から届いた熱を吸収し、地表面を温める「温室効果(※)」の働きをしています。
この温室効果ガスがあるおかげで、ここ千年間の間、私たちが暮らす地球の平均気温は15℃前後の快適な環境に保たれてきました。もしも、この温室効果ガスが全くないと、地球の平均気温はマイナス18℃になってしまい、今のように暮らすことは出来なかったでしょう。
逆に、この温室効果ガスが増加すると、太陽からの熱の吸収量も増えて地表面が温まりすぎてしまいます。このように温室効果ガスが増えすぎる事によって地球が温まりすぎる現象を「地球温暖化」と呼んでいます。
温室効果ガスの中でも、特に大きな割合を占めているのが「二酸化炭素(CO2)(※)」です。現在、空気に含まれているCO2は、全体の0.035%とほんのわずかな量ですが、これによって地球はちょうどよいバランスに保たれてきました。
ところが、18世紀後半頃から、産業の発展にともない石炭や石油などを大量に消費するようになり、大気中の二酸化炭素の量は産業革命以前と比べ30%程増加しました。今後も人類が今のような生活を続けていけば、21世紀末には二酸化炭素濃度(※)は現在の2倍以上になると予測されています。
二酸化炭素濃度の上昇にともなって、ここ100年間で地球の平均気温は約0.6℃(報告:IPCC(※))、日本では約1.0℃上昇したと言われています(報告:気象庁)。
過去1000年間の気温変化を見ると、1900年代に入ってからの100年間の気温上昇がいかに急激なものであるかがわかります。
ちなみに、冷夏によってお米の収穫量が減った1993年や、夏場の記録的な猛暑によって深刻な水不足に陥った1994年のいずれも平年に比べ±1℃の気温の変化でした。
これまでの気温上昇によって世界中でさまざまな現象が起こり始めています。
今後の地球の気温上昇に関してIPCCの2001 年の報告では、このまま対策を取らずに地球温暖化が進むと、2100年頃までに最低1.4℃〜最大5.8℃上昇すると予測されています。これまでに異常気象とされた年でも平年との差はせいぜい±1℃の範囲でした。そのようなことからも今後の温度上昇がいかに大変な事かわかります。
温暖化の影響は、氷河の縮小や動植物の現象、洪水や干ばつなどの異常気象などとして既に起こっていて、私たちの生活にも影響を及ぼしています。今後の大幅な気温上昇による影響はさらに深刻なものになるといわれています。(★図表 急激な温度上昇予測)
今後予測されている温暖化の影響
- 集中豪雨や干ばつなどの異常気象の頻発
- 台風の勢力拡大
- マラリアやデング熱などの伝染病の流行
- 食料生産への被害
- 熱塩循環(※)の停止
- 水資源の減少
- 損害保険業への経済的負担の増大
近年、科学者の間でも、気温上昇幅が2〜3℃になると、地球規模の影響が増大することが指摘されています。逆に、産業革命以前に比べ、気温上昇幅を2℃未満に抑えることが出来れば、地球規模の影響の増大を防止することになる。として、国際的にも長期目標を設定する際に「気温上昇2℃未満」を前提とすることが広く共有されています。
そのためには、大気中の温室効果ガスの濃度を約475ppm(0.0475%)以下で安定させる必要があると言われています。工業化以前は280ppmであったのが2000年では359ppmに上昇していることから、地球全体で大幅な削減をしなければ、475ppm、すなわち2℃未満に抑えることはできないということがわかります。(★図表 温度上昇にともなう影響)
しかしながら、世界のCO2排出量は産業革命以降激増しています。特に近年のCO2排出量の増加は著しいものがあり、このままでは地球温暖化によるさまざまな悪影響が現実のものになってしまうかもしれません。
先進国では、アメリカ、カナダや、オーストラリアで大幅な増加を続けています。日本もまた大幅に排出量が増加しており、1990年に比べて2004年には8%増になっています。西ヨーロッパは1973年の第一次石油危機以降、総体としては増加しておらず、逆にEUの中でも最も排出量の多かったドイツやイギリスでは、排出量が減少しています。また、旧ソ連・東欧は1990年頃から、経済の混乱・停滞によって大きく排出量を減らしています。
CO2の排出量には、先進国と途上国の間で大きな格差があります。世界のCO2排出量の内訳を見ると、その4分の1はアメリカ1国(人口は世界の4.6%)で排出していることがわかります。西側先進国(アメリカ、日本、西欧などのOECD加盟国※。人口は世界の19%)だけで世界のCO2の半分近くを排出し、旧ソ連・東欧を含む先進国では3分の2(人口は世界の25%)を排出しています。
日本(人口は世界の2%)は世界のCO2の約5%を排出しています。これは中南米(人口4.8億人で日本の約4倍)とほぼ同じで、アフリカ全体(人口5.8億人で日本の約5倍)やASEAN(東南アジア諸国連合、人口4.3億人で日本の約3.5倍)の約1.6倍に当たります。(★図表 世界の国別のCO2排出量の内訳)
近年途上国の増加率が大きいとはいえ、歴史的な排出量は先進国の方が多く、一人当たりでみると温室効果ガスの排出量は南北格差が大きいのがよくわかります。地球温暖化への先進国の責任の大きさがよくわかります。気候変動枠組条約では「共通だが差違ある責任」という言葉を使い、途上国も含めて人類全体に地球温暖化の責任があるとしてもそれには差があることから、先進国に先に対策をとるよう求めています。
地球温暖化の主な原因である二酸化炭素の排出量の90%以上は、エネルギーを作り出すことを目的にした化石燃料(石油、石炭、天然ガスなど)の燃焼にあります。私たちが日常の生活で使用している電気製品や給湯設備、自動車などは、ほとんどが石油や天然ガスなどの化石燃料に依存しています。また誰もが購入する食料品や衣服、家具なども多くのエネルギーが投入されて生産されています。
つまり、大量にエネルギーを消費する私たちのライフスタイルが、地球温暖化を引き起こす原因となっているのです。地球温暖化を防止するためには、エネルギー消費を減らしていくとともに、地球温暖化の原因である二酸化炭素を排出しないエネルギー源への転換を進めていくことが必要です。