京都議定書の第1約束期間の目標を確実に遵守することを当面の取り組みの基本とし、その上に世界全体の総排出量を削減していくための中長期的な対策を発展・前進させていく必要があります。
(1)京都議定書の枠組の上に次のステップを構築する
京都議定書は一定の時間枠を設けて総量で削減を義務づけたこと、しっかりとした遵守措置を定めたこと、途上国の対策と適応への支援の枠組を盛り込んだこと、途上国の対策と適応への支援の枠組を盛り込んだこと、目標達成に柔軟性を持たせたこと等において、今後も継続していくべき重要な枠組となっています。第2約束期間以降の中長期のあり方を検討するにあたっては、これを基礎とした上で欠点を補い高い効果を高めることを模索していくべきです。
一部では全てを白紙に戻し、京都議定書とは違う枠組を作り直そうとの議論もありますが、それは時間を浪費するだけでなく、逆に後退したものになるおそれもあります。今日においては京都議定書に変わりうるものは存在せず、京都議定書の上に次のステップを積み上げていくことが、世界全体が地球温暖化防止のために長期的に協調して取り組むための最善の方法であると考えています。
(2)大幅削減を現実化する
私たちが目指しているもの。それは、気候変動枠組み条約第2条の究極の目標、すなわち生態系が適応できる危険でない水準で温室効果ガスの濃度を安定化させることです。危険でない水準に濃度を抑えるためには、産業革命前(1850年頃)に比べて地球の平均気温上昇を2℃未満に抑える必要があることは、国際的に共有されつつあります。
2℃未満の長期目標は、全ての被害を防げるものではありませんが、唯一国際的な枠組みで提案されている具体的な目標であり、「予防原則」の面から見ても、支持できるものです。
- 条約の「究極の目標」の達成を視野に、長期目標をたてる
- 「予防原則」に立って高い削減目標を設定する
- 排出総量を確実に削減していく目標設定とする
(3)公平なアプローチをとる
最新の研究によると、気温上昇を2℃未満に抑えるためには、この5〜6年のうちに世界全体の排出量のピークを迎え、削減に転じさせ、2050年に1990年比で50%削減しなければなりません。そして、日本のような先進国は、2020年までには、90年比で30%は削減しなければなりません。先進国な大幅削減は必要不可欠なのです。また、先進国削減だけで気温上昇を2℃未満に抑えることも難しく、次期枠組みでは、世界全体で進める枠組みが必要です。さらに、これには、途上国の持続可能な発展を支援しつつ、気候変動の被害に脆弱な国の支援することも盛り込まれなければなりません。
- 先進国がさらに大きな排出削減をし、常に削減行動をリードする
- 途上国の持続可能な発展を支援する
- 気候変動の被害に脆弱な国を支援する
- 世界全体で進める国連のプロセスを基軸にする
(4)効果の高い仕組みにする
そのためには、やはり先進国の全体量排出削減と達成期間、京都メカニズム、厳しい遵守制度など京都議定書の骨組みを引き継ぐ仕組みであることが重要です。それははじまった各国での温暖対策や京都メカニズムを通じて生まれた炭素市場を継続させることにつながるからです。
- 目標達成を義務とし、実効性のある遵守措置を定める
- アメリカを引き戻す
- 途上国の参加を促す
以上の点から、気候ネットワークは、気候行動ネットワーク(CAN)が2003年に発表した、次期枠組みのあり方として、先進国を中心に削減数値目標を基本とする京都議定書の枠組みを維持・継続(京都トラック)しつつ、多くの途上国が参加していく道筋(脱炭素化トラック)と、さらに、温暖化の被害を受ける国々のための適応の道筋(適応トラック)とを並行して行うという3つの道筋によるアプローチを含む枠組みが望ましいと考えています。