対策・政策措置の必要性
地球温暖化防止のためには、温室効果ガスを削減する方法としての「対策」(主に技術や省エネルギー行動など)を進めるための「政策措置」あるいは「施策」が欠かせません。
これらは法律、制度、税制、予算などを指し、主に次のように分類できます。
(1)規制的手法
法制度で環境の規制値などを決め、罰則などでそれを保証する
(2)経済的手法
環境負荷の程度に応じてお金をとるなどし、価格インセンティブで企業や個人の行動を誘導する
(3)環境ラベル
環境負荷に関する情報(ラベル)を商品に表示し、消費者に環境負荷の小さい商品の選択を促す
(4)協定
国・自治体と企業・事業所などが、環境負荷の低減などを約束する
こうした政策手法を実施するにあたって重要なことは、削減目標を設け対策の達成を法的に担保することです。目標も奨励策もなく普及啓発に依存するだけのものや、未だ完成していない技術を前提とするものの達成度は低くなってしまいます。政策は、対策の達成を法的に担保できる強いものが望ましいのです。
また、こうした政策を組み合わせることによって、大きな効果を上げている例が諸外国にはあります。例えば、ドイツ・スペイン・デンマークなどで採用されている、自然エネルギーによる固定価格での電力買取制度は、電力会社に固定価格での電力の買取を義務づける点では規制的手法であり、自然エネルギーによる電力を奨励して優遇価格を設定する点では経済的手法といえます。
分野別の対策・政策措置の方向性
気候ネットワークでは次のような対策・政策措置が必要だと考えています。
発電部門(エネルギー転換部門)
- 火力発電所の発電量あたりCO2排出量目標(効率基準)の導入
- 省エネ法の改正強化
- 自然エネルギー電力の導入目標の引き上げ
- 自然エネルギー固定価格買取制度の導入
- 燃料転換政策
- エネルギー供給産業とのCO2排出源単位での協定
- 自然エネルギー発電設備の系統への優先接続の確保および系統の強化
工場など
- 経団連自主行動計画の達成計画における位置づけの見直し
- 協定
- 国内排出量取引制度の導入
- 省エネ法の改正・強化〜工場の効率向上の規制化
- 産業部門汎用機器への省エネ法機器規制の導入
- 事業アセスメントの徹底
- 国内産材利用への補助
オフィスやサービス業など
- 重要な建築・設備の省エネ性能の向上
- 建築物に係る省エネルギー基準義務づけの必要性
- 既存建築物の省エネ対策を促す制度の強化
- 建築物の性能評価とラベリング制度
- 機器効率改善のためのトップランナー基準の対象拡大・制度強化
- 効率の優れた機器を普及させる制度づくり
- CO2排出量の公表制度の確立
- 業務床面積と営業時間の抑制政策
家庭部門
- 新築住宅に対する省エネ基準の義務化
- 設備・機器効率の基準値の設定
- 断熱リフォームの促進
- 太陽熱温水器の普及のための情報提供と支援措置
- トップランナー基準方式の対象拡大・基準強化
- 販売店に対する省エネラベル表示の義務づけ
- 住宅の性能評価・表示制度の確立
- 中古住宅市場の確立
自動車
- 自動車の燃費基準値の乗用車一律の基準へ見直し
- 地域全体の面的な公共交通の改善
- 貨物のモーダルシフトと鉄道駅へのアクセスの改善
- EST(Environmentally Sustainable Transport:環境的に持続可能な交通プロジェクト)の普及
- 自動車利用に伴う社会的費用の課税
- 道路ネットワーク整備の環境影響の再検討
- 自動車利用を抑制するための市街地での開発行為の制限、集客施設の立地制限
- 地産地消の推奨
- 地域交通計画の義務化と財源・権限の委譲
代替フロン類
- 代替フロン類を使用した製品の製造・輸入・販売禁止
- 国・自治体のノンフロン製品使用の義務化
- フロン税の導入
- 脱フロン化に逆行する政策の見直し・改正
- 省エネ・リサイクル支援法
- 租税特別措置法
- グリーン購入法
- 消費者への情報提供義務(環境ラベル)
- 既存の法整備の見直し・強化 −フロン回収破壊法などの改正
- 管理徹底強化
- 事業所ごとの使用量・排出量の把握・公表制度
横断的政策
- 炭素税導入
- 排出量の算定・報告・公表の制度化