2014年度税制改正要望について
厚労省のクリーニング税制改正要望は時代に逆行。
ノンフロン化に向けた税制の実行を!

2013年9月19日
認定NPO法人気候ネットワーク
NPO法人ストップ・フロン全国連絡会

COP19を目前に控えながら、日本は未だ温室効果ガスの中期削減目標も示せず、京都議定書の義務も負わず、温室効果ガスの大量排出国として国際社会における責任を全く果たしていません。

先の通常国会では、強力な温室効果ガスであるフロン対策について、「フロン回収・破壊法」の改正が行なわれ、「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律」と名称も新しくなりました。フロンは強力な温室効果ガスであり、排出を削減するためには、できるだけ速やかに、CO2、アンモニア、炭化水素等のノンフロンへの切り替えを促すことが必要です。しかし、日本の今回の法改正では、段階的削減や用途規制もなく、フロン税などの経済的措置もとられていません。

現在、フロン対策については、欧州ではFガス規制の強化に向けた審議が行なわれ、フロンの用途を厳しく規制する動きに向かっています。さらに各国では、CFCやHCFCのほかにHFCなどフロン類に課税してフロンの削減を強化する動きも見られます。また中国と米国が、本年9月のG20において、モントリオール議定書の下でHFCの削減交渉をすることに合意するなど、世界がHFC削減に向けて大きく動き出しているのです。

しかし、今回の税制改正要望において、厚生労働省がクリーニング機の「公害防止用設備に係る特例措置の適用期限の延長」を延長で要望しています。この内容は、フロンHFC365mfc(1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン)を含むフッ素系溶剤を使用するドライクリーニング機への買い換えを促進するという内容です。HFC365mfcは京都議定書の対象物質として新たに加えられたもので、地球温暖化係数は二酸化炭素の794倍と非常に大きく、その物質への転換を促すのは、社会の潮流から大きく逸脱するものです。本件については、昨年、気候ネットワークなど5団体が問題を指摘したところであり、今回再びこのような要望が出されたことは、政府の地球温暖化問題に対する認識の甘さと、フロン改正法の不備を露呈したと指摘せざるを得ません。

なお、税制改正要望では、環境省が冷凍空調機器についてノンフロン製品の普及・拡大のための税制上の措置を新規で要望しているが、こうしたノンフロンへの転換を推進する措置こそ求められます。

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以上

プレスリリース本文

2014年度税制改正要望について 厚労省のクリーニング税制改正要望は時代に逆行。ノンフロン化に向けた税制の実行を!
(2013年9月19日、PDF)

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