2012年11月15日

ペーパー『日本経団連「環境自主行動計画」の評価』を発表
~排出量は大幅に増加し、エネルギー効率の改善も進まず~
気候ネットワーク

 

気候ネットワークは、ペーパー『日本経団連「環境自主行動計画」の評価』を発表した。これは、日本の温室効果ガス排出を左右する経団連自主行動計画について2010年度までの評価を行い、効果的な地球温暖化対策を進める観点から課題を明らかにし、提言を行ったものである。

 

(以下、概要版『日本経団連「環境自主行動計画」の評価』より一部を抜粋)

・経団連参加業種の排出量は、直接排出でみれば大幅に増加
 経団連は、経団連に参加しない業種へ販売した電気を含まない「間接排出量」でエネルギー起源CO2排出量の計算を行い、それに「工業プロセス」の排出量を加えた数値を用い、クレジットでの補てん分も加えて2010年度には1990年度比12.3%削減になったと評価している。しかし、発電するすべての電力を発電部門(電気事業連合会)の排出とみなす「直接排出量」で実績を見ると、2010年度の排出は1990年度比で約10%増加したことになる。このうち、6大業種(電力・石油・鉄鋼・化学工業・セメント・製紙)の排出は、エネルギー起源CO2排出量(直接排出)の96.5%を占め、その排出は、1990年度比で13%増加している。

 

・効率の改善は全体として進んでいない
 各業種のエネルギー効率やCO2原単位の改善ができているか点検すると、経団連計画に参加する34業種のうち、12業種で2010年度のCO2原単位が1990年より悪化している。また、省エネ法に基づく毎年効率1%効率を改善する努力目標に照らすと、それに相当するCO2原単位改善ができた業種は、11業種にとどまる。6大業種では、石油とセメントは1990年度よりも効率が悪化し、鉄鋼、化学工業は、原単位は改善しているものの省エネ法目標水準に届かず、製紙業界だけは省エネ法目標水準を達成した。電力では、2010年度のCO2排出原単位は1990年度比1%減少に止まり、CO2原単位20%改善という目標には遠い。……

 

ペーパー本文

ペーパー『日本経団連「環境自主行動計画」の評価 【概要】』(PDF:274KB)

ペーパー『日本経団連「環境自主行動計画」の評価』(PDF:908KB)

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