日本の京都議定書延長拒否を『ファイナンシャル・タイムズ』でパロディに
地球温暖化条約を壊すのか? 映画を模した広告が日本に問う

 

2010年12月9日・カンクン
気候ネットワーク代表 浅岡美恵

地球温暖化に関するキャンペーン団体、Avaazとtcktcktckは、英字紙『ファイナンシャル・タイムズ』に、明日、閉幕する地球温暖化に関する国連会議を妨害しているとする広告を掲載した。
 広告は、日本で最長のロングランを記録した人気映画『千と千尋の神隠し』をパロディにしている。

この行動は、日本政府が、1997年に、日本の古都で合意した京都議定書の第2約束期間に削減目標を書きこむことを拒否したことに対して取られた。水曜日に日本政府が繰り返した姿勢は、2週間に及ぶ建設的な会議に暗雲をもたらした。
 「来年、南アフリカのダーバンで、法的拘束力のある国際合意に達するために、カンクンで決定すべき合意のパッケージを話し合うための交渉の時間は迫っているにもかかわらず、日本の強硬な姿勢は交渉全体の進展を阻んでいる」と、tcktcktckのキャンペーン・ディレクター、ポール・ホースマンは語る。
 「世界では数百万人の人々が地球温暖化を防止するために行動している。日本もその行動に参加し、強力な国際合意は自国の経済開発に利するだけでなく、地球温暖化による脅威にさらされている人々や生態系を守ってほしい。京都議定書が生んだ国が、それを殺す国になるべきではない」と、ホースマンは続ける。  著名な宮崎駿監督のアニメーション映画『千と千尋の神隠し』のパロディーである。この映画では、一人の少女が両親を追って、幻想の世界へと続く砂利道を走り続ける。
 「『千と千尋の神隠し』の主人公の少女のように、日本は今、分岐点にいる。1本の道は、世界が望む法的拘束力のある国際合意を壊すという幻想の世界に向かっている。もうひとつの道は、真の指導力と安定した気候になっている未来に向かう」とホースマンは語る。

この広告は、日本を含む世界の指導者を購読者にもつ『ファイナンシャル・タイムズ』の国際版に掲載される。ここカンクンの会場でも、1,000部が配布される。

広告文の邦訳(暫定訳)

新作邦画公開!
ホラー映画「京都議定書投げ出し」
―地球温暖化防止の国際協定が流される:カンと千尋の物語―

日本の菅直人総理大臣は、日本が京都議定書の次期約束期間を拒否しても、地球温暖化防止の国際合意ができるという幻想の世界に生きています。メキシコで開催されている国連会議が泥沼の様相を呈している中、世界は菅首相をその夢想から叩き起こさなければなりません。もし管首相が京都議定書を投げ出せば、地球温暖化の新たな国際的合意そのものが夢と終わってしまいます。

AVAAZ.ORG(http://avaaz.org/)とTCKTCKTCK.ORG (http://tcktcktck.org/)は、地球に生きるすべての人々とともに、みんながバランスを取ろうとしているこの交渉において、菅直人首相と日本政府が京都議定書の下での削減を約束し、カンクン合意が夢となって終わらないように強く求めます。

 

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問合せ

Christian Teriete, TckTckTck Communications Director,
christian.teriete@tcktcktck.org,
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