Hot Talk Now!?(ほっとくの!?)温暖化
気候ネットワーク E-mailニュース 2005年6月25日<第200号>
  私たちはめざします
 1:抜本的な国内政策で京都議定書の6%削減を!
 2:環境重視の社会経済システムを!
 3:市民・地域主導で温暖化防止の促進を!
 4:政策決定プロセスに市民の参加と情報公開を!
 5:南北の公平をめざし、南の人々と連携を!
 
  政府・国会・NGO関連

環境税の専門委、価格弾力性について議論
 14日、中央環境審議会総合政策・地球環境合同部会環境税の経済分析等に関する専門委員会の第3回会合が開かれ、(1)環境税(炭素税)の効果、(2)環境税による経済影響、(3)国境税調整が議題とされた。主に(1)の税の価格弾力性について、既存の7つの論文を比較・分析するなど経済学的・専門的な議論が中心であった。次回は28日10時からで、引き続き環境税の経済分析等について議論する予定。(問合せ:環境省環境経済課 TEL:03-5521-8230)

環境税パンフ作成、地方ヒアリング開催へ
 16日、中央環境審議会総合政策・地球環境合同部会施策総合企画小委員会の第18回会合が開かれた。同小委では京都議定書目標達成計画の「国民・事業者などの理解と協力を得て真摯に総合的な検討を進める」との環境税(炭素税)についての記述を受け、7月上旬より全国6ブロックで環境税についての地方ヒアリングを開催する。なおこの日紹介された「環境税について考えよう」という一般向けのパンフレットは、環境省に連絡すれば入手できる(近日中にホームページからダウンロードできるようになる予定)。(問合せ:環境省環境経済課 TEL:03-5521-8230)

HFC等3ガスは04年も減少だが排出増の兆しも
 16日、産業構造審議会化学・バイオ部会第12回地球温暖化防止対策小委員会が開催された。同小委はHFCなど京都議定書対象の代替フロン等3ガスの対策を検討する経済産業省の審議会。ただし内容は、18分野の各業界の自主行動計画が短く報告され、それを了承するというもの。2004年のHFC・PFC・SF6全体の排出量は、前年比10%減、基準年(1995年)比53%減。分野別ではHFC製造や発泡・断熱で減少、発泡・断熱でのノンフロン化の進展は評価できる。しかしオゾン層破壊物質からHFCへの転換が進んでしまった冷媒用途(主にエアコン)で増加が始まっており、液晶・半導体の洗浄・製造のPFCも増えている。また大気中にそのまま放出されるエアゾール用途においては、HFCの中でもGWP(地球温暖化係数)が低いものへ移行することで現状が容認されているのは問題。政府に対しては、自主行動計画任せにせず、エアゾール用途の使用禁止やエアコンのノンフロン化促進などの政策を強力に行い、減ってきた現状から排出増にすることなく、削減・脱フロンに向かわせることが望まれる。(問合せ:経済産業省オゾン層保護等推進室 TEL:03-3501-4724)

DVDレコーダー・薄型テレビに省エネ基準
 13日、総合資源エネルギー調査会第6回省エネルギー基準部会が開催され、主に機器のトップランナー基準について議論が行われた。新設の電気炊飯器と継続のテレビ・ビデオ(目標年(2003年度)終了に伴う新目標設定と新製品への対応)について各小委員会から報告があり、新基準が了承された。目標年の2008年度に、電気炊飯器11.1%(2003年度比)、DVDレコーダー22.4%(2004年度比)、液晶・プラズマテレビ15.3%(2004年度比)の効率改善を見込んでいる。なおトップランナー基準については今後、冷蔵庫冷凍庫・エアコン・ルーター・自動車・電子レンジについて順次小委を開き検討する。また国会審議中の省エネ法改正対応として、消費者への家電の情報提供の表示方法について8月から小委を開催、さらに住宅・建築物の基準についても秋に小委を開催する予定。(問合せ:資源エネルギー庁省エネルギー対策課 TEL:03-3501-9726)

フランスでのETBEの利用実態を報告
 20日、総合資源エネルギー調査会石油分科会石油部会燃料政策小委員会第3回ETBE利用検討ワーキンググループが開催された。自動車用燃料のETBE(エチル・ターシャリー・ブチル・エーテル)のフランスでの生産・品質管理について報告が行われた。次回は7月中〜下旬。(問合せ:資源エネルギー庁資源・燃料部精製備蓄課 TEL:03-3501-1993)

風力発電、送電線への接続の対策の中間報告
 23日、総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会風力発電系統連系対策小委員会の第9回会合が開かれ、中間報告書案が了承された。しかし風力発電にコスト増を求める方策が中心で(第199号参照)、根本的な解決につながる会社間連系線の活用拡大については、現状では制度的課題が大きくこの小委では手に余るとし、電気事業制度自体を取り扱う場における検討を期待するとの表現にとどまった。小委では「2010年・300万kW」という風力発電の導入目標への見通しが立ったとされたが(2005年3月末・92.7万kW)、実際はこの政策では実現は危ういと見られる。(問合せ:資源エネルギー庁新エネルギー対策課 TEL:03-3501-4031)

京都市が、世界市長協議会の設立を進める
 京都市は15日、世界各国の都市や地域が連携して温暖化対策を進めることを目的とした「気候変動に関する世界市長協議会(仮称)」を設立すると発表した。協議会は、自治体の温暖化対策についての国際協力やCOPなどの会議への参加・提言などを行う。今後、ベルリンやブエノスアイレスなど地球温暖化関連の国際会議開催都市で「リーダーシップグループ」をつくり、イクレイ(ICLEI、持続可能性を目指す自治体協議会)に加盟している500以上の自治体に協議会への参加を呼びかける。11月には、カナダ・モントリオールで開催されるCOP/MOP1(第1回京都議定書締約国会合)に合わせて協議会の設立総会を開催する予定。(問合せ:京都市環境局地球温暖化対策課 TEL:075-222-3452)

各地域で温暖化対策推進会議を開催
 7日より、政府が呼びかけてブロックごとに設置された「地域エネルギー・温暖化対策推進会議」が北海道、中部、沖縄を除く6ブロックで順次開催された。15日に開催された近畿ブロックの会議では、会議の趣旨説明、国の施策や各地域のエネルギー需給構造についての報告が行われた後、地域の取り組みについて話し合われた。(http://www.kansai.meti.go.jp/3-9enetai/ontai-kaigi/eneontai-kaigi.html)

今年の環境白書のテーマは「脱温暖化」
 17日、脱温暖化を中心的に取り上げた2005年版環境白書が閣議決定された。2月の京都議定書発効を受けて、脱温暖化社会構築へ向けた取り組みが一層重要になったとして、「人づくり」「しくみづくり」の必要性などが述べられている。白書は一般書店で販売されるほか環境省のホームページでも公表される。また、環境省は全国9カ所で「環境白書を読む会」を開催して意識啓発を図る予定。(問合せ:環境省環境計画課 TEL:03-3581-3351(内6256))

  国際動向関連

来月開催のサミット、地球温暖化問題を議論
 7月6日から8日にかけて英国・グレンイーグルズで主要国首脳会議(G8サミット)が開催される。サミットでは、気候変動問題がアフリカ支援とともに主要議題に位置付けられている。サミットでまとめられる予定の「グレンイーグルズ行動計画」の文案には、アメリカが早くも後ろ向きな姿勢を見せている模様(共同 6/18)だが、温暖化防止に向けてサミットの合意がどのような内容となるか注目される。

世界の学術会議がサミットに向けて声明を発表
 G8各国の学術会議は8日、気候変動に対する世界的対応についての共同声明を発表した。声明は来月開催されるG8サミットに向けて各国科学者の意見をまとめたもので、G8以外のブラジル、中国、インドの学術会議も加わった。声明では、気候変動は実際に起こっており直ちに行動を起こすことが妥当であるとして、G8各国の首脳に、今すぐ実施可能で費用対効果の高い方策を定めることや科学的に裏付けされた削減目標を設定するための研究に着手すること、クリーン・エネルギー技術の開発と普及などを提言している。(http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-19-s1027w.pdf)

EUの2003年温室効果ガス排出量前年比1.3%増
 EU欧州委員会は21日、EU15カ国の2003年の温室効果ガス排出量は前年比1.3%増加したと発表した。京都議定書の基準年比では1.7%の減少だった。電力需要の増加に伴う石炭使用の増加と冬季の気温が低かったことでエネルギー使用量が増加したことが主な要因としている。(http://org.eea.eu.int/documents/newsreleases/ghg_inventory_report-en)

  各種お知らせ

炭素税勉強会
第8回 炭素税初期導入国・スウェーデンの最新状況
日時:6月29日(水)15:30〜17:00
場所:衆議院第2議員会館第1会議室(東京都千代田区)
報告:「炭素税導入から14年のスウェーデン −その最新状況と課題−」 飯野靖四(慶應義塾大学)
問合せ:東京事務所まで

JACSESスタディーセッションシリーズ05 炭素税/環境税・道路財源入門
日時:7月7日(木)18:30〜21:00
場所:環境パートナーシップオフィス会議室(東京都渋谷区)
参加費:一般1500円、高校生1000円
申込み:「7月7日スタディーセッション参加申込」と明記の上、Email(jacses@jacses.org)又はFAX(03-3447-9383)
問合せ:「環境・持続社会」研究センター TEL:03-3447-9515

フォーラム気候の危機
なんか変やで!気候の危機を考える
日時:7月15日(金)13:30〜16:30
場所:大阪府農林会館(大阪市中央区)
内容:「最近の異常気象」村山貢司(気象キャスターネットワーク)、「気候変化と産業活動」平沼洋司(気象庁)他
問合せ:「フォーラム気候の危機」シンポジウム大阪事務局 TEL&FAX:06-6910-6006

京都議定書発行記念講演会記録 地球温暖化対策の未来
内容:地球温暖化の現状と京都議定書―今後の取り組み―  浅岡美恵(気候ネットワーク代表)
   持続可能なエネルギー社会を実現するために―地球温暖化対策と自然エネルギーの促進―  大林ミカ(環境エネルギー政策研究所副所長)
書籍データ:一冊500円+送料 A5判・133頁
ご注文・お問い合わせ:(財)アジア女性交流・研究フォーラム TEL:093-583-3434

気候ネットワークシンポジウムの資料集
  12月4・5日に開催したシンポジウム「市民が進める温暖化防止2004」の資料集を、一般1000円・会員600円(送料込)で販売しています。ご希望の方は気候ネットワークまで。

温暖化政策へのNGO提案、好評発売中
  気候ネットワークは、「地球温暖化対策推進大綱の第2ステップへ向けたNGO提案〜2004年の大綱の評価・見直しに際して〜」をまとめた。本レポートは、大綱の評価を行いその課題を示し、第2ステップに向けた具体的な政策を提案している。冊子(一般1000円、会員500円、送料込)をご希望の方は気候ネットワークまで。

『よくわかる地球温暖化問題 改訂版』好評発売中!!
     気候ネットワーク編・中央法規出版
 定価本体1800円(税別)・2002年12月5日改訂版発行
     A5判・242頁、カバーはオレンジ色

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気候ネットワーク(東京事務所)
〒102-0083 東京都千代田区麹町2-7-3半蔵門ウッドフィールド2階
Tel. 03-3263-9210, FAX. 03-3263-9463 E-mail. tokyo@kikonet.org
URL. http://www.kikonet.org/