●2007年度の目標達成計画関係予算案を発表
11月22日、内閣官房がまとめた2007年度京都議定書目標達成計画関係予算概算要求が発表された。予算額は合計で1兆2248億円で、2006年度と同様にA.6%削減に直接効果があるもの、B.中長期的効果があるもの、C.結果として温室効果ガス削減に資するもの、D.基盤的施策、の4項目に分類されている。このうち5841億円を占めるAでは、森林吸収源対策の2148億円が最も多く、次いで原子力供給対策が1188億円となっている。その他では、治山事業費(林地保全)1095億円、新エネルギー等対策費1035億円、循環型社会形成推進交付金505億円、高速増殖炉サイクル技術費401億円などの要求額が大きくなっている。府省別の概算要求総額では、経済産業省4304億円(対前年度比0.2%増)、農林水産省4133億円(同23%増)、国土交通省1752億円(同21%増)、環境省1136億円(同44%増)となっている。(問合せ:環境省地球温暖化対策課 TEL:03-5521-8249)
●道路特定財源の見直し、政府・与党合意
8日、2008年の国会において法改正を行うとした、道路特定財源の見直しに関する政府・与党合意がまとまり、閣議決定された。自動的に道路予算となる仕組みが変更されること、自動車重量税だけでなく揮発油税の一般財源化も視野に入れたこと、環境面(CO2排出)に配慮して課税水準を維持するとしたことなどは評価できる。しかし、実際に一般財源化されるのは道路歳出を上回る分に限定され整備計画に基づく道路建設は続くこと、CO2排出増につながる高速道路料金の引き下げが含まれたことなど、問題も多い。過剰な道路予算が大幅に削減され、CO2排出の抑制・削減につながる抜本的な見直しが求められる。(各紙12/8夕刊)
●政府税調は環境税を先送り
政府税制調査会は1日、「平成19年度の税制改正に関する答申−経済活性化を目指して−」をまとめた(http://www.mof.go.jp/singikai/zeicho/tosin/181201a.htm)。その中で環境税(炭素税)については「温暖化対策全体の中での位置付け・効果・国民経済や国際競争力に与える影響・既存エネルギー関係諸税との関係等を十分に踏まえ総合的に検討していく」とし、実質的に先送りした。
●RPS小委、各電源の開発可能性をヒアリング
11月29日、総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会第2回RPS法小委員会が開催され、各電源の開発可能性やコスト見通しに関する有識者ヒアリングが行われた。風力については日本風力発電協会の森輝幸氏、太陽光については株式会社資源総合システムの一木修氏、バイオマスについては広島大学・松村幸彦氏から報告があり、各電源の業界の委員からも短い報告があった。それらの中で2014年頃の発電量として、風力100億kWh弱、太陽光141億kWh、バイオマス60億kWhという数字が示された。次回は13日10時から。(問合せ:資源エネルギー庁新エネルギー対策課 TEL:03-3501-4031)
●エネルギー基本計画改定案ほぼ固まる
7日、総合資源エネルギー調査会第7回総合部会が開催され、相変わらず原発推進中心のエネルギー基本計画改定案がほぼ固まった。この後、本日出た意見を受けた修文を行い、今月中旬から意見(パブリック・コメント)募集を行う。(問合せ:資源エネルギー庁総合政策課 TEL:03-3501-2669)
●電気便座の省エネ基準見直し、議論開始
1日、総合資源エネルギー調査会省エネルギー基準部会第1回電気便座判断基準小委員会が開催され、新しい省エネ基準について議論を始めた。まず、2006年度の目標を達成する目処がほぼ立っていることが報告された。省エネ基準の対象は、特定の用途や生産台数が少ないものを除き全製品。また、エネルギー測定方法については、便座部について非動作時・動作時の季節毎の消費電力を合算する案が出され、次回(2007年1月上旬予定)で詳しく検討される。(問合せ:資源エネルギー庁省エネルギー対策課 TEL:03-3501-9726)
●改正フロン回収・破壊法政省令、公布へ
11月27日、第7回中央環境審議会地球環境部会フロン類等対策小委員会、産業構造審議会科学・バイオ部会地球温暖化防止対策小委員会のフロン回収・破壊ワーキンググループ合同会議が開催された。今回は意見募集の結果を踏まえた政令・省令の内容について報告された。これにより、改正されたフロン回収・破壊法の政省令が公布される。国は今月から都道府県や地域協議会、関係業界団体への説明を開始する。改正法施行は2007年10月1日の予定。(問合せ:経済産業省オゾン層保護等推進室 TEL:03-3501-4724)
●2005年度のフロン類回収量、発表される
11月24日、環境省と経済産業省は2005年度のフロン回収・破壊法に基づく業務用冷凍空調機器(第1種特定製品)からのフロン類等の回収量について発表した。集計結果によると、フロンの回収量は約2298トンであり、前年度比で9.3%増加と若干の改善となった。しかし、回収率は32%(昨年度31%)と相変わらず低調だ。回収した第1種特定製品の台数は、前年度比で4.9%減少している。(問合せ:経済産業省オゾン層保護等推進室 TEL:03-3501-4724)
●経産省、石炭火発の新しい研究会を開始
経済産業省は1日、第1回石炭火力発電の将来像を考える研究会(座長・久留島守広東洋大学教授)を開催した。同研究会は、石炭火力発電の地球温暖化対策について議論する場で、発電効率向上・バイオマス混焼・CO2分離固定化(CCS)などについて検討する予定で、今回は石炭火発におけるCO2排出削減技術を概観した。来年3月頃の中間取りまとめを目指し年度内に4回程度開催する、次回は未定。ここでも、石炭火発の発電量を抑制・削減して行くという発想は欠如しており、問題が多い。(問合せ:資源エネルギー庁石炭課 TEL:03-3501-1727)
●原子力資料室、温暖化防止のリーフレット発行
原子力資料情報室(CNIC)では、原子力発電が地球温暖化防止に本当に役立つのかをまとめたリーフレット、「原発で地球温暖化を防ぐ…それってほんとう?」を11月28日に発行した。内容は「原発はCO2の発生が少ない?」「原発を増やせば火力発電所が減らせる?」「原発は他の温暖化対策より効果的?」など疑問を投げかける形になっている。リーフレットは、無料(送料負担)で、CNICホームページ(http://cnic.jp/files/books/ondanka2006.pdf)よりダウンロードも可能。(問合せ:原子力資料情報室 TEL:03-5330-9520)
●経団連、温暖化対策の国際枠組構築に提言
11月21日、日本経済団体連合会は「実効ある温暖化対策の国際枠組みの構築に向けて」という意見書を公表した。今後の国際交渉において重視すべきとする点を中心にまとめているが、「京都議定書には限界がある」とし、「CO2の隔離・貯留や固定、核融合などの革新的技術開発が不可欠」、「絶対値目標には経済成長を制約しかねないという欠点がある」など温暖化防止に真摯に取り組む姿勢があるのか疑問になる提言もある。意見書は日本経団連のホームページ(http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2006/081.html)よりダウンロード可能。(問合せ:日本経団連 TEL:03-5204-1500)
●気候ネット、COPMOP2結果レポートを発表
5日、気候ネットワークは、気候変動枠組条約第12回締約国会議及び京都議定書第2回締約国会合(COP12/COP MOP2)の結果についてレポートを発表した。レポートでは、今会議の主題であった2013年以降の次期枠組みに関して検討プロセスの進展や合意事項がまとめられているほか、気候変動の悪影響を受ける途上国への「適応基金」や「適応5ヵ年計画」、クリーン開発メカニズム(CDM)に関する議論などについても報告している。レポートは、気候ネットワークのホームページでダウンロードできる。
◆モントリオール会議・NGO報告会◆
〜COP12/COPMOP2はどんな会議だったか〜
日時:12月15日(金)18:30〜21:00
場所:南青山会館3・4号会議室(東京都港区)
報告:早川光俊・大久保ゆり(CASA)、小野寺ゆうり(FoE JAPAN)、山岸尚之・小西雅子(WWF ジャパン)、川阪京子(気候ネットワーク)
参加費:一般1000円、主催・共催団体いずれかの会員500円
問合せ:東京事務所
◆国際シンポジウム◆
〜地球温暖化防止の将来枠組と法原則〜
日時:12月17日(日)13:00〜18:00
場所:早稲田大学総合学術情報センター 井深大記念ホール(東京都新宿区) 参加費:無料
講演:Dr. Xueman Wang(世界銀行上級法律顧問)ほか
問合せ・申込先:早稲田大学院大塚直研究室
E-mail: suishinhi.h7.sympo@gmail.com
◆政策研究レポート「地球温暖化防止の視点から都市間交通を問い直す」を発表◆
都市間を移動する際の交通機関の利用についてCO2排出量の面から検証を行いました。気候ネットワークのホームページでごらんいただけます。冊子(会員100円、一般300円どちらも送料別)をご希望の方は、気候ネットワーク(東京事務所)にお問合せください。
◆パンフレット「炭素税ってなんだろう?」を改訂◆
気候ネットワークが作成した「炭素税って何だろう?」を最新状況に合わせて改訂しました。1部200円(送料別)です。ご利用の方は気候ネットワークにお問い合わせ下さい。
◆気候ネットワーク書籍 好評発売中!!◆
『地球温暖化防止の市民戦略』定価2100円、中央法規出版
『よくわかる地球温暖化問題 改訂版』定価1800円、中央法規出版
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