2010年3月1日

鳩山首相 温暖化防止の公約を守ってください!
~密室の官僚主導でゆがめられる地球温暖化マニフェスト~

気候ネットワーク代表 浅岡 美恵

気候ネットワークは地球温暖化対策基本法案をめぐり、次の意見を発表しました。

拝啓 鳩山総理大臣様

 昨年9月、国連環境特別総会で、「温暖化を止めるために科学が要請する水準に基づくものとして、1990年比で言えば2020年までに25%削減を目指します。」と表明されたことに、世界は惜しみない拍手を送りました。続けて、「我々が選挙時のマニフェストに掲げた政権公約であり、政治の意思として国内排出量取引制度や、再生可能エネルギーの固定価格買取制度の導入、地球温暖化対策税の検討をはじめとして、あらゆる政策を総動員して実現を目指していく決意です。」と述べられたことに、私たちは本当に勇気づけられました。それから半年も経っていません。

 地球温暖化防止は、将来世代のために私たちの世代がどうしてもやり遂げなければならない課題であり、日本に低炭素時代を切り開く経済戦略をもって、これらを同時に達成していくことが不可欠です。世界の国々は既に、この課題の達成に確実に踏み出しています。民主党は、昨年の総選挙前から、25%削減目標とともに、「キャップ&トレード方式による実効性ある国内排出量取引市場の創設」、「再生可能エネルギーによる発電量の全量を固定価格で買取る固定価格買取り制度の導入」を打ち出してこられました。国連総会演説によって、私たちは、日本にも強い政治の意思をもって、低炭素経済に歩み出そうとする首相と政権が誕生したことを実感したのです。

 しかしながら、漏れ聞こえてくる地球温暖化対策基本法案は、旧態然たる産業界の声に押され、この国際公約を忘れてしまったものといわざるを得ません。

 いつ、日本の削減目標と位置づけられるのかもわからない25%削減目標であれば、国民にも経済にも後ろ向きのメッセージとなり、世界は日本に不信を抱くでしょう。

 国内排出量取引制度は発電所や大規模工場など大口排出源の排出削減のために、これらに排出上限枠(キャップ)を設定して行う制度であり、総量でのキャップのない取引制度は国際社会で通用しません。

 再生可能エネルギーは、一次エネルギー供給量あたりで野心的な目標を掲げ、固定価格買取り制度は、すべての、しかし真の再生可能エネルギーについて電力事業者に固定価格買取り義務を法律で定める必要があります。

 3月5日にも閣議決定とのことですが、私たちは鳩山総理大臣の国連演説を忘れていません。このままでは、政権交代とは何だったのかとの思いを禁じ得ません。市民を、どうぞ失望させないでください。

以上

上記の意見は、下記URLからPDFファイルでダウンロードいただけます。

発表資料

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