気候変動に逆行する石炭火力発電建設計画は撤回すべき

~経産大臣の石炭アセス意見書の言及は不十分~

2015年6月26日
特定非営利活動法人気候ネットワーク

 本日26日、経済産業大臣は、山口宇部パワー株式会社が山口県宇部市で計画している石炭火力発電所「西沖の山発電所(仮称)」の計画段階環境配慮書に対して、電力業界全体でCO2排出削減に取組む自主的枠組が早期に構築されるよう、「発電事業者として努めること」とする意見を公表した。

 

 これに先立つ6月12日、環境大臣は経産大臣に提出した意見の中で、2030年のエネルギーミックスにおいて26%程度とされた石炭火力発電の割合を、2013年度の時点ですでに上回っていることを指摘した。さらに「東京電力の火力電源入札に関する関係局長級会議取りまとめ」(以下、「取りまとめ」)で求められているCO2削減の枠組が未構築であり、当該事業における環境保全措置が明らかになっていない点を挙げ、2030年に温室効果ガスを26%削減するという約束草案の達成が危うくなるとの懸念から「現段階において、是認しがたい。」として、事実上事業の再考を求めた。

 

 経産大臣は環境大臣の意見を踏まえて意見を述べることとなっているが、今回の経産大臣意見は枠組の構築を求めるものに止まり、エネルギーミックスや「取りまとめ」との整合性のなさに対する言及もなく、環境大臣の意見を十分に踏まえたものとは言えない。

 

 地球の気温上昇を2℃に止めるために、石炭火力を元とする高炭素排出インフラへの投資のあり方の見直しが求められており、各国で脱石炭の動きが加速している。石炭火力発電は気候変動対策とは逆行するものであり、2030年のエネルギーミックスの政府案に示された「石炭26%」は日本の石炭依存を継続させるものに他ならない。この割合に止まらず、将来に向けて大幅に減少させていくことが不可欠である。

 

 経済産業大臣には、石炭火力発電の問題点を強く認識し、当該事業および他の全ての石炭火力発電所建設計画に対して事業の再考を促していくことを求める。さらに山口宇部パワー株式会社及び石炭火力発電所の建設を計画しているすべての事業者に対し、事業を撤回し、今後の電力供給事業には再生可能エネルギーを用いることを求める。

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気候変動に逆行する石炭火力発電建設計画は撤回すべき~経産大臣の石炭アセス意見書の言及は不十分~(2015/6/26)

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