<プレスリリース>

日本 ? 今こそ、新規石炭火力発電所向けの資金調達に関して
行動を起こすとき

2015年11月10日

 パリ/ロンドン/東京: 2015 年 11 月 16 日の週にパリで開催される 経済協力開発機構(OECD)会合を前に、その交渉妥結に対するプレッシャーが高まっています[1]。 最も重要なことは、米国と日本が共通の立場に達したと報じられていることであり、これは、全体的な合意の可能性を高めるものです[2]。 環境NGOのE3G はOECD交渉の現在の状況と、気候変動対策の観点において望ましい合意を得るための提案について、ブリーフィングを提供しています[3]。

 輸出信用に関する OECD 委員会では、過去 1 年にわたって成果のない議論が続いてきました。これは、主に、海外における新規石炭火力発電所への輸出促進および支援を続けようとする日本の反対によるものでした。

 気候ネットワークの平田仁子氏は次のように語っています。『日本は、石炭火力発電所の支援に関して、先進7か国(G7)の中で最低の成績となっています。「クリーンな石炭」などというものは存在しないのであって、日本はそのような主張を止めるべきです。今こそ、石炭火力発電所向けの支援および輸出信用支援に対する制限に合意し、そのような合意が国際的に確実に適用されるようにすべきです。日本は、今年に入って既にフランスが発表しているように、クリーン技術やエネルギー効率技術に関するノウハウ等の輸出を優先すべきです。』

 最近の米国のイニシアチブを受けて、中国[4] および韓国[5] が二酸化炭素排出量の多い投資への財政的支援の制限に同意したため、日本の国際的な孤立が深まっていました[6]。

 日本の「環境・持続社会」研究センター(JACSES)のプログラムコーディネーター、田辺有輝氏は次のように語っています。『中国が石炭関連の支援の制限に追加的なコミットメントを行ったため、ここ数か月、日本政府の孤立が深まっています。日本は、OECDのリーダーシップを妨害し続けることはできません。この機会に合意すべきです。日本は、新規石炭火力発電所の環境への影響と財政的リスクを制限するために他のG7諸国で既に導入されている水準に追いつく必要があります。』日本は、国際的な石炭に関する支援の問題と、国内における石炭政策の両方において、依然として他の G7 諸国と足並みが揃っていません[7]。

 E3G のプログラムリーダー、Chris Littlecott氏は次のように語っています。『来週、G7は、気候変動に関するパリ会議に先立ち、石炭火力発電所に対する輸出信用支援を制限するOECD合意を確実なものとすることによって大きな一歩を踏み出すことができます。残念なことに、日本は、「効率的な」石炭火力発電所への財政支援は、二酸化炭素回収貯留技術に関する要件なしに認められるべきであると提議し続けています。

 これは到底受け入れがたい要求です。新しい石炭火力発電所は、投資先として悪いだけではなく、環境にも悪いのです。そのような投資は急速に不良資産と化し、輸出信用支援の提供を続ける国々の納税者に金銭的損失をもたらすことになるでしょう。』

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編集者向けの注記

[1] OECD の輸出信用および信用保証ワーキングパーティーは、2015年11月16 日から始まる週にパリで会合を開きます。1年以上におよんだ交渉の結果、重要な議題である新しい石炭火力発電所向けの輸出信用融資の利用を制限する合意が成立する見込みです。11月17日火曜日、E3G、JACSES およびその他の国際NGOは、委員会メンバーと市民社会の代表との年次協議会において、意見を表明する予定です。

[2] 参照:政治メディア ポリティコ(Politico)、How Japan pushes coal on the world(2015年8月)自然資源防衛協議会(NRDC: Natural Resources Defense Council)、Oil Change

[3] OECD交渉の現在の状況に関する説明を記した新しいE3Gのブリーフィングは、E3Gウェブサイト??(英語)から入手できます。

[4]?米国と中国の合意
『低炭素政策および規制を強化するための持続的かつ真摯な取り組みの一環として、米国は、最貧国以外の国々を対象とした従来型の石炭火力発電所の新設に対する公的融資を行わないとしました。中国は、国内および国外において、環境汚染および二酸化炭素排出量の多いプロジェクトへの公共投資を厳しく管理するため、グリーンおよび低炭素政策および規制を強化していきます。』

[5]?米国と韓国の合意
『米国および韓国は、他の国々における低炭素の促進および開発への移行推進に取り組みます。この取り組みに沿って、米国および韓国は、近い将来においてOECDが石炭火力発電所向けの輸出信用融資を制限する野心的な合意を成立させるために協力することを考えています。』

[6] WWF他 Will the OECD lag behind emerging countries because of Japan?(2015年10月)-「石炭への公的支援:日本のせいでOECDは新興国に後れをとるのか?」報告書(PDF)

[7] 日本および他のG7諸国の石炭に対する資金調達における詳細な分析はE3Gのウェブページ?から入手できます(英語)。

補足:環境NGO E3Gとは

E3Gは、環境外交およびエネルギー政策に関連する独立した専門家のグループであり、低炭素経済への移行を加速させるための活動を行っています。E3G は、変化を活かせる対応力に応じて選ばれ、慎重に定義された成果を得ることを目的として、分野横断的に構成された団体です。E3G は、グローバルな視野と連携を持つ欧州の組織です。現在は、ロンドン、ブリュッセル、ベルリン、ワシントンDC にオフィスを構えるほか、中国にも常駐しています。

参考リンク

No Coal, Go Green!

メディア関係のお問い合わせ 

E3G:
Chris Littlecott、プログラムリーダー
Chris.littlecott@e3g.org
+44 (0)7920 461 812
www.e3g.org

気候ネットワーク:
平田仁子、国際関係担当理事
khirata@kikonet.org
+81-90-8430-7453
www.kikonet.org

「環境・持続社会」研究センター(JACSES):
田辺有輝、プログラムコーディネーター
tanabe@jacses.org
+81-3-3556-7325
www.jacses.org