<プレスリリース>

地球温暖化対策推進法の改正にあたって
「2050年実質ゼロ目標」と「目標引き上げプロセス」の法定化を

2021年1月22日
特定非営利活動法人 気候ネットワーク
代表 浅岡美恵

 2021年1月18日に始まった今通常国会において、地球温暖化対策推進法の改正が予定されている。2020年10月26日に菅義偉首相が2050年に温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする(排出実質ゼロ)を表明し、日本としての脱炭素化へのゴールが定められた今,今国会での同法の改正は極めて重要な意味を持つ。パリ協定の目標を達成し,気温上昇を1.5℃に止めるために残された時間は極めて少なくなっており、排出実質ゼロに向けて、今から確実にそして加速度的に対策に取り組まなければならないからである。今国会での改正では、以下を実現するべきである。

● 2050年目標を目的に明確に書き込むこと
 地球温暖化対策推進法の改正では,これからの日本の着実な取り組みを確保するために,2050年の排出実質ゼロ目標を目的として明確に位置づけることが必要である。排出実質ゼロ目標には、与野党対立もなく、経済界も含め歓迎しており、既に日本の目標として共有されている。この目標が揺らいだり、ないがしろにされたりすることがないよう、明確に法律の目的として位置付けておくことが必要である。

● 2050年目標に向かって、5年ごとに目標を引き上げていくことを明記すること
 1.5℃に気温上昇を抑制するためには、2050年に実質ゼロとするだけでなく、2030年に世界全体でCO2排出量を半減させる必要がある。これらの目標を確実に達成するために、その目標に向かって着実に行動を強化していく仕組みが組み入れられていることが不可欠である。パリ協定では、5年ごとに国別約束(NDC)を提出することとなっており、目標は常に前進させなければならないことが明記されている。これに沿い、同法でも5年毎に目標を見直し強化することを書き込み、パリ協定に沿った国内対応ができる体制を整備しておくべきである。

● 気候変動政策とエネルギー政策の統合
 現在、地球温暖化対策推進法の下で地球温暖化対策計画が、またエネルギー政策基本法の下でエネルギー基本計画が策定されているが、エネルギー起源CO2が日本のCO2排出の9割を占める中、両計画の見直しの時期、検討の場・プロセスが別々に存在していることの弊害は大きい。政府としての統合的な政策形成が実現できるよう、両計画を一体化させ、見直し時期、決定プロセスを統合させることを本改正にて規定するべきである。

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地球温暖化対策推進法の改正にあたって 「2050年実質ゼロ目標」と「目標引き上げプロセス」の法定化を(PDF)

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