気候ネットワーク 市民のチカラで、気候変動を止める。

【共同声明】マタバリ超々臨界圧石炭火力発電事業(バングラデシュ)への貸付停止を求める要請書~ダッカ高裁命令を受けて~を提出(2021年9月13日)


外務大臣 茂木敏充様
財務大臣 麻生太郎様
経済産業大臣 梶山弘志様
国際協力機構(JICA)理事長 北岡伸一様

マタバリ超々臨界圧石炭火力発電事業(バングラデシュ)への
貸付停止を求める要請書~ダッカ高裁命令を受けて~

「環境・持続社会」研究センター(JACSES)
気候ネットワーク
国際環境NGO FoE Japan
国際環境NGO 350.org Japan
メコン・ウォッチ

9月12日、国際協力機構(JICA)が政府開発援助(ODA)で支援中のマタバリ超々臨界圧石炭火力発電事業(バングラデシュ)に関連して、ダッカ高等裁判所が現地実施機関に対し、アクセス道路建設に伴う河川の違法な埋め立て工事の差し止め命令を出したことが、複数の地元紙で報道された(※1)。これを受け、私たち環境NGOは、JICAに対して『環境社会配慮ガイドライン』(以下、ガイドライン)に則り本プロジェクトへの貸付実行を停止するよう要請する。

マタバリ超々臨界圧石炭火力発電事業では、コヘリア川沿いにアクセス道路を建設中だが、バングラデシュ政府の実施機関が川の埋め立てを行ったことで、住民の川へのアクセス等に支障が生じていることが問題視されている。また、この埋め立て工事による生態系への悪影響も懸念されるが、環境アセスメント報告書には同埋め立て工事の影響評価が含まれていない。コヘリア川の埋め立て問題については、2021年3月5日に開催された第75回財務省NGO協議でもNGO側から改善が要請され、財務省担当者から「適切な環境社会配慮が行われるように改めて関係者への伝達を図っていきたい」との回答が示されたものの(※2)、いまだに土砂は撤去されていない。

JICAのガイドラインでは、JICAが「相手国及び当該地方の政府等が定めた環境や地域社会に関する法令や基準等を遵守している」ことを確認することが要件となっている。また、「相手国等が、本ガイドラインに基づきJICAが要求する事項を満たしていないことが明らかになった場合、あるいは、環境レビューに際して相手国等より正しい情報が提供されなかったことにより環境に望ましくない影響が及ぶことが合意文書締結後に明らかになった場合に、JICAは、合意文書に基づき、有償資金協力、無償資金協力、技術協力プロジェクトの変更(停止及び期限前償還を含む)を求めることがあること」を相手国との合意文書に含めることが求められている。

したがって、ダッカ高裁の工事差し止め命令を踏まえ、JICAはガイドラインの規定に従って本プロジェクトに対する貸付実行を停止するべきである。

脚注

※1
https://www.dhakatribune.com/bangladesh/court/2021/09/12/high-court-issues-rule-to-stop-illegal-filling-of-kohelia-river
https://www.thedailystar.net/news/bangladesh/crime-justice/news/hc-issues-injunction-sand-filling-kohelia-river-coxs-bazar-2174296
https://www.newagebd.net/article/148955/hc-bars-sand-filling-in-kohelia-in-coxs-bazar
※2
http://jacses.org/1025/

本件に関するお問い合わせ先

「環境・持続社会」研究センター(JACSES)、田辺有輝
tanabe@jacses.org

 


関連する記事