<プレスリリース>

気候科学の先駆者・真鍋淑郎氏らにノーベル物理学賞

~気候危機の警鐘を受け止め、削減目標を引き上げ、行動変容を~

2021年10月6日

特定非営利活動法人気候ネットワーク

代表 浅岡美恵

 

10月5日、二酸化炭素濃度の上昇が地球温暖化に影響するという予測モデルを世界に先駆けて発表した真鍋淑郎氏が、ドイツのクラウス・ハッセルマン氏、イタリアのジョルジョ・パリ―ジ氏とともにノーベル物理学賞を受賞した。今回の受賞を心からお祝いしたい。

真鍋氏らの気候変動予測研究を根底として、1990年の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第1次評価報告書で地球温暖化予測がまとめられ、今年の第6次評価報告書へと科学的知見が積み重ねられてきた。その科学の進展は、気候変動枠組条約、京都議定書、パリ協定の採択へと、今日までの一連の気候変動対策へと繋がっている。真鍋氏の研究に敬意を表するともに、その功績が讃えられたことをともに喜びたい。これらは政策決定者と地球市民に向けられたもので、科学に基づく気候変動対策の重要性を再認識すべき機会としなければならない。

気候変動の予測や因果関係の研究による警告は、これまで一貫して変わりない。科学が人間の活動と地球の気温上昇の関係性を明らかにし、国際社会は気温上昇を1.5℃に抑えるという目標を定めたにもかかわらず、残念ながら、そこに向けた排出削減の道筋には至っていない。人類が直面する気候危機を乗り越えるだけの温室効果ガスの急速かつ大幅な排出削減は、急務である。温暖化に対処できる最後のチャンスを逃さないために、気候科学が示す警告に今一度目を向け、その緊急性に向き合い、今行動しなければならない。日本を含む世界各国は、パリ協定1.5℃未満をめざし、COP26に向けて、気候変動対策の目標・行動をただちに大幅に強化しなければならない。

以上

 

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【プレスリリース】気候科学の先駆者・真鍋淑郎氏らにノーベル物理学賞~気候危機の警鐘を受け止め、削減目標を引き上げ、行動変容を~(2021/10/6)

 

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