<共同声明>

G7札幌気候・エネルギー・環境大臣会合および広島サミットに向けた共同声明

2023年4月7日
特定非営利活動法人 地球環境市民会議(CASA)
特定非営利活動法人 気候ネットワーク

 3月20日に公表されたIPCC第6次評価報告書統合報告書は、世界全体の温室効果ガス排出量は増加し続け、2011から2020年の世界平均気温は工業化以前から1.1℃上昇したとし、こうした平均気温の上昇が、大気、海洋、雪氷圏及び生物圏に広範かつ急速な変化を引き起こしているとしている。また、温室効果ガスの寄与は国家間及び国内、個人間で不均等であり、その影響は寄与がもっとも少ない脆弱なコミュニティが不均衡に影響を受けているとしている。統合報告書の発表を受けて、アントニオ・グテーレス国連事務総長は、この報告書は気温上昇を1.5℃に抑えることは実現可能だが、気候の時限爆弾は時を刻んでおり、気候行動において飛躍的な前進が必要とし、先進国の指導者は2040年にできるだけ近い時期に排出量正味ゼロの実現を約束するよう呼び掛けている。

 2021年に開催されたCOP26では、「1.5℃までに抑える努力を決意をもって追及する」とし、各締約国に削減目標を2022年末までに、1.5℃目標と整合性をもった目標にするよう再検討し、強化することを要請した。しかし、削減目標を検討し強化した国は少数に止まり、G7の国々では削減目標を強化した国はなかった。歴史的に見て温室効果ガスを大量に排出してきたG7各国は、その排出責任からしても、削減目標を大幅に引き上げ、強化すべき責任がある。昨年12月に設立された「気候クラブ」は、1.5℃目標の実現のために、日本がG7議長国を務める2023年中に、新興国や途上国も含めて始動するとされている。そのためには、G7の国々が率先して削減目標を引き上げることが必要なことはいうまでもない。

我々は、G7の国々、とりわけ議長国である日本政府に以下の点を強く要請する。

  1. COP28までにG7の国々が、自国の削減目標(NDC)を大幅に引き上げることに合意すること。
  2. 石炭火力発電所を2030年までに全廃することに合意すること。さらに、すべての化石燃料火力発電所をできるだけ早い時期に全廃することに合意すること。
  3. 「損失と損害」の基金に積極的に関与し、資金の拠出を約束すること。

※本共同声明は、2023年4月7日「気候危機―パリ協定の『1.5℃目標』を失わないために。COP27からG7、そしてCOP28へ」にご参加いただいた方からの賛同を多数いただきました。

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【共同声明】G7札幌気候・エネルギー・環境大臣会合および広島サミットに向けた共同声明(2023年4月7日)

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