クリーンライティング連合(CLiC)、Climate Action Network、気候ネットワークは、G7サミットの開催にあたり、G7 閣僚に対し、国際的な進展を遅らせようとする日本の試みにかかわらず2025 年までに全世界が LED 照明に移行することを公約するよう要請する意見書を提出しました。

2025 年に世界すべての蛍光灯が廃止された場合、2050 年までに累積 3.3ギガトン の CO2 排出が回避され、電気代にしておよそ約179兆円(1.34 兆米ドル)の節約が見込まれています。

意見書

カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国、米国およびEU上級代表のG7気候、エネルギー、環境担当大臣 各位

クリーンライティング連合(CLiC)は、気候行動ネットワーク(CAN)、気候ネットワークと共同で、2023 年に北海道札幌市で開催される「G7札幌気候・エネルギー・環境大臣会合」に先立ち本意見書を提出いたします。我々は、環境・化学団体、公衆衛生支援団体、青年団、民間企業および気候正義団体からなる幅広い機関や活動の国際的な集合体です。我々は、G7リーダーに対し、「水銀に関する水俣条約」の締約国として、2025年までに直管型蛍光灯の段階的廃止を支持することを求めます。

2023年10月に開催される第5回水俣条約締約国会議(COP5)は、140の締約国が集い、照明による水銀汚染の最大の原因である直管型蛍光ランプの段階的な廃止に合意できる、またとない機会です。2025年によりエネルギー効率の高い直管型LED照明に移行できた場合、2025年から2050年にかけ、198トンの水銀汚染、1兆3400億ドルの電気代、3.3ギガトンのCO2排出、9602テラワットのエネルギー消費を回避できます。

私たちは、G7諸国に対し、2025年までにすべての照明の販売をLEDに移行することを求めます。クリーンライティング連合の新しい報告書によると 、2025年に直管型蛍光灯を廃止することで、3.3ギガトンのCO2排出を回避し、電気代を約179兆円(1.34兆米ドル)を節約することができます(2025年から2050年の累積)。国際エネルギー機関の「ネット・ゼロ・エミッション・シナリオ」の技術計画指針に沿って、また「2035年までに電力部門を完全または優勢に脱炭素化する」というG7の2022年の約束を支持し、G7諸国は2025年までにすべての照明販売をLEDに移行し、蛍光灯の時代を終わらせなければなりません。

我々は、日本日本照明工業会(JLMA)から提出された段階的廃止時期を遅らせる案は、人と環境に多大な損失をもたらすことになるという懸念を抱いています。クリーンライティング連合の報告書によれば、2025年から2027年まで2年間遅らせた場合、回避可能な水銀汚染が世界で36トン、電気代として29兆5千億円(2210億米ドル)の損失が発生することがわかっています。2030年まで5年間遅れた場合、失われる削減効果は約2倍になり、水銀82トン、電気代にして669兆円(5兆米ドル)以上の削減の損失が発生します。さらに1年遅れるごとに、約300メガトンのCO2排出量が失われ、これはフランスの燃料の燃焼による年間CO2排出量に匹敵します。我々は、G7首脳に対し、クリーンな照明への移行をさらに5年間も遅延させる「いつも通りのやり方」を継続するのではなく、移行を促進する政策環境の整備を求めます。

本意見書により、我々は「G7札幌気候・エネルギー・環境大臣会合」の閣僚に対し、10月に開催される「水銀に関する水俣条約第5回締約国会議」での決定を通じて、2025年までに世界中で蛍光灯を段階的に廃止する取り組みを積極的に支援するよう要請します。費用対効果が高く、有害物質を含まず、エネルギー効率の高いLED照明技術への移行は、水銀との闘いにおいて、最も簡単でかつ効果があると考えられます。クリーンライティング連合(CLiC)は、気候行動ネットワーク(CAN)、気候ネットワークと共同で、G7政府に対し、水銀を含まないエネルギー効率の高い照明のグローバルな移行を支持するよう求めます。

我々は日本に対し、2025年の世界的な蛍光灯の段階的廃止を支持、または、水俣条約における適用除外を申請し、世界的なLEDへの移行を妨げず、条約の締約国が地球の気候と人間の健康を保護できるよう行動することを要請します。

アナ・マリア・カレーニョ

ディレクター

クリーンライティング連合(CLiC)

タスニーム・エソップ

エグゼクティブディレクター

気候行動ネットワーク(CAN)

浅岡美恵

代表

気候ネットワーク

※本文中の円表記は2023年4月12日の為替レートです

参考

環境NGO G7閣僚に2025年までに「水銀フリー」のLED照明への移行を公約するよう要請(PR TIMES)

意見書のダウンロード

2025 年までに全世界が LED 照明に移行することを公約するよう要請する意見書

お問い合わせ

クリーンライティング連合(CLiC)(https://cleanlightingcoalition.org/

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