20140604bonn

国連気候変動ボン会議

2014年6月4日(水)から6月15日(日)にかけて、ドイツのボンにて、国連気候変動会議が開催されました。ボンでは、次の3つの会議体で並行して交渉が行われました。

1つの特別作業部会

  1. 行動強化のためのダーバン・プラットフォーム特別作業部会第2回会合第5部(ADP2-5)

2つの補助機関会合

  1. 実施に関する補助機関第40回会合(SBI40)
  2. 科学上及び技術上の助言に関する補助機関第40回会合(SBSTA40)

ボン会議への期待

 ボン会議では、2013年末のワルシャワ会議(COP19/CMP9)の結果をもとに、2014年12月のリマ会議(COP20/CMP10)、そして2015年12月のパリ会議(COP21/CMP11)につながるよう、議論を前進させることが期待されていました。また、会期中にはハイレベルの閣僚級会合も開催され、気候変動対策に対する各国政府の政治的な意思が高まることも期待されていました。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の各作業部会の最新報告が出揃ってから初めて開催される会議でもあり、最新の科学的知見をもとにどのように議論が展開されるかも注目されました。

ボン会議の結果~全体としては前向きに議論が進む

ADPでは、これまで2つの議題(ワークストリーム)に分かれて議論をしていましたが、今回、初めて一つの公式な交渉の場(コンタクト・グループ)が設置されました。コンタクト・グループでは、2015年合意の要素や、2015年3月までに提出が求められている2020年以降の国別目標案 について議論が行われました。先進国の責任を強く追及する一部の途上国の主張で実質的な議論が停滞した場面もありましたが、全体としては前向きな雰囲気で議論が進みました。

2つのSBでは、途上国の森林減少と劣化からの排出量削減等(REDD+)や損失と被害(loss and damage)、長期資金、長期目標に関する2013~2015年の見直しなどの個別の論点について議論しましたが、多くの議題で結論を先送りし、リマ会議での負担が大きくなる結果となりました。

今後に向けて

次の会議は、2014年10月20日から24日にかけてドイツのボンでADP2-6が開催され、12月にリマ会議(COP20/CMP10)が開かれる予定です。それに先駆け、2014年9月23日には国連事務総長主催の気候サミットが開催される予定であり、各国が気候変動対策への気運を高めることが求められます。

 

ボン会議の結果と評価

ボン会議の概要、結果と評価をまとめ、日本の今後の課題について提言を行っています(A4・10ページ)。

ボン会議(SB40/ADP2-5)の結果と評価(2014/07/28)

 

会議場通信Kiko

温暖化問題の国際交渉の状況を伝えるための会期内、会場からの通信です。

SB40/ADP2-5通信 ボン No.1(2014/6/6)

SB40/ADP2-5通信 ボン No.2(2014/6/13)

 

日本政府に提出した要望書「2030年目標の早期検討開始のお願い

日本で気候変動問題に取組む環境NGO11団体がつくる「Climate Action Network Japan(CAN-Japan)」が、ボン会議期間中の6月5日に北川環境副大臣と日本政府代表団に提出した要望書です。

 

環境NGOの国際的なネットワーク"CAN"の記者会見~日本を名指しで懸念表明~

ボン会議期間中の6月14日、環境NGOの国際的なネットワークであるCAN-Internationalが記者会見を行い、日本を名指しし、2015年3月までの目標案提出の意思を表明していない大排出国があることに懸念を表明しました。会見のようすは、国連気候変動枠組条約ウェブページよりご覧いただけます(Windows Media Playerが必要です)。

*下の埋め込み動画で視聴することも可能です(Windows Media Playerが必要です)。

 

 

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