【発表報告】増やせ、自然エネルギー100%大学!@COP25ジャパン・パビリオン

気候ネットワークのインターン・自然エネルギー100%研究会の塚本です。

COP25マドリード会議に参加中で、会場内でこのブログを書いています。

さて、12月9日17時半より、COP25マドリード会議のジャパン・パビリオンにて、「Increase! 100% Renewable Energy University(増やせ!自然エネルギー100%大学)」と題して、60分間の講演を行いました。

発表の様子(写真:田勢奈央)

COP25マドリード会議に参加中

市場メカニズム、共通のタイムフレーム等々、様々な交渉の論点に注目が集まるCOP25マドリード会議。パリ協定の実効性を高めるためにも、ルールブックの詳細に時間をかけることは、非常に重要です。

同時に、#Stepup (各国の温室効果ガス排出削減目標の引き上げ)、脱石炭の緊急性についての要請が、会議場内外で大きな高まりを見せています。

日本の石炭推進政策への批判は特に強烈で、日本は会議期間中に、2度も不名誉な化石賞を受賞してしまいました。

「日本の高い技術なら石炭OK」という人も未だにいるようですが、科学は石炭火力の継続とパリ協定1.5〜2℃目標の実現が両立しないことを明らかにしています。

また、実用のめどがたっていないだけでなく、コストが高過ぎて誰も商業ベースでやりたがらない「炭素回収・貯留(CCS)」技術をあてにする夢見がちな考えがあることにも驚きます。

実際に気候変動が進む時代に生きることになる将来世代としては、世界が2050年よりも早い段階で脱炭素化し、全アクターによる、電力・熱・輸送における自然エネルギー100%を実現することが緊急的に求められると思っています。

「大学の脱炭素化」調査を実施

そこで、「大学」という一つのアクターに注目し、自然エネルギー100%研究会として、今年4月より「大学の脱炭素化」をテーマに調査を開始しました。

本調査の目的は、大学の脱炭素化を加速することにあります。

大学を対象とした理由の一つとして挙げられるのが、学術機関・教育機関として社会的規範を示すはずの大学が、世界の温暖化対策に逆行する経営・教育活動を行っているのではないか、という問題意識です。

調査内容としては、千葉商科大学やニューヨーク州立大学バッファロー校を対象とした先進事例調査や、関西の全大学(151校)を対象にしたアンケート調査等の活動を行ってきました。

 

 

 

 

 

 

 

ニューヨーク州立大学バッファロー校メガソーラー(写真:筆者)

COP25で発表!自然エネルギー100%大学アンケートの内容と結果とは?

そこで、COP25マドリード会議の機会に、ジャパン・パビリオンで、自然エネルギー100%大学のアンケート調査結果を発表しました。

アンケート調査方法

アンケート調査票は、主に4つの考え(パワーシフト・創エネ・省エネ・自然エネルギー100%への関心)に基づいて作成しました。

筆者発表スライドより

アンケートでは、「年間の電力使用量と電力創出量の比較」「自然エネルギー自給率やその達成目標」「自然エネルギー100%に関する議論の有無」等について質問しています。

アンケート調査結果:関心は低い!

調査を終えた段階の概観として、(関西の)大学の温暖化対策への関心は、低いという印象を受けています。

調査から得られた知見として、次の点が主に挙げられます。

  1. 電力調達基準の低さ
  2. 自家発電設備投資のインセンティブの弱さ
  3. 経費削減を目的とした省エネへの関心が高い
  4. 自然エネルギー100%・自然エネルギー導入への関心が極めて薄い

これらの理由として、資金不足・専門的な人材の不足・大学関係者が温暖化対策に関心が薄いこと、等が挙げられています。

年度末までに関西・関東でそれぞれ一度ずつ、調査報告会を開催予定ですので、追ってお知らせします。

その際には、調査結果や今後の対策について、より詳細にご報告します。また報告会にて、調査報告書を配布できるように準備します。

脱炭素化に向けた日本の姿勢ははまだまだ弱いですが、COP25マドリードであがる「脱炭素」「野心引き上げ」の声に、日本の大学も応えなければいけませんね。

気候危機の最前線:台風19号の災害復興ボランティアに参加して〜福島県郡山市〜

こんにちは、京都事務所の防災士・広瀬です。

災害復興ボランティアの経験からの学び

防災士としての活動は2年目を迎えました。これまで災害復興ボランティアとして岡山県真備町で家財の搬出、大阪北部地震後の地域ニーズ調査などの経験をしてきました。

最初は、少しでも被災された方々のお役に立ちたいという思いが大半でしたが、現地に行くことで多くの学びがあることもわかって来ました。その学びを日々の活動に役立てることがいかに重要なのか考えるようになってきました。

今回、台風19号による豪雨によって被災地となった福島県郡山市に行き、災害復興ボランティアに参加してきました。この活動から学んできたことをここに記します。

福島県郡山市の被害実態

私がボランティア活動をしてきた福島県郡山市では、阿武隈川が氾濫し、死者6名、浸水被害 推定最大約 21,331 世帯、床上浸水 6,124 件、全壊 754 件という大きな被害情報が発表されています。

本当に大変な被害です。気候危機はすでに起きていて、私たちの生命や財産、生活を壊している現実を直視する必要があるのではないか、と感じます。被害に遭われた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

気候災害の復興ボランティアに参加

さて、今回、京都府社会福祉協議会が準備してくださった京都府災害復興ボランティアバスを利用し、41名のボランティアさんと共に1泊4日(車中2泊)活動してきました。

被災した住宅の泥出し作業をお手伝い

今回の活動では、1軒の家にまる2日かかってようやく泥出しが完了という結果でした。

床下に積もった泥は、田植えの泥と同じ粘りで、長靴の高さを超える50センチほどの深さでした。床板は外されていて、床の梁と梁の間に入っての作業はバランスを取るのも一苦労でした。作業を始める前に、泥の匂いが梁や柱に染み込まないよう、京都から運んできたブルーシートで丁寧に養生しました。さらに、掻き出したあとの土砂をすぐに持ち出しできるよう土嚢袋が大量に準備されていました。

写真:京都ボランティアセンター

復興が続いていくために、想像力を働かせる

住む人ができるだけ早く気持ちよく暮らせるようになるために、これまでのボランティア活動から引き継がれてきた細やかなノウハウを、ボランティアリーダーさんから教わりました。

今回私が参加した作業はあくまでも全体から見るとほんの一部。次の作業の人へバトンを渡す際に想像力を存分にはたらかせ、思いを伝えていくことも大切なことだと気づきました。

装備には意味がある

私たちボランティアが作業できる時間はたった2日間です。効率よく安全に作業を進めて行くためには、道具や装備をきっちりと整えることが重要です。

NPO法人レスキューストックヤード『水害ボランティア作業マニュアル』

どこから釘が出ているかわからないので、踏み抜き防止のソールを入れたながぐつ。手を保護するだけではなく、スコップで掻くときに水ぶくれを防ぐためにも革手袋。どこからものが落ちてくるかわからないためにヘルメット着用。さらに水害では特に感染症を防ぐための防塵マスク。目を保護するためのゴーグルも必要です。それ以外にも床下へ潜り込んでも視野が開けるためのヘッドライト、体に負担がかからないためにニーパッド。

大変な装備に見えるかもしれませんが、決して大げさではありません。万が一、怪我をしてしまったらその時点で活動はできなくなってしまうのです。

今回の作業ではこれらの装備を全て有効に使う事ができました。事前にボランティアセンターから準備物を教えて頂いていたことが怪我なく効率よく作業を進めることにつながりました。

土砂の入った土嚢袋は、本当に重い

私は農家の出身です。重いものを持つのは慣れているはずです。ところが、土嚢袋は、本当に本当に重いんです。

今回のような浸水の被害の場合、土砂は乾燥する前にできるだけ早く掻き出す必要があると言われています。乾燥してしまった泥は、コンクリートのようになり、ツルハシで砕いてかき出さなければならないため、作業が非常に困難になると言われています。

土砂は、水を含んでいるため、非常に重いのです。①スコップですくう→②手箕で運搬する→③土嚢袋に入れるという作業を繰り返していると、途中で挫けそうになるほどでした。

土嚢袋に入れた泥は、約15kg~20kg程度でしょうか。それを一つ一つ積み上げて、作業終了後には、見上げるくらいの高さになっていました。作業1日目の夜、私は全身に湿布を貼り2日目に備えました。

写真:京都府災害ボランティアセンター

2日目に入ると、チーム力で作業が捗る!

大変な泥掻きでしたが、ボランティア活動が2日目に入るとチーム力が増してきて、効率がさらにUPしました。

角材を梁に渡すことで、アナログコンベアのようなものが登場しました。角材2本の上に泥を入れた手箕を置いて滑らしていくことで、作業スピードが上がったのです。やはり人間は学習していくんだなと感動しました。そのことで、みんなのやる気が更に向上し、あっという間にいちばん底のコンクリート迄たどり着きました。

手づくりの雑巾に元気づけられる

今回の作業の立役者のひとつは、特別な「雑巾」です。

この雑巾は、ただの雑巾ではありません。今回、京都のとある高齢者施設からのご寄付でいただいた特別なものです。手縫いの雑巾500枚は、とても使いやすく、思いがこもった雑巾でした。

この雑巾に元気づけられ、丁寧な作業に繋がりました。このような支援の仕方があるのだと、コーディネートしてくださったボランティアセンターのスタッフさんに学ばせていただきました。ついに、泥の塊は1つもなくなり、泥だらけになった養生ブルーシートもピカピカに拭き上げる事ができました。

雑巾で拭き上げた床下
写真:京都府災害ボランティアセンターより

 

 

住人の方から感謝の言葉をいただくも、復旧は遠く…自然の脅威を思い知る

2日目の作業が終わりの時間を迎える頃、2日間ずっと一緒に作業を見守り、泥掻きをしてくださっていた住人の方から感謝の言葉をいただきました。最後の方は少し涙ぐまれていて、「もとの生活に戻れるまではまだまだ道のりがあるけれど、一歩前に進めました」という言葉に私も胸がいっぱいになりました。

しかし、この被害を引き起こしたのは、たった一晩の豪雨です。41人がかりで丸2日間の作業をもってしても、1軒のお家の完全な復旧にはまだまだ程遠く、自然の脅威を思い知ることとなりました。

ままどおるに込められた思い

京都に帰るボランティアバスの中で、家主の方からお手伝いの御礼にと、福島県郡山市の銘菓「ままどおる』というお菓子をいただきました。

「技術の前に良質な原料あり」という創業者の思いが詰まっているお菓子です。1967年から発売されたこのお菓子が、今日まで愛され続けている理由は、質のいい大豆と卵と小麦を絶妙なバランスで作られているからだそうですが、その良さは食べてみてすぐにわかります。このお菓子に込められたメッセージを、私なりに噛み締めてみました。

撮影:広瀬

どれほど災害に備えていても、このまま地球温暖化が進めば、将来にはもっと大きな災害が発生すると考えられています。被災地からのメッセージをしっかりと受け止め、より多くの人々が、科学的根拠に基づいた情報を正しく理解し、対策やCO2削減を進めていくことが持続可能な社会を築くのだと感じています。

そんなことを考えながらままどおるを味わいました。

応援してくれた仲間に感謝

今回、ボランティア活動に参加する私に、気候ネットワーク京都事務所の仲間から応援をいただきました。気候ネットワーク21周年を記念して作った手ぬぐいに励ましのメッセージを書いて持たせてくれました。途中苦しい時も休憩の合間にその言葉をみて励まされました。私の宝物となりました。

メッセージ付きの手拭い 撮影:広瀬

もうすぐ師走です。被災地のみなさまのことを考えると、長期的な復興支援が必要です。復興状況や季節の変化にあわせて変わっていくニーズに、何かお手伝いができることがあるかも知れません。同時に、台風被害をますます悪化させる地球温暖化を止めることが必要でしょう。

そんなことを日々考えながら、防災士として活動を継続していきます。

今でも災害復興ボランティア募集中

11月末現在、福島県、長野県、栃木県などではまだまだ屋内の掃除・家財搬出・泥だしのニーズがあるようです。

お手伝いできる方は、次のページをチェックして、ぜひ復興ボランティアに参加してみてください(各地のボランティアセンターでは、被災地のニーズ調査に基づいて作業が行えるようコーディネートしてくださいます。本当に大切な役割だと感じます。)。

台風15号、19号、10月25日からの大雨災害ボランティア募集状況(全国社会福祉協議会 地域福祉部/全国ボランティア・市民活動振興センターのウェブサイト)

 

台風と地球温暖化〜危機の根本原因に目を向ける〜

台風・豪雨の被害に遭われている皆様に心よりお見舞い申し上げます。

近年の台風や豪雨は、日本各地に甚大な被害をもたらしています。今月のスーパー台風・台風19号では、交通網、住宅、工場、農業などビジネスに破滅的な被害がありました。農林水産関係だけでも、被害総額は1000億円以上。86人にのぼる人命も奪われました。

激化する台風に、「もしや地球温暖化の影響?」との声も聞こえてきます。では、台風と地球温暖化にはどんな関係があるのでしょうか? 続きを読む 台風と地球温暖化〜危機の根本原因に目を向ける〜

今なぜ、気候変動「訴訟」?(第2回)

京都事務所でお世話になっておりますボランティアの一原です。前回から、日本そして世界全体で今増加している気候変動訴訟について、ご報告させていただいています。(第1回はコチラ

第2回は、実際にどのような訴訟が世界で起きているのかについてご紹介したいと思います。 続きを読む 今なぜ、気候変動「訴訟」?(第2回)

台風19号接近 早め早めの対策が大事!

こんにちは、京都事務所の防災士広瀬です。

10月だというのに、ここしばらくは、まだまだ半袖で過ごせるほどの陽気です。日本の南海上には心配な台風が・・・
早め早めの避難が大切。

みなさん、自分の命を守るための準備をしてください。 続きを読む 台風19号接近 早め早めの対策が大事!

Climate Reality 東京トレーニングに参加~人生でアル・ゴアさんに一番近づけた日~

どうも!インターンのテイラーです!

先週は、日本において気候変動問題史上に残る大イベントが開催されました。そして個人的にも感慨深い経験をさせて頂きました。

第43回The Climate Reality リーダーシップ・コミュニティ・東京トレーニングです。日本初!アル・ゴア元副大統領が創設者兼会長をつとめるThe Climate Reality Projectという団体が行う、気候変動問題の解決に向け今後活動するクライメート・リーダーを育成するプログラムです。 続きを読む Climate Reality 東京トレーニングに参加~人生でアル・ゴアさんに一番近づけた日~

グローバル気候マーチ〜日本とフィンランドの環境意識の違い〜

気候ネットワークインターンの山下さんからの特別寄稿です!


国連気候サミットを目前に控え、グローバル気候マーチが9月20日から世界的に行われます。それに際し、日本で参加したFridays for Futureでの自分の中での心の移り変わりと私が感じたフィンランドと日本での意識の違いに焦点を当て、記事を書きたいと思います。 続きを読む グローバル気候マーチ〜日本とフィンランドの環境意識の違い〜

英国大使館員、気候危機の解決を訴えるため、富士山への過酷なチャレンジ!

英国大使館に勤める2人の職員が、あるチャリティーイベントを独自に企画しています。それは、48時間以内に、東京から富士山の5合目までを自転車で走り、5合目から山頂までの登山を終えて、東京まで戻ってくるというものです。

続きを読む 英国大使館員、気候危機の解決を訴えるため、富士山への過酷なチャレンジ!

海での温暖化現象:サンゴに忍び寄るマイクロプラスチック汚染

気候ネットワーク東京事務所の鈴木です。

海のマイクロプラスチックが問題視されています。プランクトンを食べる魚が間違ってプラスチックを食べて体内に蓄積してしまうだけでなく、プランクトン自体がマイクロプラスチックを取り込んでしまっているとの報告もあり、そうなると、魚は直接的にも間接的にもマイクロプラスチックを食べていることになります。そして、マイクロプラスチックの汚染は、なんとサンゴにも及んでいました。 続きを読む 海での温暖化現象:サンゴに忍び寄るマイクロプラスチック汚染

自然エネルギーでつくられた線香「馬場水車場のお香」がすごい!

災害レベルの記録的な猛暑が猛威を振るっていますが、いかがお過ごしでしょうか。このお盆休みに帰省して、家族や親戚と過ごす方もいらっしゃることでしょう。この時期、仏教徒のうちにとっては、仏間と線香の香りは切っても切り離せないもの。蚊取り線香もこの季節ならではです。

というわけで、今回のテーマは、「線香」。お世話になっている環境ジャーナリストの佐藤由美さんに教えていただいた、「馬場水車場のお香」について紹介したいと思います。 続きを読む 自然エネルギーでつくられた線香「馬場水車場のお香」がすごい!

市民のチカラで、気候変動を止める。