あと4年、未来を守れるのは今。4月22日、緊急気候マーチに参加しよう!

 気候変動対策を日本が強化するために、今、非常に重要なタイミングを迎えています。

 そう。「エネルギー基本計画」の改定があるからです。

 2020年12月10日から、環境NGOや市民・若者グループなどが合同で、2021年のエネルギー基本計画や地球温暖化対策計画の改定に合わせ、パリ協定と整合的な削減目標とエネルギー政策の見直しを求めるキャンペーン「あと4年、未来を守れるのは今」を展開しています。

 このキャンペーンの期間中、より多くの署名を集めるため、気候ネットワークでも署名の協力を呼びかけてきました。現時点で14万筆を越える勢いで集まっています。これを読んでくださっている方、もし署名をまだしていないという場合は、是非署名をお願いします!

エネルギー基本計画に市民の意見を!

 さて、このキャンペーンを知らなかったという方のためにも、最初にざっくりと概要をご紹介しておきたいと思います。

 日本のCO2排出量の9割以上はエネルギー起源(化石燃料を燃やしてエネルギーとして使う)です。そのため、日本のエネルギー政策の根幹となっている「エネルギー基本計画」は、パリ協定の1.5度目標と整合的な排出削減目標と道筋を形づくる上で、極めて重要です。

 そこで、このエネルギー基本計画の改定のタイミングが非常に重要だと考えた環境団体や若者たちが一緒になって、国民的議論を巻き起こそうとはじめたのが「あと4年、未来を守れるのは今」のキャンペーンです。 

 現在、エネルギー基本計画の議論は、経済産業省の審議会「基本政策分科会」で行われていますが、この分科会の事務局は原発や石炭火力を推進してきた経済産業省であり、委員会の構成メンバーも経産省やエネルギー関連産業の強い意向を汲んだ人が多数選ばれています。気候科学に基づく主張をする環境NGOや、気候変動の被害を直接受けるリスクが高い若者たちの声が議論に反映される余地がありません。

 気候変動は、本当に今危機的な状況を迎えています。明らかに昔とは違うレベルの異常気象が各地で発生し、多くの命や生活が奪われているのです。気候変動は科学者が予測していた以上のスピードで進行し、大気中のCO2濃度は400ppmを越え、人類史上経験のないレベルに達しています。すでに産業革命前から1度以上気温が上昇し、早ければ2030年までには1.5度の上昇に達してしまうと言われています。パリ協定で定める1.5度目標には、世界全体の温室効果ガス排出量を2010年比で2030年までに45%削減、2050年までに実質ゼロにする必要があります。これまでたくさんのCO2を出してきた先進国である日本は、それ以上の削減が必要でしょう。対応するのは、まさに「今」です。

2050年カーボンゼロ宣言の意味は?

 2020年10月に菅義偉首相が、2050年に温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを宣言しました。しかし、2050年ネットゼロ目標を設定するだけでは、気温上昇1.5度抑制を実現することはできません。政府の本気度が問われますが、審議会の議論では、原子力政策強化、水素・アンモニア混焼の火力発電、CCUS(炭素回収利用貯留)やカーボンリサイクルといった、まだ未確立の技術のイノベーション頼みになっています。また、2030年の削減目標の深堀には言及されていませんし、2050年に向けたエネルギーシフトに向かっていないことが見てとれます。

 私たちは、市民社会全体で気候危機を乗り越えるためのうねりをつくり、政策を変えていくために行動を起こさなければなりません。

  4月22日に、米国バイデン大統領主催の気候サミットが開催される予定です。日本でもこの機会にあわせて温室効果ガスの削減目標を掲げるよう市民社会として声をあげるため、若者たちが中心になってデモを企画し、すべての世代の人たちに参加をよびかけています。

 ぜひ、万全のコロナ対策の上、お近くでのアクションにご参加ください!(地元でアクションが予定されていない場合は、ご自身で企画してみてください!)

 緊急気候マーチ0422プレスリリース

「長く着る」をトレンドに 進化型古着屋が提案する新しいファッションの形

連続オンラインセミナー「2030年の私のために、今できること」第6回は (株)ヒューマンフォーラム 進化型古着屋“森”ディレクターの井垣敦資さんをお迎えし、「環境」×「ファッション」をテーマに熱い想いを語っていただきました。

ファッション・古着業界の現状

ファッションってそもそも何?
井垣敦資氏  ㈱ヒューマンフォーラム 進化型古着屋”森”ディレクター 兵庫県姫路市出身。ファッション業界で23年、数々のブランドに携わり現在は「進化型古着屋 森」、RECIRCLE STUDIOのディレクションを⼿がける。2020年 12⽉より京都のユースカルチャーを発信するメディアOUT in KYOTO編集長

最近のファッションで思い浮かべるのは、ファストファッション、流行、トレンドなど華やかなイメーだと思います。反面、ファッション産業は石油産業に次いで環境を汚染していると言われ、ネガティブなイメージを持つ人もいるかもしれません。一般的に、特定の人に受け入れられ普及した社会現象や生活様式をファッションと言います。ファッションの語源はラテン語factioで、もともとは「作ること」「事を成す」という意味です。社会情勢や時代の空気とともに移り変わる、これがファッションの醍醐味です。原料から流行の服へと変化する過程で色々な付加価値を発生させ、大きく経済を動かすのがファッション産業です。ちなみに、アパレルという言葉は、フランス語のappreiller(適合させるという意味)に由来します。ファッションとアパレルは似ているようで意味は違います。1950年代以降、アパレルとは既存服の市場のことを言います。

アパレルの需給バランスを年代別に見ると

2018年、国内生産と海外からの輸入を合わせ29億着の服が日本で調達されています。1990年は11.9億着なので、過去30年で約3倍に調達数量が増えたことになります。消費数量は、2018年は13億着、1990年は11.5億着なので大きくは増えていません。1年間で1人あたり23着の服が作られ、消費されるのは13.5着です。つまり、たくさん作られ、あまり買われずに、捨てられている、これがアパレル業界の現状です。

不要になった服はどうなる?

家庭で不要になった衣料の70%は燃えるごみや燃えないごみとして処分され、30%はリユース・リサイクル目的で回収されています。リユース・リサイクル目的のうち、11%を占めるのが市町村による資源回収や、補助金を受けた団体が実施する集団回収です。最近では店頭での回収、消費者がネットオークションや、リユースショップを通じて直接売ることも増えてきています。

海外に輸出される中古衣料

消費者から回収された中古衣料は古紙問屋業者を経て、故繊維業者から再販売や輸出されています。中古衣料の日本の総輸出量は1990年で5.4万トン、2018年には約5倍の24万トンに増えています。中古衣料はアメリカ、イギリス、ドイツなどからも輸出されています。つまり、たくさん作られ、あまり売れなくて、国内では処理しきれずそれを輸出しているのです。一方、パキスタンやマレーシア、ガーナ、ケニアなど中古衣料を多く輸入しています。日本が高度成長期には繊維産業で国が栄えたように、国の発展のためには繊維産業は欠かせません。しかし、良質な古着が海外から輸入されているアフリカの国々では繊維産業はなかなか発展していません。なぜなら、丈夫でスマートな中古の服を着ていたほうがいいという価値観になっていて、アフリカの繊維産業が盛り上がらないという現状があるからです。これが古着業界で起こっていることです。

USEDを拡張する進化型古着屋“森”の取組み

これまでシーズンごとに新しいトレンドを作ってカラーや素材を打ち出し、消費を促してきました。マーケットが求めるからどんどん作るのがファッション産業の構造でした。しかしコロナによって、今ファッション産業が変わろうとしています。

京都市北部の京北町にて。モデルは全て古着を着用。㈱ヒューマンフォーラムはこの町で13年前から無農薬米を栽培し、同社が運営するmumokuteki cafe で提供している。
長く洋服を着ることを文化に

単純に、みんなが長く洋服を着るのがいいと思うことで、ファッション産業が変わるだろうと考えました。そして、古着を扱っている僕たちがもう一度立ち返って、“森”でやりたい古着のありかたを始めたのが2019年3月です。僕たちも少なからずコロナの影響を受け、2020年12月に大阪から京都に移転しました。“森”が普通の古着屋と違うのはRE;CIRCLE STUDIOというリメイクスタジオが店内にあることです。そこでは洋服のお直しやカスタマイズをお客さんから受けたり、汚れたり破れたりした洋服をリメイクしアップサイクルして商品として出し直しています。“森”で大事にしているのは、「洋服を長く着ることを文化にしたい」という思いです。このファッション産業に対する全く違う価値観でビジネスをやっていけるのかという話もあります。しかし、いくらファッションがサステナビリティ、トレーサビリティを追求し、色んな新技術を駆使したとしても、みんなの価値観が変わらない限りそれは続いていくのではないかと僕たちは考えました。そして、扱っている古着に意味をもう一度持たすために6つのREを提供することにしました。

RE;THINK   意味を捉える、ストーリーを作る
アランセーターには安全と大漁を願う女性たちの祈りが込められている。

たとえば、古着のアランセーター。アランニットはフィッシャーマンニットとも呼ばれ、荒れた海に漁へ出る夫の安全と大漁を祈ってアラン諸島の女性たちによって編まれたニットです。もしも漁師が亡くなった時、着ているセーターで誰か判るように、家紋のように家庭ごとに編み柄が違います。こうやってストーリーを与えることで、服に対しての愛着が湧くと僕たちは考えています。古着の可能性を伝えていく場として、店頭でお客さんとのコミュニケーションも大切にしています。

RE;MAKE   再び作る

“森”店内のリーサークルスタジオでリメイクもしています。アランセーターの汚れているところ、破れているところを継ぎ合わせて、パッチワークのニットにアップサイクルしています。今、人気があるのが、京都紋付さんと協業して、黒より黒い深黒染(しんくろぞめ)です。ベージュの汚れたセーターも、黒染めによってきれいに生まれ変わりました。

RE;CIARCLE STUDIOでアランニットをパッチワークでアップサイクル
黒染めにより、新黒に生まれ変わった

RE;NTAL   共有する

洋服を長く着ることに共感してもらいたいという思いから、レンタルサービス、サブスクリプションサービスを始めました。森メンバーズは月額5000円で古着を5点レンタルできます。リペアやお直しが1点まで無料、黒染めが特別価格でできます。今はコロナでワークショップができませんが、藍染め、リネンの機織りなどのワークショップにも無料で参加できます。

RE;CREATE   未来のUSEDを作る

リクリエイトは、未来のビンテージを作ること。mori kinseiというブランドで、国内で、カットソーとコートを作っています。10年着られるカットソーを目指し、肉厚の生地でよれない、のびないように首回りを何回もサンプルアップして作りました。匂いやシミや黄ばみが出ないように、抗ウイルス加工を施しました。コートも10年20年着てほつれたら直すということを文化にしたいという思いで時間をかけて作っています。“森”はただの古着屋ではありません。洋服を長く着る文化を創るために、いろいろなサービスや商品を開発しているところです。

これからの世の中に対して、大事な話

次に最近のファッション業界全体についてお話します。コロナになってから、特に都心部でも、大企業の倒産や閉店が起きています。例えコロナがなかったとしても、こうなっていたのかなというのが僕の個人的な意見です。成長し続けなければならないという経済の下、売れないものも欲しいと思わせ、大量に作って、消費し、捨てるということをしてきました。しかし、それは持続可能ではありません。これまでの経済が限界に来ているように思えます。そうではない社会のあり方を模索していく必要性が、特にファッション業界にはあると思っています。だから僕たちは、古着に意味を持たせて長く着るという価値観にシフトする啓蒙活動をやろうとしているのです。

ファッションだからできること

ファッションは時代の空気を捉えて作り出す物だと僕は思っています。生活必需品のみ売れるということが、今マーケットで起きてきています。しかし、個人的には意味のあるもの、ある種無駄なものも大事だと思っています。機能性や利便性だけではなく、誰かに語りたくなるようなストーリーがあるもの、愛着を持って着続けられるものはきっと皆さんにもあるはずです。それを探してほしいのです。ものを選ぶこと、買うこと、あるいは逆に買わないことも、深く動機を考えることが大切です。むちゃくちゃ好きなもの、応援したいものにお金を使うことは、これからの世の中を形作っていくと思います。ファッションにはこれからの時代に必要な価値観を伝播していく力があります。ファッションの語源は「事を成す」です。ファッションを通じて持続可能な社会を、僕たちの観点から提案し続けていきたいと思っています。

セミナーご参加のみなさま、ありがとうございました!

●進化型古着屋”森”さんの素敵な取組みをもっと知りたい方は、こちらのURLからアクセスしてください。
株式会社ヒューマンフォーラム:https://www.humanforum.co.jp/進化型古着屋”森”: https://mori-store.net/

海の環境汚染:モーリシャス沖 貨物船「わかしお」座礁

東京事務所の鈴木です。今回はいろいろありましたが、海の大事件を振り返ってみました。

さまざまな海の環境問題がありますが、7月にインド洋の島国モーリシャス沖での貨物船「わかしお」が座礁した事件(あえて事件と言っておきます)は2020年の衝撃的なニュースのひとつです。大型タンカーの座礁による悲劇は過去にもありましたが、日本の会社が所有する船が、貴重な環境保護海域であり世界でも有数の観光地でもあるモーリシャスで問題を起こしたため、連日、日本のメディアにも取り上げられました。あれから、約5か月。事件を振り返ってみます。 続きを読む 海の環境汚染:モーリシャス沖 貨物船「わかしお」座礁

京都エコマップを立ち上げた、ロビンさんとルークさんの思い

京都事務所の深水です。
2020年6月からスタートした連続オンラインセミナー「2030年の私のために、今できること」を担当しています。このセミナーでは脱炭素社会の実現に向けて、「電気」「食」「防災」など暮らしに身近なテーマから、すぐにできるアクションを提案しています。

第5回は「自分の住む街のエコを知ろう!」をテーマにお届けしました。アメリカ人のロビンさんとイギリス人と日本人のハーフのルークさん、一般市民の立場から二人が手掛けた「京都エコマップ」にはどのような思いがこめられているのでしょうか。二人にお話をうかがいました。 続きを読む 京都エコマップを立ち上げた、ロビンさんとルークさんの思い

アフリカで感じた気候変動の脅威と不条理

皆さん、こんにちは。インターン生の武井七海です。

インターンを始めて2か月が経ちました。気候ネットワークの活動は沢山のスタッフとボランティアの方々に支えられていると日々実感しています。そんなスタッフやボランティアの方々で、月に1回”Kiko研究会”という気候変動に関する勉強会が開催されています(通称Kiko研)。

前回、前々回はスタッフの延藤さんがお話してくださったのですが、今回は私が発表しました!私は昨年末まで西アフリカのベナン共和国で1年強、有機農業の普及活動をしていました。なので、今回はベナンってどんな国?という話からベナンで感じた気候変動の脅威と不条理についてまで幅広く話しました。その発表内容をまとめたものをブログにも書きたいと思います。Kiko研に参加されていない方にも、アフリカにおける気候変動の影響を知っていただけると嬉しいです。 続きを読む アフリカで感じた気候変動の脅威と不条理

自然エネルギー学校・京都2020―地域でできる?!自然エネルギー100%―

 こんにちは! 8月から気候ネットワークでインターンをしております、佐野栞です。9月12日に、自然エネルギー学校・京都2020の第4回「地域でできる?!自然エネルギー100%」がオンラインで開催されました。講師は京都大学の諸富徹さんと株式会社イー・コンザルの榎原友樹さんです。今回もそれぞれの講師による講演、質疑応答、少人数での交流会というプログラムで行われました。この会のもようを、初めて参加した一学生の視点から記してみます。 続きを読む 自然エネルギー学校・京都2020―地域でできる?!自然エネルギー100%―

第5次男女共同参画基本計画について気候変動の視点から考えてみた

9月7日まで、政府は、第5次男女共同参画基本計画(素案)についてのパブリックコメント(意見募集)を実施しています。そこで、気候変動の視点からこの計画案について考えてみたいと思います。 続きを読む 第5次男女共同参画基本計画について気候変動の視点から考えてみた

自然エネルギー学校・京都2020―自宅でできる?!自然エネルギー100%―

暑い日が続きますね。皆さん如何お過ごしですか。

初めまして。今月から気候ネットワークのインターンシップに参加している武井七海です。インターン開始日でもある8月1日に自然エネルギー学校の第3回「自宅でできる?!自然エネルギー100%」がオンラインで開催されました。講師は国立環境研究所の小端拓郎さんでした。小端さん、ありがとうございました!今回は小端さんの講演の後に、質疑応答を挟んで、少人数に分かれての交流会が行われました。 続きを読む 自然エネルギー学校・京都2020―自宅でできる?!自然エネルギー100%―

気候危機を防ぐために!徳島のおばちゃんたちの挑戦

7月1日、四国4県で、テラエナジーでんきが供給開始されました。これに先立つ6月29日、あわエナジーとテラエナジーは、徳島市内の興源寺で記者発表を行いました。

あわエナジーは、徳島での再生可能エネルギーの普及を目指す市民団体です。当時15歳だったグレタさんが始めた気候ストライキ、そして世界中・日本にも広がった若者たちによる「未来のための金曜日(Fridays For Future)」に対して、「普通のおじちゃんやおばちゃんに何ができるのか?いつか、誰かがやってくれるのを待つのではなく、再生可能エネルギー100%の未来をめざして、自ら行動しよう。」という想いからはじまりました。 続きを読む 気候危機を防ぐために!徳島のおばちゃんたちの挑戦

今なぜ、気候変動「訴訟」?(第3回)

京都事務所でお世話になっておりますボランティアの一原です。前回の第2回では、実際に世界で起きている気候変動訴訟について、一部ご紹介させていただきました。そして、昨年末にこのブログに追記させていただきましたとおり、昨年12月20日にオランダにて、気候変動対策を積極方向におしすすめようとする意味で大変画期的な最高裁判決が出されました。

今回は、先の予告と異なりますが、この判決の重要性を考え、こちらについて、2回に分けてご紹介し、気候変動訴訟が増加しつつある原因の考察については、次々回以降にご報告したいと思います。

(これまでの、第1回第2回の記事) 続きを読む 今なぜ、気候変動「訴訟」?(第3回)

市民のチカラで、気候変動を止める。