世界の”Climate March”、日本の”気候マーチ”

こんにちは!東京事務所の桃井です。

世界のClimate March

 2014年9月21日、世界中で市民が気候変動問題の解決を求めるデモが行なわれました。「Climate March(気候マーチ)」です。複数の環境NGOが呼びかけて、数ヶ月前から準備がすすめられ、その結果集まった人の数はニューヨークだけでも40万人と発表されています。

 二日後の23日に国連気候サミットに集結した各国首脳陣たちに、とても大きなインパクトを与えたに違いありません。パレードの規模はPeople’s Climate MarchのWEBサイトに掲載された写真や動画でも良くわかりますので、ぜひ1度見てみてください。

●People’s Climate Marchキャンペーンサイトhttp://peoplesclimate.org/

ニューヨークでのClimate March の様子。約40万人が参加しました。
ニューヨークでのClimate March の様子。約40万人が参加しました。

 

国連の潘基文事務総長もClimate Marchに参加。ゴア元副大統領の姿も。
国連の潘基文事務総長もClimate Marchに参加。ゴア元副大統領の姿も。
国連の平和メッセンジャー大使をつとめる俳優のレオナルド・ディカプリオ氏も参加。
国連の平和メッセンジャー大使をつとめる俳優のレオナルド・ディカプリオ氏も参加。

 

日本のアクション、「気候マーチ」

 日本でもこのタイミングに合わせてアクションが行なわれていたことをご存じでしょうか。

市民団体による共同声明「国連気候サミットに向けて-原発も気候変動危機もない世界へ」

 一つは、市民団体が共同で発表した声明「国連気候サミットに向けて-原発も気候変動危機もない世界へ」です。気候保護の団体だけではなく、開発関係や人権問題に取り組む団体が一緒に声明文をまとめあげたという意味は大きかったと思います。原子力が気候変動問題の解決にならないことを強調しました。

霞ヶ関で「気候マーチ」

 さらにもう一つのアクションは、9月19日に日比谷公園から経済産業省前、首相官邸前などを通過して国会正門までをパレードしました。金曜日は、官邸前での「脱原発・再稼働反対」の毎週恒例となった官邸前行動が行なわれています。ここに合流して、原発もない、気候変動もない世界に向けてアピールをしています。

経産省の脱原発テント前をパレードしました
経産省の脱原発テント前をパレードしました
金曜日の官邸前抗議にあわせて原発もない気候変動もない世界を訴えました
金曜日の官邸前抗議にあわせて原発もない気候変動もない世界を訴えました

  この気候マーチの様子は、ソーシャル・ビジネス・マガジン「オルタナ」さんにて取り上げられました(同記事はYahoo!ニュースにも掲載されています)。

霞ヶ関の気候マーチにかけた思い

 本当は、いずれもぎりぎりまで予定していなかったのですが、9月21日のClimate Marchに向けて世界中で気候変動解決に向けた市民の勢いが盛り上がり、ぜひ日本でも動きがあればという海外の方たちからの声があったこと、さらには気候変動対策を口実に原発再稼働の動きに繋がりかねない国内情勢に対しても、それが解決策にならないことを表明しておく必要性が高まっていたことなどが、東京で何もしないわけにいかないのではないかという空気になっていました。

 たまたま、9月16日から行なわれた韓国光州でのフォーラム出席のためにFoE Japanの吉田明子さんと私が飛行機も部屋も同じになったことで、急遽声明文作成やパレードの準備を進めて行くことになったのでした。朝早く起きて、夜も遅くまで相談し、日本にいる方たちと連絡を取り合いながら、なんとかやり遂げましたが、行き当たりばったり感は否めません。呼びかけ時間も少ない中で、パレードに参加していただいた方がいたことには、心から感謝する次第です。

市民にも盛り上がりを!

 いずれにしても、日本はまだ中期目標も示さず、気候変動対策に最も後ろ向きな国とのレッテルを貼られつつあります。来年のパリ合意に向けて市民の側にも盛り上がりをつくっていかなければならないでしょう。次はもう少し余裕を持って、多くの皆さんにも参加してもらいやすいようなパレードなど企画したいと思っていますので、ぜひそのときはご協力くださいね!

国際社会が懸念する日本の石炭火力発電所の建設ラッシュ

京都事務所の伊与田です。

きょう25日までドイツのボンで開催されている国連気候変動交渉会議。その現場では国際環境NGO・CAN(Climate Action Network)が、ニュースレター”eco”を日々発行しています。

昨日・10月24日のecoには、日本の石炭建設ラッシュを懸念する記事(Turn Back Japan: Don’t Go From Nukes To Coal)が掲載されました。国際社会は、日本の石炭重視の姿勢に強い懸念をもっていることがわかります。

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以下、ざっくりと仮の訳をつくってみました。

思いとどまれ、日本!:原発から石炭に行かないで

福島の悲劇的な原発事故は、原子力技術がいかに危険で持続可能でないものかを世界に示した。原発事故の影響を受けた人々は今でも苦しんでおり、日本にとって原発が選択肢にはならないことは明白だ。ECOは大震災の後、FITのおかげで再生可能エネルギーが急速に拡大したことに励まされてきた。個人や企業による省エネも、まだまだ日本に省エネの余地があることを証明した。だからこそ、ECOは、2016年から2027年までに25の石炭火力発電所(合計13,640MW)の建設計画があるというニュースに驚愕している。もし稼働すれば、毎年8200万トンものCO2を排出することになるだろう。ショックなことに、こういった計画のほとんどが福島事故後に検討されたものであり、今後もさらに増えそうなのだ。

エネルギー転換は全ての国で急務で、日本でも、正しい方向に転換することが重要だ。ヒントをあげよう:私たちがエネルギー転換について話すときは、CO2をたくさん出す技術に向かうのではなく、そういった技術をやめていくことを考えている。石炭は汚い化石燃料だ。IPCCは、もし我々がCO2をたくさん排出するインフラへの投資を転換しなければ、将来の排出削減が困難になるだろうと警告している。

ECOは、各国がIPCC報告書を読んでいるものと思っているが、もしかしたら重要な点が翻訳の都合で省略されているかもしれない、すなわち、石炭は原子力の代わりとして必要とされていないのだ。日本政府自身の研究でも、日本には大変な再生可能エネルギーポテンシャルがあることもわかっている。

ECOは、日本がとうとう本日、国別削減目標(約束草案)の議論を開始したと聞いた。うまくやる秘訣を教えようーつまり、石炭の拡大を止めることだ。そうすれば、2015年3月までに意欲的な削減目標を出しやすくなるだろう。

(10/24eco仮訳)

福島から自然エネルギーの輪をつくる~自然エネルギー学校・福島 最終回~

京都事務所の山本です。自然エネルギー普及の担い手・ネットワーク育成のための「自然エネルギー学校」を担当しています。

台風迫る中、10月12日に自然エネルギー学校・福島の第3回を開催しました。本プログラムは、福島での自然エネルギー普及の担い手育成を行うものです。

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最終回となる今回は、「再生可能エネルギー事業のはじめかた」について、豊田よりお話をしました。

再生可能エネルギーが求められる背景

深刻化する地球温暖化問題

地球温暖化はほぼ間違いなく人為的影響によるものだとIPCCの第5次評価報告書では報告されています。危険な気候変動を回避するためには温室効果ガスの大幅削減が必要です。

原子力の危険性と政策の限界

未だに収束しない東京電力福島第一原子力発電所事故の影響は復興に大きく影を落としています。また、ウラン資源は有限であり、放射性廃棄物の問題も付き纏います。

新たな産業としての期待

再生可能エネルギーの普及を進める欧州の国々の中では、温室効果ガス排出量を減らしながらGDPを増加させているところもあります。またドイツでは、再生可能エネルギー関連での雇用が、自動車産業にせまるほどにまで成長しています。日本においても、旧来型のエネルギー産業からの転換を図ることで、社会を大きく変えることにつながる可能性を秘めています。

自然エネルギーは誰のもの?

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私たちは自然エネルギーをどう使っていくべきなのでしょうか?
一つには、地域資源である自然エネルギーを、地域に根差した主体が、地域の発展につながるように活用することが重要ではないでしょうか。そのカギとなるのが、「市民・地域共同発電所」の取り組みです。

市民共同発電所とは?

市民や地域の主体が中心となって建設・運営する再生可能エネルギー発電所です。

  1. 市民や地域住民からの資金が一定の割合を占めている
  2. 市民や地域住民が意思決定に関わっている
  3. 収益の一定部分が何らかの方法で市民や地域に還元される
  4. 発展性や展望がある(ビジョンや戦略性)

こうした条件のうち、いくつかを満たすものを市民・地域共同発電所と呼んでいます。市民・地域共同発電所全国フォーラム実行委員会の調査によれば、2013年8月までに458基が確認されています。FIT(固定価格買取制度)の導入から2年が経過し、現在ではその数はさらに増えているものと考えられます。
普及に取り組む団体も150近い数になり、市民の力でエネルギーをつくり出す動きは、ますます拡がっています。

再生可能エネルギー事業のすすめかた

こうした市民・地域共同発電所を進めるには、どのようなステップが必要なのでしょうか?まずは、事業を通じて何を目指すのか・達成するのかという目標設定から始めましょう。RESふくしま再エネ事業の進め方誰が中心になって進めるのか?その発電方法は?、資金調達は?と、実際にこれまで設置された事例を参考に、事業の進め方についての話がありました。

実際に発電所を計画してみよう!

その後、ワークショップでは、3~4人グループに分かれ、太陽光発電や小水力発電を導入する際の発電量や導入費用、投資回収年等について計算をしていただき、再生可能エネルギー事業の規模感などを掴んでいただきました。

ワークショップ

参加者からは、「ワークショップなどで協力して考える機会はとても良いと思いました」、「計算はあまりにも大きな金額で頭がクラクラしましたが、おもしろかったです」という声が寄せられました。

講義終了後には、自然エネルギー学校・福島を修了した証に、
修了証をお渡ししました。

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みなさん恥ずかしそうに受け取っておられましたが、これから自然エネルギー普及の担い手として活躍していただけることでしょう!

ワークショップの後は、りょうぜんにある市民共同発電所へ向かいました。

実際に自然エネルギーの市民共同発電所を見学!

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案内をしていただいた福島県農民連の佐々木さん

福島県農民連では、集落や地域で日照が確保される雑種地や耕作が困難で農地としての復旧が難しい土地への中規模太陽光発電所の設置を進めています。今回、見学したのは霊山伊達市に自然エネルギー市民の会と協働で、隣接する形で50kWと105kWの太陽光発電所です。

この発電所は、農民連の会員の方が所有する雑種地の提供を受けて設置されました。なるべく自分たちでできることは地域でということで、発電所を囲っている柵は地元の間伐材を利用しています。また草刈りは、地元の農民連の会員の方々と行っているそうです。

 参加者の方から「除草にヤギを使ったりしないんですか?」という質問がありましたが、事務局の佐々木さんは、「ヤギに頑張ってもらうこともいいかもしれないが、できるだけ人と一緒に作業したり、お金を循環させたいので、協力しながらということを考えている」と仰っていました。

福島県においても雪の対策は重要です。
ここでは、傾斜を30度にして、雪が落ちやすいようにしているそうです。それでも今年の豪雪では、太陽光パネル複数枚が雪に埋まってしまったそうで、除雪作業を2度ほど行ったそうです。

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この日は台風の接近を感じさせないぐらいの天気に恵まれ、
緑と青空、太陽光パネルの美しいコントラストとなりました。

福島の復興へつなげたい…各地から集まる出資者の「想い」

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中心にある柵の左側が農民連の発電所、右側が市民出資の共同発電所です。この市民出資の「福島りょうぜんおひさま発電所」は、全国から2000万円の出資金を集めて自然エネルギー市民の会が設置したものです。発電所の売電収入の2%は福島復興基金に充てられ、福島の復興のために使われます。

全国の出資者の方々からは、「自然エネルギーを通して福島を応援したい」「出資することで福島とのつながりを持ち続けることができる」との声が多くあったそうです。

こうした福島復興へのたくさんの「想い」を受けて、発電所は順調に稼働中。先日、第1回の配当を出資者の方々へお返しできたとのことです。

「意思あるお金が社会を変えていく」

その一例として、市民共同発電所は、原発も温暖化もない未来へ向けた取り組みといえるのではないでしょうか。

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参加者のみなさんと記念撮影

本講座には、第1回の無料公開シンポジウムを含め、25名の方にご参加いただくことができました。ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!


 自然エネルギー学校・福島

主催:気候ネットワーク
共催:福島県農民連、自然エネルギー市民の会
後援:福島県再生可能エネルギー推進センター(NPO法人超学際的研究機構)

※本講座は、積水ハウスマッチングプログラムの会の支援を受けて開催しました。

温暖化する地球、日常化する異常気象?

京都事務所スタッフの伊与田です。先日の台風でも各地に被害がでたようですね。気候が大変なことになっているような気がする今日このごろ、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

歴史的な記録が、次々と塗り替えられている

2014年6月1日、京都は観測史上最速で猛暑日を記録したばかりか、同年7月26日には、7月の気温としては観測史上最高の38.3℃を記録したと伝えられています。8月の気温は例年より低めでしたが、全国各地を未曾有とも言われるような気象災害が発生しました。記録的豪雨によって広島、京都などで甚大な被害をもたらしたことは記憶に新しいと思います。

日本だけでなく、このところインド、フィリピンなどでも豪雨・洪水で被害があり、フランスのモンペリエでは9月末に数時間で半年分の雨が降ったとのこと。なかなか尋常じゃないですね。

2050年の天気予報 日本版

ちなみに、世界気象機関は国連気候サミットにあわせて「2050年の天気予報」という動画を公開しています。今後の気候変化をイメージするにはわかりやすくておすすめですよ!

2014年夏の豪雨と地球温暖化?

2014年夏の各地の豪雨も、温暖化との関係がどうなんやろと言われるところです。気象庁の異常気象分析検討会が9月3日に発表した資料では、次のように書かれています。

地域気象観測所(アメダス)における、1時間降水量が50mm 以上や80mm以上となった年間及び8月の観測回数には、増加傾向が現れています。また、我が国の高層気象観測による上空の水蒸気量にも増加傾向がみられます。 「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の第5評価報告書第1作業部会報告書、地球温暖化の進行に伴って今世紀末までに、我が国を含む中緯度の陸域のほとんどでは極端な降水がより強く、より頻繁となる可能性が非常に高いこと、大気中の水蒸気量が世界平均で 5~25%増加すると予測しています。

これらのことから、我が国における短時間強雨の増加傾向には、地球温暖化が関連している可能性がありますが、観測期間が短いことから、地球温暖化との関連性をより確実に評価するためには今後のさらなるデータの蓄積が必要です。

(出典:気象庁『平成26年(2014年)8月の不順な天候について ~異常気象分析検討会の分析結果の概要~』P.5)

すでに地球温暖化で豪雨が増えている可能性はあるが、現時点では確実なことは言えない、ということですね。ただ、IPCCなどの科学的知見では、温暖化のせいでこれから豪雨が増えていくという予測も示されているということです。これまでの豪雨について因果関係の完全な証明が難しいからと言って、これから対策をしなくてよいということにはならないと思います。

「異常気象は温暖化のせいですか?」

地球温暖化問題のことで人と話していると、「異常気象は地球温暖化のせいですか?」と聞かれることがあります(ちなみに、気象庁は異常気象のことを「30年に1回程度で起こる現象」と定義しています)。

科学的には、それぞれの異常気象について、「100%地球温暖化のせいだ!」とは言いきるのは難しいそうです。気候が変わる要因には人間活動のCO2排出による地球温暖化の他にも、自然的なもの(エルニーニョ現象とか)があります。人為的な地球温暖化が進む前にも、たまには、大変な豪雨や熱波は起こったはずです。それに、都市部の猛暑の場合なんかは、ヒートアイランドの効果も無視できません。

「いかさまのサイコロ」のたとえ

この、温暖化と異常気象の関係は難しいのですが、ひとつわかりやすいたとえ話があります。気候ネットワークのシンポジウムにもお招きしたことのある気候学者・江守正多さんの著書『異常気象と人類の選択』(2013年・角川SSC新書)にある「いかさまのサイコロ」の話です。

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サイコロの6の目が「異常気象」だとします。

サイコロを何度も振るといろんな目が出て、たまに6の目も出ます。「異常気象」はふつうのサイコロを振っていても、たまに起こることです。

さて、ここに、6の目が出やすくなるように細工されたイカサマサイコロがあるとします。これが温暖化した気候に対応します(温暖化する前がふつうのサイコロ)。このイカサマサイコロを何度も振るとやはりいろんな目が出て、たまに6の目も出ます。

数回振ったくらいでは、ふつうのサイコロとイカサマサイコロは区別がつきませんが、100回くらい振ると、明らかにイカサマサイコロのほうが6の目が出る回数が多くなることに気が付きます。これが、「温暖化のせいで異常気象が増えているといえるかは長期的に見なければわからない」ということです。

江守正多(2013)『異常気象と人類の選択』P.48-49

このたとえ、わかりやすくないですか?この書籍には、他にも温暖化の科学を考える上で参考になるお話がたくさんありますのでおすすめです。後ろの方の政策に関する話はちょっと違うかも…と思うところもありますが、示唆に富む内容と思います。

因果関係の複雑さを受け止め、乗り越える

こういう、因果関係の複雑さ、説明の難しさは、地球温暖化と異常気象に限った話ではありません。統計的に、たばこを吸う人は肺がんになるリスクが高いことが知られていますが、たばこを吸わない人も肺がんになることがあります。

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私が高校生のとき、ヘビースモーカーな保健体育の先生がいました。保健の授業で「たばこを吸ったらがんになりやすくなるから君たちはたばこはだめだ!」と説明する一方、「でも、俺はがんになってもいいからたばこを吸うんだ!」と言っていて、おいおい…と思った記憶があります。がんになりやすいと知っていながらたばこをやめられないのは、温暖化が進んで異常気象が増えるとわかっていながらCO2を出し続けるのと、少し似ているのかもしれません…。

不確実性がありながらも、リスクがあるのを理解した上でどんな行動を選択するのか?これは、温暖化だけでなく、ありとあらゆる問題につきまとうことです。自分なりに信頼できる科学的知見に学びながら、とるべき選択を考えることが大切なのだと思っています。

 

関連記事:「観測史上●●記録」を量産する時代~人類の生存を脅かす気候変動~

光州市での「第4回東アジア気候フォーラム」に参加して

 こんにちは。東京事務所の桃井です。

 今日は、今年9月16日から2日間にわたって韓国の光州市で開催された「第4回東アジア気候フォーラム」に参加してきましたので、少しばかり報告というか感想を書いておきたいと思います。

日本・中国・韓国が共に行なう意義

 東アジア気候フォーラムという催しが毎年行なわれていることをご存じでしたでしょうか。2010年に第一回目を今回と同じ光州市で行なって以来、日本(第二回・2011年)、中国・杭州(第三回・2013年)と各国持ち回りで行なわれ、今年、再び光州市で開催されました。

 日本の主催団体である東アジア環境情報発伝所の廣瀬稔也代表から、フォーラムの開会にあたって、日本・中国・韓国が一緒になって気候変動対策に取り組む意義が語られました。それは、日中韓三カ国あわせると世界の排出量の4分の1以上を占める巨大排出地域であり、気候変動対策の実行が求められていること、そして、とりわけ中国の排出量が非常に増加する傾向にあるが、それはその様々な中国製品を輸入し、その便益を受けている日本や韓国も共に情報を共有し、排出を減らす努力をしていくべきではないかということです。

 日本・東アジア環境情報発伝所・廣瀬代表

日本・東アジア環境情報発伝所・廣瀬代表

  お互いに責任をなすりつけ合うのではなく、それぞれが削減に向けた実効をあげていくよう、市民はそのための監視役でありつなぎ役でもなければならないでしょう。4回も続けてきた意義がそこにあります。

挨拶する光州KFEM議長
挨拶する光州KFEM議長

光州市でのフォーラム

 さて、今回ホスト地域となった光州市は、市長が市民派で、韓国の中でも再生可能エネルギーの導入に非常に熱心に取り組んでいる自治体の一つです。市民活動もさかんで韓国で最大規模の環境NGO、韓国環境運動連合(KFEM)の支部が熱心に脱原発や気候変動の活動を行なっています。今回のホスト役でもあり、このフォーラムに非常に力を入れており、地域や市民から気候変動対策を強力に進めるのだという意気込みが強く感じられました。光州市の取組みとしては、低炭素住宅に力を入れている様子なども報告されました。光州市以外にも、様々なすばらしい事例が発表されました。

 また、韓国は、脱原発活動にも非常に熱心です。今回も脱原発を一つのセッションとして、台湾での活動家の方も交えてそれぞれの活動が報告されました。

台湾の環境団体から各国代表に贈られた脱原発の活動旗
台湾の環境団体から各国代表に贈られた脱原発の活動旗

大幅削減に向けた国の政策転換は?

 市民レベル・地域レベルでの活動は活発に行なわれつつも、国の政策転換という点においては、日本も韓国も同様で、産業界の意向に沿って政治的な判断がなされているようでした。むしろ、中国の気候変動政策が非常に前向きになっていることに改めて驚かされました。NGOの方からは、まだ目標設定が原単位目標なので、総量での削減目標に切り替える必要があるという指摘はあったものの、こうした発言が出ること自体、かつてとはずいぶん違ってきているという印象を受けました。

 フォーラムの最後に、以下の共同宣言をまとめました。三カ国語それぞれにまとめられました。
 次回は、2年後、日本での開催です。そのときまでに、日本が少しでも前進したといえるような状況になってるよう、がんばりたいものです。

共同宣言「東アジア気候行動に向けたわたしたちの誓い」

 わたしたち人類の安全、平和な未来のため、産業革命前に比べ地球の平均気温が今世紀末までに2度以上超えないことについて、国連では数回にわたる合意があった。しかし、世界各国、とりわけ経済大国はこれを具体化できていない。わたしたちは9月23日からニューヨークで開催される「気候サミット」と2015年COP21で「法的拘束力のある削減合意と野心的な削減目標の設定」を引き出すことを求める。

 日本・中国・韓国は、社会、経済、歴史における差異はあるものの、飛躍的な経済成長と発展を遂げた。このような成長と発展は化石燃料の乱用を前提にした結果であり、日中韓三カ国いずれも温室効果ガス排出量が世界の上位10位に入っている。こうした化石燃料依存の構造は変えていかなければならない。わたしたちは、日中韓政府の指導者が、「法的拘束力のある削減合意と野心的な削減目標の設定」「気温上昇を摂氏2度以下におさえること」との国際的な流れに積極的に参加し、先頭に立つことを要望する。

 2011年に起きた福島原発惨事の苦痛は今も続いている。それにも関わらず、未だに東アジア日中韓及び台湾の政府からは、脱原発の方針は示されていない。逆に、原発の利用が引き続き推進されている。原発は絶対に気候危機を回避する代替案とはならず、危険であり、非経済的且つ環境と平和に害悪をもたらす。東アジア各国が「脱原発政策」を受け入れることを望む。また、東アジアでこれ以上原発が新たに建設されることなく、寿命が達した原発と稼働中の原発の廃炉を可及的速やかに決めるべきである。

 「東アジア気候ネットワーク」は、光州において第4回目の東アジア気候フォーラムを開催した。その間、韓国、日本、中国の気候変動、環境、エネルギー活動の経験を共有し、より活発な活動の必要性を共感した。「低炭素東アジアの未来」はわたしたちが必ず歩むべき道であり、東アジア市民はその道を共に歩むことになるだろう。

 今回の光州フォーラムでわたしたちは誓う。

一、気温上昇を摂氏2度以下におさえ、大幅にCO2を削減するための政策の実現をめざす。
二、気候変動・環境エネルギー運動を市民参加の草の根運動に広く発展させる。
三、太陽、風力、地熱など再生可能エネルギーの導入をより活性化し、省エネとエネルギーの効率化により安全で且つ平和な東アジアを目指す。
四、参加団体同士の情報交流、連帯を強める。五、より多くの市民社会が共に行動できるように組織を強化・拡大していく。

 わたしたちは2016年に日本で第5回東アジア気候フォーラムを開催する。2年後、わたしたち東アジア市民が、草の根から各国政府まで「低炭素東アジア」のための実践と政策を分かち合えるように、それぞれの地域で努力する。

2014年9月17日

第4回東アジア気候フォーラム参加者一同

 

気候ネットワーク年次報告書2013を公開しました

京都事務所の伊与田です。

設立15周年を迎えた気候ネットワークの「2013年」

さて、本日14日、気候ネットワークの年次報告書・2013年度版を公開しました。

2013年はちょうど気候ネットワーク設立から15周年の年です。気候変動交渉、国レベルの政策提言、地域レベルの温暖化防止モデルづくりなど、ローカルからグローバルまで、温暖化問題の最新動向や、活動のようすをとりまとめています。ぜひみなさまご覧ください!

年次報告書の閲覧を希望される方へ

なお、これまでの年次報告書(2009年度~)もあわせてこちらのページにてPDF版でご覧いただけます。

報告書の紙版を希望される方は、こちらの問合せフォームより資料請求をお願い致します。

 

バタン石炭火力発電所に反対しているインドネシア人とのアクション!

東京事務所の田口です。今月、1年ぶりにバンクーバーに戻りました。毎日、気温は15℃くらいでしたが、カナダ人の私にとってはちょうどいいと思います。

No Coal, Go Green!インドネシアの現地住民ら来日

9月7〜11日、『No Coal, Go Green!JBICの石炭発電融資にNO!』プロジェクトのため、現地のインドネシア住民リーダー2人と、グリーンピース・インドネシアとインドネシア法律擁護協会のスタッフが来日しました。このプロジェクトは、JBICが支援し、日本の企業がインドネシアのバタンで進めている石炭火力発電所建設事業に反対するためのものです。

日本政府や関係企業に直接会って、同事業への融資を行わないように伝える予定でしたが、事前に面談を申し込んだところ、全て断られました。このことは、9月8日の記者会見でメディアに伝えました。

9月8日の記者会見
9月8日の記者会見

石炭事業を推進・サポートするJBIC、伊藤忠、J-POWERなどに抗議

2011年からバタン石炭火力発電に反対している彼らは、国際協力銀行(JBIC)、伊藤忠、J-POWERのビル前、同時期に開催された「2014クリーン・コール・デー国際会議」の会場前でも、抗議の声をあげました。

国際協力銀行(JBIC)のビル前
国際協力銀行(JBIC)のビル前

プロジェクトを行っている3団体(気候ネットワーク、FoE Japan、「環境・持続社会」研究センター)のスタッフ・インターンと、活動に賛同する環境NGOの方がこれに加わりました。

伊藤忠のビル前
伊藤忠のビル前

3年間にわたって、同事業を中止させるために辛抱強く反対してきた彼らにとって、JBIC等の前で拡声器で反対の声をあげることができるのは、カタルシスだろうと思ってしまいました。

いよいよ、現地住民が日本政府機関との、面会を果たす

バタン住民からのメッセージ
バタン住民からのメッセージ

9月10日に、彼らは福島瑞穂参議院議員(社会民主党)と面談しました。そこにJBICと外務省担当者も参加し、来日メンバーはいよいよ日本の関係機関との面会をはたしました。彼らはJBIC・外務省に対して、同事業への融資を中止するよう穏やかに求めました。

JBIC,外務省との面談
JBIC,外務省との面談

今回来日した4人だけではなく、バタン住民やインドネシア人は、バタン住民の生計・環境を守るため、3年間たっても不屈の精神で反対運動を続けています。これは非常に根気のいることだと思います。

平和的な抗議活動で、変化を起こす

自分自身が参加しても、ニュースで見ても、平和的な抗議活動に私は幸せな気持ちになります。例えば、大学時代に、大学の試験農場を守るために、数百人の学生や住民が集め、デモが起こりました。グリーンピース共同創立者のRex Weyler等の環境保護論者もスピーチをしました。私たちの24ヘクタール場所のため、学生以外の人々もデモに参加して、感動しました。

世の中はいろいろな問題が山積みですが、行動しなければ変化も起きないと思います。しかし、このような平和的アクションを続けて希望を叶えたいものです。

自然エネルギー学校・京都2014第2回に参加してみて

京都事務所の山本です。

自然エネルギー学校・京都2014は今年も順調に進んでおります。
先日、9月20日に開催しました、第2回について、ボランティアとしてサポートしてくれている、本間さんが報告記事を書いてくれました!


 

こんにちは!私、ボランティアとして気候ネットワーク京都事務所に関わらせていただいている本間と申します。

先日、第2回の自然エネルギー学校・京都2014に参加させていただいたので、そのご報告をしようと思います。

 自然エネルギー学校とは?

自然エネルギー学校は、専門家・研究者による座学から、参加・体験型のワークショップや視察までを通して、市民共同発電所の計画づくりや体制作りについて、実践的に学ぶことができるプログラムです。1990年より気候ネットワークのほか、NPO法人環境市民、ワーカーズコープ・エコテックとの協働事業として、この「自然エネルギー学校・京都」を開催してきました。

自然エネルギー学校については8月の山本さん(京都事務所)の記事(https://www.kikonet.org/kiko-blog/2014-08-05/53)にも少し書かれているので、興味のある方はご覧ください。

市民共同発電所の最前線は?

第2回は「市民がつくる太陽光市民・地域共同発電所」ということで、ワーカーズコープ・エコテックの林敏秋さんと一般社団法人地域未来エネルギー奈良の清水順子さんよりお話をいただき、その後グループワークを行いました。

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拡がる太陽光発電 その注意点は?

まず林さんより、太陽光発電の種類や変換効率の違いといった技術的な話や太陽光を設置する際の注意点等を話していただきました。お話の中では、設置場所に関する話(木が近くにあるとそれが成長した場合に陰を作ってしまう恐れがある)等、実際に太陽光発電の施工業者として様々な現場へ携わったからこそ分かる話を聞くことができ、自然エネルギー事業に関心のある参加者の方々にはとても興味深い話だったのではないかと思います。

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「想い」を形にする難しさ・・・

次に自然エネルギー学校・京都の修了生でもある清水さんからはサークルおてんとさん、一般社団法人地域未来エネルギー奈良における市民共同発電所の資金調達から運営に至るまでの実際の経験よりお話をいただきました。

市民共同発電所の実施に関しては資金の調達が大きな課題となります。実際に苦労されたお話やそれを乗り越えた方法(SNSを使った情報発信や信頼性の高い団体への協力要請等)を共有していただき、参加者の方々にはとても参考となるお話だったと思います。

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組織づくりって、どうやるの?

どんな組織づくりをするか?実際に現場で活躍されているお二人のお話を伺った後は、5つのグループに分かれて、市民共同発電所を設置する提案内容を考えるグループワークを行いました。

グループワークを開始する前に田浦事務局長から市民共同発電所を運営する組織の種類や特徴、事業スキームの種類等、提案内容を検討する際の情報共有を行い、その後、各グループで提案内容を考えてもらいました。

RES-2-taura

みんなでプランを立ててみよう!

各グループ、資金の調達方法の検討や発電量の推計等、限られた時間の中で活発な議論を行っていました。議論の後、まとめられた提案内容はそれぞれのグループが発表し、その内容を共有しました。

サッカーの観戦チケットの上に少額を上乗せし、そこから発電設備の設置資金を得るといったユニークな資金調達方法など、それぞれのグループが特色のある提案がされました。

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自然エネルギー学校に参加してみて

私は以前から地域主導型の再生可能エネルギー事業に関心を持っていましたが、今回、現場で仕事や活動をされている方々のお話を聞くことができ、今まで情報として持っていた知識が少し具体的になったような気がします。

私は自身の研究として市民共同発電所について勉強していますが、参加者の方々のように実際に取り組むことを検討されている方にとって、この自然エネルギー学校の場は専門家や経験者の声を聞く機会として、またネットワークを構築する機会として、とても貴重だと感じました。

今回参加してみて少し感じたことは、参加者の多くが40~60代の方々で私のような20代の姿が見えなかったということです。研究対象として再生可能エネルギーに興味を持っている学生は少なくないので、研究だけではなく、私たちももっと積極的にこのような場に参加していかなければならないですね。


当日は、本間さんの他、2人の学生ボランティアの方にサポートいただきました。いつもありがとうございます!