光州市での「第4回東アジア気候フォーラム」に参加して

 こんにちは。東京事務所の桃井です。

 今日は、今年9月16日から2日間にわたって韓国の光州市で開催された「第4回東アジア気候フォーラム」に参加してきましたので、少しばかり報告というか感想を書いておきたいと思います。

日本・中国・韓国が共に行なう意義

 東アジア気候フォーラムという催しが毎年行なわれていることをご存じでしたでしょうか。2010年に第一回目を今回と同じ光州市で行なって以来、日本(第二回・2011年)、中国・杭州(第三回・2013年)と各国持ち回りで行なわれ、今年、再び光州市で開催されました。

 日本の主催団体である東アジア環境情報発伝所の廣瀬稔也代表から、フォーラムの開会にあたって、日本・中国・韓国が一緒になって気候変動対策に取り組む意義が語られました。それは、日中韓三カ国あわせると世界の排出量の4分の1以上を占める巨大排出地域であり、気候変動対策の実行が求められていること、そして、とりわけ中国の排出量が非常に増加する傾向にあるが、それはその様々な中国製品を輸入し、その便益を受けている日本や韓国も共に情報を共有し、排出を減らす努力をしていくべきではないかということです。

 日本・東アジア環境情報発伝所・廣瀬代表

日本・東アジア環境情報発伝所・廣瀬代表

  お互いに責任をなすりつけ合うのではなく、それぞれが削減に向けた実効をあげていくよう、市民はそのための監視役でありつなぎ役でもなければならないでしょう。4回も続けてきた意義がそこにあります。

挨拶する光州KFEM議長
挨拶する光州KFEM議長

光州市でのフォーラム

 さて、今回ホスト地域となった光州市は、市長が市民派で、韓国の中でも再生可能エネルギーの導入に非常に熱心に取り組んでいる自治体の一つです。市民活動もさかんで韓国で最大規模の環境NGO、韓国環境運動連合(KFEM)の支部が熱心に脱原発や気候変動の活動を行なっています。今回のホスト役でもあり、このフォーラムに非常に力を入れており、地域や市民から気候変動対策を強力に進めるのだという意気込みが強く感じられました。光州市の取組みとしては、低炭素住宅に力を入れている様子なども報告されました。光州市以外にも、様々なすばらしい事例が発表されました。

 また、韓国は、脱原発活動にも非常に熱心です。今回も脱原発を一つのセッションとして、台湾での活動家の方も交えてそれぞれの活動が報告されました。

台湾の環境団体から各国代表に贈られた脱原発の活動旗
台湾の環境団体から各国代表に贈られた脱原発の活動旗

大幅削減に向けた国の政策転換は?

 市民レベル・地域レベルでの活動は活発に行なわれつつも、国の政策転換という点においては、日本も韓国も同様で、産業界の意向に沿って政治的な判断がなされているようでした。むしろ、中国の気候変動政策が非常に前向きになっていることに改めて驚かされました。NGOの方からは、まだ目標設定が原単位目標なので、総量での削減目標に切り替える必要があるという指摘はあったものの、こうした発言が出ること自体、かつてとはずいぶん違ってきているという印象を受けました。

 フォーラムの最後に、以下の共同宣言をまとめました。三カ国語それぞれにまとめられました。
 次回は、2年後、日本での開催です。そのときまでに、日本が少しでも前進したといえるような状況になってるよう、がんばりたいものです。

共同宣言「東アジア気候行動に向けたわたしたちの誓い」

 わたしたち人類の安全、平和な未来のため、産業革命前に比べ地球の平均気温が今世紀末までに2度以上超えないことについて、国連では数回にわたる合意があった。しかし、世界各国、とりわけ経済大国はこれを具体化できていない。わたしたちは9月23日からニューヨークで開催される「気候サミット」と2015年COP21で「法的拘束力のある削減合意と野心的な削減目標の設定」を引き出すことを求める。

 日本・中国・韓国は、社会、経済、歴史における差異はあるものの、飛躍的な経済成長と発展を遂げた。このような成長と発展は化石燃料の乱用を前提にした結果であり、日中韓三カ国いずれも温室効果ガス排出量が世界の上位10位に入っている。こうした化石燃料依存の構造は変えていかなければならない。わたしたちは、日中韓政府の指導者が、「法的拘束力のある削減合意と野心的な削減目標の設定」「気温上昇を摂氏2度以下におさえること」との国際的な流れに積極的に参加し、先頭に立つことを要望する。

 2011年に起きた福島原発惨事の苦痛は今も続いている。それにも関わらず、未だに東アジア日中韓及び台湾の政府からは、脱原発の方針は示されていない。逆に、原発の利用が引き続き推進されている。原発は絶対に気候危機を回避する代替案とはならず、危険であり、非経済的且つ環境と平和に害悪をもたらす。東アジア各国が「脱原発政策」を受け入れることを望む。また、東アジアでこれ以上原発が新たに建設されることなく、寿命が達した原発と稼働中の原発の廃炉を可及的速やかに決めるべきである。

 「東アジア気候ネットワーク」は、光州において第4回目の東アジア気候フォーラムを開催した。その間、韓国、日本、中国の気候変動、環境、エネルギー活動の経験を共有し、より活発な活動の必要性を共感した。「低炭素東アジアの未来」はわたしたちが必ず歩むべき道であり、東アジア市民はその道を共に歩むことになるだろう。

 今回の光州フォーラムでわたしたちは誓う。

一、気温上昇を摂氏2度以下におさえ、大幅にCO2を削減するための政策の実現をめざす。
二、気候変動・環境エネルギー運動を市民参加の草の根運動に広く発展させる。
三、太陽、風力、地熱など再生可能エネルギーの導入をより活性化し、省エネとエネルギーの効率化により安全で且つ平和な東アジアを目指す。
四、参加団体同士の情報交流、連帯を強める。五、より多くの市民社会が共に行動できるように組織を強化・拡大していく。

 わたしたちは2016年に日本で第5回東アジア気候フォーラムを開催する。2年後、わたしたち東アジア市民が、草の根から各国政府まで「低炭素東アジア」のための実践と政策を分かち合えるように、それぞれの地域で努力する。

2014年9月17日

第4回東アジア気候フォーラム参加者一同