「オックスファム・トレイルウォーカー」50kmの山道を踏破しました!

こんにちは。京都事務所の近藤です。

7月11~12日、気候ネットワークの事務局メンバーでチームを作り、「オックスファム・トレイルウォーカー東北2015」に参加しました。4人1チームで24時間以内に50キロメートルの山道を歩きます。

以前のブログ「オックスファム・トレイルウォーカー2015に参加します!」もご覧ください。

いよいよ福島に到着~前夜にはプレイベントも~

出発の前日に京都を出発して大会が行われる福島県二本松市に到着しました。出発前夜にはトレイルウォーカーのプレイベントが行われました。そこでオックスファムのパートナー団体として、気候ネットワークも、脱原子力・脱石炭・自然エネルギー100%への思いなど、あいさつをさせてもらいました。全国各地、また世界各地からの参加があり、体育館は出発前の熱気に包まれていました。参加者の4分の1は海外の方だったそうです。

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7月11日AM10:00スタート!

当日は晴天。いよいよ、スタートです。他のチームの出だしも気になりましたが、4人で決めた自分たちのペースを守りながら歩きました。一山超えて、最初のチェックポイントに到着しました(今回のコースには合計3つのチェックポイントがあるのです)。気温が高くて日差しも強かったので、この時点で何人かのリタイアがでたようでした。2人以上のリタイアが出たチームは他チームと合流するルールになっていたので、私たち4人は2人チームと合流することになり、6人で歩き出しました。

安達太良山の山頂でClimate Action Now!

1つ目のチェックポイントを超えると次に目指すのは安達太良山の山頂です。最後の上り坂は急な上に、岩がゴロゴロしていたり、小石があるところは滑りやすく足場が悪く体力を消耗しました。山頂では安達太良山の素晴らしいパノラマが迎えてくれました。

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気候ネットワークと関連団体で取り組んでいるキャンペーン「Climate Action Now!」についてはウェブサイトをご覧ください。

夜の山道は過酷でした

山頂の景色に感動したのもつかの間、日が落ちてきて寒くなってきました。あたりは暗くなり、一日歩いて疲労もたまってきました。このままのペースでは次のチェックポイント閉鎖時間までに到達しないかもしれない・・・そんな不安が頭をよぎりました。それでも悪路と疲労でペースを上げることはできません。昼間のような会話はないけれど、危険な場所は声をかけ合いながら、みんなで2つ目のチェックポイントを目指しました。何とか閉鎖時間までによう次のチェックポイントに到着しました。空を見上げると満点の星空で、流れ星も見ることが出来ました。

休憩もそこそこに残り約半分の道のりを、また4人で出発しました。途中、真夜中にもかかわらず、地元の方がエイドステーションを用意してくださっていました。地元のお米で作ったおにぎりや野菜のお漬物と応援に元気をもらいました。

一晩歩いて、明け方5:30頃にやっと最後の3つ目のチェックポイントに到着。出発前はもう少し仮眠がとれるかなっと想定していたのですが、制限時間いっぱいを使う形になりました。何より眠たいのが辛かったです。

4人で手を取り合ってFinish!

スタートしてから22時間23分、4人手をつないでゴールゲートをくぐりました。50kmを24時間で歩ききるという道のりは想像以上に大変でした。しかし、福島で自然エネルギー100%を実現したい!という想いを1つに、4人で支え合いながら、ゴールしました。ほぼ徹夜で過酷な山道を歩き、疲労が限界を超える中、みなさんの応援が心の支えになりました。

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ひきつづき、ご支援お願いします

私たちのチャレンジに大勢の方が寄付をしてくださりました。たくさんのご支援、応援ありがとうございました。8月21日までは引き続き、トレイルウォーカー「チーム・気候ネットワーク」への寄付を受け付けています。目標額にはまだ届いていません。ぜひご支援よろしくお願いします。

オンライン寄付(PayPal)

こちらのウェブページで「寄付をする」をクリックして、PayPalのページで任意の金額などをを入力後、「売り手への特別な指示を追加」にて「トレイルウォーカー寄付」と追記して決定してください。

銀行振込口座:

三菱東京UFJ銀行京都支店 普通預金 3325635 (特定非営利活動法人気候ネットワーク)

りそな銀行京都支店 普通預金 1799376 (特定非営利活動法人気候ネットワーク)

郵便振替口座:

00940-6-79694 (加入者名:気候ネットワーク)
通信欄に ご依頼人氏名、ご住所、電話番号、 「トレイルウォーカー寄付」とお書きください。

 

フランシスコ教皇が気候変動に対する国際的な行動を「回勅」で呼びかけ

こんにちは。フィリピンからの留学生で、京都事務所インターンのマーヴィンです。

今回は、「パリでの気候変動交渉に先駆け、ローマ・カトリック教会を牽引する教皇が、すべての人々が気候変動に対する責任を負い、有意義な対話を進めるように呼びかけた」という話題です。

フランシスコ教皇の呼びかけ

フランシスコ教皇は、気候変動に関する回勅の中で、人類共通の家である地球環境を守るように世界に呼びかけました。

現在、我々は悲惨な環境破壊に直面していますが、フランシスコ教皇は、人類は私たちの共通の家である地球環境を救うことができると希望を持っています。

回勅とは、カトリックの教義に関する教皇の指針を示す公文書です。近年の教会の歴史においては、人類にとっての重大な問題について見解や批評などが発表されてきました。それは世界中のキリスト教徒だけでなく、宗派を超えて広く届けられ、現代の喫緊の課題について考え、取り組むように促しています。

この回勅が、気候問題に関する論議を具体化させる、強力な後押しとなることが期待されます。今回の発表は、世界各国が新たな合意に向けて協議を行うパリでの気候変動枠組条約締約国会議を数か月後に控えた極めて重要なタイミングで行われており、これにより、各国に現代の深刻な環境問題に立ち向かう「世界共通の計画」への総意を促しています。

フランシスコ教皇の呼びかけは、個人、家族、地域社会、国、国際コミュニティまであらゆる対象に向けて、環境問題について有意義な対話と協議を行い、方向性を変えていくよう、積極的に介入するよう求めています。

万物は全て共にあり(創造物の一体性)

Laudato Si’
ラウダート・シ-あなたが称えられますように-)*1

この言葉は、800年前に自然環境の守護聖人であるアッシジの聖フランシスコによって書かれた賛歌「私の主よ、あなたは称えられますように、私たちの姉妹である母なる大地のために。大地は、私たちを養い、治め…」*2から引用されています。ちなみに、フランシスコ教皇はこの聖人にちなんで名付けられました。

*1訳注:2015年6月18日にフランシスコ教皇が発表した回勅につけられたタイトルでアッシジのフランシスコの『太陽の讃歌』の冒頭から取られたもの

*2訳注:ラウダーテ>太陽の賛歌

主をたたえ、万物を守ることはキリスト教の信仰の中心です。実際、フランシスコ教皇は回勅の最初と最後に、万物、つまり人間を養い、人を治める自然について言及しています。教皇にとって自然は人間社会と対峙するものではありません。むしろ、自然との交流は不可欠です。自然と人は表裏一体の関係であり、環境問題と人間社会は切り離すことができないものです。人は世界の土地を耕し、守る役割を担っているにすぎません。人類が自然を敬い、受け入れるという道徳的概念なしに地球との共存はあり得ないでしょう。

産業革命以降、人類の活動は急速に自然を破壊してきました。教皇は「我々の無責任な行動によって危害を与え続けてきたため、地球は悲鳴を上げています」と警鐘を鳴らしています。

無責任な人間の行動は、大気汚染や気候変動、水不足、膨大な廃棄物、生物多様性の喪失、世界的な不均衡など複雑な環境問題を引き起こしています。

フランシスコ教皇は、我々が直面している人為起源の環境問題を指摘し、無駄の多い大量消費と場当たり的な開発を批判しています。物質的な需要を満たすための発展に重きを置き、社会的共生や環境の持続性のような他の要素を進展させることを怠ってきたというのです。

気候変動

フランシスコ教皇は、気候とは、人類全員に公共の利益をもたらすものであり、全ての人にとって意味のあることだと理解されています。健全で安定した気候は、人命にとって不可欠な数多くの要素に関与しています。

しかし、200年にわたる急激な産業化に伴う人類の活動が地球温暖化を招いてきました。フランシスコ教皇は、地球温暖化は、おおむね人為起源であると確信しています。

 「ここ数十年の地球温暖化の原因は、主に人間活動の結果排出されている温室効果ガス(二酸化炭素、メタン、窒素酸化物ほか)が濃縮したものだと、数々の科学研究が示しています。」と指摘しています。

気候変動は、確実に今日の人類が直面する最重要課題となっています。温暖化が引き起こす結果は深刻かつ複雑で、環境、社会、経済、政治および物流などあらゆる分野を網羅しています。誰にとっても頭の痛い問題ですが、貧困家庭を生む原因にもなります。災害や天候の変化に対処できる経済力を持たない最貧困層の人々が影響を受けやすいという偏りが生じるのです。

迅速かつ統一的な行動を

気候変動とその深刻な結果にさらされているにも関わらず、国際政治の反応は鈍く十分ではありません。

フランシスコ教皇は、今日の我々の行動が将来世代の運命を決定づけるのだと思い出させてくれました。気候変動においては防ぐことのできないことですが、私たちの子供や孫たちがつけを払わされるのです。

教皇が我々に投げかけたのは「私たちに続く子供たちが大きくなったとき、どんな世界を彼らに残したいですか?」という問いかけでした。

この問いかけが回勅の重要な点です。

化石燃料や他の有害な炭素排出源からの排出を今のまま続ければ、将来世代の家(地球)をも危険にさらすのです。

フランシス教皇にとって気候変動は、地球に人類が存続するために何らかの対処を取るべき問題なのです。この世界で私たちが生を受けたのは何のためでしょう?ここに存在している理由は何でしょう?私たちが働き、努力するのは何のためでしょう?これらの大切な質問を自問自答してみてはいかがでしょうか。

一日の終わりに、フランシスコ教皇は、国際社会、国、地域、個人レベルでの対話を通して迅速かつ統一的な行動を起こすよう呼びかけました。気候変動は世界的な問題なので、世界的な行動が必要なのです。

 「個々の国が単独で行動しても解決できない深刻な気候問題に対抗するには、世界での対話が不可欠です」と結んでいます。


photo3本記事の執筆者のマーヴィン・トレス・ラゴネラは、気候ネットワークのインターンです。フィリピンのアテネオ・デ・マニラ大学で修士を取得し、ASEAN大学ネットワークと京都大学間の交流プログラムのもと京都大学でエネルギー管理と持続可能性の転換に関する研究に従事しました。

(訳:スタッフ鈴木)

*原文の英語は続きをご覧ください

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京都・祇園祭ごみゼロ大作戦~リユースでごみゼロをめざす~

京都事務所の伊与田です。日々の猛暑に参ってしまいそうになる今日このごろですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

最近もあちこちで観測史上最高気温や最多雨量などの新記録が出ており、熱中症の被害も頻発しています。フィリピンに帰った気候ネットワークのインターン生・マーヴィンさんからは、フィリピンに台風が立て続けに3つもやってきたと連絡がありました。これまでにない気候の時代に突入してしまっているように思います。京都もほんまに暑いですよ!

参考記事:温暖化する地球、日常化する異常気象?

京都・祇園祭の季節です

さて、この暑~い時期に開催される、日本を代表する京都の祭りといえば、「祇園祭」です。もともとは、京都で疫病に苦しんだ人々が厄除けを願って始めたのだとか。昨年度(2014年)には、62万人もの人が日本中から、世界中から集まったそうです。

今年も京のまちには山鉾が立ち並んでいます。実は気候ネットワーク京都事務所から徒歩すぐの場所にも、山鉾のひとつ「長刀鉾」があります。下の写真、山鉾のてっぺんにある長刀(なぎなた)が見えますでしょうか?

7月14日・長刀鉾のようす

クライマックスは山鉾巡行ですが、宵宵山の7月15日、宵山の7月16日には、京都の四条通りを中心にあちこちに山鉾が立ち並び、大勢の観光客で賑わいます。夜店や屋台も多く出店し、街は大いに盛り上がります。

「祇園祭ごみゼロ大作戦」でごみゼロをめざす!

ところが、そこで問題になるのが、ごみです。祇園祭では毎年約60トンものごみが出てしまうとのこと。

そこで、市民団体や行政などで構成される祇園祭ごみゼロ大作戦実行委員会は「祇園祭ごみゼロ大作戦」に取り組んでいます。これは、夜店や屋台のみなさん、ボランティアさんとで協力して、使い捨て容器ではなくリユース容器を使うなどの取り組みにより、ごみゼロの祇園祭をめざすものです。

2014年に始まり(日本初・世界初)、2013年には60トンを超えていたごみを、34トンまで減らすことに成功したそうです(出典:祇園祭ごみゼロ大作戦)。プロジェクトの詳細はウェブサイトをご覧ください(下の画像をクリック!)。

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祭りがますます盛り上がる一方で、ごみは減るというデカップリング

個人的におもしろいなーと思うのは、「デカップリング(切り離し)」が実現していることです。2014年は前年に比べて観光客が増え、祭りがますます盛り上がる一方で、環境負荷であるごみはむしろ減ったのは、ごみゼロ大作戦の成果でしょう。

普通は活動量が増えれば環境負荷が増えると思われがちですが、必ずしもそうではないのです。日本を除く先進国のほぼ全てで経済成長とCO2排出のデカップリングが進んでいることが思い起こされます。

今年も、祭りが盛り上がりつつも、さらにごみ減量が進めばいいですね!

気候ネットワークも「祇園祭ごみゼロ大作戦」に賛同しています

この「祇園祭ごみゼロ大作戦」、気候ネットワークも賛同しています。ごみを燃やせば当然CO2が出ます。温暖化防止の観点からも、ごみを可能な限り減らしていかなければなりません。

もともとは、疫病の被害をうけて厄除けを願ったといわれる祇園祭。現代に生きる私たちは、地球温暖化による各地の異常気象の被害に思いを馳せつつ、その厄除けを願って京のまちを練り歩いてみる、というのはいかがでしょうか?祇園祭が、温暖化防止の願いがより一層広がっていくきっかけになりますように!

地域に根ざした団体との協働で、「おおだエコライフチャレンジ」を実施

こんにちは。京都事務所の近藤です。

京都発・温暖化防止教育プログラムを全国へ、世界へ

気候ネットワークは京都市との協働事業で暖化防止教育プログラム「こどもエコライフチャレンジ」事業を実施しています。京都市立の小学校を訪問し、総合的な学習の授業時間を使って学習会をしています。1回目の学習会では温暖化の仕組みや影響、生活との関わりとエコライフについて学びます。次に、夏休みや冬休みに家庭でエコライフを実践してもらいます。さらに休み明けに学校にて2回目の振り返りの学習をするという構成になっています。

京都市では10年前の2005年に1校からスタートしたのですが、徐々に実施校を増やし、2010年から京都市立全小学校まで広がりました。さらに近年では、他地域へと広がっています。各地で学習会を実施したいと考える団体に対して、京都で蓄積してきたノウハウを提供しながら地域に合ったプログラムの開発を支援しています。すでに、岡山県、滋賀県、兵庫県、マレーシア・イスカンダル開発地域で実施してきました。

 エコライフチャレンジ、次は島根県の大田市で

今回、実施することになった島根県大田市では、NPO法人緑と水の連絡会議がコーディネートしてくれています。水と緑の連絡会議は里山や草地のような二次的な自然環境の保全のために活動する団体です。木質資源の活用に関しても先駆的な取り組みをされていて、バイオマスチップボイラーの実証事業を手掛けています。また、島根県と市民団体が連携して行う森林教育事業「みーもスクール」を大田市で担っていて、小学校での授業の実績もあります。

今回は、「みーもスクール」でつながりがある、大田市立長久小学校の4年生18名と、仁摩小学校の4年生26名の子どもたちに1回目のエコライフチャレンジ学習会を実施しました。「みーもスクール」ではいつも森林や河川など、屋外での活動を行っているようですが、今回は特別プログラムとして取り入れていただきました。

大田市での実施とのことで、いつも京都で行っているプログラムをベースにアレンジを加えました。例えば、再生可能エネルギーについて、NPO法人水と緑の連絡会議が実施しているバイオマスエネルギーを紹介しました。二酸化炭素を固定して育った木を使ったエネルギーをつくる、という地元での取り組みを理解してもらえたかと思います。

学習会の中で、私は地球温暖化クイズの出題を担当しました。クイズでは答えを選んだ理由を子どもたちにインタビューをするのですが、多くの子どもたちが自分の言葉で意見を言ってくれました。

 子どもたちと一緒に、温暖化のない未来をつくる。

前日入りしたので問題はなかったのですが、岡山駅で特急に乗り遅れたり、学習会当日は大雨だったりと、ハプニングもありましたが、大田市の子どもたちは素直で、自由に発言してくれる児童が多く、充実した学習会になったと思います。次回は2回目の学習会でお会いすることになります。その時は、学習したことを実践して、取り組んだエコライフについて話してくれることを楽しみにしています。

今回のように、出向いてプログラムをお見せする形もあれば、各地での実施を見据えて、学習会の見学を受け入れたり、実施者向けの研修会を企画したりもしています。これからも、温暖化防止教育を実施したいと考える主体に対して支援を充実させていきたいと考えています。

学習会の中で地球の気温変化の予測を子どもたちに示すと、子どもたちから「未来のことだから、変えられるかもしれない!」というような発言が聞けることもあり、頼もしく感じます。これからも、より多くの子どもたちに自分たちの生活と温暖化とのつながりを知ってもらい、温暖化を防ぐにはどうしたらよいのかを考えるきっかけをつくっていきたいと思います。

こどもエコライフチャレンジの詳細

http://www.kikonet.org/local/education/children-eco-life-challenge

エネヤン夏の陣~温暖化とエネルギーについて本気を出して考えてみた~を開催しました

こんにちは。京都事務所の近藤です。

若い世代が中心になって、パブリックコメントを書こう!

6月24日、パブリックコメントを出そうというイベントが、ボランティアやインターン生が中心となり開催されました。将来世代の方がより影響を受けることになる温暖化・エネルギー問題は特に若い世代にとって重要な問題です。しかし、将来の方向性を決定するにあたり、若い世代の声は届きにくいというのが現状です。そこで、気候ネットワークのボランティア・インターンが中心になって今回のイベントを企画しました。今回で4回目を迎える「エネヤン」の企画ですが、今回は温暖化やエネルギーに関心のある学生や若手の社会人の方々を中心に12名の参加がありました。

パブリックコメントって?

政府や行政が政策や規則などを作るときには、広く意見を集めるためにパブリックコメントが行政手続法によって定められています。しかし、注目を集める案件にはたくさんの意見が集まるようにはなってきましたが、一般的には認知度は低いのが現状かと思います。特に学生や若い世代の中には、そうした機会が設けられており、自分たちの意見を言える場があることを知らずに過ぎていくことも多いか思います。そこで今回、政府が募集していた「長期エネルギー需給見通し(案)」と「日本の約束草案(政府原案)」について考え、パブリックコメントを書くことにしました。

気候ネットワーク精鋭!?インターンによる解説で理解を深める

今回の企画を考えてくれたのは、気候変動やエネルギーについて、大学やインターンシップを通して学んでいるメンバーです。津田くんがエネルギーミックスを、井上くんが約束草案を担当してくれました。

まず、インターンの2人によるエネルギーミックスと温暖化対策についての解説を聞いた後、2つのテーマに別れてディスカッションを行い、パブリックコメントを書きます。続いて、テーマをスイッチし、両方のテーマについてディスカッション、パブリックコメントを書くという流れで実施しました。

参加者の中には、エネルギーや温暖化についての関心はあるが、「それほど自信を持って意見を書いたことはない。」、「今まであまり考える機会がなかった。」という人もいらっしゃいましたが、そうした不安や疑問点を和らげることができるよう、丁寧に説明していくことを心がけました。

ディスカッションを通して、自分の考えを持とう

ディスカッションは最初に解説を行った津田くんと井上くんが、それぞれ工夫したワークを作り、グループの中心になってディスカッションを進めてくれました。

エネルギーミックスのワークでは、津田くんから、エネルギーの作り方を考える上で重視するポイントとして安全性、自給率、安定性、温暖化対策、コストの5つの視点が提供されました。参加者はまず個人でどのポイントを重視するのかについて順位付けを行い、その後、グループで共有しました。みんなの意見を聞いてみると、安全性を重視する人が多かったのですが、それ以下は人により異なり、議論が盛り上がりました。

約束草案のワークでは、井上くんから、「2030年度に13年度比26%削減(1990年比18%削減)」という日本政府の原案の発表を受けて、国際社会がどのように反応したのかということを、海外の政治家やメディア、NGOなどの意見を広く収集し、紹介してくれました。参加者は、日本のエネルギー・温暖化対策が世界からどのようにみられているのかを理解し、印象に残ったことを共有しました。なかでも、「基準年を1990年ではなく、排出量の多かった2013年としている点」や「2050年の長期目標80%削減との整合性」などのポイントは、日本の温暖化対策がどうあるべきかを考える上で重要な視点になりました。

それぞれのワークでは、初めてパブコメを書く人のことを考えて、分かりやすく、書きやすい工夫をしました。しかし、2時間の企画ではもっと議論したいことがあったのではないでしょうか。これをきっかけに、参加者はエネルギーや温暖化への関心を高めてくれたのではないかと思います。

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インターン、ボランティアとして一緒に活動しませんか?

 気候ネットワークでは、学生から社会人、シニア世代の方まで、たくさんのインターンやボランティアが活動を支えてくれています。みなさん、ご自身の興味関心や得意分野を活かしてご活躍いただいています。随時募集していますので、お気軽にお問い合わせください。

・インターン生募集について
http://www.kikonet.org/support/individual/internship

・ボランティア募集について
http://www.kikonet.org/support/individual/volunteer