京都事務所の伊与田です。ひとつの新しい歴史がつくられようとしています。

3月15日、116か国の1905か所という空前の規模で、気候変動の危機を訴える子どもや若者によるアクション”FridaysForFuture”が行われるのです(しかもその数は今も増え続けています)。

地図を見れば、その規模は一目瞭然です。

Source: https://www.fridaysforfuture.org/events/map

 

日本では、東京と京都で実施される予定で、アクションを企画する若者たちは、さらなる若者・子どもの参加者を募っています。

●FridaysForFuture東京(クリックでfacebookページへ)

日時:2019年3月15日(金)14:00-16:00
場所:国連大学前(東京都渋谷区)

●FridaysForFuture京都(クリックでfacebookページへ)

日時:2019年3月15日(金)12:00-13:00
場所:京都市役所前(京都市中京区)

なぜ子どもが気候アクションを?

この世界的なアクションの火付け役になったのは、スウェーデンの15歳(当時)の少女、グレタ・トゥーンベリさんです。2018年8月、彼女は、学校を休み、スウェーデンの国会前で、気候変動の危機を訴えるアクションをはじめました。

Photo: Anders Hellberg

 

9月8日には、スウェーデン政府がパリ協定に沿う十分な政策をとるまで、毎週金曜に学校ストライキを実施することを決断。そのアクションはSNSを通じて世界中に拡散され、彼女のTwitterのフォロワー数は25万以上になりました。

その反響は大きく、国連会議COP24などの重要なイベントに招待され、スピーチを行い、大人世代の責任を厳しく批判。ドイツのメルケル首相に「(学校ストライキのムーブメントを)支持する」と言わしめています。

しかし、学校を「サボる」という手法に対して、けしからんという大人もいないことはありません。例えば、豪ニューサウスウェールズの教育大臣は、「3月15日の学校ストライキに参加した子どもや教師は罰せられるだろう」と発言しました。

これに対して、グレタさんは何とやり返したでしょうか?

「はい、そのことは聞いています。でも気にしません。あなたが言っていることは、博物館に展示するような(古臭い)ものですから」

めっちゃパンクでかっこよくないですか?

どうして学校を「サボる」のか?

子どもが社会問題の解決を訴えるために学校を休むと言い出したら、「大人に任せておとなしく勉強しなさい」と言い出す大人もいるでしょう。

しかし、学校ストライキに取り組む子どもたちは、こう言います。

「大人たちは『未来のために勉強しなさい』と言う。でも、今のまま気候変動が進めば、まともな未来なんてないかもしれない。たくさん勉強して気候変動の危機を訴えても政府はまったく声に耳を貸さないのなら、どうして一生懸命勉強していられるの?」

現在、気候変動の影響もあって、地球の歴史で6回目の大絶滅が発生し、すでに何百万もの人々に悪影響を与えています。にもかかわらず、現在世界各国が掲げる温室効果ガス排出削減目標は、気候変動の国際条約「パリ協定」の長期目標の達成には全く足りない状態です。

世界の人口の半分以上を占める若い世代の人々は、今のままでは気候変動の危機とともに生きていくことを運命づけられることになります。現在の意思決定過程でその声は顧みられないにもかかわらず。

このような不正義は、もう受け入れられない。それが彼女たちの主張なのです。

「あなたは2050年に何歳になりますか?」

この話を聞くと、私は、学生時代に参加したCOP15(2009年)のことを思い出します。あの会議で、ユースのスローガンは「How Old Will You Be in 2050?(あなたは2050年に何歳になりますか?)」でした。

対策を先延ばしにしている現在のシニア世代は、2050年にはこの世を去っているのに対して、対策の責任を押し付けられた将来世代は、過酷な2050年を生きることになる。その不均衡と不正義を告発するためのメッセージでした。

思えば、子どもの頃、大人たちから「地球温暖化は大変です。たくさん勉強してこの問題を解決できる大人になってください」と言われたことに違和感をもっていました。なぜ、問題を引き起こした大人世代が自ら解決しないのでしょうか?子どもは夢を持てと言いながら、なぜ実際にはそれを奪う気候変動の対策を先延ばしにしているのでしょうか?環境教育は、将来世代に責任を押し付けるための儀式だったのでしょうか?

私もあれから年齢を重ねて、環境教育をされる側からする側になりました。また、「あなたは2100年に何歳ですか?」と追及される側の人間になりつつあります。

私としては、本質的な解決をせずに若い人たちにただお説教をする大人ではなく、科学的知見に沿って必要な対策を実施し、安全な気候環境を残していける大人になりたいと思います。

#FridaysForFuture(FFF)に参加するには

FFFのメッセージとルール

さて、FFFのメッセージはシンプルです。パリ協定とIPCC報告書に従うこと。気温上昇1.5℃未満に抑えること。パリ協定にある、衡平性と気候正義の側面に焦点をあわせること。科学をベースに団結すること。そのために、政治家による政策方針の転換を求めています。

また、FFFには緩やかな共通ルールがあります。暴力や破壊をしないこと。ごみのポイ捨てをしないこと。お金もうけをしないこと。ヘイトをしないこと。活動によるCO2排出量を最小限に抑えること。常に科学を参照すること。

もし気候変動の不正義をなんとかしたいと思ったら

もし、あなたも気候変動の不正義をなんとかしたいと思ったのなら、#FridaysForFuture に参加してください。繰り返しになりますが、東京と京都で開催される予定です。

もし近くで予定がなかったら、チャレンジングですが、ひとりでもできます。例えば、自分の住む市役所の前でメッセージを掲げて写真を撮り、ハッシュタグをつけてSNSで発信する。それが世界を変えるチカラになるかもしれません。スウェーデンで、グレタさんが、たったひとりでそうしたように。

●FridaysForFuture東京(クリックでfacebookページへ)

日時:2019年3月15日(金)14:00-16:00
場所:国連大学前(東京都渋谷区)

●FridaysForFuture京都(クリックでfacebookページへ)

日時:2019年3月15日(金)12:00-13:00
場所:京都市役所前(京都市中京区)