日本メディアはややそっけなかったものの、海外メディアには数多く取り上げられたので、あえて「旋風」と言わせてください。

2019年6月28-29日、大阪でG20サミットの開幕にあわせ、国内外の環境NGOが、議長国である日本に対し、実効性のある気候変動対策とそのための脱石炭政策を求めるアクションを世界各地で展開。日本でも『G20大阪サミット直前  GLOBAL PEOPLE’S ACTION』と銘打ち、横須賀・神戸は石炭火力発電所建設予定地付近で、開催地の大阪は市内でのアクションを敢行しました。

日本政府が初のG20議長国と張り切っていたのに負けじと、NGOも策を練り、従来のバナーに加えて、巨大バルーン(安倍首相が石炭バケツの上で大はしゃぎ?そのサイズは何と4m!)やG20参加国の首脳のマスクをかぶったパフォーマーを登場させました。

それぞれのアクション会場でビデオ動画を撮影しましたので、ご紹介します。また、アクション後にプレスリリースを発表していますので、そちらもご参考ください。

横須賀:建設現場に向かう工事車両を避けながらのバナーアクション

動画でも後ろに写っているのがまさに石炭火力発電所の建設を進めるクレーン。工事が着工し、みんなが集まった道路を多数の工事車両が通過するたび「車来まーす」と避けての写真撮影でした。また、この日は世界各地でも、日本に脱石炭を求める『NO COAL JAPAN』キャンペーンに賛同する団体が、日本が石炭技術輸出を進めている国々や石炭事業で関連のある国(フィリピン、インドネシア、インド、パキスタン、バングラディッシュ、アメリカ、オーストラリア)の日本大使館前などで脱石炭などのメッセージを掲げたアクションを敢行。世界的に気候変動対策が急務とされる中、海を隔てた国でまで石炭火力発電所を建設し続ける日本…悲しい現実です。

東京湾岸で最後に残った横須賀の計画を止めるべく、住民の方々を中心とした反対運動はますます盛り上がっています。

 

神戸:令和初の台風接近、どちゃぶりの中でも石炭火力発電所建設反対!

神戸製鋼が大規模石炭火力発電所の建設を進める工場敷地に隣接する公園に、石炭バケツの上にでーんと座る安倍首相の巨大バルーンが登場。幸いにして風はなかったので、バルーンがひっくり返ることも飛ばされることもなく、写真に収めることができました。4mのサイズにもかかわらず、膨らますのはほんの数分でしたが、石炭に対する参加者の闘志もバルーンとともにますます膨らみ、叩きつける雨にも負けずに「No Coal」「石炭反対」の声を響かせました。

大阪:なんで石炭やねん

世界が脱石炭に向かっているのに、なんで技術力のある先進国である日本が石炭使用を続けるの? 世界のNGOによく聞かれますが、我々日本にとっても疑問です。なんで石炭やねん?!との思いをぶつけるべく、G20開催地である大阪市内では、各国の首脳に扮したパフォーマーが、それぞれの国の石炭事業に対する姿勢を表明しました。米大統領に石炭バケツを持ってすり寄る安倍首相のパフォーマンスにはフラッシュの嵐。各国首脳を模したパフォーマンスの写真を紙面に載せては…との忖度が働いたのか、ここでも海外メディアが中心。予想以上の海外メディアへの掲載に喜んだものの、ここでも「石炭」への温度差を実感した大阪アクションでした。

終わってみれば、G20では気候変動対策のリーダーシップを取ると意気込んでいた安倍首相の存在感は、神戸アクション後のバルーンのようにしゅぼぼーんと縮んでいました。

各地のアクションに参加してくださった多くの方に感謝しつつ、日本における反石炭の道のりはまだまだ長そう~と思った怒涛の3日間でした。

関連情報(プレスリリース)

【プレスリリース】G20大阪サミット直前 横須賀石炭火力発電所 計画地前アクションを実施(リンク
【プレスリリース】G20大阪サミット直前市民アクションを実施 – 神戸(リンク
【プレスリリース】G20大阪開幕!脱石炭市民アクションを実施 安倍首相はG20で気候変動リーダーシップの発揮を!(リンク