「活動報告」カテゴリーアーカイブ

アフリカで感じた気候変動の脅威と不条理

皆さん、こんにちは。インターン生の武井七海です。

インターンを始めて2か月が経ちました。気候ネットワークの活動は沢山のスタッフとボランティアの方々に支えられていると日々実感しています。そんなスタッフやボランティアの方々で、月に1回”Kiko研究会”という気候変動に関する勉強会が開催されています(通称Kiko研)。

前回、前々回はスタッフの延藤さんがお話してくださったのですが、今回は私が発表しました!私は昨年末まで西アフリカのベナン共和国で1年強、有機農業の普及活動をしていました。なので、今回はベナンってどんな国?という話からベナンで感じた気候変動の脅威と不条理についてまで幅広く話しました。その発表内容をまとめたものをブログにも書きたいと思います。Kiko研に参加されていない方にも、アフリカにおける気候変動の影響を知っていただけると嬉しいです。

1, ベナンってどんな国?

皆さんはベナンと聞いて何を思い浮かべるでしょうか?

「ああマレーシアね!」-それはペナンです。

「ああベトナムね!」-それはダナンです。

と、こんな感じの反応を受けることが多いのですが、「ベナン」は西アフリカにある国の名前です。西アフリカの海に面した国で、トーゴ、ブルキナファソ、ニジェール、ナイジェリアに囲まれた国です。

主要産業は農業で、田舎に住む多くの人が農業に従事しています。地図からもわかるように南北に縦長の国で、南部は高温多湿の熱帯雨林気候、北部はサバナ気候と言われています。私は南部の海岸沿いのこんな地域に住んでいました。ココナッツ、パイナップル、マンゴーが本当に美味しかったです。

海岸の風景

2, ベナンで感じた気候変動の脅威

前述の通り、ベナンでは沢山の人が農業に従事しています。しかも、ほとんどの人が天水に頼る農業をしています。なので、気候の影響をもろに受けます。例えば、私がいた1年間の間にほとんど雨が降らない時期がありました。

干からびた田んぼ

いつもならこれから雨季が始まるというタイミングで、田植えをしました。しかし、田植え後、ほとんど雨が降りませんでした。そのため、稲は育たず、地面は割れてしまいました。そして、この農地の稲はすべて枯れてしまいました。

その次の月、今度は大雨に見舞われました。雨の降り始めはみんな喜んでいたのですが、例年とは異なる豪雨が例年よりも長く続きました。

浸水した市場

その結果、いつも市場が開かれていた場所が浸水し、市場は1か月間開かれなくなりました。また、農地がすべて浸水して収穫ができなくなった野菜農家もいました。

浸水した家

さらに、いくつもの家が浸水しました。村全体が浸水して、村人全員が避難した村もありました。上の写真の左側の丸は普段の家で、右側の丸が簡易的に作った家です。屋根や壁は木の葉っぱ等でできており、雨風がしのげるとは思えませんでした。また、熱帯地域ではマラリアなどの蚊が媒介する感染症が流行っており、水たまりの近くに住むことで、それらの感染リスクが高まってしまいます。

3, ベナンで感じた不条理

農民の口癖は” à cause du changement climatique (気候変動のせいで)”でした。日本にいた時から気候変動の存在は知っていましたが、こんなに大きな影響を与えていると思ってもみませんでした。気候変動の主な原因は先進国や新興国にあるにも関わらず、その影響はベナンのような途上国の人々が被るという不条理を目の当たりにしました。実際、ベナンの温室効果ガス排出量は188か国中149位で、世界の0.03%しか排出していません。しかし、気候変動の脆弱性は181か国中27位で、気候変動による被害が大きいのです[1]。

環境活動家のグレタ・トゥーンベリさんは大人世代の行動によって気候変動が進み、子供世代やその下の世代が気候変動に苦しんでいることを主張していると思います。私もその考えに共感します。一方で先進国の行動が気候変動を加速させ、途上国の人々がそのせいで苦しんでいることも忘れてはならない事実だと思います。

[1] Climate Change Profile Benin

自然エネルギー学校・京都2020―地域でできる?!自然エネルギー100%―

 こんにちは! 8月から気候ネットワークでインターンをしております、佐野栞です。9月12日に、自然エネルギー学校・京都2020の第4回「地域でできる?!自然エネルギー100%」がオンラインで開催されました。講師は京都大学の諸富徹さんと株式会社イー・コンザルの榎原友樹さんです。今回もそれぞれの講師による講演、質疑応答、少人数での交流会というプログラムで行われました。この会のもようを、初めて参加した一学生の視点から記してみます。

1.地域密着のエネルギー会社「シュタットベルケ」

 開会直後に始まった諸富さんの講演、その内容は、前半が日本の地方の抱える課題と解決の方向性について、後半がドイツの「シュタットベルケ」というエネルギー会社の紹介と日本の地域新電力の取り組みについてというものでした。

 地方は現在、そしてこれから、急速な人口減少とインフラ老朽化という課題に悩まされることとなります。財政難、さらには人・お金の流出という課題から地方を救うための解決策の一つとして登場したのが、自然エネルギーです。自然エネルギーはどこにでもあり、小規模での運営ができることから、域内資源でお金を作り出し、回し(この循環構造を地域経済循環と呼びます)、地域に貢献する可能性を持っているのです。

 ドイツでの成功例として、シュタットベルケが紹介されました。シュタットベルケとは、地域のサービスを提供する事業体(日本で言えば地方公営企業)ですが、発電・送配電・電力小売りを中心の事業として、交通や市民プールといった市民サービス事業も手がける点が特徴です。生活を支えるインフラ事業は、収益性の高い電力部門の利益で回っているのだそうです。

 日本でも、シュタットベルケをモデルとした電力企業が、地域住民の手でいくつも生まれてきています。それらは地域新電力というカテゴリーに入ります。記事を読まれている方も、我が家での地域新電力との契約を検討したことはあるでしょうか? 収益で地域の課題解決を目指す会社もあるので、地域貢献という道から、電力会社を選びなおしてみるのも良いかもしれません。私の下宿や実家のエリアにも供給がされているようなので、家族で検討してみます。

2.社会・自治体・企業が動き出している

 続いて、環境・エネルギー分野のコンサルティング会社および地域新電力を立ち上げた榎原さんに講演していただきました。榎原さんは日本各地の先進的な取り組みなど、実際の動きを主に紹介してくださいました。

 コロナ禍からのグリーンリカバリーの話題も耳にしますが、社会全体で脱炭素化への動きが段々と大きくなってきています。自然エネルギーへの転換は、CO2ゼロ社会に必須だと榎原さんは言います。

 「2050年までにCO2排出ゼロ」を宣言する日本の自治体が増えてきましたが、具体的に行動に移せている地域はまだ少ないのが現状です。先進事例である長野県が「気候危機突破方針」でプランを示したように[1]、取り組みを進めるためには、まず大まかでも目指すところを決め、見えるようにすることが大事であるのかなと感じました。

 ベンチャー企業は様々な先進的取り組みを行っており、自然エネルギーを利用した電力会社、発電所と消費者をつなぐハブ企業、榎原さんの関わる地域新電力「能勢・豊能まちづくり」での挑戦などについて教えていただきました。

3.質疑応答と交流会

 質疑応答が活発に行われた後、地域ごとに4~5人のグループで感想や自分にできることを語り合いました。

 私の参加したグループでは、質疑応答の時間でも明らかになった、自然エネルギー設備導入のハードルの低さと課題の両方について話しました。自然エネルギー電力の導入を検討されている団体の方、個人の方などがいらっしゃり、各人の立場でできることや、もっと普及させるための方法を洞察しておられました。経験豊富な人に囲まれて萎縮しかけた私のまとまらない話を、うんうんと聞いてくださる優しい方々でした。

4.まとめ

 気候変動を止めるため活動する気候ネットワークですが、この第4回では、分散型発電の「地域の経済・社会に貢献する」という面が一貫して強調されていました。なんのために自然エネルギーを使うのか、様々な目的がありうるのですね。じつは、気候変動対策よりも、地域の活性化を目的として自然エネルギーを推進する自治体の方が、具体的な事業化の段階により早く至っているという調査結果もあります[2]。事業への住民の協力が集まることが、自然エネルギー普及のために大切なようです。

 最後に、受講者の方々と交流した私の感想は、「この分野に詳しい方や、実際に携わっている方がこんなにいるのか!」というものでした。第3回に参加したインターン仲間たちに、ハイレベルに学べる会だと聞いていたのですが、予想以上で圧倒されたりワクワクしたりしたものです。

 正しい知識も人のつながりも、行動を支えます。いつまでも学びが足りることはないようですね。

 次回は西粟倉村の白籏佳三さんを講師にお招きして、9月26日に第5回が開催されます。

参考

[1]長野県気候非常事態宣言・気候危機突破方針 

[2]山下英俊, 藤井康平. 「日本の地方自治体における再生可能エネルギーに対する取り組みの現状と課題」サステイナビリティ研究, 6, pp.57-70, 2015. 

自然エネルギー学校・京都2020―自宅でできる?!自然エネルギー100%―

暑い日が続きますね。皆さん如何お過ごしですか。

初めまして。今月から気候ネットワークのインターンシップに参加している武井七海です。インターン開始日でもある8月1日に自然エネルギー学校の第3回「自宅でできる?!自然エネルギー100%」がオンラインで開催されました。講師は国立環境研究所の小端拓郎さんでした。小端さん、ありがとうございました!今回は小端さんの講演の後に、質疑応答を挟んで、少人数に分かれての交流会が行われました。

1. 講演「私たちの選択と、PVEVの役割」

今回の内容をざっくり要約すると以下の3点になります。

  • PV(Photovoltaic、太陽光発電)とEV(Electric Vehicle、電気自動車)の価格は年々減少
  • 屋根上PVとEVを組み合わせで安価な再エネ電源に
  • コミュニティーでPVとEVを取り組むことによって、スケールアップが可能

1-1. PVとEVの価格減少

PVシステムの価格は2030年には現在の半額以下になると言われているそうです。また、EVも2030年にはバッテリーの価格が半額になり、ガソリン車よりも安くなると予想されています。

1-2. 屋根上PVとEVの組み合わせ

皆さんは太陽光発電と聞いてどのようなイメージを抱きますか?

私は、急傾斜地に設置された太陽光パネルが地滑りの原因になったり、太陽光パネルを設置するために、森林伐採が行われたり、ネガティブなイメージを抱いていました。講師の小端さんも大規模な太陽光発電が環境に与える影響を懸念していました。

一方で、屋根上PVについては、設置における環境負荷が小さいため、屋根上PVを普及していく必要性に言及していました。しかし、屋根上PVを導入する際に障壁となるのが、発電した電気を蓄電できないことです。そこで、V2Hという仕組みを提案していました。

V2Hのイメージ図

V2Hとは屋根上PVとEVを組み合わせて、電気を自給自足するシステムです。ここではEV=電気自動車に加えて、EV=動く蓄電池という発想の転換が行われていました。このシステムを導入することで、二酸化炭素排出量を大幅に削減できるだけでなく、電気代やガソリン代も節約できます。

しかし、車の使用頻度が高い人には経済性が伴わない点や、個人の電力需要によってPV設置面積が決まるため、屋根を最大限活用できないという課題があります。

1-3. コミュニティーでの取り組み

そこで、コミュニティーレベルでPVとEVを組み合わせたシステムを導入することで、より効率性を高めることができます。さらにこのシステムは、自然災害の時にも重要な役割を果たすことが期待されています。10年前にこの構想を聞いたら、夢物語と思っていたかもしれませんが、私は現実的な提案だと思いました。まだまだ、実際にコミュニティーレベルでEVとPVを導入するには課題が山積していますが、私たち市民がその実現にできることはあるでしょうか?

2. 交流会

今年はCOVID-19の影響で自然エネルギー学校はオンライン開催となりました。日本中の様々な地域の方が自宅などから参加していました。COVID-19はマイナス面ばかりが日々報道されていますが、こういう良い側面は積極的に利用していきたいですね。

さて、交流会は少人数のグループでの話し合いでした。私が参加したグループの方は、PV,EVを含む気候変動に関する知識が豊富で、自分の考えもしっかり持っており、私ももっと勉強しよう!と刺激を受けました。

例えば、「自然エネルギー100%を達成するために自宅でできることは?」というお題に対する回答では、自宅でPVを設置することを検討したが、難しかったため、電気プランを、再生可能エネルギーを含むプランに変更した、という方がいらっしゃいました。気候変動の問題を認識し、PVが果たす役割を理解し、実際に電気プランを変更するという行動を起こしていることが、素晴らしいなと思いました。

参考:再エネ中心の電力会社に切り替える・パワーシフトキャンペーン

3. まとめ

初めて参加した自然エネルギー学校は、新しい知識を得られたことに加えて、気候変動に取り組む方々と出会うことができました。

私の現在の住居では、太陽光パネルを設置したり、電力会社を変えたりすることはできません。では、今できることは?と講演後に考えて、自宅でコンポストを使い始めました。生ごみの大部分は水分のため、焼却するには大量のエネルギーが必要になります。つまり、生ごみを減らせば、焼却時のエネルギーが少なくて済むのです。コンポストを導入してから約1週間ですが、今のところ生ごみは0です!生ごみの匂いからも解放されるのでお勧めです。一人ひとりができることは少ないですが、それを積み重ねて行くこと、コミュニティにその取り組みを広めて行くことが、我々にできることではないかと思います。

皆さんは、自然エネルギー100%を達成するためにどんな行動をおこしますか?

次回は京都大学の諸富徹さんとイー・コンザルの榎原友樹さんをお招きして、9月12日に第4回が開催されます。

気候危機を防ぐために!徳島のおばちゃんたちの挑戦

7月1日、四国4県で、テラエナジーでんきが供給開始されました。これに先立つ6月29日、あわエナジーとテラエナジーは、徳島市内の興源寺で記者発表を行いました。

あわエナジーは、徳島での再生可能エネルギーの普及を目指す市民団体です。当時15歳だったグレタさんが始めた気候ストライキ、そして世界中・日本にも広がった若者たちによる「未来のための金曜日(Fridays For Future)」に対して、「普通のおじちゃんやおばちゃんに何ができるのか?いつか、誰かがやってくれるのを待つのではなく、再生可能エネルギー100%の未来をめざして、自ら行動しよう。」という想いからはじまりました。

その想いを形にするために、「徳島の豊かな自然資源を生かして新電力事業が始められないか」と、私たち気候ネットワークにご相談をいただいたのが今からおよそ5ヶ月前になる2020年2月のことでした。それ以降、様々な可能性について検討を行い、4月からはTERA Energy(テラエナジー)との連携した活動について検討を始めました。

折からの新型コロナウィルスによる影響で、対面による打ち合わせが難しい時期でしたが、平均年齢が60歳を超えるあわエナジーのメンバーは見事にzoomやグーグルドキュメントなどを使いこなし、団体の立ち上げと活動開始に向けた準備を進めていきました。

こうして迎えた記者会見当日は、あわエナジー代表の角田さんと副代表の祖父江さんが設立に当たっての想いを語ったあと、テラエナジー株式会社代表取締役の竹本さんより「市民活動を持続的に支える仕組みづくり」と題して、さらに私、NPO法人気候ネットワーク上席研究員の豊田より「パワーシフトと市民新電力の意義」と題しての報告を行いました。

また、テレビでも活躍中の気象キャスターで気候ネットワークの会員でもある太田景子さんが、あわエナジーの活動に共感して司会をしてくれました。

当日の記者発表の様子はYouTubeでも公開していますので、ご関心ある方は是非こちらからご覧ください。

特に祖父江さんの熱い想いは必聴ですよ。

 

あわエナジーの活動内容は、主に次の二つです。まず、再エネ電力(FIT電気)の割合が高い「テラエナジーでんき」の契約を増やして、徳島における再エネ電力の割合を高めていきます。そして、電気料金の2.5%の寄付を受け取り、その資金をもとに徳島各地で再エネの導入に取り組んでいきます。そのために「テラエナジーでんき」への切り替えをお願いしています。
あわエナジーの当面の活動目標としては、年内の団体の法人化、そして3年を目処に電力小売り事業者としての認可を受けて新電力会社を設立することです。

気候危機を防ぐために自分たちに何ができるのか、ただ悩んでいるだけの時間はもう残されていません。そんな想いからはじまった、徳島のおじちゃん、おばちゃんたちの挑戦を応援してください。この機会に電力をテラエナジーに切り替えて、寄付先にあわエナジーを選ぶこともできます。

気候ネットワークでは同じような悩みを持つ皆様の活動を支援していきます。遠慮なくご相談ください。

文責:気候ネットワーク 豊田陽介

コロナ禍の時代、気候災害と地震に備える

この夏の災害対策を見直そう

こんにちは、防災士の広瀬です。

先日、関東で2夜連続地震が起きました。千葉県を震源地として「緊急地震速報」が発表され、強い揺れに警戒が呼びかけられました。コロナ禍の中でどの様な避難ができるのか、考えるきっかけになった人も多かったのではないでしょうか。

地震だけではなく、夏に向けて、風水害に備える災害対策に、感染症予防を加えることが必要です。

豪雨、台風、熱波、地震にコロナ禍;複合災害が多発している

近年では気候変動による豪雨災害が毎年発生しています。日本を襲う南海トラフを始めとした巨大地震も秒読みと見られる中、双方が同時に発生する可能性も考えられます。

例えば、最近の2年間の自然災害を振り返ってみましょう。

2018年7月23日埼玉、熊谷で史上最高気温41.1℃を記録

▼2018年の自然災害(地震、豪雨、台風、猛暑を抜粋)

地震6月 大阪北部地震 最大震度6弱
豪雨7月 西日本豪雨 死者200人以上
猛暑7月 東京都青梅市や埼玉県熊谷市などで40度超を観測
地震9月 北海道胆振地方中東部の地震 最大震度7
台風9月 台風21号関空浸水 被害総額約685億4,839万円
台風9月 台風24号和歌山上陸 被害総額約108億2,529万円

2018年9月関西空港の連絡橋に台風21号の暴風により流されたタンカーが衝突した。写真:国土交通省近畿地方整備局

 

▼2019年の自然災害(地震、豪雨、台風、猛暑、渇水を抜粋)

地震1月 熊本地震 最大震度6弱
地震2月 北海道胆振地方中東部の地震活動 最大震度6弱 
猛暑5月 北海道佐呂間で39.5℃を記録
地震5月 千葉県北東部の地震活動 最大震度5弱
地震6月 新潟・山形地震 新潟で震度6強 山形震度6弱
渇水6月 記録的に遅い梅雨入り
大雨7月 長崎県・鹿児島県・熊本県 大雨による激甚災害 
猛暑8月 新潟・石川・山形などで40℃以上を記録      台風8月 台風10号 広島県に観測史上3度目の上陸 激甚災害
豪雨8月 九州北部大雨
台風9月 台風15号 首都圏縦断
台風10月  台風19号 13都県に特別警報            台風10月  台風20号、21号 100以上の河川で氾濫や決壊が発生 

積乱雲が見えたら大気が不安定になっているサイン。雷・雹・竜巻・短時間集中豪雨など天気が急変することを想定して安全な場所にすぐ避難を

【もしもに備える】その1:あなたの保険は大丈夫?

地震で受けた小さなダメージが、風水害によって大きな被害になるケースがあります。

私は2018年5月に発災した大阪北部地震の災害復興ボランティアに参加し、地域ニーズ調査に協力しました。260軒ほどのお宅を訪問したところ、多くの家屋で地震の衝撃で壁や屋根には気づかないほどの小さなひび割れがあり、その後の豪雨によって雨漏りや浸水などが発生し、大きなダメージがあったことが分かりました。

感染症対策で自宅を拠点にテレワークをする人が増加した中で被災後の生活や健康を守るためにも、被害想定や家の構造、家族の状況などを考えた個々に適した地震保険の確認や見直しが大切です。

2018年大阪北部地震の被害 左の家屋の壁面にひび割れが見られる

【もしもに備える】その2:日常の備えに加えて衛生用品の用意を

2018年9月関西空港が浸水した台風21号や、2019年に千葉県で被害をもたらした台風10号などは建物の損壊や交通の遮断にとどまらず、断水や大規模停電など不便な生活が長期間続くことになりました。今後はこのような事態にも感染症予防を取り入れて適応してかなければなりません。

特に災害時に備える衛生用品の重要性は、今回のコロナ禍で供給が滞ってしまったことでも皆さん痛感されていることと思います。日常の備えは感染症予防にもつながる大切なことです。これまでの備えに加え、マスク、消毒液、体温計を確認しておきましょう。

家にあった夏用インナー(肌着)のTシャツをリメイク。ゴムは使用済みのマスクから外して殺菌して再利用。 サラサラひんやりした肌触りです。(写真:広瀬)

【もしもに備える】その3:避難の方法を再確認

コロナウイルス感染症が、人々の脅威となっている理由の一つに、感染力の強さがあります。現在多くの避難所は、地域の体育館や集会所などが設定されていて、3密(密集・密接・密閉)の条件に当てはまる場合がほとんどです。クラスター対策として、いくつかのブロックに分け、広めの通路を作り、人と人との間隔を2メートル以上とって過ごすように考えられています。政府は、自治体に避難所の設営工夫や増設のほか、ホテル・旅館の活用、親戚や友人宅へ避難する「分散避難」を呼びかけるよう求めています。また、災害の種類によって避難方法を変える「マルチ避難」なども考えられています。

しかし、すぐに新しい備えを整えるのは困難でしょう。「避難」とは、難を避けることです。今は自分の身を守るためにどんな避難方法があるのか確認し、ハザードマップをもとに地域の特性をよく理解した上で個々に当てはめて備えておくことが大切です。

参考:新型コロナウイルス避難生活お役立ちサポートブック

3密を避ける「分散型避難」とは

河川の近くや土砂災害が発生しやすい場所に家がある場合は、早めに別の安全な場所へ避難しなければなりません。避難先で家族間の行き来を減らすためにも家族単位で避難できるホテルや旅館、民間企業などの会議室等区切りのあるスペースを利用することが有効だと考えられています。つまり、一つの場所に大人数が集まる避難ではなく、たくさんの場所に少人数に分かれて避難する「分散型避難」です。

そのためには地域と企業などが協定を結び、発災時に近隣施設を利用できるようにしておくことが必要です。住民が分散して避難するためにも、人口の多い地域では密集を防ぐために、自宅や、車中、更には知人や親戚宅に避難するのも選択肢の一つとしてあるようです。

〈自宅避難〉

鉄筋コンクリートのマンションなどでは低層階以外は、浸水を免れる場合が殆どです。地震の場合は、建物の安全確認が必要ですが、水害などの場合は、ハザードマップをもとに「3階以上は安全」などの想定をしておくことで、自宅での避難が可能です。自宅が高層階にある場合は、エレベーターが停止していることを想定すると、水などの救援物資を運ぶのは重労働です。家庭ごとに最低でも2週間生活できる備蓄をおすすめします。

〈車中避難〉

過去の災害から、車中避難は、エコノミークラス症候群の発症が心配されていますが、十分に水分をとること、正しい理解のもと定期的に体を動かすことで、分散型避難に有効な選択肢の一つとして考えられています。

 

【もしもに備える】その4:省エネ・節水のエコライフ

今のところ、感染症COVID-19を完全に消滅させることはできないと考えられています。避難時に感染症と共存していくためには、クラスターが起こってもそれを収束できる能力を全体で向上しておくことが大切です。

そのためにも分散型避難でクラスターを小さく切り分けておき、マスク、手洗い、うがいのようなシンプルな予防を全員が正しく理解しておくことが大切です。

さらに、災害時に限られた水、電気を有効に使えるよう、普段から無駄のない水やエネルギーの使い方に慣れておくのもいいでしょう。この機会に避難時にも役立つエコライフを話し合い、家庭で実践してみてはいかがでしょう。

こどもたちの未来と大切な命を守るために

風水害の被害が年々甚大になってきている背景には、地球温暖化があります。これに新型コロナウイルス感染症の脅威が加わり、台風シーズンを前に不安は募るばかりです。

今のままでは幸せな子どもの未来を約束することはできません。それどころか、目の前に迫る災害から自分自身の身を守ることすら困難になってきています。この危機に対して、我々は自分の命を自分で守り(自助)、助かった人が周りの人を救う(共助)を本気で実践しようとしています。

ところが、大量に化石燃料を燃やして気候災害の根本原因に目を向けない日本の政治からは、本気で国民を守ろうとしているとは感じることができません。

パリ協定がスタートし、世界は化石燃料から再生可能エネルギーへ転換しようとしています。日本でも、コロナ禍や経済問題で苦しむ人々や、自粛を強いられている若者たちを救うための支援はもちろん、深刻化する気候危機を防ぐために政策を転換し、希望が一刻も早く示されることを心より願っています。

炭鉱の町・釧路で今起きていること・・・

こんにちは。東京事務所の桃井です。
うちの事務所も新型コロナウィルス対策で全員自宅勤務を続け早1か月になりました。早くこの事態を終息させるためにも、今はがまんして家にとどまることが大事そうです。

忘れられた!?パリ協定スタート

さて、このコロナの猛威で、ニュースも話題もほぼそれ一色。パリ協定のことなどまるで世の中から忘れ去られてしまったかのよ 続きを読む 炭鉱の町・釧路で今起きていること・・・

僧侶が作った電力会社「TERA Energy おてらのでんき」が大阪・九州・東京で供給スタート

電力小売自由化から丸4年 スイッチングは進んだのか?
2016年4月からすべての需要家を対象にした電力小売自由化が始まり、この4月で丸4年になります。家庭を含む全ての需要家は、自分の意思で自由に電力会社を選べるようになり、電力量に占める新電力の割合(シェア)は2019年12月末時点で16.2%になりました*1。地域的には東京(21.2%)、北海道(19.8%)、関西(17.9%)が高くなる一方で、中国(8.4%)、沖縄(6.5%)のシェアは低くなっています。
小売事業に参入する会社の数は、646事業者になりました(資源エネルギー庁2020/3/24時点)。登録している小売電気事業者は、主にこれまでの旧電力会社やその子会社を含む電力やガス、石油関連のエネルギー事業を行なってきたものや、独自の顧客を持つ携帯電話やケーブルテレビなどの通信事業者、また最近では生活協同組合などが一定のシェアをしめています。このほかにも自治体や地域の主体が出資する自治体新電力、地域新電力といったものが少しずつ見られるようになってきました。

僧侶が作る電力会社「TERA Energy(テラエナジー)」が発足!!
そういった中、気候ネットワークでも、パワーシフト・キャンペーンに参加して需要家への自然エネルギー電力の選択を促してきました。それに加えて、気候変動問題の解決のため、さらには地域の資源である再生可能エネルギーの普及を進めるとともに、電力や熱などのエネルギーコストの地域外への流出を食い止め、地域内経済循環の創出や地域課題の解決に寄与して行くことを目的に、再エネを主体にした地域新電力事業の支援を行なっています。
そうした活動支援の一環として、昨年6月には僧侶の方々が中心になった新電力会社「TERA Energy株式会社」(https://tera-energy.com/)が設立されました。『生きづらさを生む社会の仕組みを少しでも変えたい。』『温かなつながりを育み、世の中を照らせる会社になりたい。』そんな思いで僧侶4人が立ち上げた会社です。
TERA Energyの電力には大きく3つの特徴があります。リーズナブルかつ明瞭な電気代、再エネ比率の高い電気、寄付つきの電気です。

リーズナブルかつ明瞭な電気代
TERA Energyの電力料金は、次のように日本卸電力取引所の市場価格に連動して算出する電気の原価に、手数料、電気の託送料を上乗せして算出する市場連動型をベースにしています。
 おてらのでんきの電気料金=(電気の原価*1 + 手数料) × 使用量 + 託送料
そのため何をどれだけ支払っているのかが分かりやすく、また手数料を低くすることで電気料金もリーズナブルな価格に抑えることができています。実際に切り替えた顧客からは、以前よりも大幅に安くなったことへの驚きの声が上がっているそうです。

再生可能エネルギー比率の高い電気
TERA Energyが供給する電力の再生可能エネルギーの割合(FIT電気含む計画値)は70%以上と非常に高い割合になっています。パワーシフト・キャンペーンにも参加しており、今後は、自社での再エネ電源開発も進め、再生可能エネルギー100%を目指しています。

地域を支える寄付つきの電気
TERA Energyは電力小売事業による収益を、お寺を通じた地域コミュニティに還元し、様々な地域の課題解決に貢献することを目指しています。
そのために同社では、主に契約をした寺社や宗教法人の関連施設などに従来の価格よりも安価の電力供給を行うとともに、お寺を通じて檀家等の一般世帯とも契約した場合、これらの電力消費量・電力料金の2.5%をお寺に寄付を行います。
これは人口減少に伴う過疎化等の影響で様々な課題を抱えている地域のために、お寺にはTERA Energyからの資金を活用し、地域課題解決の主体となって活動してもらいたいという期待があるからです。お寺でも『経済的に恵まれない子どもたちに向けた寺子屋を開設して、教育の格差をなくしたい』『寺域の盆踊りを復活させたい』『草引きや雪かきなど、檀家さんや寺域の暮らしの困りごと解決に取り組みたい』と考えているお寺も多く、そんな活動の資金に、収益の一部を充てていく仕組みになっています。
また、お寺と直接の関係性のない一般家庭でも契約することは可能で、そういった方には社会活動・環境活動を行うNPO(NPO法人京都自死・自殺相談センター、認定NPO法人気候ネットワーク等)に寄付することができるメニューもあります。気候ネットワーク会員のみなさまには、是非、この機会に電力の切り替えを行なってご支援いただけますと幸いです。

広がる供給可能エリア
TERA Energyは、2019年6月から中国地方での電力供給をスタートさせ2020年1月から関西でも供給を開始しました。さらに3月には九州で、そして4月からの東京電力管内でも供給がスタートします。電気の切り替えのお申し込みはWEB(https://tera-energy.com/)からも行うことができます。手続きに必要なのは、電気の検針票と、電気代の引き落とし先の銀行口座またはクレジットカードだけで、とっても簡単に行うことができます。かく言う私も、この2月に申し込みを行い、先日の3月24日からおてらの電気からの供給を受けています。
電力会社の切替は申込をするだけで、実は携帯を変えるより手続きも簡単です。消費者として電力を変えることで、選択の意志を伝えられ、社会を変えていくことにもつながっていきます。
4月から新生活が始まる方も、またそうでない方も、是非この機会に合わせて電気を切り替えましょう!

(豊田陽介)

*電力・ガス取引監視等委員会、「令和元年12月分電力取引の状況」

海藻や魚貝が消えていく横須賀の海

 東京事務所の桃井です。現在、新型コロナウィルスの感染が広がり、状況がよくわからないまま政府の対応に振り回され、社会がパニックに陥っています。しかし、実際、私たちの身近に着実に迫っている気候危機は、社会的パニックになってもおかしくないほど深刻だと思います。

 この数か月、私は横須賀の石炭火力発電所建設計画の問題に向き合うにあたって、横須賀の海で起きている実態を目の当たりにする機会がありました。以前にも千葉の漁師の方に話を聞いて、海で起きている事態の深刻さに背筋が凍る思いがしましたが、 続きを読む 海藻や魚貝が消えていく横須賀の海

G20大阪サミット開催中に「GLOBAL PEOPLE’S ACTION」旋風が

日本メディアはややそっけなかったものの、海外メディアには数多く取り上げられたので、あえて「旋風」と言わせてください。

2019年6月28-29日、大阪でG20サミットの開幕にあわせ、国内外の環境NGOが、議長国である日本に対し、実効性のある気候変動対策とそのための脱石炭政策を求めるアクションを世界各地で展開。日本でも『G20大阪サミット直前  GLOBAL PEOPLE’S ACTION』と銘打ち、横須賀・神戸は石炭火力発電所建設予定地付近で、開催地の大阪は市内でのアクションを敢行しました。

日本政府が初のG20議長国と張り切っていたのに負けじと、NGOも策を練り、従来のバナーに加えて、巨大バルーン(安倍首相が石炭バケツの上で大はしゃぎ?そのサイズは何と4m!)やG20参加国の首脳のマスクをかぶったパフォーマーを登場させました。

それぞれのアクション会場でビデオ動画を撮影しましたので、ご紹介します。また、アクション後にプレスリリースを発表していますので、そちらもご参考ください。

続きを読む G20大阪サミット開催中に「GLOBAL PEOPLE’S ACTION」旋風が