「活動報告」カテゴリーアーカイブ

気候危機の最前線:台風19号の災害復興ボランティアに参加して〜福島県郡山市〜

こんにちは、京都事務所の防災士・広瀬です。

災害復興ボランティアの経験からの学び

防災士としての活動は2年目を迎えました。これまで災害復興ボランティアとして岡山県真備町で家財の搬出、大阪北部地震後の地域ニーズ調査などの経験をしてきました。

最初は、少しでも被災された方々のお役に立ちたいという思いが大半でしたが、現地に行くことで多くの学びがあることもわかって来ました。その学びを日々の活動に役立てることがいかに重要なのか考えるようになってきました。

今回、台風19号による豪雨によって被災地となった福島県郡山市に行き、災害復興ボランティアに参加してきました。この活動から学んできたことをここに記します。

福島県郡山市の被害実態

私がボランティア活動をしてきた福島県郡山市では、阿武隈川が氾濫し、死者6名、浸水被害 推定最大約 21,331 世帯、床上浸水 6,124 件、全壊 754 件という大きな被害情報が発表されています。

本当に大変な被害です。気候危機はすでに起きていて、私たちの生命や財産、生活を壊している現実を直視する必要があるのではないか、と感じます。被害に遭われた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

気候災害の復興ボランティアに参加

さて、今回、京都府社会福祉協議会が準備してくださった京都府災害復興ボランティアバスを利用し、41名のボランティアさんと共に1泊4日(車中2泊)活動してきました。

被災した住宅の泥出し作業をお手伝い

今回の活動では、1軒の家にまる2日かかってようやく泥出しが完了という結果でした。

床下に積もった泥は、田植えの泥と同じ粘りで、長靴の高さを超える50センチほどの深さでした。床板は外されていて、床の梁と梁の間に入っての作業はバランスを取るのも一苦労でした。作業を始める前に、泥の匂いが梁や柱に染み込まないよう、京都から運んできたブルーシートで丁寧に養生しました。さらに、掻き出したあとの土砂をすぐに持ち出しできるよう土嚢袋が大量に準備されていました。

写真:京都ボランティアセンター

復興が続いていくために、想像力を働かせる

住む人ができるだけ早く気持ちよく暮らせるようになるために、これまでのボランティア活動から引き継がれてきた細やかなノウハウを、ボランティアリーダーさんから教わりました。

今回私が参加した作業はあくまでも全体から見るとほんの一部。次の作業の人へバトンを渡す際に想像力を存分にはたらかせ、思いを伝えていくことも大切なことだと気づきました。

装備には意味がある

私たちボランティアが作業できる時間はたった2日間です。効率よく安全に作業を進めて行くためには、道具や装備をきっちりと整えることが重要です。

NPO法人レスキューストックヤード『水害ボランティア作業マニュアル』

どこから釘が出ているかわからないので、踏み抜き防止のソールを入れたながぐつ。手を保護するだけではなく、スコップで掻くときに水ぶくれを防ぐためにも革手袋。どこからものが落ちてくるかわからないためにヘルメット着用。さらに水害では特に感染症を防ぐための防塵マスク。目を保護するためのゴーグルも必要です。それ以外にも床下へ潜り込んでも視野が開けるためのヘッドライト、体に負担がかからないためにニーパッド。

大変な装備に見えるかもしれませんが、決して大げさではありません。万が一、怪我をしてしまったらその時点で活動はできなくなってしまうのです。

今回の作業ではこれらの装備を全て有効に使う事ができました。事前にボランティアセンターから準備物を教えて頂いていたことが怪我なく効率よく作業を進めることにつながりました。

土砂の入った土嚢袋は、本当に重い

私は農家の出身です。重いものを持つのは慣れているはずです。ところが、土嚢袋は、本当に本当に重いんです。

今回のような浸水の被害の場合、土砂は乾燥する前にできるだけ早く掻き出す必要があると言われています。乾燥してしまった泥は、コンクリートのようになり、ツルハシで砕いてかき出さなければならないため、作業が非常に困難になると言われています。

土砂は、水を含んでいるため、非常に重いのです。①スコップですくう→②手箕で運搬する→③土嚢袋に入れるという作業を繰り返していると、途中で挫けそうになるほどでした。

土嚢袋に入れた泥は、約15kg~20kg程度でしょうか。それを一つ一つ積み上げて、作業終了後には、見上げるくらいの高さになっていました。作業1日目の夜、私は全身に湿布を貼り2日目に備えました。

写真:京都府災害ボランティアセンター

2日目に入ると、チーム力で作業が捗る!

大変な泥掻きでしたが、ボランティア活動が2日目に入るとチーム力が増してきて、効率がさらにUPしました。

角材を梁に渡すことで、アナログコンベアのようなものが登場しました。角材2本の上に泥を入れた手箕を置いて滑らしていくことで、作業スピードが上がったのです。やはり人間は学習していくんだなと感動しました。そのことで、みんなのやる気が更に向上し、あっという間にいちばん底のコンクリート迄たどり着きました。

手づくりの雑巾に元気づけられる

今回の作業の立役者のひとつは、特別な「雑巾」です。

この雑巾は、ただの雑巾ではありません。今回、京都のとある高齢者施設からのご寄付でいただいた特別なものです。手縫いの雑巾500枚は、とても使いやすく、思いがこもった雑巾でした。

この雑巾に元気づけられ、丁寧な作業に繋がりました。このような支援の仕方があるのだと、コーディネートしてくださったボランティアセンターのスタッフさんに学ばせていただきました。ついに、泥の塊は1つもなくなり、泥だらけになった養生ブルーシートもピカピカに拭き上げる事ができました。

雑巾で拭き上げた床下
写真:京都府災害ボランティアセンターより

 

 

住人の方から感謝の言葉をいただくも、復旧は遠く…自然の脅威を思い知る

2日目の作業が終わりの時間を迎える頃、2日間ずっと一緒に作業を見守り、泥掻きをしてくださっていた住人の方から感謝の言葉をいただきました。最後の方は少し涙ぐまれていて、「もとの生活に戻れるまではまだまだ道のりがあるけれど、一歩前に進めました」という言葉に私も胸がいっぱいになりました。

しかし、この被害を引き起こしたのは、たった一晩の豪雨です。41人がかりで丸2日間の作業をもってしても、1軒のお家の完全な復旧にはまだまだ程遠く、自然の脅威を思い知ることとなりました。

ままどおるに込められた思い

京都に帰るボランティアバスの中で、家主の方からお手伝いの御礼にと、福島県郡山市の銘菓「ままどおる』というお菓子をいただきました。

「技術の前に良質な原料あり」という創業者の思いが詰まっているお菓子です。1967年から発売されたこのお菓子が、今日まで愛され続けている理由は、質のいい大豆と卵と小麦を絶妙なバランスで作られているからだそうですが、その良さは食べてみてすぐにわかります。このお菓子に込められたメッセージを、私なりに噛み締めてみました。

撮影:広瀬

どれほど災害に備えていても、このまま地球温暖化が進めば、将来にはもっと大きな災害が発生すると考えられています。被災地からのメッセージをしっかりと受け止め、より多くの人々が、科学的根拠に基づいた情報を正しく理解し、対策やCO2削減を進めていくことが持続可能な社会を築くのだと感じています。

そんなことを考えながらままどおるを味わいました。

応援してくれた仲間に感謝

今回、ボランティア活動に参加する私に、気候ネットワーク京都事務所の仲間から応援をいただきました。気候ネットワーク21周年を記念して作った手ぬぐいに励ましのメッセージを書いて持たせてくれました。途中苦しい時も休憩の合間にその言葉をみて励まされました。私の宝物となりました。

メッセージ付きの手拭い 撮影:広瀬

もうすぐ師走です。被災地のみなさまのことを考えると、長期的な復興支援が必要です。復興状況や季節の変化にあわせて変わっていくニーズに、何かお手伝いができることがあるかも知れません。同時に、台風被害をますます悪化させる地球温暖化を止めることが必要でしょう。

そんなことを日々考えながら、防災士として活動を継続していきます。

今でも災害復興ボランティア募集中

11月末現在、福島県、長野県、栃木県などではまだまだ屋内の掃除・家財搬出・泥だしのニーズがあるようです。

お手伝いできる方は、次のページをチェックして、ぜひ復興ボランティアに参加してみてください(各地のボランティアセンターでは、被災地のニーズ調査に基づいて作業が行えるようコーディネートしてくださいます。本当に大切な役割だと感じます。)。

台風15号、19号、10月25日からの大雨災害ボランティア募集状況(全国社会福祉協議会 地域福祉部/全国ボランティア・市民活動振興センターのウェブサイト)

 

G20大阪サミット開催中に「GLOBAL PEOPLE’S ACTION」旋風が

日本メディアはややそっけなかったものの、海外メディアには数多く取り上げられたので、あえて「旋風」と言わせてください。

2019年6月28-29日、大阪でG20サミットの開幕にあわせ、国内外の環境NGOが、議長国である日本に対し、実効性のある気候変動対策とそのための脱石炭政策を求めるアクションを世界各地で展開。日本でも『G20大阪サミット直前  GLOBAL PEOPLE’S ACTION』と銘打ち、横須賀・神戸は石炭火力発電所建設予定地付近で、開催地の大阪は市内でのアクションを敢行しました。

日本政府が初のG20議長国と張り切っていたのに負けじと、NGOも策を練り、従来のバナーに加えて、巨大バルーン(安倍首相が石炭バケツの上で大はしゃぎ?そのサイズは何と4m!)やG20参加国の首脳のマスクをかぶったパフォーマーを登場させました。

それぞれのアクション会場でビデオ動画を撮影しましたので、ご紹介します。また、アクション後にプレスリリースを発表していますので、そちらもご参考ください。

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気候ネットワーク設立から 20年のあゆみ

事務局長の田浦です。

気候ネットワークは、気候フォーラムを受け継いで1998 年4 月にスタートし、まもなく設立20 年を迎えることになりました。

気候ネットワーク設立20周年記念ロゴ

これまで、全国のネットワーク組織として、会員をはじめ多数の専門家やボランティアの協力を得て、国際交渉への参加、国内政策ウォッチ、地域のモデルづくり、調査・研究、政策提言、キャンペーン、温暖化防止教育などの活動を継続してきています。全てを網羅することはできませんが、これまでのあゆみを振り返ってみます。

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化石燃料の時代を終わらせる!パリ協定、発効へのカウントダウン

京都事務所の伊与田です。京都は先週くらいからようやく少し涼しくなりました。

さて、そんな中、気候変動に関するパリ協定について、とても良いニュースがありました。

世界の温室効果ガス排出量を実質ゼロにしていくことを決めた温暖化防止の国際条約「パリ協定」ですが、これが今年2016年内に発効する(=法的な効力を持つ)見通しになったのです!それどころか、11月に開催されるCOP22マラケシュ会議までの発効も現実味を帯びてきました。

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石炭火力発電所の新設計画、規模別出資比率が一番高い関西電力グループをウォッチ!

 こんにちは。東京事務所の桃井です。

 気候ネットワークが運用している石炭火力発電所建設計画ウォッチはご存知でしょうか。現在、48基もある計画をリスト化し、環境アセスメントの状況や個別の計画情報を集めてアップしています。

 石炭を燃料としてこれから計画すること自体がすべて問題なのですが、特にその中でも国際合意の基準に満たない案件や、環境大臣から「是認できない」と意見された案件、住民から説明会の開催を求めても一切回答がない案件など悪質ともとれる計画があります。

 ここでは、全国47基の計画に対して、規模別出資比率が最も高い関西電力(関電)グループの案件をまとめてみました。

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東アジア気候変動フォーラムin天津

東京事務所の桃井です。
9月21日に中国の天津で開催された「東アジア気候変動セミナー」に出席してきましたので、今回は少しその報告をしたいと思います。

日中韓の市民交流と東アジア気候フォーラム

今回の「東アジア気候変動セミナー」は、日本の東アジア環境情報発伝所、韓国環境運動連盟(KFEM)、中国の科学技術研究センターが共同で運営する東アジア環境情報ネットワーク(ENVIROASIA)の主催イベントとして開催されたものです。

三カ国の市民のネットワークを通じて、2010年からスタートしたのが東アジア気候フォーラムです。第一回目は韓国の光州市で、翌2011年の第二回目は日本の東京で開催されました。ちょうど東日本大震災の起きた年でもあり、このときは福島原発事故の被災者の方などからの報告も含めた原子力問題もあわせた特別セッションも設けられ「脱原発」にもフォーカスしていきました。原発問題はとりわけ中国での扱いがセンシティブではあるものの、この時を境に「脱原発と気候変動対策の両立」は毎回話題となるテーマになっています。そして、2013年には第三回目を中国杭州市で、そして昨年2014年に再び韓国光州で第四回目を行いました。

今回は、中国の環境保護団体のネットワークCCANのメンバー研修も兼ねて、北京、合肥、青海省、南京、杭州、麗江からメンバーが集まり、日中韓の気候変動政策や地域の取り組みについて情報交換をし、今後の連携について議論する位置づけで開催されました。

今年は、このENVIROASIAの15歳の誕生日ということで、ホスト国の中国科学技術研究センター代表の李力さんがお祝いのケーキを用意してくれて、盛大な祝賀パーティも開かれました。なんと、15年前、このネットワークの発足を中国や韓国の市民団体に呼びかけたのが、日本の東アジア環境情報発伝所代表の廣瀬稔也さんで、気候ネットワーク東京事務所のオフィスも同じ場所においているという御縁があります。廣瀬さんは、祝賀会でこの15年を振り返り、国際社会の中で政治的・経済的な情勢が大きく変化する中にあっても、草の根レベルで日本・中国・韓国の市民が互いを尊重してつながっていることの意味や気候変動をテーマに情報を共有しつつネットワークを育んできたことへの感謝の気持ちを語りました。

ENVIROASIA 15歳の誕生祝いにて 日・中・韓の代表者によるケーキ入刀
ENVIROASIA 15歳の誕生祝いにて 日・中・韓の代表者によるケーキ入刀

 

日中韓のINDCと課題を共有

さて、今回のセミナーは、COP21の直前でもあるので、第一部に基調講演「COP21に向けた課題」、第二部で各国のINDCについて、第三部で今後のアクションという構成ですすめられました。中国は中国気候変動行動ネットワーク(CCAN)の毕欣欣さん、韓国は韓国環境運動連合(KFEM)の李志彦さん、日本から私・気候ネットワークの桃井がそれぞれINDCについて発表しました。韓国と日本の発表では、それぞれの国のINDCが「2℃目標」を達成する上でも長期的削減に向けたプロセスとしても、公平性や野心度からみても不十分であると指摘していました。一方、中国のINDCについては、質疑の中で2030年にピークアウトというよりは、すでにピークアウトしているのが現実ではないかとの指摘が出て、石炭需要などについても実態を詳しく調査分析する必要性があがりました。

また、日本から参加した東北大学教授の明日香壽川さんは各国発表の総括をし、石炭火力発電所の開発に対しての海外融資で公的資金を最も投入しているのが日本で、次いで韓国、中国とこの三カ国が世界の中で石炭支援に最も資金を拠出していることをあげ、石炭融資の問題に東アジアの市民側も連携して言及してはどうかと問題提案されました。

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進行する東アジア環境情報発伝所の山崎さんと日中韓発表の総括と石炭問題に対しての提言をする東北大学の明日香壽川さん

市民の連携アクションに向けて

前半での議論をうけて、今各国ではどんなパリ会議に向けてどのようなアクションを実施しているのかを共有し、最後は山崎求博さんの進行により、市民側で連携していくアクションとして次のことがまとまりました。

1.11月28~29日のグローバルアクションデーで共同アクションを行うこと(日本ではClimate Action Now!キャンペーンとの連携)

2.石炭の問題に言及した東アジア市民による共同声明をCOP21前に発表すること

3.東アジア気候フォーラムのホームページを立ち上げ、運用を行うこと

4.それぞれ地域で実践する省エネ・再エネ対策などの情報をWEBを通じて共有していくこと

ということで、さっそく、日本に戻ってからもこれらの実行に向けた準備対応をしています。

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エクスカーションはカニ釣り!?

22日には、天津の郊外に移動して有機農業などに取り組んでいる村におじゃましました。ここでは、田んぼにカニを放し飼いにして害虫が増えるのを防ぐ「カニ農法」をしているのです。日本だと「アイガモ農法」は聞いたことありますが、カニはきいたことがありません。どうも最近の中国はなんでも農薬漬けになっているイメージがありますが、無農薬に取り組む村があることにも驚きましたし、カニを使うというユニークな方法もまた面白いなあと思いました。

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そして、観光客用にカニ釣り場も用意されています。釣り糸に鶏肉をクリップで挟んだものを垂らし、釣り場に落とすだけです。釣り場はカニで埋まっているのではないかと思うほど、入れ食い状態です。たった10分でこのとおり大漁でした。捕まえたカニは、残念ながら今回お持ち帰りできなかったのですべてリリースでしたけど・・・。

こうして、いろんな意味で充実した天津出張となりました。

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来年は日本開催!

さて来年、第5回東アジア気候フォーラムは、ホスト国が日本になります。今回の会議で、秋ごろに開催するということで合意がとられましたが、内容や具体的な開催日は今後の状況を見て決めていくことになります。また、開催場所についても、いくつかの候補地があがったものの、まだ確定できていません。アクセスが便利で、宿泊費もほどほどで、環境先進事例を中国や韓国の方に見てもらうことができ、おもてなしの精神でお迎えできる場所はいったいどこだろうかとなかなか決定できません。京都案が濃厚なのですが、なにせ秋の京都は宿代が高すぎる点で躊躇してしまいます。良いアイディアがありましたらぜひお寄せください!

※おまけ・・・・
カニ釣りや植林活動をしている間に日中韓のスタッフミーティングをしたのですが、村の民泊レストランの会議室はオンドルで、その横には石炭専用のストーブがおいてありました。”排ガスがでなくてクリーン”だと表示がありますが・・・。まだ市民の生活でも使われているところがあるのですよね。ちなみにそのストーブの横にある竈は薪専用でした。

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地域に根ざした団体との協働で、「おおだエコライフチャレンジ」を実施

こんにちは。京都事務所の近藤です。

京都発・温暖化防止教育プログラムを全国へ、世界へ

気候ネットワークは京都市との協働事業で暖化防止教育プログラム「こどもエコライフチャレンジ」事業を実施しています。京都市立の小学校を訪問し、総合的な学習の授業時間を使って学習会をしています。1回目の学習会では温暖化の仕組みや影響、生活との関わりとエコライフについて学びます。次に、夏休みや冬休みに家庭でエコライフを実践してもらいます。さらに休み明けに学校にて2回目の振り返りの学習をするという構成になっています。

京都市では10年前の2005年に1校からスタートしたのですが、徐々に実施校を増やし、2010年から京都市立全小学校まで広がりました。さらに近年では、他地域へと広がっています。各地で学習会を実施したいと考える団体に対して、京都で蓄積してきたノウハウを提供しながら地域に合ったプログラムの開発を支援しています。すでに、岡山県、滋賀県、兵庫県、マレーシア・イスカンダル開発地域で実施してきました。

 エコライフチャレンジ、次は島根県の大田市で

今回、実施することになった島根県大田市では、NPO法人緑と水の連絡会議がコーディネートしてくれています。水と緑の連絡会議は里山や草地のような二次的な自然環境の保全のために活動する団体です。木質資源の活用に関しても先駆的な取り組みをされていて、バイオマスチップボイラーの実証事業を手掛けています。また、島根県と市民団体が連携して行う森林教育事業「みーもスクール」を大田市で担っていて、小学校での授業の実績もあります。

今回は、「みーもスクール」でつながりがある、大田市立長久小学校の4年生18名と、仁摩小学校の4年生26名の子どもたちに1回目のエコライフチャレンジ学習会を実施しました。「みーもスクール」ではいつも森林や河川など、屋外での活動を行っているようですが、今回は特別プログラムとして取り入れていただきました。

大田市での実施とのことで、いつも京都で行っているプログラムをベースにアレンジを加えました。例えば、再生可能エネルギーについて、NPO法人水と緑の連絡会議が実施しているバイオマスエネルギーを紹介しました。二酸化炭素を固定して育った木を使ったエネルギーをつくる、という地元での取り組みを理解してもらえたかと思います。

学習会の中で、私は地球温暖化クイズの出題を担当しました。クイズでは答えを選んだ理由を子どもたちにインタビューをするのですが、多くの子どもたちが自分の言葉で意見を言ってくれました。

 子どもたちと一緒に、温暖化のない未来をつくる。

前日入りしたので問題はなかったのですが、岡山駅で特急に乗り遅れたり、学習会当日は大雨だったりと、ハプニングもありましたが、大田市の子どもたちは素直で、自由に発言してくれる児童が多く、充実した学習会になったと思います。次回は2回目の学習会でお会いすることになります。その時は、学習したことを実践して、取り組んだエコライフについて話してくれることを楽しみにしています。

今回のように、出向いてプログラムをお見せする形もあれば、各地での実施を見据えて、学習会の見学を受け入れたり、実施者向けの研修会を企画したりもしています。これからも、温暖化防止教育を実施したいと考える主体に対して支援を充実させていきたいと考えています。

学習会の中で地球の気温変化の予測を子どもたちに示すと、子どもたちから「未来のことだから、変えられるかもしれない!」というような発言が聞けることもあり、頼もしく感じます。これからも、より多くの子どもたちに自分たちの生活と温暖化とのつながりを知ってもらい、温暖化を防ぐにはどうしたらよいのかを考えるきっかけをつくっていきたいと思います。

こどもエコライフチャレンジの詳細

http://www.kikonet.org/local/education/children-eco-life-challenge

エネヤン夏の陣~温暖化とエネルギーについて本気を出して考えてみた~を開催しました

こんにちは。京都事務所の近藤です。

若い世代が中心になって、パブリックコメントを書こう!

6月24日、パブリックコメントを出そうというイベントが、ボランティアやインターン生が中心となり開催されました。将来世代の方がより影響を受けることになる温暖化・エネルギー問題は特に若い世代にとって重要な問題です。しかし、将来の方向性を決定するにあたり、若い世代の声は届きにくいというのが現状です。そこで、気候ネットワークのボランティア・インターンが中心になって今回のイベントを企画しました。今回で4回目を迎える「エネヤン」の企画ですが、今回は温暖化やエネルギーに関心のある学生や若手の社会人の方々を中心に12名の参加がありました。

パブリックコメントって?

政府や行政が政策や規則などを作るときには、広く意見を集めるためにパブリックコメントが行政手続法によって定められています。しかし、注目を集める案件にはたくさんの意見が集まるようにはなってきましたが、一般的には認知度は低いのが現状かと思います。特に学生や若い世代の中には、そうした機会が設けられており、自分たちの意見を言える場があることを知らずに過ぎていくことも多いか思います。そこで今回、政府が募集していた「長期エネルギー需給見通し(案)」と「日本の約束草案(政府原案)」について考え、パブリックコメントを書くことにしました。

気候ネットワーク精鋭!?インターンによる解説で理解を深める

今回の企画を考えてくれたのは、気候変動やエネルギーについて、大学やインターンシップを通して学んでいるメンバーです。津田くんがエネルギーミックスを、井上くんが約束草案を担当してくれました。

まず、インターンの2人によるエネルギーミックスと温暖化対策についての解説を聞いた後、2つのテーマに別れてディスカッションを行い、パブリックコメントを書きます。続いて、テーマをスイッチし、両方のテーマについてディスカッション、パブリックコメントを書くという流れで実施しました。

参加者の中には、エネルギーや温暖化についての関心はあるが、「それほど自信を持って意見を書いたことはない。」、「今まであまり考える機会がなかった。」という人もいらっしゃいましたが、そうした不安や疑問点を和らげることができるよう、丁寧に説明していくことを心がけました。

ディスカッションを通して、自分の考えを持とう

ディスカッションは最初に解説を行った津田くんと井上くんが、それぞれ工夫したワークを作り、グループの中心になってディスカッションを進めてくれました。

エネルギーミックスのワークでは、津田くんから、エネルギーの作り方を考える上で重視するポイントとして安全性、自給率、安定性、温暖化対策、コストの5つの視点が提供されました。参加者はまず個人でどのポイントを重視するのかについて順位付けを行い、その後、グループで共有しました。みんなの意見を聞いてみると、安全性を重視する人が多かったのですが、それ以下は人により異なり、議論が盛り上がりました。

約束草案のワークでは、井上くんから、「2030年度に13年度比26%削減(1990年比18%削減)」という日本政府の原案の発表を受けて、国際社会がどのように反応したのかということを、海外の政治家やメディア、NGOなどの意見を広く収集し、紹介してくれました。参加者は、日本のエネルギー・温暖化対策が世界からどのようにみられているのかを理解し、印象に残ったことを共有しました。なかでも、「基準年を1990年ではなく、排出量の多かった2013年としている点」や「2050年の長期目標80%削減との整合性」などのポイントは、日本の温暖化対策がどうあるべきかを考える上で重要な視点になりました。

それぞれのワークでは、初めてパブコメを書く人のことを考えて、分かりやすく、書きやすい工夫をしました。しかし、2時間の企画ではもっと議論したいことがあったのではないでしょうか。これをきっかけに、参加者はエネルギーや温暖化への関心を高めてくれたのではないかと思います。

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インターン、ボランティアとして一緒に活動しませんか?

 気候ネットワークでは、学生から社会人、シニア世代の方まで、たくさんのインターンやボランティアが活動を支えてくれています。みなさん、ご自身の興味関心や得意分野を活かしてご活躍いただいています。随時募集していますので、お気軽にお問い合わせください。

・インターン生募集について
http://www.kikonet.org/support/individual/internship

・ボランティア募集について
http://www.kikonet.org/support/individual/volunteer