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2020年以降の新しい温暖化対策目標~2015年パリ合意の成功のために~

京都事務所の伊与田です。春の陽気が感じられるようになってきましたが、花粉症の方はつらいですね…(実は、温暖化が進むと余計に花粉量が増えるという研究もあります)。

地球温暖化で2040年までに花粉量2倍以上に? 米研究(CNNニュース 2013.03.14)

さて、そんな中、気候ネットワークが事務局を務めている、日本の気候変動NGOのネットワーク”CAN-Japan“はこのところ「あること」に取り組んでいました。

2020年以降の新しい温暖化対策の国別目標案(約束草案)とは?

まずは、新しい温暖化対策の国別目標案(約束草案)について、解説するページを作ることです。

【解説】2020年以降の温暖化対策の国別目標案(約束草案)~パリ合意のために~

これまでの国連気候変動交渉の合意に基づき、先進国と途上国の区別なく全ての国は2020年以降の国別目標案を、(準備できる国は)2015年3月31日までに提出することが求められています。一応、合意文書には「準備できる国は」とありますが、これは温暖化対策の責任も能力も比較的限られる途上国に配慮するものであって、日本が提出を遅らせて良いということにはなりません。

パリ合意を成功させるためには、各国が早期に野心的な目標案を提出し、新しい法的枠組み成立への積極的な姿勢を打ち出すことが必要です。他の先進国はもちろん、新興国と呼ばれる国の対策強化を促すためにも、先進国であり、世界第5位の大排出国でもある日本は、交渉に貢献するためにも期限までに野心的な目標案を提出する必要があります。

CAN-Japanは、IPCC報告や関連する研究、NGOのエネルギーシナリオ提言の議論に基いて、「温室効果ガス排出量を、2030年までに1990年比で40~50%削減する」との目標を提言しています(詳細はこちら)。

2030年に向けた日本の気候目標への提言(2014年・CAN-Japan)

新しい温暖化対策の目標案(約束草案)を整理し、随時更新!

もうひとつは、2020年以降の新しい温暖化対策の目標案について最新状況をアップデートするウェブページをつくることです。

CAN-Japan:2020年以降の温暖化対策の国別目標案(約束草案)の提出状況・一覧

このページでは、すでに目標案を公式に提出した国がどこかわかるように地図で表記しています。今のところ、スイスとEU28ヶ国が公式に提出しているので、合計29ヶ国が期限までに間に合わせています。

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また、各国の目標案のポイント(いつからいつまでに温室効果ガスを何%削減等)や、目標案の原文、関連する様々な分析へのリンクを一覧表にしてまとめています。

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気候変動の国際交渉の動きを見て、日本の役割・課題・可能性について考える参考として、ぜひご覧いただければと思います。

国際シンポジウム「日本の新しい温暖化対策目標を考える~2015年パリ合意の成功のために~」

国別目標案(約束草案)について、世界の最新動向や日本の役割を考える国際シンポジウムを3/20(金)に東京で開催します。

国際シンポジウム  日本の新しい温暖化対策目標を考える~2015年パリ合意の成功のために~

今最もタイムリー(?)なイベントの1つだと思います。世界的に著名な、米国の環境シンクタンク・世界資源研究所(WRI)のゲストも海外よりお招きしています。イベントの冒頭では、在日フランス大使館よりポール・フリアさんからご挨拶をいただけることも新しく決定しました。

気候変動に関心をお持ちの皆様、ぜひご来場ください!

第11回京都・環境教育ミーティング開催しました

こんにちは。環境教育/デザイン担当の岡本です。

京都は雨が降ったりやんだり晴れたり変な天候が続いていましたが、それでも少し暖かくなってきたようですね。

先月の全国シンポジウムの後風邪を引いてしまい、寝ても覚めても咳と頭痛に悩まされていたのですが、2月27日・28日で、第11回京都・環境教育ミーティングが無事終了しました。

第11回京都・環境教育ミーティングとは

京都環境教育ミーティングというのは、環境教育や環境保全活動に携わっている市民をはじめ、学生、NGO/NPO、事業者、教育・行政関係者、環境学習施設関係者が京都に集い、語り合い、課題解決に向けたネットワークを拡げ、これまで出会わなかった人や団体、取り組みなどと繋がり日本や世界を元気にする場づくりを目指して実施してきたものです。

これまで過去10年間にわたって開催してきた「京都・環境教育ミーティング」では、多くの参加者が集い、事例発表やワークショップを通して新たな人や団体、取組とつながる「交流の場」を生み出してきました。

今回は、環境教育の実践者が集い交流するだけでなく、ESDの視点も含め環境教育の現状と課題について議論し、環境教育をより良くしていくための新しい場について考えます。

というのが今回の趣旨。

2日間にわたるプログラムの1日目は、次の3時間ワークショップの二本立てでした。
①環境教育を深め拡げる視点〜日本的自然観〜
②これから求める温暖化防止教育〜評価がもつ可能性〜

この②を私が企画・担当させていただいたので、少し報告を兼ねて現状をお伝えします。

「これから求める温暖化防止教育」とはどういうことか

過日の気候ネットワーク全国シンポジウムの分科会のひとつで、環境教育と消費者教育との連携を取り上げました。

現状、温暖化防止教育は、「全国で実施されている」というには程遠く、環境学習についても地域ごとに大きな差があり発展途上です。その中、全国で温暖化防止教育が進められるよう制度が出来つつあります。

ひとつはこの「消費者教育としての環境学習」。

消費者教育推進法が出来て、これから消費者教育推進という観点から学校へのアプローチが出来るのではないかという可能性が見えます。

消費者教育実践者の課題は、これまで消費者教育があまりに狭い範囲で捉えられているということからの広がりのなさで、今回この推進法ができたことにより、消費者教育の幅が目に見えて広がりました。

今回このワークショップの中では、気候ネットワークが委託で実施している京都市立小学校全校(166校/2014年度)を対象とした温暖化防止教育「こどもエコライフチャレンジ」、京都府地球温暖化防止活動推進センターが実施している「親子省エネチャレンジ」、そして大阪府枚方市で実施されているS-EMS(School Environmental Management System)の実施に関する報告など、3事例を通して新たな視点や、これからの可能性を探るというものでした。

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枚方でのEMSの取り組みについて説明をする田中靖之さん

 

小学校での温暖化防止教育の違いは?

この3つに共通するのが小学校での教育ということ。

京都市のプログラムの特徴は、担い手が学び手と相互すること。教える側や、一緒に参加するボランティア、又は学校の先生が学び手となったり、児童はこの学習を通じて伝え手となる。運営はパートナーシップによって行われていて、行政、NPO/NGO、教育委員会と学校がひとつのプログラムを運営しているというところ。

省エネチャレンジは、範囲が広がり府という単位で実施していて、実施するのはそれぞれ任意の学校を通じて親子での取り組みとなっている。

枚方市の取り組みは、環境管理の中で学校の先生を対象に研修を行い、それぞれのプログラムの中にどう組み込んでいくかという話をするというものでした。

評価することがなにを意味するのか

今回このワークショップで意図していたことは、温暖化防止教育がもっと全国で広がる可能性が溢れているということ。しかし現状は即しておらず、地域コミュニティーやNPOといった担い手はこれまで進まなかった過去の経験から動けずにいるということへの気づき。

そして、この「評価」によって、この気づきがあるのではないかという提案でした。

ただ、今回参加者の方は、学校教育というものへの意見が違ったものが多かったり、温暖化防止教育そのものに対して意見したい方々が多く、なかなか思ったようには進みませんでした。

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意見交換では色んな年齢層の方々から意見が出ました

 

それでも出た意見が面白かったので紹介。

・温暖化教育より国際教育が先だ。

・年寄りは現状をみて失敗したとおもっている。

・「今からしっかりやります!」といっても負の遺産を残したのになにを今更。

などなど、流石環境教育ミーティングの場に集まる人たちの意見。報告なので、ここは嘘をつかずにこういった課題もあるということ、真摯に受け止めたいと思います。そしてこの「評価する」ことによる課題の継続的な模索と解決に向けて今学校が変わる機会があることに注目していくことは必須です。

今回は「環境教育について、環境教育の場について話し合い、議論する」というテーマだった為、色々分かったこともありました。

ESDの視点をふまえる

2日目です。1日目を受けて、これから環境教育の場を考えるにあたり、ESDの視点もふまえて考えるということで、NPO法人ESD-J理事/中部環境パートナーシップオフィスの新海洋子さんからESDの話を聞きました。

皆さん「ESD」はご存知?

持続可能な開発の為の教育(ESD:Education for Sustainable Development)ということで、まずはこれを皆さんの言葉で置き換えて下さいという新海さん。皆それぞれに書きました。

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ESDについて話をする新海洋子さん

 

その中で、新海さんは、社会の抱える問題を自分の生い立ちを通して語ります。

平和活動を見て育った幼少時代、途上国への支援、支援、延々と続く支援の中で、いつになったらこの支援が終わるのかという感覚の中で、新海さんは教育が変わらなければ、ということに至ったといいます。

けれど文科省は、要項になければ入れることはできないという中、環境省で働くうちESDという新たな学校へのアプローチを見いだしました。

これはもう、ESDしかない。そう思い、これまで活動を繋いできたという新海さんに、皆聞き入っていました。

ESDは昨年10年を迎え、岡山で世界大会が開かれました。そのサイドイベントで、愛知県、名古屋ではこども会議が開かれ、全国から選ばれた小学生が集い、ESDの中にある文化、防災、生物多様性、エネルギーなどの現地学習で、様々なことを学び、これからの社会がどうあってほしいかを自分たちで考えました。

その最後に発表されたスピーチがこれです。

 私たちが考える「持続可能な社会」は、「未来を考え、お互いを思いやり、人間だけでなくすべての生き物が共に、幸せに生きる社会」です。

差別も不安もなく、平和で安全に、楽しく生活できる社会にしたいです。

しかし、今、私たちが生きている社会は、資源やエネルギーを無駄づかいし、自然環境を破壊しています。

世界のどこかで戦争がおこっています。

地域の伝統文化を伝えることが難しくなっています。

防災対策をしている人が限られています。

たくさんの問題があって、「持続可能な社会」とは言えません。

そして、こういった問題は、すべて、人とつながっていることがわかりました。

「持続可能な社会」づくりを難しくしているのは、とどまることを知らない人間の欲、自分勝手さ、わがままな気持ち、人々の意識や関心が低く、知識が少ないことなのです。

いろいろな問題の原因をつくっているのは人間ですが、それを解決していくのも人間です。

「持続可能な社会」をつくるために、私たちは、次のことを実行します。

・まだ知らないことがあるので、もっと現状を学びます。調べ、考え、参加します。

・たくさんの人に知ってもらう必要があるので、ESD を学校や地域の人に伝えます。

・身近に出来ることは提案し、行動し、実行します。

・命を大切にし、人と人とのつながりを深め、交流します。

ここで、子ども会議から、大人のみなさんに、次のことを提案します。

・戦争をしないでください。武力で解決しようとしないでください。

・世界の人々が協力して、どの国の人も教育が受けられる環境をつくってください。

・子ども会議のような、学び、考え、話せる場をもっとつくってください。大人もESDに興味を持って参加してください。

・知識も経験もある大人が、もっと私たちに教えてください。

・多くの人にESDを広めてください。ESDの考え方を広めて、今ある法律を変えてください。

・地域の人たちともっと交流をしてください。

・未来に目を向けて考えてください。当たり前のことを大切にしてほしいのです。 子どもができて大人にできないわけがないと思います。

子ども会議の私たちが考える「ESD」とは、「未来を考えて、行動すること」です。 みんながESDの主人公となって、今、これから、未来に向かって、ESDに取り組んでいきます。

ぼくは、リオ・サミットのセバン・スズキさんのスピーチを見ました。 これを見てぼくは、22年前と今が何も変わっていないじゃないか、ということを思いました。

私たちは本気です。

大人のみなさんも、本気になってESDに取り組んでください。ESDは、この世界の未来にとって一番大切なものなのではないでしょうか。

2014年11月12日

ESDあいち・なごや子ども会議

スピーチ(原稿):

http://www.esd-aichi-nagoya.jp/event/event/child/pdf/speech-j.pdf

子供達は純粋に、この学習を受けて必死に訴えかけをしたんだと思います。スピーチを聴いていて泣きそうになりましたが、子供達がすごいからではなく、今まで大人も言えなかったことを改めて子供の立場で代弁させているような気がしてなりませんでした。

大人が出来る議論・私たちに必要な場とは?

もちろん今回の環境教育ミーティングのテーマはESDではなく、ESDの視点もふまえての場についての議論。

集まった40人程の大人がワークショップをテーマで分かれて議論しました。

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それぞれ2030年にどんな環境教育が実施されて欲しいかを書いた

 

分かれたテーマは「2030年に環境教育はこうなっていて欲しい」というのをそれぞれが思い思いに書き、自分たちで似た意見の実行委員の元へ集まり話し合いに。

私の出した紙には「誰もが受けることができる環境教育。担い手も、受け手も楽しい環境教育」

ここに集まったのは年代もバラバラ20代学生から70代までの多様な人々。女性は私だけでしたが。

ファシリテーターをしながら私も話に参加して、このメンバーで初めに出てきた意見の多くは学校に関してでしたが、話をよく聞いていくと、課題は学校教育に今教育が集中しているという懸念が心の奥底にありました。

教育が「学校教育」だけでなく「地域教育」、「家庭教育」、「社会教育」と4つの車輪で動いていくもので、「環境教育」はその駆動である。というような視点を皆で見つけました。

そのバランスが今崩れている。バランスが崩れた理由として、世代間のギャップがあり、このギャップは今の若者が年上に対して感じているだけでなく、これからもずっと続いていく。

そういう観点から、世代間での対話と、話し合える機会やきっかけが必要ということで私たちのグループは場について考えました。

教育の四輪駆動ね。実際1日目大きな話に広がってしまった分、2日目の話し合いでものすごく良い場が持てたんではないかと個人的にすごく良い教育機会が持てたと思いました。

「誰もが受けることができる環境教育。担い手も、受け手も楽しい環境教育」の場がそこにはあったんじゃないか。

これから、環境教育ミーティングの実行委員も私たちが必要にしている場はどんな場なのか、これからどうすれば環境教育が広まり、理解しあえる社会になるのか考える為に、議論は続きます。

もし、環境教育ミーティングに関するご意見や、参加したい!という声があればぜひ実行委員に届けて下さいね。

それでは長くなりましたがこの辺で。

 

マレーシア・イスカンダル訪問〜アジアに広がる持続可能な低炭素地域づくり〜

京都事務所の田浦です。先月初めにマレーシアを訪れてきたので報告させていただきます。

イスカンダル・マレーシアへ広がるエコライフ

みなさん、気候ネットワークが実施している温暖化防止教育「こどもエコライフチャレンジ」がマレーシアへ広がっていることはご存知でしょうか。

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イスカンダルで使用されているワークブック(2013)

マレーシア、イスカンダル地域で昨年は80校で、エコライフチャレンジが実施され、去年に続き優秀校の児童たちが京都を12月に訪れ京都のエコライフチャレンジを体験しました。

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昨年参加校が実施したプレゼンテーションで、優秀校は京都への切符を手にした(2013)

 

その時、現地のソーシャル企業であるアイエム・キコウ(IMKIKO)と気候ネットワークはこどもエコライフチャレンジの実施に関する協力・連携についての「覚書」を締結しました。

2月7日から9日まで、マレーシアのイスカンダル開発地域を訪問し、低炭素スクール展示会への参加、環境未来都市フォーラムへの参加と報告、小学校訪問、こどもエコライフチャレンジ実施に関する会議等を行いました。

低炭素スクールの拡大を目指す

「持続可能&低炭素スクール展示会2015(SUSTAINABLE & LOW CARBON SCHOOLS EXHIBITION 2015)」がマレーシア工科大学(UTM)で開催されました。UTM低炭素アジア研究センターとジョホール州教育局が主催したもので、80の小学校・中学校が参加しました。当日は35の学校がポスター・ブース展示や発表などが行われ、各校のリサイクル活動、省エネ活動、マングローブの植林などの取り組みが発表されていました。気候ネットワークからも審査員に加わり、子どもたちや先生と交流を深めました。

日本内閣府主催の国外初「環境未来都市フォーラム」

ジョホールバルのシスルホテルで、環境未来都市フォーラムが開催されました。日本の内閣府主催で、イスカンダル地域開発庁(IRDA)、UTM等の共催、JICAマレーシアなどの協力のもと、国外では初めての開催でした。

研究者・専門家からの報告に加えて、日本の環境未来都市、環境モデル都市からの報告があり、京都からは、気候ネットワークの他、京都市地球温暖化対策室、京エコロジーセンターが報告を行いました。国立環境研究所の藤野純一氏から、イスカンダル地域の低炭素社会シナリオについて報告があり、研究成果が政策につながっていて、イスカンダルで実施されているこどもエコライフチャレンジが、低炭素シナリオ実現の具体例であると紹介されました。

イスカンダルのこどもエコライフチャレンジ展開

こどもエコライフチャレンジを展開するために、IRDA、UTM、IMKIKO、グリーン・アース・ソサイエティ(GES)との協議を行いました。

今年は、198校全校でエコライフチャレンジが実施されることになります。そのための体制づくりが検討され、IMKIKOが実施主体となります。マレーシアの教育事情等の違いによりプログラムが異なることは想定されますが、IRDAの責任者から「気候ネットワークのDNAを大切にしたい」との言葉があり、うれしく思いました。まずはプログラムづくりを行っていくこととなります。

今後の展開に期待しています。引き続き、ご支援よろしくお願いします。

田浦

全国シンポジウム「市民が進める温暖化防止〜クライメート・アクション・ナウ!〜」教育分科会報告とお知らせ

こんにちは。京都事務所の環境教育・デザイン担当岡本です。寒い日に風が強くなってきてもうすぐ春の訪れかと待ち遠しい所でしょうか。今冬も雨や雪が降り、気候変動問題が少しずつ、確実に目に見えてきています。

そんな中、気候ネットワークが主催で毎年開催している全国シンポジウム「市民が進める温暖化防止」を今年は2月14日、15日の2日間にわたって開催しました。前日は雪が降って心配でしたが、たくさんの方にきてもらえて本当に嬉しく思います。

今日は2日目の分科会2で私が担当した所の流れをお伝えします。

イベント全体情報はこちらをご参照下さい。ニュースレター101号(3月発行)にも全体の報告を掲載予定です。どうぞご覧下さいね。

分科会2:持続可能な社会は消費者の自立から~環境教育と消費者教育の接点~

「消費者教育」ってなに?環境教育との接点は?

「消費者教育」と聞いてまずなにを思いますか?

詐欺に遭わない方法、買い物の仕方。消費者教育を実践する団体にも、そういった取り組みはたくさん見られます。

消費者教育とは、そもそも何の事?という反応を期待していましたが、2012年の12月には、「消費者教育の推進に関する法律」が出来ました。この法律こそ、この分科会で消費者教育をあえて取り扱うことになったきっかけで、そこにはこんな事が書かれています。

消費者教育の定義(第2条)

1.消費生活に関する基本的な知識を修得し行動に結びつける(消費者の自立を目指す)

2.消費者市民社会※の形成への参画意識を高める(消費者の社会参加を目指す)

※消費者市民社会とは(第2条第2項)

消費者が個々の消費者の特性および消費生活の多様性を相互に尊重しつつ、自らの消費生活に関する行動が現在及び将来の世代にわたって内外の社会情勢及び地域環境に影響を及ぼし得る物である事を自覚して、公正かつ持続可能な社会の形成に積極的に参画する社会をいう。

こんな標記になっていますが、要するには「消費者(私たち)の買い物や、お金の使い方」が事業者や社会に対する投資なんだという事を訴えています。

さて、私たちの毎日の支払いが社会への投資だという事は、言い換えれば私たちの毎日の選択が、どんな環境をつくるかに大きく関わってくるという事。世界の今最も深刻な問題のひとつとされる「地球温暖化問題」もその対策の期限を迫られている状況で、日本は環境NPOだけでなく、市民の理解と行動が必要です。

新しい流れをつくること

 さてこの分科会、消費者教育という分野に焦点をあてて、これから環境教育がどのように展開したり認知度を分野を超えて広がりを見せる事が出来るのかという可能性を見つける為の分科会でした。

分科会2ブログ
基調講演をする大本久美子先生(大阪教育大学)と進行の原さん(コンシューマーズ京都)

 

まず、大阪教育大学の大本久美子先生から、消費者教育の動きについてお話し頂き、消費者教育の中での新たな動きを共有しました。

その後、消費者教育のあり方ということで、滋賀グリーン購入ネットワーク(以下GPN)の松宮秀典さんからGPNの取り組み状況について、家庭科研究会の岸田蘭子先生、小田木あけみ先生から学校での取り組み、そしてひのでやエコライフ研究所の大関はるかさんから大学生と取り組む環境教育についての新たなかたちについての発表をしていただきました。

この分科会は、京都で環境問題に取り組む京都府地球温暖化防止活動推進センター、環境市民、コンシューマーズ京都、京エコロジーセンターの皆様に、協力を頂いて実施し、発表後の意見交換でそれぞれ参加していただきました。実際に活動している人達だからこそ、今回の会で色々な情報共有が行うことができ、その後の参加者との意見交換にとてもよい繋がりとなりました。

実は以前から環境教育を取り扱う人たちの間では、こういったトピックはかなり話し合われていました。その為課題もはっきりしていて、実践者同士が繋がる事、実施する事、実施する場と、やり方の検討をすることなどがあげられます。

今回で、まず一歩目の、繋がる事が出来たのではないかと思います。規模は小さくても、実施する事は、もともと実施していた人や、違った観点をもった人たちもかなり多かったのでこの場で本当に深い意見交換が出来たと思います。

ブログ
発表終了後の意見交換では会場からもたくさん質問が出ました

 流れを止めないことが大事

今回の会が、まずの一歩目であったとして、これから動きに関わっていく人達が確実に増えました。

これで「良い会だった。」で終わらせるつもりはなく、つなげる為に、実はもう一本企画をしています。

京都のお住まいの方はもしかしたらもうご存知かもしれません、今月27日(金)、28日(土)開催予定の「第11回京都・環境教育ミーティング」の場で、1日目に3時間ワークショップを行います。

「これから求める温暖化防止教育〜評価がもつ可能性〜」という仮称で、内容は、温暖化の情報が全国でも伝わっていくように気候ネットワークがこれまで京都市で実践してきた「こどもエコライフチャレンジ」や、京都府地球温暖化防止活動推進センターの「夏休み省エネチャレンジ」などの温暖化防止教育を比較し、それぞれの評価と課題探しをすることで、次へつなげていく為のヒント探しを実施するものです。

この場ではもちろん今回の消費者教育との連携の話も例としてあげることで、もっと幅広い視野で環境教育が広がるように進めていければと思います。ご興味もっていただけた方は、ぜひご参加下さい。(※事前申し込みが必要となります)

長くなってしまいましたがこの辺で。

京都環境教育ミーティングの報告についても、アップしますのでまたご意見などあればお待ちしております。

それでは。

東アジアが共同で「低炭素都市づくり」を目指す! ~京都国際環境シンポジウム~

はじめまして! 10月から京都事務所でインターンをしている津田です。私は関西学院大学総合政策学部の3回生で、環境政策について学んでいます。環境について研究をする前に実際に行われている取り組みを体験したいと考え、インターンに参加しています。

今回は東アジアの環境政策を勉強するために、イクレイの京都国際環境シンポジウムに参加しました!

「イクレイ」って?

イクレイは、持続可能な開発を公約した自治体と自治体協議会で構成された、国際的な連合組織です。11月5日の京都国際環境シンポジウムは、京都市主催、イクレイ共催で行われました。このシンポジウムでは、東アジアの環境分野における国際協力を推進することを目的に、様々な講演や議論が行われました。

地球温暖化のリスクと人類の選択

シンポジウムのはじめの基調講演では国立環境研究所の江守正多氏に地球温暖化の現状についてお話いただきました。昨年9月に行われたIPCC第5次評価報告書によると、地球温暖化について懸念されているのは、大きく分けると、

  1. このまま対策が行われなければ、世界の平均気温は2100年には4℃前後上昇する
  2. 北極の氷の消失による海水面の上昇、異常気象など
  3. 世界の平均気温の上昇を、産業革命以前から2℃未満に抑えなければ、被害が深刻化する

の3つがあります。また、地球温暖化は社会全体に大きな被害をもたらすものの、所属する地域や社会属性によっては、地球温暖化の対策を行うことによって被害を受ける人々も存在します。

立場によって地球温暖化に対する意見は違いますが、誰もが地球温暖化についての正確な情報を共有し、そのうえでどうするかを選択することが大切です。

東アジア低炭素共同体構想って?

次に立命館大学の周瑋生氏(シュウ・イセイ)から、東アジア低炭素共同体構想についてお話いただきました。東アジアである日本、韓国、中国の3カ国のCO2総排出量は、世界全体の30%以上です。また一国で原発事故が起こると他の二カ国にも放射線が拡散するように、一国で生じた環境問題は他の二国にも大きな影響を及ぼします。

この日・中・韓が技術や社会システムに関して協力することで、広域低炭素社会(低炭素社会:CO2排出量の少ない社会)を実現しようというのが、この構想の狙いです。たとえば中国では、PM2.5などの大気汚染が深刻化していますが、この影響は日本や韓国にも及びます。日本・韓国が大気汚染防止の技術を提供することができれば、大気汚染の問題も軽減することができ、結果的に3カ国とも便益を得ることができるのです。

都市の省エネ・創エネが武器になる

午後から行われた分科会では、

  • 産業・技術
  • 市民生活・くらし
  • 教育
  • 都市づくり

の4つに別れ、それぞれ日中韓等のNGOや行政関係者、研究者が、それぞれの現状と今後について話し合われました。私は1の「産業・技術」の分科会に参加しました。

産業・技術部門にも、日中韓の担当者が参加しました。現在、日本の各都市では、それぞれ地域に合わせた独自の環境システムや技術が作られています。また韓国では現在、ビッグデータの環境政策へ利用を試みており、将来電力システムの効率化などの分野での活躍が期待できそうです。一方、中国は環境問題への対策を産業化する途中段階で、これから政府と産業が一体となって発展を目指していく、ということでした。

個人的には、けいはんな学研都市や北九州市が自分たちの技術やシステムをビジネスモデル化し、国内外で顧客獲得を目指すという取り組みに期待できると感じました。またけいはんな学研都市の重松氏によると、「新たな社会を作るには住民と粘り強い対話をし、住民が巻き込むことが必要」、とのことです。これから環境都市を目指す自治体には、参考にしてほしい内容です。

全体セッションを終えて

他の分科会でも様々な議論がなされましたが、中でも興味深かったのが、3の「教育」での話です。環境問題に意識を向けさせるために正解を押し付けても、意識や行動は変わりません。人と対話していくプロセスの中で、意識や行動は少しずつ変わっていく、ということです。また、「未来は政府から生まれるのではなく、(学校の)教室1つ1つから生まれる」という話を聞き、子どもと対話し子どもが自ら環境について考えるような環境教育が重要だと感じました。

世界の”Climate March”、日本の”気候マーチ”

こんにちは!東京事務所の桃井です。

世界のClimate March

 2014年9月21日、世界中で市民が気候変動問題の解決を求めるデモが行なわれました。「Climate March(気候マーチ)」です。複数の環境NGOが呼びかけて、数ヶ月前から準備がすすめられ、その結果集まった人の数はニューヨークだけでも40万人と発表されています。

 二日後の23日に国連気候サミットに集結した各国首脳陣たちに、とても大きなインパクトを与えたに違いありません。パレードの規模はPeople’s Climate MarchのWEBサイトに掲載された写真や動画でも良くわかりますので、ぜひ1度見てみてください。

●People’s Climate Marchキャンペーンサイトhttp://peoplesclimate.org/

ニューヨークでのClimate March の様子。約40万人が参加しました。
ニューヨークでのClimate March の様子。約40万人が参加しました。

 

国連の潘基文事務総長もClimate Marchに参加。ゴア元副大統領の姿も。
国連の潘基文事務総長もClimate Marchに参加。ゴア元副大統領の姿も。
国連の平和メッセンジャー大使をつとめる俳優のレオナルド・ディカプリオ氏も参加。
国連の平和メッセンジャー大使をつとめる俳優のレオナルド・ディカプリオ氏も参加。

 

日本のアクション、「気候マーチ」

 日本でもこのタイミングに合わせてアクションが行なわれていたことをご存じでしょうか。

市民団体による共同声明「国連気候サミットに向けて-原発も気候変動危機もない世界へ」

 一つは、市民団体が共同で発表した声明「国連気候サミットに向けて-原発も気候変動危機もない世界へ」です。気候保護の団体だけではなく、開発関係や人権問題に取り組む団体が一緒に声明文をまとめあげたという意味は大きかったと思います。原子力が気候変動問題の解決にならないことを強調しました。

霞ヶ関で「気候マーチ」

 さらにもう一つのアクションは、9月19日に日比谷公園から経済産業省前、首相官邸前などを通過して国会正門までをパレードしました。金曜日は、官邸前での「脱原発・再稼働反対」の毎週恒例となった官邸前行動が行なわれています。ここに合流して、原発もない、気候変動もない世界に向けてアピールをしています。

経産省の脱原発テント前をパレードしました
経産省の脱原発テント前をパレードしました
金曜日の官邸前抗議にあわせて原発もない気候変動もない世界を訴えました
金曜日の官邸前抗議にあわせて原発もない気候変動もない世界を訴えました

  この気候マーチの様子は、ソーシャル・ビジネス・マガジン「オルタナ」さんにて取り上げられました(同記事はYahoo!ニュースにも掲載されています)。

霞ヶ関の気候マーチにかけた思い

 本当は、いずれもぎりぎりまで予定していなかったのですが、9月21日のClimate Marchに向けて世界中で気候変動解決に向けた市民の勢いが盛り上がり、ぜひ日本でも動きがあればという海外の方たちからの声があったこと、さらには気候変動対策を口実に原発再稼働の動きに繋がりかねない国内情勢に対しても、それが解決策にならないことを表明しておく必要性が高まっていたことなどが、東京で何もしないわけにいかないのではないかという空気になっていました。

 たまたま、9月16日から行なわれた韓国光州でのフォーラム出席のためにFoE Japanの吉田明子さんと私が飛行機も部屋も同じになったことで、急遽声明文作成やパレードの準備を進めて行くことになったのでした。朝早く起きて、夜も遅くまで相談し、日本にいる方たちと連絡を取り合いながら、なんとかやり遂げましたが、行き当たりばったり感は否めません。呼びかけ時間も少ない中で、パレードに参加していただいた方がいたことには、心から感謝する次第です。

市民にも盛り上がりを!

 いずれにしても、日本はまだ中期目標も示さず、気候変動対策に最も後ろ向きな国とのレッテルを貼られつつあります。来年のパリ合意に向けて市民の側にも盛り上がりをつくっていかなければならないでしょう。次はもう少し余裕を持って、多くの皆さんにも参加してもらいやすいようなパレードなど企画したいと思っていますので、ぜひそのときはご協力くださいね!

福島から自然エネルギーの輪をつくる~自然エネルギー学校・福島 最終回~

京都事務所の山本です。自然エネルギー普及の担い手・ネットワーク育成のための「自然エネルギー学校」を担当しています。

台風迫る中、10月12日に自然エネルギー学校・福島の第3回を開催しました。本プログラムは、福島での自然エネルギー普及の担い手育成を行うものです。

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最終回となる今回は、「再生可能エネルギー事業のはじめかた」について、豊田よりお話をしました。

再生可能エネルギーが求められる背景

深刻化する地球温暖化問題

地球温暖化はほぼ間違いなく人為的影響によるものだとIPCCの第5次評価報告書では報告されています。危険な気候変動を回避するためには温室効果ガスの大幅削減が必要です。

原子力の危険性と政策の限界

未だに収束しない東京電力福島第一原子力発電所事故の影響は復興に大きく影を落としています。また、ウラン資源は有限であり、放射性廃棄物の問題も付き纏います。

新たな産業としての期待

再生可能エネルギーの普及を進める欧州の国々の中では、温室効果ガス排出量を減らしながらGDPを増加させているところもあります。またドイツでは、再生可能エネルギー関連での雇用が、自動車産業にせまるほどにまで成長しています。日本においても、旧来型のエネルギー産業からの転換を図ることで、社会を大きく変えることにつながる可能性を秘めています。

自然エネルギーは誰のもの?

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私たちは自然エネルギーをどう使っていくべきなのでしょうか?
一つには、地域資源である自然エネルギーを、地域に根差した主体が、地域の発展につながるように活用することが重要ではないでしょうか。そのカギとなるのが、「市民・地域共同発電所」の取り組みです。

市民共同発電所とは?

市民や地域の主体が中心となって建設・運営する再生可能エネルギー発電所です。

  1. 市民や地域住民からの資金が一定の割合を占めている
  2. 市民や地域住民が意思決定に関わっている
  3. 収益の一定部分が何らかの方法で市民や地域に還元される
  4. 発展性や展望がある(ビジョンや戦略性)

こうした条件のうち、いくつかを満たすものを市民・地域共同発電所と呼んでいます。市民・地域共同発電所全国フォーラム実行委員会の調査によれば、2013年8月までに458基が確認されています。FIT(固定価格買取制度)の導入から2年が経過し、現在ではその数はさらに増えているものと考えられます。
普及に取り組む団体も150近い数になり、市民の力でエネルギーをつくり出す動きは、ますます拡がっています。

再生可能エネルギー事業のすすめかた

こうした市民・地域共同発電所を進めるには、どのようなステップが必要なのでしょうか?まずは、事業を通じて何を目指すのか・達成するのかという目標設定から始めましょう。RESふくしま再エネ事業の進め方誰が中心になって進めるのか?その発電方法は?、資金調達は?と、実際にこれまで設置された事例を参考に、事業の進め方についての話がありました。

実際に発電所を計画してみよう!

その後、ワークショップでは、3~4人グループに分かれ、太陽光発電や小水力発電を導入する際の発電量や導入費用、投資回収年等について計算をしていただき、再生可能エネルギー事業の規模感などを掴んでいただきました。

ワークショップ

参加者からは、「ワークショップなどで協力して考える機会はとても良いと思いました」、「計算はあまりにも大きな金額で頭がクラクラしましたが、おもしろかったです」という声が寄せられました。

講義終了後には、自然エネルギー学校・福島を修了した証に、
修了証をお渡ししました。

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みなさん恥ずかしそうに受け取っておられましたが、これから自然エネルギー普及の担い手として活躍していただけることでしょう!

ワークショップの後は、りょうぜんにある市民共同発電所へ向かいました。

実際に自然エネルギーの市民共同発電所を見学!

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案内をしていただいた福島県農民連の佐々木さん

福島県農民連では、集落や地域で日照が確保される雑種地や耕作が困難で農地としての復旧が難しい土地への中規模太陽光発電所の設置を進めています。今回、見学したのは霊山伊達市に自然エネルギー市民の会と協働で、隣接する形で50kWと105kWの太陽光発電所です。

この発電所は、農民連の会員の方が所有する雑種地の提供を受けて設置されました。なるべく自分たちでできることは地域でということで、発電所を囲っている柵は地元の間伐材を利用しています。また草刈りは、地元の農民連の会員の方々と行っているそうです。

 参加者の方から「除草にヤギを使ったりしないんですか?」という質問がありましたが、事務局の佐々木さんは、「ヤギに頑張ってもらうこともいいかもしれないが、できるだけ人と一緒に作業したり、お金を循環させたいので、協力しながらということを考えている」と仰っていました。

福島県においても雪の対策は重要です。
ここでは、傾斜を30度にして、雪が落ちやすいようにしているそうです。それでも今年の豪雪では、太陽光パネル複数枚が雪に埋まってしまったそうで、除雪作業を2度ほど行ったそうです。

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この日は台風の接近を感じさせないぐらいの天気に恵まれ、
緑と青空、太陽光パネルの美しいコントラストとなりました。

福島の復興へつなげたい…各地から集まる出資者の「想い」

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中心にある柵の左側が農民連の発電所、右側が市民出資の共同発電所です。この市民出資の「福島りょうぜんおひさま発電所」は、全国から2000万円の出資金を集めて自然エネルギー市民の会が設置したものです。発電所の売電収入の2%は福島復興基金に充てられ、福島の復興のために使われます。

全国の出資者の方々からは、「自然エネルギーを通して福島を応援したい」「出資することで福島とのつながりを持ち続けることができる」との声が多くあったそうです。

こうした福島復興へのたくさんの「想い」を受けて、発電所は順調に稼働中。先日、第1回の配当を出資者の方々へお返しできたとのことです。

「意思あるお金が社会を変えていく」

その一例として、市民共同発電所は、原発も温暖化もない未来へ向けた取り組みといえるのではないでしょうか。

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参加者のみなさんと記念撮影

本講座には、第1回の無料公開シンポジウムを含め、25名の方にご参加いただくことができました。ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!


 自然エネルギー学校・福島

主催:気候ネットワーク
共催:福島県農民連、自然エネルギー市民の会
後援:福島県再生可能エネルギー推進センター(NPO法人超学際的研究機構)

※本講座は、積水ハウスマッチングプログラムの会の支援を受けて開催しました。

光州市での「第4回東アジア気候フォーラム」に参加して

 こんにちは。東京事務所の桃井です。

 今日は、今年9月16日から2日間にわたって韓国の光州市で開催された「第4回東アジア気候フォーラム」に参加してきましたので、少しばかり報告というか感想を書いておきたいと思います。

日本・中国・韓国が共に行なう意義

 東アジア気候フォーラムという催しが毎年行なわれていることをご存じでしたでしょうか。2010年に第一回目を今回と同じ光州市で行なって以来、日本(第二回・2011年)、中国・杭州(第三回・2013年)と各国持ち回りで行なわれ、今年、再び光州市で開催されました。

 日本の主催団体である東アジア環境情報発伝所の廣瀬稔也代表から、フォーラムの開会にあたって、日本・中国・韓国が一緒になって気候変動対策に取り組む意義が語られました。それは、日中韓三カ国あわせると世界の排出量の4分の1以上を占める巨大排出地域であり、気候変動対策の実行が求められていること、そして、とりわけ中国の排出量が非常に増加する傾向にあるが、それはその様々な中国製品を輸入し、その便益を受けている日本や韓国も共に情報を共有し、排出を減らす努力をしていくべきではないかということです。

 日本・東アジア環境情報発伝所・廣瀬代表

日本・東アジア環境情報発伝所・廣瀬代表

  お互いに責任をなすりつけ合うのではなく、それぞれが削減に向けた実効をあげていくよう、市民はそのための監視役でありつなぎ役でもなければならないでしょう。4回も続けてきた意義がそこにあります。

挨拶する光州KFEM議長
挨拶する光州KFEM議長

光州市でのフォーラム

 さて、今回ホスト地域となった光州市は、市長が市民派で、韓国の中でも再生可能エネルギーの導入に非常に熱心に取り組んでいる自治体の一つです。市民活動もさかんで韓国で最大規模の環境NGO、韓国環境運動連合(KFEM)の支部が熱心に脱原発や気候変動の活動を行なっています。今回のホスト役でもあり、このフォーラムに非常に力を入れており、地域や市民から気候変動対策を強力に進めるのだという意気込みが強く感じられました。光州市の取組みとしては、低炭素住宅に力を入れている様子なども報告されました。光州市以外にも、様々なすばらしい事例が発表されました。

 また、韓国は、脱原発活動にも非常に熱心です。今回も脱原発を一つのセッションとして、台湾での活動家の方も交えてそれぞれの活動が報告されました。

台湾の環境団体から各国代表に贈られた脱原発の活動旗
台湾の環境団体から各国代表に贈られた脱原発の活動旗

大幅削減に向けた国の政策転換は?

 市民レベル・地域レベルでの活動は活発に行なわれつつも、国の政策転換という点においては、日本も韓国も同様で、産業界の意向に沿って政治的な判断がなされているようでした。むしろ、中国の気候変動政策が非常に前向きになっていることに改めて驚かされました。NGOの方からは、まだ目標設定が原単位目標なので、総量での削減目標に切り替える必要があるという指摘はあったものの、こうした発言が出ること自体、かつてとはずいぶん違ってきているという印象を受けました。

 フォーラムの最後に、以下の共同宣言をまとめました。三カ国語それぞれにまとめられました。
 次回は、2年後、日本での開催です。そのときまでに、日本が少しでも前進したといえるような状況になってるよう、がんばりたいものです。

共同宣言「東アジア気候行動に向けたわたしたちの誓い」

 わたしたち人類の安全、平和な未来のため、産業革命前に比べ地球の平均気温が今世紀末までに2度以上超えないことについて、国連では数回にわたる合意があった。しかし、世界各国、とりわけ経済大国はこれを具体化できていない。わたしたちは9月23日からニューヨークで開催される「気候サミット」と2015年COP21で「法的拘束力のある削減合意と野心的な削減目標の設定」を引き出すことを求める。

 日本・中国・韓国は、社会、経済、歴史における差異はあるものの、飛躍的な経済成長と発展を遂げた。このような成長と発展は化石燃料の乱用を前提にした結果であり、日中韓三カ国いずれも温室効果ガス排出量が世界の上位10位に入っている。こうした化石燃料依存の構造は変えていかなければならない。わたしたちは、日中韓政府の指導者が、「法的拘束力のある削減合意と野心的な削減目標の設定」「気温上昇を摂氏2度以下におさえること」との国際的な流れに積極的に参加し、先頭に立つことを要望する。

 2011年に起きた福島原発惨事の苦痛は今も続いている。それにも関わらず、未だに東アジア日中韓及び台湾の政府からは、脱原発の方針は示されていない。逆に、原発の利用が引き続き推進されている。原発は絶対に気候危機を回避する代替案とはならず、危険であり、非経済的且つ環境と平和に害悪をもたらす。東アジア各国が「脱原発政策」を受け入れることを望む。また、東アジアでこれ以上原発が新たに建設されることなく、寿命が達した原発と稼働中の原発の廃炉を可及的速やかに決めるべきである。

 「東アジア気候ネットワーク」は、光州において第4回目の東アジア気候フォーラムを開催した。その間、韓国、日本、中国の気候変動、環境、エネルギー活動の経験を共有し、より活発な活動の必要性を共感した。「低炭素東アジアの未来」はわたしたちが必ず歩むべき道であり、東アジア市民はその道を共に歩むことになるだろう。

 今回の光州フォーラムでわたしたちは誓う。

一、気温上昇を摂氏2度以下におさえ、大幅にCO2を削減するための政策の実現をめざす。
二、気候変動・環境エネルギー運動を市民参加の草の根運動に広く発展させる。
三、太陽、風力、地熱など再生可能エネルギーの導入をより活性化し、省エネとエネルギーの効率化により安全で且つ平和な東アジアを目指す。
四、参加団体同士の情報交流、連帯を強める。五、より多くの市民社会が共に行動できるように組織を強化・拡大していく。

 わたしたちは2016年に日本で第5回東アジア気候フォーラムを開催する。2年後、わたしたち東アジア市民が、草の根から各国政府まで「低炭素東アジア」のための実践と政策を分かち合えるように、それぞれの地域で努力する。

2014年9月17日

第4回東アジア気候フォーラム参加者一同

 

バタン石炭火力発電所に反対しているインドネシア人とのアクション!

東京事務所の田口です。今月、1年ぶりにバンクーバーに戻りました。毎日、気温は15℃くらいでしたが、カナダ人の私にとってはちょうどいいと思います。

No Coal, Go Green!インドネシアの現地住民ら来日

9月7〜11日、『No Coal, Go Green!JBICの石炭発電融資にNO!』プロジェクトのため、現地のインドネシア住民リーダー2人と、グリーンピース・インドネシアとインドネシア法律擁護協会のスタッフが来日しました。このプロジェクトは、JBICが支援し、日本の企業がインドネシアのバタンで進めている石炭火力発電所建設事業に反対するためのものです。

日本政府や関係企業に直接会って、同事業への融資を行わないように伝える予定でしたが、事前に面談を申し込んだところ、全て断られました。このことは、9月8日の記者会見でメディアに伝えました。

9月8日の記者会見
9月8日の記者会見

石炭事業を推進・サポートするJBIC、伊藤忠、J-POWERなどに抗議

2011年からバタン石炭火力発電に反対している彼らは、国際協力銀行(JBIC)、伊藤忠、J-POWERのビル前、同時期に開催された「2014クリーン・コール・デー国際会議」の会場前でも、抗議の声をあげました。

国際協力銀行(JBIC)のビル前
国際協力銀行(JBIC)のビル前

プロジェクトを行っている3団体(気候ネットワーク、FoE Japan、「環境・持続社会」研究センター)のスタッフ・インターンと、活動に賛同する環境NGOの方がこれに加わりました。

伊藤忠のビル前
伊藤忠のビル前

3年間にわたって、同事業を中止させるために辛抱強く反対してきた彼らにとって、JBIC等の前で拡声器で反対の声をあげることができるのは、カタルシスだろうと思ってしまいました。

いよいよ、現地住民が日本政府機関との、面会を果たす

バタン住民からのメッセージ
バタン住民からのメッセージ

9月10日に、彼らは福島瑞穂参議院議員(社会民主党)と面談しました。そこにJBICと外務省担当者も参加し、来日メンバーはいよいよ日本の関係機関との面会をはたしました。彼らはJBIC・外務省に対して、同事業への融資を中止するよう穏やかに求めました。

JBIC,外務省との面談
JBIC,外務省との面談

今回来日した4人だけではなく、バタン住民やインドネシア人は、バタン住民の生計・環境を守るため、3年間たっても不屈の精神で反対運動を続けています。これは非常に根気のいることだと思います。

平和的な抗議活動で、変化を起こす

自分自身が参加しても、ニュースで見ても、平和的な抗議活動に私は幸せな気持ちになります。例えば、大学時代に、大学の試験農場を守るために、数百人の学生や住民が集め、デモが起こりました。グリーンピース共同創立者のRex Weyler等の環境保護論者もスピーチをしました。私たちの24ヘクタール場所のため、学生以外の人々もデモに参加して、感動しました。

世の中はいろいろな問題が山積みですが、行動しなければ変化も起きないと思います。しかし、このような平和的アクションを続けて希望を叶えたいものです。

自然エネルギー学校・京都2014第2回に参加してみて

京都事務所の山本です。

自然エネルギー学校・京都2014は今年も順調に進んでおります。
先日、9月20日に開催しました、第2回について、ボランティアとしてサポートしてくれている、本間さんが報告記事を書いてくれました!


 

こんにちは!私、ボランティアとして気候ネットワーク京都事務所に関わらせていただいている本間と申します。

先日、第2回の自然エネルギー学校・京都2014に参加させていただいたので、そのご報告をしようと思います。

 自然エネルギー学校とは?

自然エネルギー学校は、専門家・研究者による座学から、参加・体験型のワークショップや視察までを通して、市民共同発電所の計画づくりや体制作りについて、実践的に学ぶことができるプログラムです。1990年より気候ネットワークのほか、NPO法人環境市民、ワーカーズコープ・エコテックとの協働事業として、この「自然エネルギー学校・京都」を開催してきました。

自然エネルギー学校については8月の山本さん(京都事務所)の記事(https://www.kikonet.org/kiko-blog/2014-08-05/53)にも少し書かれているので、興味のある方はご覧ください。

市民共同発電所の最前線は?

第2回は「市民がつくる太陽光市民・地域共同発電所」ということで、ワーカーズコープ・エコテックの林敏秋さんと一般社団法人地域未来エネルギー奈良の清水順子さんよりお話をいただき、その後グループワークを行いました。

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拡がる太陽光発電 その注意点は?

まず林さんより、太陽光発電の種類や変換効率の違いといった技術的な話や太陽光を設置する際の注意点等を話していただきました。お話の中では、設置場所に関する話(木が近くにあるとそれが成長した場合に陰を作ってしまう恐れがある)等、実際に太陽光発電の施工業者として様々な現場へ携わったからこそ分かる話を聞くことができ、自然エネルギー事業に関心のある参加者の方々にはとても興味深い話だったのではないかと思います。

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「想い」を形にする難しさ・・・

次に自然エネルギー学校・京都の修了生でもある清水さんからはサークルおてんとさん、一般社団法人地域未来エネルギー奈良における市民共同発電所の資金調達から運営に至るまでの実際の経験よりお話をいただきました。

市民共同発電所の実施に関しては資金の調達が大きな課題となります。実際に苦労されたお話やそれを乗り越えた方法(SNSを使った情報発信や信頼性の高い団体への協力要請等)を共有していただき、参加者の方々にはとても参考となるお話だったと思います。

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組織づくりって、どうやるの?

どんな組織づくりをするか?実際に現場で活躍されているお二人のお話を伺った後は、5つのグループに分かれて、市民共同発電所を設置する提案内容を考えるグループワークを行いました。

グループワークを開始する前に田浦事務局長から市民共同発電所を運営する組織の種類や特徴、事業スキームの種類等、提案内容を検討する際の情報共有を行い、その後、各グループで提案内容を考えてもらいました。

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みんなでプランを立ててみよう!

各グループ、資金の調達方法の検討や発電量の推計等、限られた時間の中で活発な議論を行っていました。議論の後、まとめられた提案内容はそれぞれのグループが発表し、その内容を共有しました。

サッカーの観戦チケットの上に少額を上乗せし、そこから発電設備の設置資金を得るといったユニークな資金調達方法など、それぞれのグループが特色のある提案がされました。

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自然エネルギー学校に参加してみて

私は以前から地域主導型の再生可能エネルギー事業に関心を持っていましたが、今回、現場で仕事や活動をされている方々のお話を聞くことができ、今まで情報として持っていた知識が少し具体的になったような気がします。

私は自身の研究として市民共同発電所について勉強していますが、参加者の方々のように実際に取り組むことを検討されている方にとって、この自然エネルギー学校の場は専門家や経験者の声を聞く機会として、またネットワークを構築する機会として、とても貴重だと感じました。

今回参加してみて少し感じたことは、参加者の多くが40~60代の方々で私のような20代の姿が見えなかったということです。研究対象として再生可能エネルギーに興味を持っている学生は少なくないので、研究だけではなく、私たちももっと積極的にこのような場に参加していかなければならないですね。


当日は、本間さんの他、2人の学生ボランティアの方にサポートいただきました。いつもありがとうございます!