自然エネルギー学校・京都2014第2回に参加してみて

京都事務所の山本です。

自然エネルギー学校・京都2014は今年も順調に進んでおります。
先日、9月20日に開催しました、第2回について、ボランティアとしてサポートしてくれている、本間さんが報告記事を書いてくれました!


 

こんにちは!私、ボランティアとして気候ネットワーク京都事務所に関わらせていただいている本間と申します。

先日、第2回の自然エネルギー学校・京都2014に参加させていただいたので、そのご報告をしようと思います。

 自然エネルギー学校とは?

自然エネルギー学校は、専門家・研究者による座学から、参加・体験型のワークショップや視察までを通して、市民共同発電所の計画づくりや体制作りについて、実践的に学ぶことができるプログラムです。1990年より気候ネットワークのほか、NPO法人環境市民、ワーカーズコープ・エコテックとの協働事業として、この「自然エネルギー学校・京都」を開催してきました。

自然エネルギー学校については8月の山本さん(京都事務所)の記事(https://www.kikonet.org/kiko-blog/2014-08-05/53)にも少し書かれているので、興味のある方はご覧ください。

市民共同発電所の最前線は?

第2回は「市民がつくる太陽光市民・地域共同発電所」ということで、ワーカーズコープ・エコテックの林敏秋さんと一般社団法人地域未来エネルギー奈良の清水順子さんよりお話をいただき、その後グループワークを行いました。

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拡がる太陽光発電 その注意点は?

まず林さんより、太陽光発電の種類や変換効率の違いといった技術的な話や太陽光を設置する際の注意点等を話していただきました。お話の中では、設置場所に関する話(木が近くにあるとそれが成長した場合に陰を作ってしまう恐れがある)等、実際に太陽光発電の施工業者として様々な現場へ携わったからこそ分かる話を聞くことができ、自然エネルギー事業に関心のある参加者の方々にはとても興味深い話だったのではないかと思います。

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「想い」を形にする難しさ・・・

次に自然エネルギー学校・京都の修了生でもある清水さんからはサークルおてんとさん、一般社団法人地域未来エネルギー奈良における市民共同発電所の資金調達から運営に至るまでの実際の経験よりお話をいただきました。

市民共同発電所の実施に関しては資金の調達が大きな課題となります。実際に苦労されたお話やそれを乗り越えた方法(SNSを使った情報発信や信頼性の高い団体への協力要請等)を共有していただき、参加者の方々にはとても参考となるお話だったと思います。

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組織づくりって、どうやるの?

どんな組織づくりをするか?実際に現場で活躍されているお二人のお話を伺った後は、5つのグループに分かれて、市民共同発電所を設置する提案内容を考えるグループワークを行いました。

グループワークを開始する前に田浦事務局長から市民共同発電所を運営する組織の種類や特徴、事業スキームの種類等、提案内容を検討する際の情報共有を行い、その後、各グループで提案内容を考えてもらいました。

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みんなでプランを立ててみよう!

各グループ、資金の調達方法の検討や発電量の推計等、限られた時間の中で活発な議論を行っていました。議論の後、まとめられた提案内容はそれぞれのグループが発表し、その内容を共有しました。

サッカーの観戦チケットの上に少額を上乗せし、そこから発電設備の設置資金を得るといったユニークな資金調達方法など、それぞれのグループが特色のある提案がされました。

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自然エネルギー学校に参加してみて

私は以前から地域主導型の再生可能エネルギー事業に関心を持っていましたが、今回、現場で仕事や活動をされている方々のお話を聞くことができ、今まで情報として持っていた知識が少し具体的になったような気がします。

私は自身の研究として市民共同発電所について勉強していますが、参加者の方々のように実際に取り組むことを検討されている方にとって、この自然エネルギー学校の場は専門家や経験者の声を聞く機会として、またネットワークを構築する機会として、とても貴重だと感じました。

今回参加してみて少し感じたことは、参加者の多くが40~60代の方々で私のような20代の姿が見えなかったということです。研究対象として再生可能エネルギーに興味を持っている学生は少なくないので、研究だけではなく、私たちももっと積極的にこのような場に参加していかなければならないですね。


当日は、本間さんの他、2人の学生ボランティアの方にサポートいただきました。いつもありがとうございます!

特別シンポジウム「温暖化防止の新枠組み合意のための日本の新目標」開催報告

京都事務所の伊与田です。

9月23日にニューヨークで開催された国連気候サミットは日本のメディアでもけっこうニュースになってましたね。世界は、2015年の国連交渉会議(COP21・パリ会議)での合意に向けて盛り上がっています…!

特別シンポジウム「温暖化防止の新枠組み合意のための日本の新目標」

さて、この国連気候サミットの前、9月12日に、東京でシンポジウムを開催しました。気候変動交渉のこれまでとこれから、温室効果ガス排出削減目標のNGO提案などについて発表があり、質疑応答・ディスカッションが行われました。

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会場はここ!東京・永田町の参議院議員会館

大盛況!?立ち見も出てしまいました…

シンポジウムの広報を始めたのが直前だったにも関わらず、150人近くの参加がありました。申し訳ないことに、一部では立ち見もでてしまいました(スタッフも3時間立ちっぱなしでした…)。「最近はあんまり温暖化って話題にならないなー」という人もいますが、実は関心を持っている方もたくさんいらっしゃるんですね!

特別シンポジウム「温暖化防止の新枠組み合意のための日本の新目標」
特別シンポジウム「温暖化防止の新枠組み合意のための日本の新目標」

シンポジウムのようすはこちらからご覧ください!(YouTube)

これまでの国際交渉の経緯~2015年までに新しい枠組みの合意をめざすことに

まず、気候ネットワークの平田仁子さんから、交渉のこれまでについて発表がありました。京都議定書第1約束期間(2008~2012年)の後の国際枠組みについて、2009年のコペンハーゲン会議(COP15)での合意が求められていましたが、すっきりいかず。現在はADP(ダーバン・プラットフォーム特別作業部会)に交渉の場が一本化され、2015年までに新しい国際枠組みについて合意しようとしています。

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平田さん発表資料より

今後の交渉の見通しは?日本政府の「目標」は?

次に、外務省の中野潤也さんより、今後の交渉の見通しや日本政府の立場についてお話いただきました。注目度も重要度も高い温室効果ガス排出削減目標の今後については次のような説明がありました。

  • 2015年に新たな国際枠組みをつくるにあたって、各国が削減目標案をつくり、準備ができる国は2015年3月までに提出することが決まっている。
  • 各国が出した削減目標案をベースにCOP21・パリ会議で新しい削減目標をつくるということになっている。
  • 日本政府の削減目標案をどうするかについては、検討中。
中野さん資料より
中野さん資料より

また、中野さんは、個人的な見解として、「日本では原発が稼働していないために、EUに肩を並べるような野心的な目標を出すのはなかなか難しいのではないか」とも話しておられました。「日本はこのような状況だから何もしなくていいわけではなく、日本がこれまでやってきた支援や、できることを交渉テーブルに載せていく」とのこと。

NGOが提案する温室効果ガス排出削減目標は「40~50%削減」

最後に、WWFジャパンの山岸尚之さんより、環境NGOが提案する日本の排出削減目標について提言が発表されました。

温室効果ガス排出量を、2030年までに1990年比で40~50%削減する
山岸さんの発表資料より

もちろん、この目標はこのまま放っておいて達成できるような目標ではないでしょう。再生可能エネルギー・省エネルギーの目標・政策の強化、脱化石燃料(特に脱石炭!)、脱原発と温暖化対策の両立などを進めることが大切、ということでした。

「2℃未満」のために必要な目標

このNGO提案、いかがでしょうか?たぶん、「こんな高い目標なんか無理やろー」と思った方もいらっしゃるんじゃないかと思います(逆に、「NGOにしては”ゆるい”数字だなー」と思った人もいるかも!?)。

国際的には、地球平均気温上昇を産業革命時から2℃未満に抑えることをめざそうというコンセンサスがあります。そのために世界全体で必要な排出削減と、衡平性、日本の排出削減ポテンシャルの3つの観点からは、少なくともこれくらいの目標案を掲げるべきだと思います(日本には温暖化対策の責任も能力もある!)。

従来日本では、「(現状をベースラインとして)今後どれくらい減らせるか?」という、排出削減ポテンシャルの議論が中心になりがちでした。しかし、「2℃未満」のためには、世界全体でどれくらい削減すべきか?が重要です。また、そこに日本がどれくらい貢献すべきか?といった発想も重要です。

そこで、今回のNGO提案は、世界的に考えて、日本にどんな目標が求められるのかを検討しつつ、達成可能性についても各種研究を踏まえた数値として、「40~50%」を出したということです。

詳細は、ペーパー「2030年に向けた日本の気候目標への提言」を読んでいただければと思います!

日本で気候変動問題に取り組むNGOのネットワーク”CAN-Japan”

なお、このNGO提案をまとめ、シンポジウムを主催したのは、”Climate Action Network Japan (CAN-Japan)”です。CAN-Japanとは、気候変動問題に取り組む、90カ国以上・900の環境NGOからなる国際ネットワーク組織Climate Action Network (CAN)の日本拠点のことです。日本で気候変動問題に取り組むNGO・11団体からなり、気候ネットワークもメンバーになっています。

CAN-Japanは、世界中のCANのネットワークと連携し、国連気候変動交渉の前進や、日本の気候変動対策の強化のために、国内で独自の活動も展開しています(CAN-Japanのウェブサイトはこちら!)。

CAN-Japan-logo
CAN-Japan

CAN-Japanも気候ネットワークも、危険な気候変動を止めるため、国際合意を実現させるために、これからも頑張ります!

 

気候ネットワークのインターンを終えて

気候ネットワーク東京事務所で2ヶ月半ほどインターンとしてお世話になりました桑田です。気候ネットワークはアットホームな暖かい職場で、インターシップを経験するには最高な場所でした。

日本の環境政策を垣間見た、インターンの夏

思い返せば、様々な活動に携わることができました:国連気候変動ボン会議報告会、元米国環境保護庁ブルース・バックハイト氏と環境団体シエラクラブのニコール・ギオ氏による講演会など、日本の環境政策の現状や直面する問題の云々が垣間見えた夏だった気がします。

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暑い夏の”熱くない”政策議論…

特に印象的だったのは、省エネルギー小委員会などでの傍聴です。日本の夏は大変暑い日もありましたが、これらの委員会で行われた議論はあまり熱くなかったように思えます。「日本は今後も高効率な火力発電をもっと積極的に輸出すべき」と発言する委員もいました。このような、非常に残念な光景を何度か目の当たりにしてしまいましたが、これが日本の現状なのかもしれません。しかしながら、日本の実情を少しでも観られたのは、自分にとっては大変大きかったです。

イギリスの大学院にて~インターンの経験が活きる~

僕は現在、イギリスの大学院に通っています。最近新学期が始まったばかりですが、さっそく日本の気候変動対策や環境政策を説明しなければならない場面がありました。気候ネットワークでのインターンの経験が早くも生きた瞬間です。

また僕のクラスメイトは全員、職務経験、インターン若しくはボランティアの経験があります。そして授業では自分の経験を元に議論を展開するので、もし何らかの経験をしていないと授業についていけません。よって、海外の大学・大学院に留学することを考えている方は是非インターシップすることをお勧めしたい。

インターンシップは自分を理解するチャンスでもある

前に、環境政策における日本の現状を多少知ることができたと言いましたが、インターンシップは自分を理解するという点においても有意義であると考えます。自分の弱点や欠点、あるいは社会人として足りない部分を知ることができます。逆に、今まで自分でも気づかなかった得意分野を見出すことができるかもしれません。このように、インターンシップは必ず自分の「成長」につながるのです。

地球温暖化や気候変動に興味がある方、気候ネットワークで是非インターンシップを。

インドネシアから4名が来日~日本からもバタン石炭火力発電所にNOを!~

こんにちは、東京事務所の江刺家です。

 アメリカをはじめとする各国や国際金融機関がつぎつぎと石炭への融資停止を決めていますが、JBIC(国際協力銀行)は依然としてその流れにのる気配はありません。

 JBICが融資を検討している案件の1つが、インドネシア・バタンの石炭火力発電所。9/8(月)には、建設予定地の村に住む農民の方やNGOなどから計4名が来日し、セミナーを開催して計画中止を訴えました。

バタン石炭火力発電所と日本のかかわり

 中部ジャワ州にあるバタン県では、東南アジア最大となる200万kW(100万kW×2基)の石炭火力発電所を建てることが計画されています。発電した電気は、25年間にわたってインドネシア国有電力会社(PLN)が買い取る予定です。

 事業を行うのはビマセナ・パワー・インドネシア社(BPI)。これはJ-POWERと伊藤忠商事、現地企業であるアダロ・パワーが共同で設立した会社で、事業費は4,000億円以上(出資約1,300億円、融資約2,700億円)と見込まれています。JBICは、融資額のうちの約6割の融資を検討しています。

 安倍首相は2013年のAPEC・CEOサミットにおけるスピーチでこの事業について触れ、続く12月のインドネシア大統領との会談でも取り上げるなど、重要な事業と位置づけています。

 このように官民ともに関わり、日本との関係がとても深い事業です。

 当初の計画では、2012年10月に着工し、2016年から17年にかけて2機が稼動を開始する予定でしたが、まだ着工にいたっていません。大統領令によって2012年10月までに融資調達をしなければならなかったのですが、住民の反対運動を受けて土地収用が進まず、これまでに2度も期限が延長されたためです。今月6日には、3度目となる期限を迎えます。

生活、人権、気候変動―人々が「NO!」をさけぶ理由

このバタン発電所、なぜ人々は反対を訴えているのでしょうか?

住民の生活を破壊

 建設予定地は水が豊かで、一面に広がる田んぼでは年に3回収穫ができる生産性の高い肥沃な土地です(現地の風景は、YouTubeの16:05頃から見られます)。水田からの収穫高は7~8トン/haと、全国平均の約5.1トン/haを大きく上回ります。漁獲高が高く水産資源に恵まれた場所でもあります。

 しかし、石炭火力発電所を建設すれば、この豊かな大地と漁場を破壊し、3,000人の農民と10,000人の漁民が生計手段を奪われます。住民の多くは高等教育をうけていないため、別の仕事につくのは難しい状況です。

 さらに、発電所からは年間226kgの水銀に加え、SOx、NOx、PMも大量に排出されるとみられ、健康への影響も懸念されています。

 人権侵害

 反対派の住民に対する嫌がらせや脅迫が横行し、不安な生活を余儀なくされています。住民が集会をするときには常に軍や警察の監視下に置かれ、ある時には警察・軍から約1600名が来たほど。また、「賛成派住民に暴力をふるった」といわれのない罪に問われ、反対派住民が逮捕される事態にいたっています。

 気候変動への悪影響

 バタン石炭火力発電所が運転を開始すれば、年間1,080万トンのCO2を排出すると見られ、気候変動への悪影響は免れません。インドネシアは気候変動の影響に対して非常に脆弱な国で、雨季の洪水、乾季の干ばつなどが深刻になれば、インドネシアの貧困を加速化させることにもつながります。

検察庁前での抗議行動(2014年5月6日 地元住民撮影)
検察庁前での抗議行動(2014年5月6日 地元住民撮影)

 環境と人々を守るためのガイドラインでは?

 JBICは、「環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドライン」を定めています。これは、自然環境や、人権の尊重などの社会的な側面への配慮に関して、事業にもとめられる要件を記したものです。融資するか決める前に、JBICは要件が満たされているかをチェックします。

 要件には、事業実施地の政府(地方政府を含む)が定める環境配慮に関する法律や基準をまもることがあります。しかし、バタン発電所の建設作業の一部は、保護区に指定されている海上で行われ、これは中部ジャワ州規則第6号に違反します。

 また、社会的に適切な方法で国や地域の合意が得られていることが要件の1つですが、2年以上に渡って7,000人以上の村人による反対運動が続き、今もなお土地の売却を拒む人々がいる状況を前にして、社会的な合意を得ていると言えないでしょう。

 石炭火力発電は歓迎されている?

 バタンの方々が建設計画中止を訴えたのと全く同じ時期(9/8~10)に、東京で「2014クリーン・コール・デー石炭利用国際会議」が開かれました。

 これは、9/5が、「ク(9)リーンコ(5)ール」の日(かなり無理やり…)であることにからめて毎年開かれているもので、世界各国から石炭に関わる研究者、政府関係者、事業者などが集い、“クリーン・コール”に関する講演のほか、発電所の見学ツアーなどが行われます。

 その中で、インドネシア国有電力会社(PLN)のパネリストは、インドネシアは現在5000万人が電気にアクセスできず、全国民が電気を使えるようにすることが必要と強調。そして住民は電気を求めているため石炭火力発電所は歓迎され、反対運動は起きていないという旨の発言がありました。

 しかし実際には、バタンでは2年以上にわたる強い反対運動が続いています。バタンの人々が求めているのは、石炭から作られた電気ではありません。来日したメンバーの一人、Greenpeace Indonesiaのアリフ・フィヤントさんは、危険で汚い石炭ではなく、環境にやさしい再生可能エネルギーに投資してほしいと訴えています。

 住民の訴えを聞かないJBICと事業者、政府 日本からも反対の声を!

 来日にあたってJBICや伊藤忠、J-POWERと省庁(経産省、財務省)に面談を申しこみましたが、全て断られ、現地の声を直接聞いてもらうことができませんでした。

 これまでに建設予定地の80%が買収され、反対派の人々は残りの約20%を現地の人々は必死の思いで守っています。今回来た住民の一人、タリュンさんは、日本からも政府にプレッシャーをかけて事業中止を求めて欲しいと訴えます。

「今回の来日、デモ活動によって、インドネシアに戻ったらなんらかの脅迫を受けるだろう。そのリスクはわかっているが、覚悟を決めています。」

身の危険を侵してまでたたかうバタンの人々の声に、なんとか日本からも応えたいものです。

 9/8セミナー「インドネシア現地の声から日本の方針を問い直す ―バタン石炭火力発電所の問題点―」

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 報道

地球温暖化は「公害」か?~シロクマ訴訟の東京地裁判決~

こんにちは、東京事務所インターンの古川です。

近頃すっかり秋らしい気温になってきましたが、いかがお過ごしでしょうか。

シロクマ訴訟の判決

さて、9月10日に東京地裁である裁判の判決が出るという事で、裁判と弁護団の記者会見を傍聴させていただきました。

すでに新聞などでご存じの方もいらっしゃるでしょうが、この裁判は当初シロクマを原告に加えていたことから、「シロクマ訴訟」と呼ばれていたものです。

訴訟の簡単な経緯としては、原告たちが、電力会社等11社を相手にCO2排出削減を求めたところ、調停が却下されてしまったため、その判断の取消を求め、2012年に東京地裁へ訴えを提起したというものです。

裁判では、CO2は大気汚染物質にあたるか、地球温暖化による海水温の上昇は水質汚濁にあたるかを含めて地球温暖化は「公害」かが争われましたが、「地球温暖化は「公害」には当たらない」という判断が下りました。

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アメリカとの考えの違いが表れた判決

 弁護団の市野綾子弁護士(写真中央)、気候ネットワークの理事も務める和田重太弁護士(写真左から2人目)は同日行なわれた記者会見で、現在「公害」については人体に直接被害を及ぼすものと考えられているが、CO2は大気中に蓄積する事で間接的に害を及ぼすものであるという違いがあるとしながらも、温暖化対策には先手を打った対策が必要であると説明していました。

和田重太弁護士は、アメリカの連邦最高裁判所で2007年に新車の排気に対してCO2を大気汚染物質であると認定した判例についても記者会見で説明を行いました。アメリカと日本の考え方の違いはどこから来るのでしょうか。

シロクマ訴訟の判決日の記者会見の様子 2014年9月10日

知っているようで実はよく知らない温暖化の話。

 今回の裁判と記者会見の傍聴を通して強く感じたことは、状況の変化に応じて柔軟に対応していく事が必要なのではないかということです。

温暖化は短期的な問題ではなく、私たちの将来世代にも関係してくる長期的な問題であるという事がよく言われています。

弁護団の方や、気候ネットワークの方の話を聞いて、私も最新の情報に目を向けながら真剣に考えていかなければならないと思いました。

 

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応援しよう!脱原発のゆるキャラ・「ゼロノミクマ」

京都事務所インターンの石田です。

原発は発電時にCO2を排出しない電源だと言われますが、温暖化対策にはなりません…というのは、先日のブログ記事「イベント報告「地球温暖化のために原発再稼働!?~原子力ムラのウソをあばく~」」にもある通りです。

私たちは、地球温暖化防止も脱原発も両立させていきたいと思っています。

脱原発のゆるキャラ「ゼロノミクマ」

そこで、今回皆さんにご紹介したいのが…

脱原発キャラクター!「ゼロノミクマ」です!!

似顔絵かいてみました!
似顔絵かいてみました!

 

かわいい緑のくまちゃんで、原発ゼロノミクスキャンペーン公式キャラクターだそうです!

ゼロノミクマの公式ブログによると、原発をゼロにする為に全国をかけまわってる とか!

なんて頼もしいくまちゃんなんでしょう!

 ゼロノミクマを応援中!

実は私たち、今、この「ゼロノミクマ」を応援中なんです!

どういうことかというと、この「ゼロノミクマ」は、なんと今年のゆるキャラグランプリに出場中なのです!

ゆるキャラグランプリは、ご存知でしょうか?ひこにゃんやくまモンなど、これまでに栄光を掴んだキャラクターたちは、ものすごい実績を生み出しています!

 

「ゼロノミクマ」が人気になることで、

普段関心がなくてもたくさんの人が脱原発に注目してくれるのではないか!

そう考えています!

地球温暖化防止のキャラクター・シロベエともお友達!

「ゼロノミクマ」、是非、ゆるキャラグランプリで投票してあげてください!

 

ゆるキャラグランプリのホームページより、IDを取得すれば、毎日投票できます!ゼロノミクマの紹介ページも要チェックです!

アイスバケツチャレンジとALSと須田さん

東京事務所の桃井です。

アイスバケツチャレンジがブーム

この夏、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の撲滅と寄付を訴え、有名人が次々と氷水をかぶるパフォーマンス「アイスバケツチャレンジ」がネットでの映像などを通じて話題になりました。いろいろな賛否が出る中で、そろそろブームも収束しつつありますが、このキャンペーンでALSという難病について世界中に知れ渡り、多額の寄付が集まったという点で成功だったと言えるのではないでしょうか。そんなキャンペーンのブームに乗じて、今回は書き留めておきたいことがあります。

ALSと須田さん

実は、気候ネットワーク副理事長の須田春海さんが、2009年にこのALSを発症し、現在、東京都内のご自宅でこの病気と闘っています。私は須田さんがこの病気にかかるまで、ほとんど病気のことは知りませんでした(ホーキング博士と同じ病気と言われて、「ああ、あの筋肉が固まってしまう病気か」とわかる程度でした)。ALSは筋肉が萎縮してだんだんと体の自由がきかなくなっていく神経系の難病で、治療法が確立していません。今、須田さんはすでに体のほとんどの部分を自分の意志で動かすことができず、喉を切開して人工呼吸器をとりつけ、筋肉が硬直していく恐怖と戦いながら毎日を過ごしておられます。

そのような中で、須田さんは、ほぼ毎日、共通のMLやブログなどでご家族やヘルパーさんの介助のもとにメッセージを発信されていますが、その内容は現政権に対しての危機感を中心に、中には気候変動問題などを憂うものもあります。体の自由がまったくきかない中で、一言発信することがどれほど大変なことか私たちの想像をはるかに超えるものだと思いますが、逆にその言葉に込められたメッセージの重さにも感じるのです。

気候ネットワークと須田春海さん

もともと、京都が本拠地である気候ネットワークに東京の事務所があるのは須田さんが主宰されていた市民運動全国センター(センター)に、気候ネットワーク前身の気候フォーラムの時代から東京オフィスを構えたのがきっかけです。センターには、今も10数団体にもわたる様々な市民団体がオフィスを構えており、そのほとんどの団体は設立で須田さんが関わった団体です。

私自身、気候ネットワークのスタッフになったのは2008年からですが、それ以前から(大学生の頃から)様々な団体に関わる中で、いずれの活動においても須田さんは重要なアドバイザーでした。様々な政治の情勢などを分析し、今何をすべきかを実に的確なアドバイスを投げてくれます。

”気候災害被害者のネットワークを”

 須田さんが数年前から気候ネットワークに投げかけられていたことの一つに、気候災害による被害者の全国ネットワークを作ったらどうかということがありました。

確かに今、夏の高温化による熱中症患者の増加、集中豪雨やゲリラ豪雨、大型台風などによる暴風・暴雨による災害、突風や雹など極端現象による被害、つい最近ではデング熱の感染など、かつてから温暖化のリスクとして呼びかけられていたことが現実のものになってきています。すでに多くの人が気候変動のリスクにさらされ、そのリスクは今後ますます高まってくるでしょう。単なる自然災害ということではなく、人間が排出した温室効果ガスが原因でこうした災害が巨大化しているわけで、気候変動の被害を受けているということの認識を持つためにも、”被害者”のネットワークを構築することは必要かもしれません。

つい先日の広島での土砂崩れで大きな被害があったときにも、須田さんは「異常気象、広島だけではない」と打ち込まれていました。気候変動の被害が具体的に顕在化してくることで、ダム・堤防・防波堤などの土木工事など含む適応策への要求が高まってくるのではないかと思いますが、一方で、温室効果ガスの排出を削減するという根本的な対策がままならないことについて国民的な議論をしていく必要があるでしょう。須田さんのご示唆を頭におきつつ、気候ネットワークとして何ができるのかを改めて考えていきたいと思っています。

 

野党エネルギー政策実務者会議に参加して

こんにちは、東京事務所インターンの三笠です。

去る8月28日に衆議院議員会館にて第三回野党エネルギー政策実務者会議が開催され、私も傍聴で参加することができました。

この会議は、野党各党のエネルギー担当議員が集まり、各党の共通項を見出し、提言をまとめていくために開催されているとのことです。民主党国会対策副委員長の田嶋要議員、日本共産党原発・エネルギー問題対策委員会責任者の笠井亮議員、結いの党政策調査会長代理の小池政就議員、社民党副党首の福島みずほ議員らが出席されていました。

今回、はじめての外部ゲストとして気候ネットワークが招かれ、理事の平田仁子さんから「忘れ去られた気候変動(地球温暖化)問題」と題して、脱原発と地球温暖化対策との両立を含めた今後のエネルギー政策の在り方について発表されました。そして、その内容に基づき議論が交わされていましたのでご報告したいと思います。

気候変動対策とその遅れについて

冒頭、各出席者から挨拶があった後、平田さんから現在の気候変動対策の内容及び問題点について報告がありました。

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「忘れられた気候変動問題」とのタイトルからもわかるように、現在当面のCO2削減目標は掲げられておらず、地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)に基づく地球温暖化対策計画も未だ作成されておらず、気候変動(地球温暖化)対策として企業や個人が取り組む制度的枠組みが存在しないとのことです。

そして、3・11後の今、「原発を再稼働しない場合に被る経済的ダメージは甚大」「原発停止による化石燃料調達費増加額は3兆円」「石炭は低コスト化石燃料」「再生エネルギー投資はコストパフォーマンスが悪い」等の誤った言説があり、それが気候変動対策について新たな視点を取り入れる際の障害となっているようです。

気候変動が進行するにつれて、海面上昇による沿岸部での高潮被害、熱波による都市部での疫病蔓延、気温上昇と干ばつによる食料の世界規模での争奪、水資源不足と農業生産減少による農村部への経済的打撃、気温上昇による沿岸海域における海洋生態系の損失等のリスクが顕在化してくるため、気候変動対策は喫緊の課題と言えます。

どれもわたしたちの生活に密接に関連してくる問題なので、興味がないとか知らないではすまされない重要な問題だと思いました。

脱原発と地球温暖化対策の両立について

原発は気候変動対策の一環として推進されてきた側面があります。京都議定書目標達成計画(2008年3月改正)の中で、「発電過程で二酸化炭素を排出しない原子力発電については、地球温暖化対策推進の上で極めて重要な位置を占めるものである。」とされ、原発はCO2削減に寄与する発電設備と位置付けられています。

しかし、以下のデータが示す通り原発設備容量とCO2排出量は正の相関関係(下図参照)にあり、原発推進→CO2削減→地球温暖化対策との因果関係が存在すると考えるのは早計です。

これまで原発でCO2は減っていない
平田さんプレゼン資料より

 

むしろ、原発に依存する政策こそが気候変動対策を遅らせる主たる原因となっているのが現状です。つまり、原発を推進することにより再生可能エネルギーの促進や省エネ対策は限定的なものとなっているのです。

原発依存から脱却し、気候変動対策をすすめていくことが肝心であるにもかかわらず、政府は気候変動対策を目的に原発を推進しています。これは循環論法であるとともに、気候変動対策を原発再稼働の口実にしているにすぎません。

石炭火力発電の問題点

気候変動対策として避けて通れないのは石炭火力発電問題です。なぜなら、石炭火力発電は天然ガス発電と比較してCO2排出量が約2倍もあるからです。

電源別CO2排出量
平田さん資料より

 

 それにもかかわらず、電力会社は石炭火力発電を推進すべく火力電源の入札募集数を増加させています。

電力会社の電源入札一覧
電力会社の電源入札一覧(2014年8月現在)、平田さん資料より

 

 石炭火力発電を推進した場合、長期にわたる大量のCO2排出を固定することとなります。その結果2050年に温室効果ガス80%削減目標(閣議決定)達成が困難となります。

石炭火力発電を推進することは大量のCO2を排出することから気候変動対策として望ましくありません。アメリカではオバマ大統領が国内の既存・新規の石炭火力発電所のCO2規制及び石炭火力の諸外国への輸出停止を決定しています。北欧5か国、イギリス、オランダも同様の方針を決定しています。

日本の石炭火力発電の推進政策は先進国の中でも特異なケースで世界の潮流に逆行しているといえます。

鋭い質疑応答にも。

報告終了後、平田さんは出席各議員からの質問を受けて気候ネットワークとしての立場からの意見を理路整然と回答していました。

ドイツが脱原発を宣言したにもかかわらず石炭火力発電を推進していることなども話題になりました。ドイツは産炭国であることから石炭資源が豊富であることも関係しているようです。これに対して、平田さんはドイツではCO2を40%削減するという目標も下げていないことや、市民運動が非常に盛り上がり、気候変動問題に対しての意識も変わっていないことなどを指摘していました。

国会議員からの鋭く、かつ、厳しい質問に対して的確に回答している平田さんをみて、平田さんの環境問題に対する知識、見識の深さを実感しました。

 

 

 

 

 

夏休み!親子向けの環境教育プログラム~フードマイレージゲーム~

気候ネットワークインターンの金設賀です。

8月7日、伏見総合庁舎でフードマイレージのゲームが開かれました

 8月7日の親子エコライフチャレンジは、伏見総合庁舎の1階のホールで、フードマイレージについて調べる「たべものの住所」というゲームでした。

 プログラムの前には、参加した家族に家庭に関するエコライフチェックを行い、帰るときに調査結果を知らせ、省エネの意識を高めてもらいました。

フードマイレージゲームとは?

 ゲームは昔と現在の2チームにわかれて、当時の家族になったという設定で、今日の晩ごはんの買い物をしてもらうことでした。様々な食材料のカードを机の上に並べ、家族ごとに食材料を選んでもらう形でした。

 実は、このゲームは、子どもたちに二酸化炭素の排出量の深刻さを体感的にわかってもらうゲームです。選んだカードの後ろに二酸化炭素排出量の星がついていて、海外から輸入された食材料と買い物する時に使う交通手段によって、より二酸化炭素が排出されることがわかります。

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選択した食材料の原産地を探している様子

 その中で、子どもたちは、昔と今で日本の交通環境が変わったことなどについても、自然に学べました。

子どもたちがナチュラルに環境意識を持つように

 このゲームを通じて子どもたちは、「今度から買い物する時に、自転車や歩いていける距離で買い物に行き、できるだけ国産のものを選ぶ」との感想を言ってくれました。

 午前にはゲームの手伝いをして、午後は自らが参加して子供の目線になってフードマイレージのゲームをしましたが、今回のゲームは子供の目線で、楽しく環境にやさしい方法を知ることができたと思いました。

たのしく環境について学べるチャンス

 私の子供の頃には、学校の授業以外に、他のところから、環境について楽しく学べる機会がなかったです。また、学ぶ手段も、教科書しかなかったので、環境にやさしくする重要性などについて楽しく考える機会がなかったです。

 そのため、今回の取り組みを通じて、もし、子どもたちがこのような機会に接することが増えたら、子どもたちが成長していく中で、環境へ配慮できる子がより多くなるだろうと思いました。

 この活動を通じて、エコに関する勉強が本当にたくさんできました。親子エコライフチャレンジに参加して、子どもたちにエコに関することを教えることを見ながら、日々自分もエコの実践をしなければならないと感じました。まだまだ知らないことがたくさんあるので、気候ネットワークのボランティアや勉強会に参加してもっと色々学びたいと思っています。

夏休み!親子向けの環境教育プログラム~家電製品の電力消費を調べる~

 こんにちは。韓国から参りました。金設賀と申します。日本の地球温暖化防止活動について知るために、気候ネットワークにインターン生として参加しました。

 現在は、立命館の産業社会学部に留学生として通いながら、多くの日本人と外国人の友達に出会いながら勉強しています。卒業後も日本で、就職したいと思っています。

今回気候ネットワークの夏休み期間を利用した、親子向けの環境教育プログラム実施に2日間にわたって関わりました。その様子を、2回に分けて活動報告をします。

家電製品を調べ、電気の節約について考える

 8月5日、洛西総合庁舎で小学生を含んだ家族を対象としたエコライフチャレンジの夏休み特別イベントが行われ、そこへお手伝いとして参加しました。

総参加下家族は午前1チーム、午後2チームでした。

 プログラムが行われる前、各家族に、エコライフチェックシートを配り、一ヶ月電気使用量などを聞いて各家族が、どのぐらいエコライフをおくれているのかを診断し、電気節約の意識を高めてもらいました。

子どもたちの興味を引き出す

 プログラムの内容は、まず、夜に地球の外から見た世界地図と東京と大阪の様子を見せることで、電気(照明)に対する子どもたちの興味を引き出しました。その後、子どもたちに電気がどこからくるのかをわかりやすく知ってもらうため、今住んでいる関西地方の地図を広げ、子どもたちが直接、自分の家と原発や水力発電所などのアイコンを置いてもらうというゲームなどで、実際使っている電気の流れについて学習しました。

実際に使っている家電製品の電力使用量に驚き!

その後、身近な家電製品を並べ、電力使用量について皆で一緒に測ってもらいました。ドライヤーや携帯の充電器やアイロンなどの電力使用量について電力使用量測定器や、サーモメーターを使って測っていく中で、皆は、これだけ電力を使うんだと驚きの反応を見せていました。

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白熱電球と省エネ電球比較器と電力使用量測定器

 

 子どもたちは、自分たちが住んでいる場所の地図を使ったゲームや、実際に使っている家電製品の電力使用量を測ってもらうことで、幼いうちから、省エネの感覚を自然に身に付けることができたと思いました。また、このプログラムを参加することで、親や、家庭にも省エネへの関心を引き出すことができたことで、実際にこれから節電に取り組んでくれるのでは、と感じました。

第二回に続く!)

市民のチカラで、気候変動を止める。