【プレスリリース】

日本の大口排出源の温室効果ガス排出の実態
温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度による 2017年度データ分析
~約130事業所で日本の温室効果ガスの半分排出、対策の抜本強化なしに2030年46%削減不可能~

2021年5月14日
NPO法人 気候ネットワーク
代表 浅岡 美恵

 2021年3月16日、政府は、温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度により、2017年度の大口排出事業者の温室効果ガス排出量を公表した。

気候ネットワークで分析したところ、2017年度の日本の温室効果ガス排出量の50%を、130の発電所と工場で排出していることが判明した。130事業所の全てが電気業(発電所)、鉄鋼業、セメント製造業、化学工業、石油精製業、紙製造業の6業種である。また、78発電所の排出量が日本の排出の約3分の1を占め、その半分(日本全体の18%)が36の石炭火力発電所から排出された。

これら大口の対策は産業界の自主行動計画に任され、他の自主行動計画部分とあわせ、計画が達成されても2030年46%削減に必要な温室効果ガス排出総量を上回り、この抜本強化をしないと、たとえ中小企業や家庭が排出ゼロになっても2030年目標が達成できないことが明らかになった。

<概要>

日本の温室効果ガス排出量の半分はわずか約130事業所から

工場・オフィスなどのエネルギー起源CO2のうち直接排出分と他の温室効果ガス排出量を合わせ、排出量算定・報告・公表制度の対象となる約15000事業所、約500運輸事業者の全体の温室効果ガス排出量を求めた。2017年度は130事業所で日本全体の温室効果ガス排出量の半分、378事業所と18運輸事業者で排出の60%を占めた。

排出は特定6業種に集中

日本の温室効果ガス排出の半分を占める事業所は、今年度も電力(発電所)、鉄鋼業、化学工業、窯業土石、製油、製紙の6業種だけで占められた。2017年度は、全国78の火力発電所で32%、高炉製鉄所16事業所で12%(製鋼圧延業1事業所を含む)、化学・窯業土石・製油・製紙の36事業所であわせて6%を占めた。

火力発電所からの温室効果ガス排出量は全体の約3分の1

火力発電所は日本の温室効果ガス排出量の約3分の1を占める。石炭火力の排出が火力発電の半分以上を占める。石炭火力は発電全体の32.8%、火力の40%、天然ガス火力は発電全体の39.7%、火力の49%を占め、排出割合で比較すると石炭火力の全体の排出量が大きく、石炭火力を減らすことが温暖化対策の重点と言える。

レポートでは、大排出30事業所ワースト30や、日本経団連低炭素社会実行計画任せでは2030年46%削減は不可能であることを報告するとともに、今後の気候変動政策の在り方を改めて提言した。

プレスリリース本文

日本の温室効果ガス排出の実態 温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度による2017年度データ分析

データ分析レポート

日本の温室効果ガス排出の実態 温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度による2017年度データ分析(本文)

参考ページ

温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度による平成29(2017)年度温室効果ガス排出量の集計結果の公表について

これまで気候ネットワークによるデータ分析

温室効果ガス排出量の分析

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