KIKO NETWORK
テーマ別情報 theme
国際交渉 声明 「COP5を終えて リオ+10での発効を確実に」

1999年11月5日

気候変動枠組条約第5 回締約国会議(COP5)を終えて
リオ+10 での発効を確実に−求められる国内対策の見直し

気候ネットワ−ク
代表 浅岡美恵

 開幕初日にドイツのシュレーダー首相が、「リオ+10 の2002 年に発効させるべき」とスピーチし、ハイレベルセグメントでは、多数の国の大臣がこの発言に続いた。日本も「2002 年」という期限をスピーチに含め、COP5 で、締約国全体で京都議定書が2002 年のリオ+10 で発効しようという弾みがついたことは、COP6 に向けての大きなステップとなったといえる。しかし、COP6 で多くの議題を採択していくためには、確実に作業をこなしていかなければならず、予断を許さない状況である。

 オーストリア、デンマーク、ドイツ、ギリシャ、インドネシア、アイルランド、イタリア、ナウル、シンガポール、スウェーデン、ツバルの大臣が明確に原子力発電はプロジェクトの対象となり得ないと発表したことは、COP5において非常な重大な出来事である。今後の京都メカニズムの設計の際、十分に考慮されるべきである。

 COP5 の締めくくりとして、「ブエノスアイレス行動計画の実施」について、今後の交渉プロセスを強化するために必要なステップ、アレンジを取ることを要請するという内容の議長決議がまとめられた。日本は、COP6までの交渉をサポートするファシリテーターを指名するべき、という発効を実現するための積極的な提案をし、アメリカ、カナダを含む多くの国の支援を受けたが、更なる交渉プロセスを作ることへの中国、サウジアラビアなどの反対で、議長決議には反映されなかった。最終的に採択された議長決議は、非常に弱いものに止まったことは失望に値する。本来なら、ハイレベルセグメントでの積極的な大臣の発言を受けて、 COP6 でブエノスアイレス行動計画の完結を約束し、リオ+10 での発効を約束する大臣宣言をまとめることが必要であった。

 COP6 が2000 年に開催されること、その間3 回のSBI・SBSTA 会合を実施するというスケジュールが決まった。日本政府は、議長決議を受けて、COP6 で発効のための基盤を整えるために準備を早急に進め、法整備を進めなければならない。特に、以下の点について、日本政府は考慮する必要がある。

 現在の国内措置では、国内で批准が可能となる、6%の削減を実現する政策と措置を早急に再検討し、再構築すること。

 特に吸収源については、3.7%の吸収を見込むという目標を早急に見直さなければならない。3 条4項の森林の追加的人為的活動は第1 期約束期間には含めるべきではない。これを獲得するために交渉で吸収源の範囲の拡大を目指すことは、議定書の破滅を意味する。(日本は、第1 期約束期間にこの3 条4 項を含めることを固持している。これが意味することは京都議定書の破滅である。)

 京都メカニズム(排出量取引・共同実施・クリーン開発メカニズム)の今後の交渉では、遵守制度との関連で議論をし、抜け穴とならないような制度とするようこと。

HOME >> 活動紹介 >> 国際交渉 >> COP5


Copyright 2006 KIKO NETWORK. All Right Reserved.